こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリの人気ライター、トイアンナ・KEN・熊谷 真士が学生の悩みに答える「就活道場」。
今回のテーマはこちら。
中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
・トイアンナ:そんなことでヒビが入る交友関係なら、そもそも友人ではなかったのでしょう
・KEN:「何者でもなかった」時代の友達ほど、信頼できる存在はいないよ
・熊谷 真士:影響があるかもしれませんが、慌てることはありません
三者三様の答えをお楽しみください!
トイアンナ:そんなことでヒビが入る交友関係なら、そもそも友人ではなかったのでしょう
トイアンナ:
大学を卒業後、外資系企業にて約4年勤務。600人以上の人生相談を受けた実績を基に独立。現在はマーケター、ライターとして広く活動中。
中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
こんにちは、トイアンナです。私は大学卒業後のキャリアがすべて外資系、それも比較的出世が早いメーカー出身なので「中堅」といえば20代後半の社員を指す言葉でした。入社して3年もたつと「あと数年でマネージャーになれなきゃクビ」という責任感や焦りが出てきます。
その一方で、あまり同期や社外の交友関係には影響がありませんでした。というのも、入社して下記2点を学んだからです。
1. 自分の成果は、外部環境が8割
まず「出世が早い人間は優秀だからそうなったのだ」という認識の誤りです。
そもそも、自社が儲かるかどうかはほとんど自分たちでどうしようもない外部環境に左右されます。いくら売上を上げても為替変動で原料コストが爆上げして利益にならなかったり、突然の不景気で全部台無しになったりはザラ。体感で話しますが業績に繋がる因子の8割はコントロールできません。
そして、残りの2割は自分以外のチームメンバーが優秀だったから無理なスケジュールを超えて納品できた、あるいは自分が上司に気に入られていた……といった、これまた「能力」とあまり関係ない部分で決まります。私自身が上司のお気に入りとして優遇されていましたから、自信を持って言えます。
ですから、出世は能力では決まりませんし、それであまり交友関係にヒビが入ることもありません。それにもしそんなことでヒビが入る交友関係なら、そもそも友人ではなかったのでしょう。
2. 出世かヒラか、という2択ではない
さらに、年を重ねると「第3・第4の選択肢」を選ぶ友人が増えてきます。会社を退職して進学する、起業してIPOを目指す、地元の活性化のため帰郷、独立してフリーランスに、家庭へ専念……。どの選択肢も尊く、出世か否かという2択では割り切れないものです。
何があろうと最後に友情が残せるかはその人の性格しだい
むしろ、長期的に付き合える友人というのは「目の前のことを楽しめる」人ではないでしょうか。人生は波乱万丈で、たとえ会社に残ってもどん底に落ちることがあります。プライベートでも学生時代からの彼・彼女と別れたり、親がいきなり倒れて要介護になったりするかもしれません。
それを「よっしゃ、頑張るわ」と取り組める人、ポジティブな面を見つけてゆける人は何があっても人気者です。何があろうと最後に友情が残せるかはその人の性格しだい。何があろうとも日々人に尽くすことを忘れないでいたいなと、自戒を込めて思います。
あ、なんか仏教の説法っぽくなっちゃった。
KEN:「何者でもなかった」時代の友達ほど、信頼できる存在はいないよ
KEN:
1987年生まれ。本名北野唯我。事業会社、コンサルティングファーム出身。学生時代にボランティア団体を設立・プロボノ支援等のソーシャルセクターでの活動経験を持つ。
中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
「難しい」。
それがこの質問を見たときの感想ですが、その理由はシンプルで、そもそも自分が「友達が少ないタイプ」だからだと思います。いわゆる、「狭く深く付き合うタイプ」なので、変わるもなにも、ずっと「特定の友達とばかり会う」と自分の未来が想像できたからです。
では、そもそもなぜ、「僕は友達が少ないのだろうか?」と考えてみると、私が思うのは、人には「自分に合った、友達のタイプ」があるような気がします。自分の場合、その幅が狭いからだと思います。
友達というのは一般的には「何も目的がなくても、会える人」と表現されますが、それは嘘だと思います。友達の少ない私ですが、地元に20年来の幼馴染が2人ほどいます。地元に帰った際は、グダグダと話します。スマホのゲームをしたりします。一般的な意味での「生産性」はゼロです。
しかし、その実、私はグダグダと話すことや、スマホゲームという何も生み出さない行為をすることで「自分の存在」を確かめているように感じます。20年も一緒に生きてきたという時間を再確認し、「ここが自分の原点である」というような、ノスタルジックな感覚を覚えているのだと思います。もう少し簡単にいうと、「安心感を覚える」というのでしょうか。
「何者でもなかった」時代の友達ほど、信頼できる存在はいない
これは自分にとって友達は「出生を共有できている=信頼できる」と無意識に感じているということだと思います。出世したり、有名企業に入ったり、起業して大成功を収めると途端に「友達を名乗る人」が多くなるといいますが、それは「自分自身を見てくれている人」ではなくて、「肩書きを見ている人」であって、心から信頼をおける人物、とはならないのかもしれません。
話を戻しますと、上述のように、友達には「タイプ」があるかと思いますが、簡単に思いつく限りでも、
1. 出生を共有できる友達(幼馴染など)
2. 目的を共有している友達(趣味や、職場の仲間など)
3. 今、時間をたくさん共有できる友達(ママ友、飲み友など)
4. 生理的に好きな友達(なぜか会うだけで嬉しくなる人など)
などがあるかと思います。歳を取ると多くの人は家庭を持ち始めますから、次第に「ママ友」などと時間を共有する時間が増えてくるでしょう。そうすると、これまで同じカテゴリーにいた「飲み仲間」だった友達との時間は減ってくる。同じカテゴリー内での友達の時間配分が行われる。こういう構造かと思います。
一方で趣味があれば、「趣味で繋がる友達」は変わりませんし、生理的に好きな人も変わらない。
そしてもっと変わらないのは、自分が「何者でもなかった時代」に出会った友達だと思います。したがって質問に対する答えとしては「本質的な部分は、思っているほど変わらない」ということだと思います。
熊谷 真士:影響があるかもしれませんが、慌てることはありません
熊谷 真士:
京都大学→総合商社→ヘッジファンド/ライター。ブログ「もはや日記とかそういう次元ではない」を運営。
中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
“出世する・しない”、は“交友関係”にどのような影響を与えるか、という今回のご質問。
出世が出来るかどうかによって、元はただの仲良しだった同期とライバル関係になったり、自分だけ出世することで周りから疎まれたり、と「出世」が友好関係に影響を及ぼすということは、多少なりともあるかもしれません。
ただ、別に会社に入るずっと前から、我々は常に「何かしらのテーマで」漠然と競わされ続けてきたんじゃないでしょうか。学力、運動能力、モテ度、就職先、etc。小学生だろうと大学生だろうと、皆、常に特定の指標で近くにいる人間達を出し抜きたい、勝ちたいと思っているはずです。会社に入り中堅になるずっと前から、私たちは戦っているのです。
争い事と友好関係には、常に深い関係があったはずです。同じ女性を好きになってしまい崩れる友情もあれば、強いライバル意識からコジれる部活仲間との関係もあるでしょう。きっと出世争いが友好関係に与える影響も、そういった類いの話と似たようなもんなんだと思います。
どんな争いがあっても友達とは仲良くやるというタイプの人もいれば、明らかにバチバチした雰囲気を出して来る人もいるでしょう。恋や部活同様、出世争いもそれなりに過酷ですから、辛いことが色々と起きるかもしれません。きっと、物心ついた時から今日まで繰り返してきたことと、全く同じことが起こる、ただそれだけです。
もしそういった苦しみから完全に逃れたいのであれば、自分の思想を悔い改め、他者と比較することを一切止める必要があります。「解脱」です。「解脱」しかありません。お釈迦様に言わせれば、生きることこそが苦しみ。輪廻転生を逸し安らぎを得る為に、修行に取り組むのです。
「就活道場」の記事一覧
・vol.1:学⽣のうちは遊んでおけっていうアドバイスは本当に正しいのか?
・vol.2:「やりたいことは仕事をやっていく中で見つけていこう」ってのは、実際見つかるもの?
・vol.3:いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない
・vol.4:新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
・vol.5:学⽣時代の期待が裏切られ、社会⼈になって最もがっかりしたことは何か。
・vol.6:幸せな家庭を作っている社会人と、そうでない社会人、どこに分かれ目があると思われますか?
・vol.7:就職せず、いきなり起業する学生についてどう思いますか?
・vol.8:結婚しないと昇進に響くか
・vol.9:中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
・vol.10:社会人1年目と現在との考えのギャップ。(e.g.将来のビジョン、働くモチベーション)
・vol.11:昇進する上で失敗せずにチャレンジするコツは?
・vol.12:大学時代に恋人を作れと先輩方に口を酸っぱくして言われるが、社会人の出会いはそんなに悪いものか?