「人財の創造と輩出を通じて、人と社会の幸せと可能性の最大化を追求する。」を企業理念に掲げるAKKODiSコンサルティング。国内で1万人、世界では5万人の従業員を抱え、30カ国でデジタルとエンジニアリングを融合させたソリューションの提供を行い、6,000億円超の売り上げを誇っています。
現在は2030年までの中期経営計画を策定し、「日本企業を、世界企業へ、現場変革から。」 というビジョンのもとで、企業・組織、地域社会の現場と専門力を融合し、生産性向上とデジタル技術を駆使したビジネストランスフォーメーションの支援を進めています。そんな同社について、代表取締役社長の川崎健一郎さんにお話を聞きました。
コンサルとはクライアントの課題を根治すること
──初めに、ビジョンや中期経営計画策定の背景について、詳しく聞かせてください。
川崎:私たちは2024年9月に新しく中期経営計画を策定する際、2030年に向けて3つの社会課題の解決に注力することを考えました。
社会課題の1つ目は、労働生産性の低さです。日本は少子高齢化が進む一方、労働生産性は低いまま。私たちとしては、この生産性の低さを、AI(人工知能)をはじめとしたテクノロジーを最大限に活用して改善することにチャレンジしていきます。
2つ目は気候変動です。地球温暖化などによる異常気象は日本も大きな影響を受けていますが、その温暖化現象の要因は、人為的な行動だと科学的にも証明されています。一方で、150カ国以上の国々が2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指しています。
その脱炭素社会を実現するという、大きな社会課題に私たちも果敢にチャレンジをしていくつもりです。現在、私たちの抱える最大の資本・資産は人財であり、当社の有能なテックコンサルタントを、脱炭素社会実現のために活躍できるように促していきたいと考えています。
そして、3つ目の課題が日本の人口減少です。ただ、日本の人口は減少しているものの、世界に目を向けると人口は70億人を超え、今後は100億人に向かって増加していくという見通しが立っています。
日本は人口が減少するため、どうしても市場も縮小していってしまうことは避けられません。そのため、日本企業は国内からいかに世界に向けて、事業を拡大させていくかがカギです。今の日本にも、素晴らしいイノベーティブな製品やサービスは多く生まれています。私たちとしては、それらを国内にとどめることなく、世界の市場に広げていくことに貢献していきます。
現在は、この3つの社会課題の解決を目指す意味を込め、「日本企業を、世界企業へ、現場変革から。」というビジョンを掲げています。
また、ビジョンを定性的な言葉にとどめるのではなく、具体的な定量目標も定めています。それは、AIやデジタルトランスフォーメーションを通じて、国内企業の労働生産性を大きく飛躍させるため、2030年までに6,000件のプロジェクトを完遂させるというものです。
私たちの試算では、6,000件のプロジェクト完遂によって、少なくとも200万人のクライアント従業員の労働生産性の向上に寄与できると考えています。非常に野心的であり、大きなインパクトをもたらす目標として掲げています。
──現在、エンジニアリング研究開発市場では、世界トップクラスの実績を誇っています。今後は課題解決のため、コンサルティングも重視していくのでしょうか。
川崎:そうですね。会社名がAKKODiSコンサルティングとあるように、私たちはコンサルティングビジネスに従事しています。そして、私たちの考えるコンサルティングとは、「根治」です。クライアントが抱えている課題を根本的に治すということです。
日本でのデジタルトランスフォーメーションの課題を例にするならば、過去数年間にわたってAIやデジタルトランスフォーメーションの活用が叫ばれてきましたが、浸透していない現状があります。
まずデジタルトランスフォーメーションには、ビジネスとテクノロジーの両方を熟知する必要性がありますが、日本のデジタル人財の人口動態はかなりユニークで、事業を推進する企業側で従事するのは30%ほど。残りの70%はコンサルティングファームやシステムインテグレーション企業に従事しています。ビジネスとデジタルを熟知し、その2つを融合させて改革を進めなければいけないのにも関わらず、そのための環境が整っていないのです。
一方、私たちはメンバーがクライアント企業に深く入り込んでいるところに特徴があります。デジタル領域のみならず、クライアントの事業を理解しているからこそ、デジタル化やオートメーション化、生産性向上といった深い提案ができ、根本の課題解決ができる強みがあると考えています。
ネームバリューで会社を選択しない。自分の価値観と目標に沿った決断を
──続いて、新卒でAKKODiSコンサルティングに入社するメリットについても聞かせてください。
川崎:まず私たちにはチームを大切にするという前提があります。クライアントの課題を解決し、事業を発展させていくという共通の目的に向かい、チームで助け合いながらチャレンジを続けていきます。
そして、チームとは決して私たちだけで作るものではありません。クライアントと融合していくことで、本質的なワンチームを築いていくという意味があります。顧客と融合した体制で、個人ではなく多くの仲間たちと共通の目的に向かって課題解決を図る。そのことによって、結果的に自分自身の成長にもつながっていくはずです。
また、当社は自動車や防衛・航空宇宙といった分野にも強みを持ち、開発現場では多くの人財が活躍しています。最先端のテクノロジーを身に付けながら課題解決に注力することができる上、日本国内のみならず、世界中のメンバーとOne Teamとしてチャレンジする環境があるところは大きなメリットだといえます。
──専門性が必要だというイメージもあります。新入社員に期待していることを教えてください。
川崎:企業理念やビジョンへの共感ですね。
誰もが一人一人、自身の将来像や夢、希望を抱いているはずです。重要なのは、それらの価値観と各企業の価値観が重なることで、私たちは世の中に多くある選択肢のうちの1社でしかありません。
「有名な会社だから」「聞いたことがある」といった理由だけで入社してしまうと、後になって「本当にやりたかったことは何だったんだ」と思い悩むことにつながりかねません。まずは自分自身の価値観や軸を明確にして、それが私たちの目指すことに重なるのであれば、ぜひ、ご入社いただきたいと考えています。
30代での社長就任という異例のスピード出世ができた理由
──川崎さんは33歳で社長に就任したと聞きました。その経緯・理由を教えてください。
川崎:私自身が初めて社長になるという思いを抱いたのは、実は17歳のときです。当時は高校3年生。中学高校とバスケットボールに打ち込んでいた私は、部活を引退して、将来のことを初めて深く考えました。「大学に進学し、卒業後に社会人として働くだろう」と思っていましたが、なぜ大学に行くかという理由は曖昧。深く考えたとき、「そもそも自分は一体何者になりたいのか」という問いにたどり着きました。
「人生は一度きり。どうしたら幸せになれるのか」と考えたときに当時の私の頭に浮かんだのは、「自分で時間を自由にコントロールすることができたら、幸せなのではないか」ということ。そんなことが実現できる職業は何か。そこで、「あっ、社長だ」と思いつきました。
社長になるには、大学に進学して、卒業後は経営を学べる企業に入社することが早道になるはず。そんな思いから、AKKODiSコンサルティングの前身であり、当時は創業間もないスタートアップだったベンチャーセーフネットを就職先に選び、いつか社長になるという思いで、社会に出ていった経緯があります。
──30代での社長就任は異例の出世と言えそうです。
川崎:とはいえ、私に特別な能力があったとは思えません。重要だったのは、やはり「自分は何をしたいのか」が明確だったことでしょうね。
また、動機も最初こそ「自由な時間を手に入れたい」という極めて利己的で不純でしたが、29歳で「人の心に火をつける」と変わっています。当時は人の役に立て、自分も幸せになれることを追求していた時期で、もしも自分が人の心に火をつける、魂を燃やせるきっかけを与えられるような人財になれたら、世の中のために役立ち、自分も幸せだと感じられるのではないかと考え直しました。
その後、33歳で社長に就任しましたが、私にとっては17歳から16年かけてようやくたどり着いた目標です。早くから社長になるという明確な目標を掲げたことで、そのために突き進むことができたともいえます。その過程は夢中だったこともあり、苦労や努力だと思うこともありませんでした。やはり、目標は人間を成長させる上で非常に大切だと感じたものです。
──社長にとって、社員はどのような存在でしょうか。
川崎:最も大切な仲間ですね。私たちの企業構造から考えても財産といえる存在で、社員なくては何も成り立ちません。
私たちの組織は、一般的な経営者をトップとするピラミッド上の組織ではなく、社員を第一に考える逆三角形になります。その理由は、実際にクライアントに価値を提供しているのは社員であり、最前線に立つ社員が活躍できるように支援するのがマネジャーの役割になるからです。さらにマネジャーを支援するのがディレクターや部長で、それを支援するために私たち役員がいると考えています。
つまり、社長や役員はただの役割でしかなく、重要なことは社員が幸せに活躍できるかどうかになります。この考えは、私たちの組織の根幹だと思っています。
「素直さ」「チャレンジ精神」「一生懸命」が重要になる本当の理由
──最後に、活躍する人財の共通項があれば教えてください。
川崎:仕事柄、非常に多くの方々と接してきて、明確に3つの共通項があるといえます。
それは「素直さ」「チャレンジ精神」「一生懸命」の3つ。どんな業界でも一流といわれる方々には、必ずこの3つが共通して備わっています。
まず1つ目の「素直さ」は、先入観をなくして人の話を素直に聞く、食わず嫌いにならず素直に受け止めてみることです。ただ、素直さにはもう1つ、自分に素直になるという側面もあります。相手の話を素直に受け入れて、その上で自分の価値観に照らし合わせて必要かどうかを取捨選択していくことは欠かせません。まずは素直に聞いて、その上で自分が育みたいと思うものを大切にしてほしいです。
2つ目の「チャレンジ精神」は、成長するために求められます。成長にはコンフォートゾーンという居心地のいい環境から一歩踏み出さなければならず、居心地のいい環境に居続けては成長できないものです。
当然一歩踏み出せば目の前には知らない世界が広がり、居心地も悪くなります。そのため、一歩踏み出すにはチャレンジ精神が欠かせません。勇気を持って居心地のいい環境から踏み出せる人たちは必ず活躍しているものです。
最後の「一生懸命」もよくいわれることだと思いますが、一生懸命であれば具体的に2つのメリットが生まれます。まず一生懸命であればアイデアが出てきます。いい加減であれば出てくるのも、愚痴や言い訳ばかり。ところが、一生懸命に何とかしなければという思いがあれば、アイデアが出てくるものです。
そして、一生懸命であれば応援してくれる人たちがあらわれます。一生懸命でない人を応援する人はいません。しかし、ひたむきに努力している人は、自然と周りから応援されるものです。手を差し伸べてくれる人があらわれるともいえますね。
この「素直さ」「チャレンジ精神」「一生懸命さ」こそ、どの業界を見渡しても活躍している人が共通して備えています。そして、これらは何歳になっても共通しているものだといえますね。
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