※こちらの記事は2017年9月に掲載された記事の再掲です。
こんにはワンキャリ編集部です。
突然ですが、みなさんは「コミュ強」ですか?
「コミュ強」とは「コミュニケーション強者」の略で、就職活動で有利とされる性格や資質の筆頭に挙げられています。
しかし、コミュ強を自認する学生が苦戦する事例が後を絶ちません。これはどういうことでしょうか?
実は学生自身はコミュ強だと自己認識していても、それが「社会人が求めるコミュニケーション能力ではなかった」という認識の差が生み出す悲劇なのです。「こんなはずじゃなかったのに……!!」と涙を飲むパターンも多く見かけます。
本稿ではまず「学生と社会人が考える『コミュ強の差』を明確」にし、その上でコミュ強の学生はどのような業界を受けるべきかパターン別に解説します。
社会人の立場で「コミュニケーション強者」を考えよう
みなさんはこういう学生を見かけてたことないですか?
「俺、人と話すの得意なんで」
自分のコミュニケーション能力に自信たっぷりで、それを売りにする学生。
一見すると有利に見えますが、実はこういう学生こそが「就活弱者になるリスク」をはらんでいます。
その原因は「学生の考える『コミュ強』と採用担当者の考える『コミュ強』が一致していない」場合があるからです。
学生が考えるコミュ強は「サークルやゼミでリーダーシップを握る能力」。対して採用担当者が学生へ求めるコミュ力とは「赤の他人を説得する力か、目上の人が気持ちよく仕事を進められるよう配慮する力」のことを指します。
社会に出ると、サークルやゼミのような利害関係になく対等な立場で相手を説得する機会はほぼありません。自分が相手より弱い立場でありながらも意見を通す力こそ企業が求めている「コミュ力」です。これを履き違えてコミュ強を自称すると、就活で惨敗します。
コミュ力を売り込むのに「ゼミで課題発表をして好評を得たエピソード」「サークルで対等な相手と仲良くしていたエピソード」をしようとしていませんか?
もしそうなら、すぐにでも捨ててしまいましょう。
それは企業が求めるものではありません。企業が求めるようなエピソードがないか、再度自己分析を行ってください。
安易に営業職を選ぶな!?
ここからは実際に利害関係がある人を説得した経験がある、社会人目線での「コミュ強」向けのお話です。
まず、コミュ強には2種類あります。
1. 長い付き合いの中で真価を発揮するタイプ
2. 知らない目上の人など初対面の人相手に真価を発揮するタイプ
この二者はともにコミュ強でありながら、適する職種が大きく分かれます。
1. 長い付き合いで信頼を築くタイプなら内勤を目指そう
長い付き合いの中で真価を発揮するタイプなら内勤を目指しましょう。
コミュ力がある学生はつい営業職を考えがちですが、営業は思いのほか、孤独な職種です。打ち合わせの合間は1人で作業することも多く、企業によってはほぼ出社なしのところも。
一方、財務や人事などはチームでの共同作業も多く、社内で信頼を築くことが重要視されます。常に誰かと会話していたい社交的な人ほど、意外と内勤が適しているのです。
部門別採用をしている企業を見つけたら、内勤の実態をつかむためにぜひ個別説明会へ参加してみてください。
どうしても営業がしたいなら「B to B営業」か「企画営業」
もし社外取引に関わる業務に興味があるのなら、オススメの職種が2つあります。
1つ目は「B to B(Business to Business=法人)営業」。
長年付き合いのある担当者と確実に案件を締結する業務です。あなたの実力が評価されるでしょう。
【「B to B営業」トップ企業の例】
・AGC(旧:旭硝子)(※1)
・三菱商事
・日本オラクル
(※1)旭硝子(AGC)は、平成30年7月1日にAGCに社名を変更しました。
2つ目は企画営業です。
企画営業とは現場で商品を売るための戦略立案を行う部署。内勤と外勤が半々となり、社内で着実な信頼を積み重ねながら現場の支援を行います。きっとその中で強みを発揮できるでしょう。
【「企画営業」トップ企業の例】
・ソフトバンク
・東京急行電鉄
・サンリオ
2. 知らない目上の人を説得できるならフロントオフィスへ
知らない目上の人など初対面の人相手に真価を発揮するタイプならフロントオフィスを目指しましょう。
取引先を深く知ることのない短期プロジェクトや、新規顧客を獲得する場面で相手を論理と情熱で説得できるのは大きな強み。好奇心が強い人や、決まった取引先と商品で「今後もよしなに」と仕事を続けることができない人もこちらに該当します。
中でも「社外取引がある部門」と「B to C営業」がオススメ
中でもオススメなのは以下の2つの要素を満たす企業。
1つ目は「B to C(Business to Consumer=個人向け商品)営業」。
次々と変わりゆく消費者や小売店のニーズに応えてゆける自分をアピールしましょう。
【日系「B to C営業」トップ企業の例】
・アサヒグループ(アサヒビール・アサヒ飲料)
・花王
・ロッテ
【外資系「B to C営業」トップ企業の例 】
・コカ・コーラ ボトラーズジャパン(※2)
・P&G Japan
(※2)コカ・コーライーストジャパンは、2018年1月にコカ・コーラ ボトラーズジャパンに社名を変更しました。
2つ目は「外資系企業で社外取引がある」部門。
外資系投資銀行の投資銀行部門および外資系コンサルタントはクライアントへ次々に金融商品や経営改善策を提案する業務です。激務と引き換えに高収入と大きなやりがいを手に入れることでしょう。
【「外銀/外コン」トップ企業の例】
・ゴールドマン・サックス
・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストン コンサルティング グループ
おわりに:企業は自称「コミュ強」を信じていない
ここまで、コミュニケーション強者と自負する方にこそ知ってほしい就活で、企業が求めるコミュ力の真実と応募すべき企業をお伝えしました。おさらいしますと、企業が求める「コミュ力」とは、自分が相手より弱い立場でありながらも意見を通す力です。
「コミュ強」だと思っていたのに企業のニーズと違ってがっかりする可能性もあります。
逆に「俺なんて友達少ないしコミュ力アピールできないよ」と思っていた学生が意外に「コミュ強」人材として売り込める可能性もあります。
なぜなら、ミスマッチの「コミュ力」を身に着けていないまっさらな状態であるため、そこに社会人が求める「コミュ力」をそのまま身につけることができるかもしれないからです。
まずはあなたのコミュニケーション能力が具体的に「誰へどういう影響をおよぼせる力」なのかを明文化しましょう。その上で強みを生かせる職種を考え、入社1年目から楽しく活躍できる企業へエントリーできることを願っています。
※今回掲載した企業は新卒採用後、すぐに希望職種へ就けることを保証するものではありません。また、今後組織変更となる可能性もあらかじめご了承ください。
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