面接で業界によって聞かれる「最近の気になるニュースは何ですか?」という質問でどう答えようか迷っている方も多いのではないでしょうか。ニュースはできる限り最新のものを答えることを望まれています。今回は答え方や例文を中心に解説していきます。
<目次>
●面接で「最近の気になるニュース」を聞かれる理由
・情報収集力を測るため
・感性を知るため
・社会への意識の高さを知るため
●面接で話すニュースの選び方
・1年以内のニュースを選ぶ
・信頼できる情報源から選ぶ
・志望する業界や企業に関わるニュースを選ぶ
・自分の意見を持てるニュースを選ぶ
●面接で話すのは避けた方がいいニュース
・芸能関係のニュース
・宗教や政治関係のニュース
・個人的なニュース
●ニュースの収集に役立つ媒体
・新聞
・テレビニュース
・ビジネス雑誌
・ニュースアプリやサイト
●面接で「気になるニュースは?」と聞かれた際の答え方
・面接で話すときのテンプレート
・面接で話すときの注意点
●2024年最新ニュースの答え方例文10選
・社会ニュース
・国際ニュース
・金融・経済ニュース
・テクノロジーニュース
●業界ごとの特徴
・外資系投資銀行
・商社
・広告代理店
・メーカー
・IT・通信
・不動産
・旅行
●まとめ
面接で「最近の気になるニュース」を聞かれる理由
就活生を悩ませる「最近の気になるニュース」ですが、一体何を目的にこの質問をされるのでしょうか? 以下3つのような理由があります。
・情報収集力を測るため
・感性を知るため
・社会への意識の高さを知るため
それぞれ解説していきます。
情報収集力を測るため
「最近の気になるニュース」を質問する背景には、就活生の情報収集力を測る目的があります。
社会で働く中で、さまざまな情報を取捨選択する場面もあるはずです。その際は、ただ情報を集めればいいわけではありません。いかに「正確で信ぴょう性の高い最新情報を収集できているか?」という点がカギです。さらに、その情報から何を分析でき、今後どのように生かせるのかを考えることまでが、情報収集力といいます。
面接官にニュースを伝える際も、テレビやニュースサイトなどさまざまな媒体から情報を集めた上で、「ニュースに対する考えやこれからの生かし方などを踏まえているか?」を面接官にチェックされています。
そのため、媒体をうまく利用して最新のニュース情報を集め、自分の意見も持っておくことが必要です。
感性を知るため
「物語を読んだ」「映画を見た」「音楽を聴いた」といったタイミングで何を感じるかは、人それぞれ異なります。同じくニュースに対する意見も、人によってさまざまです。そのため面接官は、ニュースに対する考えをもとに、就活生の感性を知ろうとしているのです。
「感性」は、自社にマッチした人材かを判断する重要なポイントです。感性がある方は発想力や想像力が高く、独創的なアイディアを生み出しやすいため、企業にとってプラスの印象になります。
この感性は、ニュースへの意見だけではなく、気になるニュースのジャンルによっても読み取れます。こうした自分の感性を面接官に理解してもらうためにも、意見をはっきりと伝え、個性を出すことを意識しましょう。
社会への意識の高さを知るため
就職後は、社会の動きに目を向ける機会が増えます。企業では、それぞれのやり方で社会貢献に努めています。そのため、より良い社会づくりを実現させるには、現実の事柄を把握することが重要です。
就活生の中には、社会貢献を志望動機に選ぶ方も少なくありません。しかし「社会貢献に興味はあるが社会問題に関心がない」という場合、動機に対する説得力は薄くなります。
また、社会問題は一般常識として捉える企業もあり、責任感を示すにはこうした「最低限の情報を十分把握していること」が求められます。
そのため、社会意識があり責任感の強い学生だと思われるように、現実の問題に向き合いましょう。
面接で話すニュースの選び方
では、面接でニュースを話すにあたって、どのようなジャンルの話題を選ぶといいのでしょうか? ニュースの選び方は、以下の4つです。
・1年以内のニュースを選ぶ
・信頼できる情報源から選ぶ
・志望する業界や企業に関わるニュースを選ぶ
・自分の意見を持てるニュースを選ぶ
それぞれ確認していきましょう。
1年以内のニュースを選ぶ
面接の回答では、なるべく1年以内の最近のニュースを取り上げましょう。最新の情報を入手できていれば、常に「情報収集でアンテナを張っている」と思われるため、先ほどの情報収集力や社会意識の面を評価されやすくなります。
そのため、面接で話すニュースを選ぶ際は、1年以内を目安にして題材を探しましょう。
信頼できる情報源から選ぶ
ニュースは、信頼性の高い情報源から選びましょう。特にネット上には、正しい情報と誤った情報が入り混じっています。こうした誤った情報をもとに面接で回答してしまうと、情報収集力を疑われるかもしれません。フェイクニュースを選ばないためには、情報源に注目するのがポイントです。
具体的にチェックすべき情報源としては、以下の2つが挙げられます。
・一次情報
・二次情報
それぞれについて解説します。
一次情報
一次情報とは、体験や実験をした方が発信する情報のことを指します。例えば、レビューや体験記事なども一次情報です。専門家や研究者などの意見や実験のデータも一次情報とされ、情報源としての信頼性は高いです。
二次情報
二次情報は、一次情報から得たデータのことを指します。例えば、「実際に放送されるニュース」「他人から聞いた話」などが二次情報に該当します。最近ではネットの普及が影響し、気軽に二次情報を獲得できるようになりました。実際に体験した方の情報を他人が取り扱うため、一次情報に比べると信ぴょう性は低いといえます。
ネットで探す場合の注意点
誰でも気軽に調べられる点がネットの魅力ですが、以下の3点に気をつけて情報収集をしましょう。
・情報の発信源
・URLのドメイン
・情報の信ぴょう性
情報の発信源は、厚生労働省・大学・企業など有名なサイトであれば安心して利用できます。政府機関は「go.jp」、高等教育機関は「ac.jp」のように、情報源によってドメインが異なるため、URLもチェックしましょう。
ネットで調べる際は、情報の信ぴょう性が高い一次情報なのか、あるいは別の解釈が織り交ぜられた二次情報なのかを確認することがポイントです。
志望する業界や企業に関わるニュースを選ぶ
さまざまなジャンルのニュースがありますが、志望業界や企業に関わるニュースを選ぶことが大切です。企業と関連性の高いニュースを選ぶと、情報収集力をアピールすることにつながり、働く意欲や熱意を面接官に伝えられます。
志望業界ごとのおすすめニュースジャンルは、以下の通りです。
志望する業界 | ニュースのジャンル |
IT・通信 | AI(人工知能)・Chat GPT |
旅行 | インバウンド・新施設オープン |
金融 | NISA・フィンテック |
自動車 | 販売競争・自動運転 |
志望先に共通するネタを探して、面接官の関心を得られるニュースで答えましょう。
自分の意見を持てるニュースを選ぶ
ニュースの意見を述べるには、自分の考えをしっかり持てるかがポイントです。自分の興味を考慮せず「面接官からの受けが良いか?」という点だけに絞ってニュースを選んでも、自分の考えがまとまっておらず曖昧な答え方になる可能性があります。曖昧な答え方では、企業から「本当に自分で考えているのか?」と思われるかもしれません。この状況を避けるためにも、自分が関心を寄せるニュースを選びましょう。
面接で話すのは避けた方がいいニュース
面接で話すニュースのテーマとして、以下3つのような「プラスにつながりにくい内容」は避けましょう。
・芸能関係のニュース
・宗教や政治関係のニュース
・個人的なニュース
それぞれ解説していきます。
芸能関係のニュース
芸能ネタは比較的考えをまとめやすく興味を持たれがちですが、面接では避けたい話題です。芸能ニュースは就職後の意欲や自己アピールにつなげにくく、面接には向いていません。
特に芸能人の不倫や暴露話などプライベートに関わるネタは、マイナスな印象を持たれる可能性が高いです。
そのため、芸能関係の話題は取り上げないほうがいいでしょう。
宗教や政治関係のニュース
宗教や政治のネタは、デリケートな問題が多いです。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」にも、宗教・思想・支持政党などを聞いた場合は、就職差別につながる可能性があるとされています。
当然ですが、就活生と宗教や支持政党が異なる面接官もいます。繊細な問題に触れることで、面接官に不快感を与える可能性もないとはいえません。
そのため、宗教や政治のような繊細なニュースは取り入れないことが無難です。
個人的なニュース
個人的なニュースは、ビジネスシーンに向いていないため避けましょう。個人的なニュースは、身内からの関心は高いものの、関係を構築できていない面接官からは興味を持たれにくいネタです。
面接では、相手と気持ちを共有し考えを適切に話せる題材が好ましいです。そのため、仮に自分の意見を話せたとしても、個人的なニュースを取り上げることはおすすめできません。
ニュースの収集に役立つ媒体
世の中には、情報収集に活用できるさまざまな媒体がそろっています。ニュースを選ぶ際は、以下4つの媒体を活用しましょう。
・新聞
・テレビニュース
・ビジネス雑誌
・ニュースアプリやサイト
それぞれ紹介していきます。
新聞
新聞を読むと、さまざまな情報に触れられます。新聞販売店やコンビニエンスストア、書店などで販売されているため、定期購読していない方でも気軽に手に取れるでしょう。
最近では紙だけでなく電子新聞も発行されています。電子タイプであればスマホやタブレットでいつでも購入できるため、店舗に買いに行く手間を省けます。
ネタ集めに向いている新聞は、以下の3つです。
・日本経済新聞
・朝日新聞
・毎日新聞
新聞を読む習慣を身につけて、タイムリーな情報を仕入れましょう。
テレビニュース
テレビニュースは、世間で話題のネタから番組独自のネタまで、さまざまなジャンルの情報を扱っている点が特徴です。さらに、文字を読まなければいけない新聞とは違い、テレビは音声で聞き取れます。
そのため、作業中はもちろん文章を読むことが苦手な方でも、気軽に情報収集できるでしょう。
情報集めに適したテレビニュースは、以下の2つです。
・BSフジ LIVE プライムニュース
・クローズアップ現代
以上2つの番組は、専門家の解説があるため話題を深掘りした話を聞けます。
また、テレビの放送時間外でも気軽に視聴したい場合は、ネット配信を利用するのも手です。「日テレNEWS24」や「NHKプラス」も活用してみてください。
ビジネス雑誌
ビジネス雑誌は、経済や金融のネタを取り扱っている雑誌です。イラストを用いて解説しているため、難しい文章に慣れない方でも読みやすいでしょう。さらに、詳しく書かれているため、経済や金融業界を把握するためには特に役立ちます。
情報収集におすすめのビジネス雑誌は、以下の4つです。
・日経ビジネス
・週刊ダイヤモンド
・週刊東洋経済
・PRESIDENT
より細かな情報を取り入れるためにも、ぜひビジネス雑誌を開いてみてください。上記もオンラインで閲覧できます。
ニュースアプリやサイト
ニュースアプリやサイトを利用すると、いつでもどこでもニュースを調べられます。新聞やビジネス雑誌とは違い、無料で使えるものが多いのが特徴です。
ニュース調査に活用できるサイトは、以下の5つです。
・SmartNews
・NewsPicks
・Google ニュース
・Yahoo!ニュース
・大学生とつくる就活応援ニュースゼミ
ニュースアプリやサイトでは、さまざまなジャンルのニュースを取り扱っており、経済や世界情勢なども掲載されています。多くの情報と触れ合い、あらゆる角度から社会を見渡してみましょう。
面接で「気になるニュースは?」と聞かれた際の答え方
面接で「最近の気になるニュースは何ですか?」と聞かれた場合は、いかに熱意を伝えながら答えられるかが重要です。
以下では、ニュースの答え方を詳しく解説しています。
面接で話すときのテンプレート
面接で話すときは、以下のような流れで答えましょう。
1. ニュースのタイトル
「私が気になっているニュースは、企業の従業員支援に関するニュースです」
2. 内容
「モスバーガーは、従業員の歌手デビューを支援する計画を発表しました。審査に通過したスタッフは、歌手デビューを果たせます」
3. ニュースに対しての考え
「現実には、夢を諦めてしまう方も少なくはないと思います。そのような人を支えながら、働く意欲を向上させられるこのプロジェクトは、働き方の新たな意識を生み出せるのではないかと感じました」
4. 入社後の意気込み
「入社後は、こうしたモスバーガーの従業員支援をはじめとして、より働きやすい環境や意欲向上につながるような体制作りに貢献したいと考えています」
面接で話すときの注意点
面接では、以下の2点に気をつけて答えましょう。
・自分の意見を伝えよう
・ニュースが被らないように注意しよう
それぞれについて解説します。
自分の意見を伝えよう
面接官が注目しているポイントは、ニュースに対する「就活生自身」の意見です。面接にふさわしい内容かどうかも多少はチェックされますが、主に知りたいのは就活生なりの考えや感性です。そのため、ニュースに答える際は内容だけでなく、自分の意見も忘れずに伝えましょう。
ニュースが被らないように注意しよう
他の就活生と選んだニュースが被ること自体は、まったく問題がありません。しかし、同じ内容を選んだ場合は企業からどうしても比較されやすいため、ニュース被りは避けたいところです。
もしも同じニュースを選び、感じたことや考えたことも似ていたとします。すると、オリジナリティが薄くなるため、面接に有利とはいえません。
そのため選んだニュースが被った場合は、他のネタを出すほうがいいでしょう。万が一に備えて、いくつかのネタを用意しておくことがポイントです。
2024年最新ニュースの答え方例文10選
ここからは、2024年における最新ニュースへの答え方の例文を10選紹介します。以下4つのカテゴリーに分けて説明しているため、自分の興味関心のある分野を選びましょう。
・社会ニュース
・国際ニュース
・金融・経済ニュース
・テクノロジーニュース
それぞれ解説します。
社会ニュース
まずは社会ニュースにおける回答例を紹介します。
・能登半島地震
・羽田空港航空機衝突事故
詳しく解説します。
能登半島地震
最近で一番気になったニュースは、やはり能登半島地震です。自宅でのんびり過ごしているときに緊急速報が流れたときはとても驚きました。
私自身には石川県に親類や友人がいるわけではありません。しかし、東日本大震災のときのように、同じ日本に住む方があれだけ多くの被害に遭われているのを見たときは心を痛めました。
私は、「少しでも自分にできることはないだろうか?」と考え、大学の有志で募金活動を行いました。大規模にできるわけでもないですし、この募金がすぐ石川県の復興につながるわけではありません。でも、もし全員が私と同じ行動を起こせれば、結果的に石川県に大きく貢献できると考えました。
入社後も私はまだまだ未熟ですし、すぐに御社や社会へ貢献できるわけではないと思っています。それでも「今の自分にできること」に取り組むことはとても意義深いと今回の活動を通じて実感しました。入社後も「自分がやっても変わらない」と思うことなく地道にコツコツ積み上げて、最終的に大きく御社や社会に貢献できるようになりたいです。
羽田空港航空機衝突事故
私が最近気になっているニュースは羽田空港航空機衝突事故です。日本の飛行機は安全だとずっと思っていたので、印象に残っています。
あの衝突事故が起こる直前に能登半島地震も起こっていました。年始早々に大きな出来事が続いたことで、私は今まで漠然と抱えていた「今の平和な生活が続いていくのだろう」という気持ちが薄まったことを覚えています。
こうした大きな出来事が私の身に降りかかることも十分あり得ます。もしそうした被害に遭った際に、「突然の出来事で自分に万が一の事態が起きても悔いが残らないよう生きていきたい」と思うようになりました。
これから私は社会に出て働くことになると思うのですが、どんな会社に入っても、今の自分が後悔しないよう全力で仕事に取り組んで成果を出し、満足のいく人生を送れるよう努力していきたいと思います。
国際ニュース
次に国際ニュースにおける回答例を紹介します。
・日米欧、侵攻2年でロシア非難
・ガザの死者2万5,000人超に
・台湾総統選 民進党・頼清徳氏が当選
詳しく解説します。
日米欧、侵攻2年でロシア非難
私が気になっているのは、ウクライナ侵攻から2年のタイミングで、日本やアメリカなどの世界各国がロシアを再び非難したというニュースです。2月に開かれた国連安保理で、2年たってもウクライナ侵攻を止めないロシアに対し、世界50カ国以上の代表が改めて声明を発表していました。
この軍事侵攻は決してロシアとウクライナ間の問題ではありません。同じ人間同士が争うことももちろん悲劇だと思いますし、石油価格高騰などで私たちの生活にも影響を与えています。私にできることは小さいと思いますが、それでもウクライナへの募金などを通じて、少しでも状況を改善できると考えています。
入社後もこの考えを忘れず、自分の手に負えなそうな大きな問題に直面しても、「今の自分にできる最善策は何だろう?」と考え、一歩でも改善できるよう努力していきます。
ガザの死者2万5,000人に
私が気になっているニュースは、ガザ地区の死者が2万5,000人を超えたというものです。イスラエル軍とイスラム組織の戦闘が続いていて、そのうち約1万人が子どもという事実にショックを受けました。
当然ですが、誰であろうと命を奪われてはいけませんし、未来ある子どもであればなおさらです。ですが、状況はあまり改善していないようで、私にできることが少なくとても歯がゆく思っています。
しかし、だからといって「何もしない」という選択肢はないと思います。私も少しでもこの悲劇的な状況が変わるよう募金活動を行いました。このお金が、少しでも現地への物資支援や物資の配給などにつながり、人々の命を守ることに貢献できればと思います。
こうした経験を生かし、もし御社で働くことになったら今の自分のスキルで貢献できることを見つけ、将来的に成長して御社や社会へ還元できればうれしいです。
台湾総統選 民進党・頼清徳氏が当選
最近気になっているのは、台湾総統選で民進党の頼清徳氏が当選したニュースです。台湾で初めて、3期連続で同じ政党が政権を担うことになった点に興味を持ちました。
頼氏は、中国からの言論や武力弾圧に徹底抗戦の姿勢を見せており、その姿は遠い日本にいる私も感銘を受けました。
私も社会で働きはじめてから、いろんな困難やトラブルに直面すると思っています。ですが、そこで諦めることなく自分の考えを貫き、現状を打破するために最善の行動を取れるよう努力していきたいです。
金融・経済ニュース
次に国際ニュースにおける回答例を紹介します。
・日銀、マイナス金利解除
・日本の去年1年間の名目GDP(国内総生産) ドイツに抜かれ世界4位に
・日経平均株価 バブル期の史上最高値を更新
詳しく解説します。
日銀、マイナス金利解除
最近気になっているニュースは、日銀がマイナス金利を解除したことです。金利が引き上げられるのは17年ぶりとのことで、ここから日本経済がどのように動くのか非常に興味があります。
マイナス金利の解除によって、預金の金利上昇や保険料の低下などのメリットもあります。しかしその反面、住宅ローン金利も上昇するといったデメリットもあるため、消費者としては決して無視できない話題です。
このマイナス金利の解除は私たちの生活に大きな影響を与えるため、状況によっては消費者の買い控えなどが起こることも考えられます。そのため企業としては苦しい場面もあると思いますが、その中でも諦めず「消費者から選ばれるために何をすべきか?」を自分なりに考え、少しでも御社の役に立てるよう努力していきたいです。
日本の去年1年間の名目GDP(国内総生産) ドイツに抜かれ世界4位に
最近で一番印象に残ったのは、2023年の日本の名目GDP(国内総生産)がドイツに抜かれ世界4位になったニュースです。小さい頃から授業で「日本は3位」と学んできた印象が強かったので、とても驚いています。
このニュースを見て、30年以上前に起こったバブル経済崩壊が、今でも影響を与えているのだと実感しています。それと同時に、今の世代が頑張らなければ次の世代にツケを回してしまうことも痛感しました。ここで努力しなければ、私の子どもや孫世代はもっと苦しい状況になってしまうかもしれません。少しでも次世代へ良いバトンを渡せるよう、御社の業績アップに少しでも貢献することで、最終的に日本経済の回復の一助となれればと思っています。
日経平均株価 バブル期の史上最高値を更新
一番印象に残っているニュースは、日経平均株価がバブル期の史上最高値を更新したというものです。海外メディアでも報道されており、バブル期から続いていた「失われた30年」から脱却する第一歩だと期待されています。
私もこのニュースはとても喜ばしいことだとは思いますが、正直物価高や税金などの影響もあり、あまり実感できていない人も多いかと考えています。もちろん国が主導で改善すべきことではあるのですが、私たち国民にも何かやれることがあるはずです。
御社への入社後は、少しでも業績アップに貢献できるよう努力し、日本経済を立て直す手助けをしていきます。そして最後には、国民が「豊かになった」と実感できるよう、私にできることを見つけてまい進していきたいと思います。
テクノロジーニュース
最後にテクノロジーニュースにおける回答例を紹介します。
・ライドシェアが始動し都内で出発式
・JAXAの探査機SLIMが日本初の月面着陸成功
詳しく解説します。
ライドシェアが始動し都内で出発式
一番興味を持ったニュースは、都内でライドシェアが始動したというものです。ライドシェアは一般のドライバーが自家用車を使って乗客を乗せられるサービスで、東京や京都などの一部地域で運用が開始されるようです。
私はこのニュースをとても喜ばしく思います。今はタクシー業界だけでなく、多くの仕事が人手不足で悩んでいるはずです。今回のライドシェアをきっかけとして、日本の人手不足の問題が少しずつ解消される兆しが見えたのは、日本経済にとっても喜ばしいことだと思います。
私も御社に入社した後は、こうした社会課題の解決につながるサービス開発や商品改善に携わって、少しでも日本の状況が良くなるよう努力していきたいです。
日本初の月面着陸成功=探査機SLIM・JAXA
最近気になったニュースは、JAXAが打ち上げた探査機のSLIMが日本初の月面着陸に成功したというものです。しかも誤差100mというかなりの高精度で着陸したということで、日本の技術力を実感できるうれしいニュースでした。
このピンポイントの着陸が成功したことで、より精度の高い探索が可能になって、将来的な月面着陸の成功確率アップや「民間人が月に行く」ということもできるようになるかもしれません。こうした人類の発展に貢献できる開発をするというのは、私の大きな憧れでした。
私も御社への入社後は、このSLIMのように人々の生活を大きく変えられるサービスを開発できるよう、努力していきたいです。
業界ごとの特徴
「最近の気になるニュース」を聞かれた場合は、自分の意見をしっかりと伝えられるような題材選びが重要です。さらに志望業界に合ったジャンルを選ぶと、面接官の心をつかんで面接で有利になります。
下記では、業界ごとのニュースの選び方・回答例・注意点を解説しています。
外資系投資銀行
回答例
私が最近気になったニュースは、服飾ブランドのマイケル・コースが高級靴ブランドのジミー・チュウを買収した案件です。理由はブランドの統合が強化される点に関心を抱いたからです。高級ブランド業界は仏系を中心にコングロマリット化が進んでいましたが、米系ブランドは単独メゾンも複数残っていました。しかし近年はコーチをはじめとする高級ブランドの失速が懸念されていました。今回の買収はコーチと競合にあたるマイケル・コースが仏系同様にブランドのコングロマリット化を目指す方針を示唆すると考えます。以降米系大型のブランドのM&A案件が増加し、貴社でも取り扱う可能性があると考えます。
注意点
外資系投資銀行では漠然とニュースを聞かれるより「最近気になったM&A案件は何?」「昨日の日経平均は?」などと具体的な質問が飛んできます。細かい質問に答えられるよう、日々新聞や経済記事をしっかり読んで対策することが重要です。
さらに業界の基本用語を説明させる「ROE(株主資本利益率)って説明できる?」「LBO(レバレッジド・バイアウト)の弱点は何?」といった質問も飛んでくるのが外資系投資銀行ならではのニュース問題。簿記3級のテキストを読み、最低限の知識を身に着けましょう。
商社
ここでは豊田通商を想定して回答しています。商社では「気になるニュースある?」というざっくばらんな質問だけでなく、明らかに面接当日、商社に関連するニュースがあると知った上で「今日の日経見た?」と投げかけてくることがままあります。面接当日のニュースもしっかり読んで挑みましょう。
回答例
トヨタ自動車がレクサスの最上位モデルを出す記事に着目しています。
ここ数年、自動車業界ではMADE(Mobility、Autonomous、Digitalized、Electrified)がメガトレンドといわれ、実際にトヨタさんでも大手画像処理半導体会社のNVIDIAとの提携が記憶に新しいです。一方で、消費者にとって大切な「高級感」「わくわく感」といった感情的な便益が自動車から欠けていっているように感じていました。
トヨタが発表したレクサス最高級モデルの登場は、「自動車に乗る喜び」というダイレクトな便益をあらためて消費者に訴えられることから、取引先である貴社も優位性を獲得できると考えます。
注意点
知識を問う外資系投資銀行と異なり商社では志望度の確認が第一なので、ニュースに着目した理由はぶっちゃけて「御社を志望しているからです」でも構いません。ただし、業界知識できちんと補強することで口から出まかせでないことを示す必要はあります。
広告代理店
回答例
SNSのスナップチャットがニュース番組を配信開始したニュースが気になっています。
理由は短編動画へのニーズがさらに高まると考えたからです。
SNSの変遷から、若者はより文字情報よりも画像や動画を追いかける傾向にあるといわれています。Instagramで短編動画を配信するストーリー機能や、10秒までの動画しか送れないスナップチャットの流行も背景かと思います。
スナップチャットのニュースが3~5分で配信されることから、まじめなコンテンツであるニュースさえもこれからは短編動画化が進むものと考えられます。御社でこれから広告作りに携わる上でも、短時間でも心を動かすコミュニケーションをクライアントへできればと考えます。
注意点
ストレートな回答を示せるのが広告代理店です。ただし媒体に関するニュースは学生同士で被る可能性も高いため、一歩リードするならクライアント企業にまつわるニュースを取り上げた方がよいでしょう。
メーカー
メーカー業界では、業界内で起こっている事柄に関するニュースを選びましょう。回答例と注意点は以下のとおりです。
回答例
私が気になっているニュースは、物流の共通化に関する話題です。味の素冷凍食品やニチレイなどのメーカーは、物流の効率向上やドライバーの負担軽減を目的に、共同配送システムを取り入れることを発表しました。
このシステムを見て私は、物価が高くなり人材確保が難しくなる中で、従業員の負担が増加する現状を打破する素晴らしい対策だと感じました。
こうした施策を見習って、御社へ入社できた際は、従業員の負担にならない体制作りをサポートする形で貢献したいと考えています。
注意点
メーカーの面接では、多くの企業がある中で「なぜこの企業に入りたいのか?」を伝えることが重要です。面接先のメーカー情報を細かく頭に入れておき、上記のように「ニュース+企業に入った後の働き」という形で具体例を話せると、さらに好印象を与えやすいしょう。
IT・通信
IT・通信業界では、トレンドニュースを取り扱いましょう。以下では、回答例と注意点を解説しています。
回答例
私は、GoogleのAI活用に関するニュースに興味があります。具体的には「Googleが2024年7月から『5分刻みの降水量』を検索結果に表示させることを発表した」というニュースです。これは予期しない雨を防ぐためにもかなり役立つなと感じました。
普段の生活でも数分の間に少量の雨が降ることもまれにあり、予期しない雨にぬれてしまった経験もあります。そのため、AIを用いてさらに細かく予測できると、移動で憂鬱を感じる方が少なくなると感じました。
このことから、私も生活の中に潜む不便や憂鬱(ゆううつ)を取り除けるような開発に貢献したいと考えています。
注意点
基本的に、面接で用いるニュースは1年以内が目安とされていますが、IT・通信業界の場合は、3カ月以内が目安です。IT・通信業界は特にトレンドの動きが早いため、常に最新情報を得られるようにしましょう。
不動産
不動産業界も、トレンドに沿ったニュースを選びましょう。回答例と注意点は、以下のとおりです。
回答例
私が気になっているのは、東京のマンション価格の高騰に関するニュースです。東京23区内の新築マンションの価格は1億円を超えており、家の購入を考えている方を悩ませているのが現状です。これは材料費の値上がりや人手不足が関係しているとされていて、いつ収まるのかは見通しが立っていません。
こうした物価高が問題視されている中で、マンション高騰を抑えるためには、いかに無駄を削ってコストを削れるかが重要だと感じました。
もちろん住居に関するものなので、安全面も絶対に捨ててはいけないと考えています。そのためもし御社に入社した後は、安全性や住居性を守りつつコストを見直して、自社とお客様の両方に満足してもらえるような家を届けられればと考えています。
注意点
不動産業界でも、トレンドや業界の内情を把握することが必須です。
特に不動産業界は、入社後も資格の取得などで勉強し続け、早い成長を求められる機会が多い職業です。そのため、常に最新トレンドを追って不動産業界の流れについていく意識を見せることが重要です。この意識を示せれば、入社後の成長への熱意も伝えられます。
旅行
旅行業界では、「コロナの移動制限が解除されたことで起きた変化」が分かるニュースを選ぶことがポイントです。
回答例
私が気になっているのは、3カ月連続で訪日外国人旅行者が300万人を上回ったニュースです。コロナ禍では感染を抑えるために移動制限が設けられていたので、旅行業界の衰退が懸念されていました。しかし、現在は移動制限が解除され、各国では日本への旅行が注目されています。
私はこのタイミングが、さらに日本の良さを知ってもらうためのきっかけになると考えています。
入社後は海外の旅行者がさらに魅力を感じ、日本の文化に触れ合ってもらえるようなアイディアを出せるように努めたいと考えています。
注意点
旅行業界では、一般的にインバウンドやコロナ禍に関するネタが題材に選ばれます。
しかし、このような内容は他の面接者と被る可能性が高いです。そのため、「ニュースへの意見を深掘りする」「自分ならではのエピソードを追加して回答する」といったことを意識するといいでしょう。
まとめ
今回は面接で「最近のニュースは?」と聞かれたときの対処法について解説しました。日頃からニュースを見て新しいニュースを仕入れておくのが大切です。面接で聞かれたときに慌てないように事前に準備しておきましょう。
(Photo:siro46/Shutterstock.com)