MBBの一角として、世界有数のコンサルティングファームとして知られるボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)。本記事では、BCGの選考フロー概要と、対策方法について解説していきます。
<目次> ●1. BCGとは ●2. BCG25卒の選考フローの概要 ・(1)選考の時期 ・(2)内定者の選考フロー ・(3)例年のフローとの比較 ・(4)その他の選考フロー ●3. 各フローごとの対策法 ●3-1. ES ・評価ポイント ・対策方法 ●3-2. SPI ・評価ポイント ・対策方法 ●3-3. GMAP ・評価ポイント ・対策方法 ●3-4. 1次面接 ・評価ポイント ・対策方法 ●3-5. 2次面接 ・評価ポイント ・対策方法 ●3-6. インターンシップ ・評価ポイント ・対策方法 ●3-7. 最終面接 ・評価ポイント ・対策方法 ●3-8. 内定 ●内定者の感想
1. BCGとは
世界有数のコンサルティングファームであるBCG。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベイン・アンド・カンパニーと並び、MBBの一角として業界の率いる存在です。BCGは、1966年に日本に最初に進出した外資系戦略ファームで、早期から日本企業に対するコンサルティングサービスを提供してきました。これにより、日本のクライアントのカルチャーに合致したビジネスサポートを強みに、国内で高いプレゼンスを誇っています。
また、外資系コンサルティングファームは、ドライな社風で個人主義的なイメージを持たれがちですが、BCGにはウェットで面倒見の良い社風が根付いていることも特徴です。事実、ある社員は「BCGには困っている人を助けずにはいられない人が多いと感じる。若手の成長のためのサポートを惜しまない体制がある」とコメント。実際の取り組みとしても、アサインされたプロジェクトの異なるメンバーが食事・飲み会に行く機会などがあるようで、社内の雰囲気の良さがうかがえます。
以上より、外資系戦略コンサルティングファームに関心があり、面倒見の良い社風にマッチしていると考える学生と、BCGはマッチしているといえるでしょう。以下で、MBBについて比較しますので参考にしてください。
2. BCG25卒の選考フローの概要
(1)選考の時期
2025年卒では、サマー、ウィンター、スプリングの3回の選考が行われています。
自身の準備状況と照らし合わせながら、参加時期を決めましょう。
(2)内定者の選考フロー
本記事で紹介する選考フローは以下の通りです。
(3)例年のフローとの比較
また、過去の選考フローから以下のような変更がありました。
また、2024年卒では2時間程度のGDが、2023年卒ではデザイン思考テストが課されるフローもあったようです。
(4)その他の選考フロー
上記の他、学生によってはフローの一部が異なるよう。
- 最終面接がなく、インターン後すぐに内定を獲得した学生
- インターンシップ前のケース面接が1回のみだった学生
- 女性限定イベントから一部選考免除を受けた学生
など、詳細なフローはさまざまなようです。
3. フローごとの対策法
ここでは、内定者のインタビューに基づき、各フローごとの概要や対策方法を紹介していきます。
3-1. ES
評価ポイント
本エントリーシート(ES)では意識すべきポイントは、特にないそう。ある内定者は、「他の企業で提出したES内容と変わらない内容でも通過した」と自身のESを振り返っています。
対策方法
【全体】
100〜200字以内の短いES。結論から端的に書こう
BCGのESでは、各質問に対して100〜200字以内での回答が求められます。このように短い制限の中で伝えたいことを伝えるためには、端的に分かりやすい文章を構成する力が必要でしょう。以下の点を参考に、端的な文章構成を意識しましょう。
<ESを書く際に押さえたいポイント>
【結論ファースト】
「学生時代力を入れたことは、◯◯である。その中で行った施策は大きく◯個ある。まず1つ目は、◯◯◯。次に2つ目は◯◯◯」
【定量的な記述】
「売上は前年比◯◯倍の◯◯円になった」
【キーワードの強調】
「自分の強みは『チャレンジ精神』である」
など
<ESを提出する前にチェックすること>
・文末の口調は統一されているか
・省略できる無駄な文がないか
・熟語にできる無駄な語がないか
・誤字脱字はないか
・自分の意図したことが伝わる文章になっているか
・質問で聞かれていることに答えているか
など
【(1)について】
内定者のES構成紹介
以下では、ES選考を通過した選考経験者の(1)への回答を複数紹介します。ES作成時に、構成や体裁を参考にするなどして役立ててください。
<1人目:ウィンターインターン選考での内定者>
- 文量:数文で活動の概要を説明
- 構成:自身の役割→実際に取った行動→出した成果を記入
・ 「塾のメンターのアルバイトに注力した。メンターとして、年間10人ほどを担当した。スケジュール管理の正確さや、コミュニケーションの円滑さなどが評価され、最優秀のメンターに送られる賞を受賞した。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒本選考のES
<2人目:サマーインターン参加者>
- 文量:一文で活動の概要を説明
- 構成:自身の役割→実際に取った行動
・ 「◯◯サークルで代表を務め組織のマネジメントをしながら、簿記や英検などの資格の取得に励んだ。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒インターンシップ選考のES
上記の通り、選考経験者は100字という短い字数制限の中で、文字数も構成も自由に自身の経験を語っています。
【(2)について】
(1)と(2)で書くべきエピソードと一貫性について
複数の選考通過者のESを見ると、(1)(2)では異なるエピソードを記入している学生が多いよう。自身の経験の幅を示すためにエピソードはできるだけ異なるものを用意すると良いでしょう。とはいえ、アピールする素質に矛盾がないよう、人間性に一貫性を持った内容を示すことが重要です。
内定者のESの構成紹介
以下では、ES選考を通過した選考経験者の(2)への回答を複数紹介します。 ES作成時に、構成や体裁を参考にするなどして役立ててください。
<1人目:ウィンターインターン選考での内定者>
- 構成:エピソードの結論・成果→存在した課題→実際に取った行動→結論・成果
・ 「留学先の大学で政治学を学び、成績優秀者に選ばれた事だ。さまざまな国から来る学生とのグループワークでは、文化的背景や、政治に関する解釈の違いが、合意を困難にした。そこで、異なる立場からの主張を中立の立場から精査した。その結果、さまざまな角度から物事を俯瞰し、自分ならではの視点を英語で周りの学生に共有できた。このような地道な努力が、成績優秀者に選ばれることに繋がった。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒本選考のES
<2人目:サマーインターン参加者>
- 構成:強み→過去の経験にあった課題→取った行動→成果→意気込み
・ 「私の強みは辛抱強く努力できる忍耐力だ。9歳から現在までバドミントンを続けており、何度も挫折に直面してきた。高校生の時、毎日22時まで練習し、先輩に積極的にアドバイスをもらいに行き、自己分析するなど誰よりも努力を重ねたが、県の準決勝で惨敗した。そこで諦めずに自分を奮い立たせ、辛抱強く自分の限界に挑戦した。その結果大学ではインカレ出場することができた。入社後もこの強みを活かし、自己成長していきたい。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒インターンシップ選考のES
行動の成果を明確に示そう
上記ESの例や他内定者によると、明らかな成果を明記して過去のエピソードを記入する学生が多く見受けられます。論理的な文章構成は前提として必要ですが、エピソードの成果はしっかりと明記をすることで自身の行動のやり切りを示すと良いのではないでしょうか。
【(3)について】
内定者のESの構成紹介
以下では、ES選考を通過した選考経験者の(3)への回答を複数紹介します。ES作成時に、構成や体裁を参考にするなどして役立ててください。
<1人目:ウィンターインターン選考での内定者>
- 構成:結論「人生で成し遂げたいこと」→社会情勢→BCGで成し遂げたいこと
・ 「私が勉強している安全保障に特化するコンサルティングファームを立ち上げることだ。昨今、安全保障にまつわる戦略が必要な日本の産業や企業が増加傾向にある。そのため、民間と安全保障を繋ぐ役割として、自分の強みを活かせるコンサルを作りたい。夢をかなえるために、貴社でコンサルタントとしての地盤を固め、自分が一番特化したい日本の産業を見つけ出したい。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒本選考のES
<2人目:サマーインターン参加者>
- 構成:結論「人生で成し遂げたいこと」→原体験→結論再掲
・ 「私が成し遂げたいことは企業の変革支援をすることで、社会貢献することだ。私自身これまで英検1級の取得など高い目標を設定し、周りの刺激を受けながら自己成長させてきた。また◯◯サークル代表として主体的に動き、チームの中で課題解決力を身につけてきた。以降、難解な課題に対しても解決策をチームの中で協力して模索し、クライアントに価値を与えると同時に、自身も成長していけるコンサルタントになりたい。」
※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒インターンシップ選考のES
BCGの経営コンサルタントとして成し遂げたいことを書こう
人生で成し遂げたいことを問われる本設問ですが、上記ESの例や他内定者の例によると、「コンサルタント」として成し遂げたいことを記入したESがほとんど。あくまでBCGへの入社を前提に、ここである程度コンサルタントへの志望度を示すことができると良いでしょう。
3-2. SPI
評価ポイント
重視されるのは言語・非言語の点数であり、性格はそこまで評価の対象ではないのではないか。
対策方法
テストセンターのSPI。9割以上の高得点を目指し練習しよう
ある内定者は「周りの学生の獲得点数から鑑みて、本SPIのボーダーは9割程度」と話します。
なじみ深いSPI形式とはいえ、ここまでの高得点を取るのは難しいため、練習を重ねる必要があるでしょう。
以下では、サマーやウィンター期間でテストセンターのSPIを受けられる企業を紹介します。 BCGのSPIを受験する前に、何度か練習をしておくと良いでしょう。
【テストセンターでSPIを受けられる企業例】 ・ 野村総合研究所(NRI) ・ 農林中央金庫 ・ 三井住友海上火災保険 ・ ソニーグループ ・ トヨタ自動車 ・ キーエンス ・ アビームコンサルティング ・ NTTドコモ
また、SPIは多くの企業の選考で課されていますので、市販の参考書を用いてその科目だけでも対策しておきましょう。
以下におすすめの本・ワンキャリア記事を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【参考書】
・『2025最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集』(ナツメ社、2023年)
・『これが本当のSPI3テストセンターだ! 2026年度版 (本当の就職テスト) 』(講談社、2024年)
【記事】
【SPI対策】全問題形式を完全網羅!練習問題&解答一覧(言語・非言語・英語・構造的把握力)
高得点指標を把握しておこう
テストセンター受験のSPIには高得点を示す指標が存在します。 以下に高得点獲得の指標を紹介しますので、練習中の基準に使ってみてください。
3-3. GMAP
評価ポイント
SPIを通過した学生が受験するため、どれだけミスをしないかが評価のポイントではないか。ハイスコアが必然的に求められる。
対策方法
問題例と問題傾向
GMAPはグロービスが提供する独自のテストです。
ホームページによると、「「個」を測定し、「個」と「組織」の育成課題を把握するためのテストで、定量的に可視化しにくい「論理思考力/経営・ビジネス知識」を測定している」とのこと。
上述の通り、ボーダーの高いSPIを通過した学生にとって、内容自体は難しくないそうですが、他社では扱われない形式のため、事前に問題内容や傾向を知っておくと良いでしょう。
以下に問題例、傾向を示しますので、目を通してみてください。
【GMAPの問題例・傾向】 ・ 非言語:「9個のチョコレートの中で最も重いものを見つけるためには、何回最低でてんびんを使うべきか」など ・ 言語:「上記文章を最も否定する文章は、次の4択のうちどれか」など
※参考:GLOBIS「サンプル問題」
3-4. 1次面接
以下、詳細な1次面接の流れです。
【1次面接の流れ】 ●自己紹介&アイスブレイク(3〜4分) ●フェルミ・ケース問題(20分程度) ・思考時間(5分) ・ディスカッション時間(15分程度) ・テーマ「趣味や研究内容、過去の経験からテーマ決定」 └フェルミ:「バイオリンクラブの市場規模を推定せよ」 └深掘り質問 - 「数値の妥当性はあるか」 - 「他の求め方をするならどのように考えるか」 └ケース:「バイオリンクラブの売上向上施策を考えよ」 └深掘り質問 - 「施策をする上での懸念点や課題はどこか」 - 「今の売上に対してどの程度のインパクトが期待できるか」 ●逆質問(1問程度)
評価ポイント
重視されるポイントは、瞬時に論理的な回答を出す力。 精度や具体性は面接官とのコミュニケーションの中で深められれば良い。
対策方法
過去3年(23〜25卒)のケース面接の出題傾向
直近3年間のBCGのケースについて、特徴や傾向は以下の通りです。
【傾向】 ●テーマ: ・フェルミ「市場規模」、ケース「売上向上施策/利益向上施策」の形式が多い ・具体的なテーマは、自己紹介で語った趣味や研究内容、過去の経験から決定されるケースが多め。ただし、用意されていた問題が出されることもあるので要注意 ●思考時間: ・思考時間がない場合が多い
実際に本フローにおけるテーマの他に、以下のようなテーマで出題がされています。
【25卒選考で与えられたテーマ例】 ・ あなたが住んでいる街のタクシーの数はどれくらいか ・ 日本の教育を良くするためにはどうすべきか ・ 中古スマホの市場規模推定と中古スマホ屋の売上向上施策のセット
【24卒選考で問われたテーマ例】 ・ 日本にあるサウナ施設の市場規模・1店舗の売上向上 【23卒選考で問われたテーマ例】 ・ ある電化製品の国内市場規模のフェルミ推定・および某電機メーカーにおける売上向上戦略
内定者の回答紹介
以下で、実際の内定者の回答を紹介します。
自己紹介では、自分のよく知る趣味や研究を話そう
BCGのフェルミ・ケース面接では、アイスブレイク時の「趣味」や「研究内容」からお題が決められることが多いようです。
よって、自己紹介では自身の扱いやすいテーマについて語ると良いのではないでしょうか。
実際に内定者は、「自己紹介の段階で自身が応えやすい内容を語ることを意識した。本当に詳しいものだと、アドバンテージになるため、しっかりと『知識のある内容』か『数字を想像しやすい内容』について話すを選ぶのが妥当」と話しています。
他の企業で語る自己紹介とは別に、面接を見据えた自己紹介を準備できると良いでしょう。
フェルミ:面接に使える頻出数値・公式一覧
ディスカッションを通じた回答のブラッシュアップを重視しよう
BCGのケース面接では、1度目の回答以上に面接官とのディスカッションを通した回答のブラッシュアップが重視されています。
実際に内定者は「面接官とのコミュニケーションを重視するように意識した。指摘を踏まえて、スムーズに回答をブラッシュアップできた点が評価されたポイントだろう」とコメント。
以下を参考に、面接官との議論を進めましょう。
【面接官との議論で注意したいポイント】 ・ 面接官からの指摘は基本「おっしゃる通りで、」と受け入れる。指摘に合わせて回答をどのように変更するかについてコメントを添える。 ・ 指摘が自身の考えに反している、組み立てたロジックのスコープ外だと感じた場合は、しっかりとした根拠をもってその旨を説明する。あえて筋の悪い指摘をし、それに気づけるかを見ている意地悪な面接官もいるよう……。 ・ 難しい指摘を課された際は1人で考え黙り込むより、仮説を持った上で面接官に助言を求める。 ・ 一方的に話し続けるのではなく、面接官をディスカッション相手のように捉えて議論を進める。
フェルミ:数値の妥当性を意識しよう
BCGのフェルミ面接では、深掘り段階で各数値の妥当性について説明が求められます。
実際に内定者は、自身の身の回りの経験を踏まえた数値設定でフェルミ推定を進めたそう。 数値の妥当性を考慮するためには、経験則から設定する方法以外に、
- 既知の数字から計算する
- 時間があるなら別の方法でフェルミ推定を行ってみる
などが挙げられます。
ケース:ディスカッションで施策の精度を上げよう
BCGのケース面接について、ある内定者は「施策の精度や具体性をどこまで極められるか」が評価のカギと話します。
実際に思考時間のない本面接では、思考フローに関する深掘りは1つもなく、施策の具体性や懸念点を問う質問が複数されています。
以下のポイントを意識しながら、施策の精度を上げることに集中すると良いでしょう。
(1)施策の懸念点を検討 考えられる懸念の対象としては、以下が挙げられる ・ 労働者や顧客などの人周り ・ プロダクトの良し悪し、販売経路、市場などの商品周り ・ 資金や材料などのコスト周り (2)施策のインパクトを検討 インパクトを数値の出し方としては、以下が挙げられる ・ 変化幅を割合(%)で出す ・ フェルミ推定的に売上の差分を計算する 深掘りの質問に対する思考時間は与えられないため、おおよその変化幅を%で答えると良いと考えられる
参考:面接対策に使える本・サイト
【参考書籍】
・『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける』(東洋経済新報社、2009年)
・『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」』(東洋経済新報社、2010年)
・『過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題』(東洋経済新報社、2009年)
【ケース面接の対策記事】
【内定者が行っていたケース面接対策】
- 参考書を2~3周程度読み込んで、ケース面接の型や活用できるフレームワークをインプット
- 参考書に載っている練習問題を実際に自分で解く
- 友人とともに、本番を想定したケース面接の実践演習を実施
- 街中で見つけた商材やサービスについて、売上をフェルミ推定したり、売上向上施策を検討
内定者の感想
- ある内定者は「1日のうち早い時間帯に面接を受けた方が通過しやすい」と選考を振り返っていることから、面接後半組は不利になる可能性も。早めに優秀者が通過することでインターンシップ枠が埋まってしまう可能性があるため、空いていれば早めの面接参加をお勧めする。
3-5. 2次面接
以下、詳細な2次面接の流れです。
【2次面接の流れ】 - 自己紹介&アイスブレイク - ケース問題 - 思考時間(なし) - ディスカッション時間(25分程度) - テーマ「趣味や研究内容、過去の経験からテーマ決定」 - 映画館の売上向上施策 - それぞれの施策に対する具体的なイメージを話してください - 挙げた施策のうち1つを選ぶとしたらどれか - 逆質問(1問程度)
評価ポイント
評価のカギは、面接官との議論の中で、施策の精度や具体性をどこまで極められるか。
対策方法
過去3年(23〜25卒)のケース面接の出題傾向
直近3年間のBCGのケースについて、特徴や傾向は以下の通りです。
【傾向】 - テーマ - フェルミ「市場規模」、ケース「売上向上施策/利益向上施策」の形式が多い - 具体的なテーマは、自己紹介で語った趣味や研究内容、過去の経験から決定されるケースが多め。ただし、用意されていた問題が出されることもあるので要注意 - 思考時間 - 思考時間がない場合が多い
実際に本フローにおけるテーマの他に、以下のようなテーマで出題がされています。直近3年間のBCGのケースについて、特徴や傾向は以下の通りです。
【25卒選考で与えられたテーマ例】 ・ あなたが住んでいる街のタクシーの数はどれくらいか ・ 日本の教育を良くするためにはどうすべきか ・ 中古スマホの市場規模推定と中古スマホ屋の売上向上施策のセット
【24卒選考で与えられたテーマ例】 ・ あなたがトヨタの社長なら何をするか ・ 多くの大学生にBCGを知ってもらうためには何をするか ・ 日本から海外へ行く留学生を増やすには何をするか 【23卒選考で問われたテーマ例】 ・ ある小売業界の市場規模フェルミ推定とコストカット施策の立案
内定者の回答紹介
以下で、実際の内定者の回答を紹介します。
思考時間ゼロの2次ケース。瞬発的な思考が求められる
本2次面接は、BCGに特徴的な思考時間ゼロのケース面接です。 実際に、
面接の冒頭:面接官から「○○の売上向上施策を考えて」と伝えられる ↓ すぐに施策を複数個回答する ↓ 面接官からの深掘りによって議論が進む
といった流れで面接が進んでいくとのこと。
思考時間がない中で施策を考えるのは至難の業ですが、以下に内定者が瞬発的に意識していたポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
【瞬発的に施策を出すポイント】 ・ 因数分解の数式を想起し、各変数を向上させる施策を考える ・ 対象となるものの強み、特徴を生かす方針でことを考える ・ 対象となるものの脅威を解決する方針で施策を考える ・ 自分の過去の経験や身近な例で考える ・ 思いついた施策に類似性が高い別の施策を答えることでその場をしのぐ
(再掲)ケース:ディスカッションで施策の精度を上げよう
BCGのケース面接について、ある内定者は「思考時間がないため、最初に回答する施策の質はそこまで問われていないだろう」とコメント。
その後のディスカッションで施策をどこまで極められるかこそが、本2次面接で重要なポイントとなるようです。
実際に思考時間のない本面接では、思考フローに関する深掘りは1つもなく、施策の具体性や懸念点を問う質問が複数されています。
以下のポイントを意識しながら、施策の精度を上げることに集中すると良いでしょう。
(1)施策の懸念点を検討 考えられる懸念の対象としては、以下が挙げられる ・ 労働者や顧客などの人周り ・ プロダクトの良し悪し、販売経路、市場などの商品周り ・ 資金や材料などのコスト周り (2)施策のインパクトを検討 インパクトを数値の出し方としては、以下が挙げられる ・ 変化幅を割合(%)で出す ・ フェルミ推定的に売上の差分を計算する 深掘りの質問に対する思考時間は与えられないため、おおよその変化幅を%で答えると良いと考えられる
参考:面接対策に使える本・サイト
【参考書籍】
・『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける』(東洋経済新報社、2009年)
・『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」』(東洋経済新報社、2010年)
・『過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題』(東洋経済新報社、2009年)
・『ライト,ついてますか: 問題発見の人間学』(共立出版、1987年)
【ケース面接の対策記事】
【内定者が行っていたケース面接対策】
- 参考書を2~3周程度読み込んで、ケース面接の型や活用できるフレームワークをインプット
- 参考書に載っている練習問題を実際に自分で解く
- 友人とともに、本番を想定したケース面接の実践演習を実施
- 街中で見つけた商材やサービスについて、売上をフェルミ推定したり、売上向上施策を検討
通常の人物面接が課されることも
本2次面接では、人物面接が課されることもあります。 以下に、過去の頻出質問を記載しますので、あらかじめ回答を考えておくと良いでしょう。
【過去の頻出質問】 ・ あなたはどのような人か ・ 現在どのような考えで就職活動をしているか ・ 20年後にあなたはどのような人になっているか ・ 自分の強みは何か ・ BCGに対するイメージ
内定者の感想
- 施策を考えたフローについてはあまり深掘りされなかった。それ以上に、施策の精度や他の施策の提案が求められた。「他には?」と考えの幅が問われた。
3-6. インターンシップ
以下、詳細なインターンシップの流れです。
【3daysインターンシップの流れ】 ●テーマ ・「○○眼鏡屋の成長戦略」 ●当日のスケジュール ・1日目 └企業説明会・オフィスツアー(12:00頃~・2時間程度) └ワークの時間はほとんどない ・2日目 └ワーク - 昼:シニアインプットタイム(パートナーとの壁打ち) - 最後:個別FB ・3日目 └〜15:30 - ワーク - シニアインプットタイム(パートナーとの壁打ち) └15:45〜 - プレゼン(10分間) - 質疑応答(7分間) - BCG側の売上・利益目標に到達しているかの計算の妥当性 - 施策の具体的なイメージ - フィードバック
評価ポイント
本インターンシップの評価ポイントは、議論のロジックをどれだけ握れるか。 「ロジックがどこまで詰まっているか」「誰がその論理の主軸を考えたのか」が重視される。
対策方法
リーダーの立場に立ち、議論の主軸を握ろう
本インターンシップで見られるのは、「ロジック>アウトプット」。
実際にある内定者は、「重視されているのは、ロジックのきれいさ。最終発表前に選考通過の連絡を受けている学生がいたことからも、アウトプットより議論の流れが見られていることが分かる」と語ります。
また、基本的にワーク中に社員はおらず、議論の内容やロジックが確認されるのは、1日1回のパートナーとの壁打ち時間(シニアインプットタイム)のみ。
このタイミングで、議論全体の構図を誰が握っているのかが見られていると考えられます。
よって、自身のスキルをアピールできるよう以下のようなポイントを意識すると良いのではないでしょうか。
【議論中に意識すべきこと】 ●全体を通してファシリテーターの役割を務める ・全体の進め方や構図を考えていると、ロジックの把握に有利 ●ファシリテーター以外でも、常に論理が詰まっているか確認 【シニアインプットタイムで意識すべきこと】 ●自身が議論を展開し、提案までのロジックを作成していることをアピール ・率先して発言 ・他の学生が話した内容から抜けた論理を補足
戦略立案お題の進め方テンプレ
一般的に、戦略立案型インターンシップの進め方は以下の通りです。
(1)現状分析(自社分析/競合分析/市場分析(3C)) (2)問題点の絞り込みと原因の特定 (3)施策の考案/決定 (4)提案内容のブラッシュアップ (5)発表資料の作成 (6)最終発表(プレゼンテーションと質疑応答)
各パートにおいて注意するべきことを紹介しますので、参考にしてください。
Matureな人物像を示そう
冒頭のMBB比較で記載したように、BCGの社風の特徴として「Mature(成熟している)」ことが挙げられます。
そのため、本インターンシップでも自身がMatureな人物であることを示す必要があるでしょう。
Matureな人物像をアピールするために、インターンシップ中は以下の事項を意識してみてください。
【BCGのIS中に意識すべき姿勢】 1. メンバーの意見を常に丁寧に扱う ・「Yes,But〜〜」を心がける 2. 社員から言われたフィードバックは、どのような内容であっても、まずは受け入れる 3. シニアインプットタイムの際には、シニアマネージャーの視点に立った壁打ちを行う ・シニアマネージャーの視点を身につけるためには、以下の著書がお勧め └ コンサルが「マネージャー時代」に学ぶコト 知るだけでビジネスモンスターになれる79のスキル/思考と矜持
内定者の感想
- 他の戦略コンサルティングファームと比較すると、BCGのインターンシップでは協調性が大事になると感じた。
3-7. 最終面接
以下、詳細な面接の流れです。
【面接の流れ】 ●インターンの感想・振り返り ・チームの中でどのような役割を担ったか。残りの2人の役割は何か ・班で出したインプットを簡単に説明 ・そのインプットに対して、自分が良いと思う点と悪いと思う点はどこか ●オファー ●逆質問(3問程度)
評価ポイント
ほとんどの場合、本最終面接で改めて評価されることはないだろう。
対策方法
インターンシップを振り返っておこう
本最終面接では、インターンシップに関するコメントが求められます。
事前に参加したインターンシップについて、振り返っておくと良いでしょう。
実際にある内定者は以下のような項目で回答を求められています。
【インターンシップに関する振り返りの項目】 1. 「チームの中でどのような役割を担ったか。自分以外のメンバーの役割は何か」 2. 「班で出したアウトプットを簡単に説明して」 <例> 「結論、AとBの2つの施策を提案した。○○と△△の結果、課題は『◯◯』と『◯◯』にあると考えた。競合との位置関係を加味して、『◯◯』に対してはA、『◯◯』に対してはBの施策を実施することで企業拡大が実現できる」
3. 「そのアウトプットに対して、自分が良いと思う点/悪いと思う点はどこか」 <アウトプットの良し悪しを分析する上での観点例> ・実現可能性 └コスト面/技術面/実現までの期間 ・インパクト └市場の大きさ、伸び/売上の見積もり
内定者の感想
- 学生によっては、最終面接でケースを課されることもあるそう。
- オファー後の逆質問は、志望度を測られるものではないと考えたため、本当に気になることを数点確認した。
3-8. 内定
4.内定者の感想
- 他の戦略コンサルティングファームの内定を持っていると、優遇がある可能性も。
- マッキンゼーの社員は何かにとがった人が多かった一方、BCGの社員はより普通の人間らしさがあった。
【編集:岡美月】