こんにちは、ワンキャリ編集部です。就職活動をしていて「自分の目指すキャリアパスは本当にこれでいいのだろうか?」という不安が生まれはじめていませんか?
「キャリアを考えるWEEK」第3回である本記事では、多くの学生が業界選びのときに重要視する「自己成長」「グローバル」「社会貢献」の3つの軸について、どう考えを深め、それが実際の選考でどう生きるのか、想定質問を踏まえてお伝えします。
一歩踏み込んだ志望動機で差別化する必要のある人気業界志望の皆さんは必見です!!
自己成長した先にあるものを見据えているか?〜ベンチャー・外資志望者向け〜
ベンチャーや外資系志望の学生が特に重要視する「自己成長」。しかし、自己成長の到着点を具体的にイメージできている学生は案外少ないです。
自己成長の到着点は、「やりたいこと」と「なりたい人」に大別できます。前者は、「将来、事業を回せるようになりたい」という行動に到着点が置かれたもので、ベンチャーや外資系志望者に多く見られます。他方、後者の「なりたい人」は「〇〇できる人材になりたい」「〇〇さんみたいになりたい」という人を軸に到着点が置かれたもので、日系志望者に見られます。
どちらの傾向が強いかで、向いている企業をざっくりと測ることや、志望企業の傾向にあわせて使い分けることもできます。
予測質問・深掘りの対策ポイント
自己成長を軸とした志望動機は、以下のような質問を受けたときに役立ちます。
・「あなたにとって『自己成長』が指すものとは?」・「なぜ『自己成長』したいのか?」
「自己成長」とは、今できることと到着点のギャップを埋めること
まず「自己成長」とは、今できることと到着点のギャップを埋めることです。
到着点が「30歳までに起業をする」といった「やりたいこと」なら、ビジネスマンの基礎を身に着ける、経理やマネジメントを学ぶ、人脈を作ることなどが今できることと到着点のギャップにあたります。
一方、到着点が「Bさんのようになりたい」といった「なりたい人」なら、Bさんに憧れた理由がそれにあたります。例えば、関係者間の利害を上手く調整する仕事ぶりだとすれば、周囲を巻き込んで仕事をする人間になることです。
そしてこれらが「あなたにとって『自己成長』が指すものとは?」の返答になるものです。
「自己成長」の理由は自分の過去の経験で応える
続いて、「なぜ『自己成長』したいのか?」を考えましょう。到着点が30歳までに起業をするといった「やりたいこと」なら、「◯◯を経験したことにより◯◯問題の解決に取り組みたいとの思いが生まれた」から、もしくはなりたいひとの切り口によりますが、「過去に影響を受けた方が30歳で起業したから」などさまざまな回答例が考えられます。
一方、到着点がBさんのようになりたいといった「なりたい人」なら、あなたの持つどういう経験がBさんへのあこがれを喚起させたのかを端的に答えましょう。例えば、「過去にチームをまとめる役職を務めたときに上手くいかなかったことから、人を巻き込むことの重要性や難しさを実感した」といったものです。
企業はあなたの「働く動機」を見極めようとしています。あなた固有の経験を交えて話しましょう。
あなたにとっては「グローバル」とは?〜総合商社志望者向け〜
三菱商事、伊藤忠などの総合商社や日本郵船といった海運業界を志望する多くの学生が口にする「グローバル」という軸。面接で「グローバル」について深掘りされて答えに窮する学生が多いです。今一度、「グローバルに働きたいのはなぜか」を通して「自分は何を『グローバル』と呼んでいるのか」を考えてみましょう。
グローバルに働くことの動機は、以下の3つに大別されます。
・スキル(英語力、異なるバックグラウンドを持つ人と協力する力など)
・純粋な憧れ
・影響力の大きさ
最低限、これらのうちどの動機が自分にとって一番重要で、その動機がどういった目標につながっているか、の2点を用意して面接に臨みましょう。
▶予測質問と深掘りのポイント
グローバルを軸とした志望動機は、以下のような質問を受けたときに役立ちます。
・「場所が海外である必要性はあるのか?」・「なぜ海外で働きたいのか?」
「必然性」から「志望動機」と「その妥当性」を測っている
「必要性」は、動機とセットで語りましょう。例えば、スキル獲得が動機にある場合は、「語学力獲得が動機で、海外オフィスで現地法人と一緒に業務を経験することはその獲得に必要である」と答えるのが一例です。ただし、英語以外の現地語で行う場合が多いこと、語学力獲得のみが目的だとwhyにつながりにくいこと、の2点に気をつけてください。あなたがグローバルに働きたい「動機とその妥当性」を見ています。準備した回答に、死角がないか念入りに確認しましょう。
「グローバル」の理由は「自己成長」を絡めて応える
「なぜ海外で働きたいのか?」とwhyを問われたら、動機と目標のつながりを測られています。準備さえしていれば、一見死角がないように思うかもしれませんが、「憧れ」が動機の場合は注意が必要です。人事の立場に立ってみれば、「ニューヨークのカフェテリアでコーヒー片手に商談してみたい」だけの人を採用するわけがありません。先述の「なりたいひと」タイプの自己成長切り口のような志望動機に紐づけて補強した方が良いでしょう。
社会貢献を行うのに「なぜ企業か?」に答える志望動機を〜総合商社・インフラ・デベロッパー志望者向け〜
インフラやデベロッパー、一部の総合商社などの志望者に多く見られる「社会貢献」という志望動機。CSV(※1)が唱えられるようになった昨今ではありますが、社会貢献は経済活動とは相いれないことも多いです。パブリックセクター(NPO、NGOなど)ではなく、プライベートセクターで社会貢献に関わるのはなぜかを明確にしておく必要があります。
まずは、2つのセクターで社会貢献を行うことのメリット・デメリットを見てみましょう。以下の図をご覧ください。
メリットとデメリットが裏表であることがお分かりかと思います。
※1 CSV:Creating Shared Valueの略。共通価値の創造の意。
プライベートセクターは利益を上げることが至上命題
プライベートセクターは、社会貢献であってもビジネスとして成立させることが前提です。そのため解決策も課題に対して継続的に関係を持ち続ける形を模索します。また、資金、人材、ネットワークなど豊富なリソースがあるため、選択肢が多いことが特徴です。一方で、利益を上げることが至上命題であることから案件の幅は狭くなります。収益化が難しい問題に対してアプローチすることはないのです。
以上を踏まえて、自分の目指す社会貢献をプライベートセクターで目指す理由を明らかにしてみましょう。貧しい人を救うために仕事をしているはずなのに、自社が膨大な利益を上げていることに違和感を覚える学生も少なくないようです。自分のビジョンと営利企業の目標が一致しているかを今一度確認しておきましょう。
▶予測質問と深掘りのポイント
社会貢献を軸とした志望動機は、以下のような質問を受けたときに役立ちます。
・「どの『社会』に貢献したいのか?」・「なぜ社会貢献を企業で目指すのか?」
「社会貢献」の理由は「プライベートセクターの立場」なしには語れない
「社会貢献」を語る場合には「なぜプライベートセクターか?」の簡潔な答えの準備があることが大前提です。しかし、社会貢献のビジョンを語った後に、「それ、どうやって儲けるの?」と突っ込まれて玉砕する就活生が毎年多くいます。これは「なぜプライベートセクターか?」の考えが甘い証拠です。先ほど確認したように、「プライベートセクターは利益を上げることが至上命題」ということを予め詰めておくことを忘れないようにしましょう。
例えば、「貧困地域の子供が学校に行けるようにしたい」というのが夢なら、「学校を作る」とそのまま話しても面接官には響きません。「大学時代に現地を訪問した経験から、就学率向上には子供の家事労働を減らすことが必要であると実感した。御社の海外インフラ事業を用いると、子供が水汲みに一日の大半を費やす現状の解決と同時に御社の事業拡大に繋がる。」と回答すると、面接官は「この学生は利益回収まで考えている」という印象を抱くでしょう。
おわりに
いかがでしたか?就活生が志望動機を支えるために用いる軸の種類はそう多くありません。そのため、種類ではなく質や見せ方で差別化を図ることが必須になります。「軸をどこまでブラッシュアップできているか」「軸と自分のかかわりをどこまで考えているか」が重要となります。特に総合商社など人気業界では多くの学生が似た志望動機を話す中で差別化するには、細部まで考え抜くことが重要になるでしょう。本記事で紹介した深掘りのための切り口を参考に、自分の志望動機を最終チェックしてみてください。
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