「若いうちからクライアントの経営課題にも切り込める」。こう聞いて、あなたはどんな仕事を思い浮かべるでしょうか?
コンサルティングファームを想像する人も多いかもしれませんが、事業会社にも経営パートナーとなれる仕事はあります。その中でも、唯一無二のポジションにあるのが、資生堂のセールスです。
化粧品業界のリーディングカンパニーである資生堂では、セールスは単なる営業ではなく、得意先の課題解決に取り組み、その先の生活者に新しいビューティー体験と価値を提供してきました。変化の激しい市場環境に合わせてその役割も変化させており、新卒から最短で成長できる道筋も整えようとしています。
進化し続ける資生堂のセールスならではのやりがいやキャリアについて、ビジネスの中核で活躍する有本圭吾さんと清水大生さんにお聞きしました。
<目次>
●コンサルタントとして得意先の経営課題に切り込み、生活者のビューティー体験までも向上させる
●マーケターの視点で売上や購買行動を分析する、データドリブンな営業に進化
●新卒1年目で大手の得意先を任されることも。権限委譲で大きなやりがいと成長を実感できる環境
●セールスのプロや管理職への最短の道が開けている
コンサルタントとして得意先の経営課題に切り込み、生活者のビューティー体験までも向上させる
──お二人は新卒で資生堂に入社されたそうですね。これまでのキャリアと今の仕事について簡単に教えてください。
有本:2005年に入社後、担当店に対して販売戦略や売り場づくりの提案をする個店営業を経験した後、大手ドラッグストアの本部営業を担当しました。管理職に就いてからは、コンビニエンスストアやバラエティストア、ECプラットフォーマーを担当する営業部門で事業戦略の立案・推進やブランドの新規接点開拓に携わりました。現在は、ドラッグストアの本部営業チームの事業責任者という立場です。
有本 圭吾(ありもと けいご):資生堂ジャパン株式会社 プレミアムブランド事業本部 アカウント第3事業部 事業部長
2005年新卒入社。大手アカウントの個店営業・本部営業を担当後、コンビニエンスストアやECチャネルにおける事業戦略立案・推進や新規接点開発を担当。現職にて、最大手アカウント(ドラッグストア)の中長期商談や売上・販売戦略立案を担当する本部営業担当部門の責任者を務める。
清水:僕は2013年に入社し、ドラッグストアの個店営業に携わった後、本部営業に異動しました。そこで有本さんと一緒に、家電量販店、ホームセンターの本部営業に加え、新規得意先との接点開発も推進していました。現在は、有本さんのもとで大手ドラッグストアの本部営業に携わっています。
清水 大生(しみず たいき):資生堂ジャパン株式会社 プレミアムブランド事業本部 アカウント第3事業部 第2営業統括部
2013年新卒入社。大手アカウントの重点エリアや拠点店舗の営業を担当後、現職にて最大手アカウント(ドラッグストア)における本部営業を担当。中長期商談や売上・販売戦略立案、全国での実行推進などを行う。
──資生堂のセールス職が担っているミッションを教えてください。
有本:資生堂には「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源だけではなく、150年以上かけて築いてきたブランド力、ビューティー領域におけるノウハウや知見があります。そのリソースを活用しながら社内外の関係者と連携を図り、得意先の売上や利益はもちろん、経営課題の解決にも貢献し、その先にいる生活者へ新しい体験価値を提供することが私たちのミッションです。
──単に売上だけを追求するのではなく、得意先の経営課題にも切り込むのですね。
有本:そうですね。業界のリーディングカンパニーである資生堂だからこそ、得意先が本質的に抱えている課題を解決していくことが期待されています。現在は、得意先と共創して、新しい価値を生み出していくことにも挑戦しています。
清水:私の例でいうと、全国展開する大手得意先の人材教育に携わったことがあります。きっかけは、得意先の事業部長から「うちでは売上比率が少ない化粧品を盛り上げていきたい」というご相談があったことです。
当時はコロナ禍で外出の機会が大幅に減り、化粧品の価値を十分に発揮しにくい時期でもありましたが、化粧品は得意先の従業員の方がお客さまとの信頼関係を築け、リピートにつながる商材です。そのため、化粧品カテゴリーや化粧品売り場が盛り上がれば、得意先全体の売上やお客さまの体験価値の向上にもつながります。
──まさに経営課題と向き合う仕事ですね。どのように対応していったのでしょうか?
清水:まずは、当時はまだ画期的だったリモートでの研修を得意先の従業員さま向けに実施しました。その活動を評価いただけたので、売り場に化粧品担当者というポジションを設けることを提案したところ、採用していただくことができました。資生堂という1メーカーを超えたソリューション提供ができました。
得意先の企業経営に全方位的に関われるのは、資生堂がビューティー&ウェルネスの領域における経営パートナーとして信頼・期待をいただいているからだと思います。
有本:得意先の人事戦略など企業経営に深く入り込めるのは、この仕事の大きな魅力ですね。資生堂のセールスは、ビューティービジネスにおけるコンサルタントとしての役割も期待されています。
さらには、「to B」と「to C」の双方で価値づくりができます。得意先の課題解決をするだけでなく、その先にいらっしゃるお客さまのビューティー体験も向上させる。これは、ブランドやプロダクトを持つ事業会社である資生堂だからこそできることです。
マーケターの視点で売上や購買行動を分析する、データドリブンな営業に進化
──人事戦略以外にも、得意先の経営に深く関わっていくことはあるのでしょうか?
清水:得意先のアプリやSNS、ライブコマースといったデジタル領域のメディア戦略も提案しています。得意先の戦略にそのまま乗るのではなく、一緒に戦略を作っていくイメージです。
有本:その他にも、得意先の購買データを分析、課題を発見し、中長期の戦略・目標を一緒に策定しています。LTV(顧客生涯価値)の最大化を共通の目標として設定することも定着してきており、「お一人おひとりのお客さまに、どう末長くご愛用いただくのか」という目線を共有できています。
──得意先のデジタルマーケティングの領域にも踏み込んでいるのは意外でした。
清水:資生堂のセールスでは、以前からデータ活用をしていたものの、実際の提案への運用については属人的で、当たり前ではありませんでした。変化が起きたきっかけは、コロナ禍です。インバウンド需要が一気に落ち込んだことで、日本国内の生活者インサイトに改めてアプローチすることが必要となり、データを活用したユーザー分析の重要性が一気に高まりました。
有本:今は生活者の意識や価値観、購買行動などが多様化しているので、統一された価値を提供しても響きません。また、市場のトレンドとしては、「自分らしく」外面だけではなく内面からも美しく健康に生きたいという価値観が増幅しています。
これらの変化を踏まえて、生活者起点の価値を提供するために、データから購買行動を分析し、仮説を立てたうえで実行・検証するデータドリブンな営業活動ができる環境を整えました。その結果、組織における企画・提案力が高まりました。その分、セールスにもマーケティング視点がより求められるようになりました。
清水:求められるレベルは高まっていますね。私が入社した頃は「思いついたら、何でもやってみる」という姿勢で業務に取り組んでいましたが、今ではデータによる裏付けも必要です。得意先の利益や中長期的な成長につながるという前提のもと、イノベーションにつながる新しい発想を考えるため、非常に視座が上がっています。
有本:もちろん、化粧品というビューティーを中核にしたビジネスのため、勘やセンスが全く不要とは思っていません。感性とデータを組み合わせてハイブリッドな提案をしていく形に変化しています。
新卒1年目で大手の得意先を任されることも。権限委譲で大きなやりがいと成長を実感できる環境
──資生堂のセールスとして働く魅力は何だと思いますか?
有本:自ら生み出したアイデアで挑戦できるだけでなく、社内外と連携を図りながら、最後まで実行を担えることです。成功したときの達成感は、何事にも代えがたいですし、失敗したとしても成長の大きな糧となります。そもそも、失敗をとがめられるようなことはなく、リスクを恐れずに何度でも挑戦することを奨励する組織風土です。
清水:自分の能力をさらにストレッチできるような仕事を任せてもらえている実感はありますね。ジョブ型の人事制度を採用している資生堂では、今のレベルに適した仕事というよりも、その領域でのプロフェッショナルとしてさらに成長が見込める仕事を任せられる風土があります。
そのため、一般社員でも管理職が担当する業務のサポートを任されることがあります。自分にとってチャレンジとなるような仕事を遂行するのは、苦労もありますが、面白さや成長にもつながっていると感じます。
有本:社内には、入社年次などに関係なくチャレンジングな業務に携わり、さらに高いパフォーマンスを発揮する機会が多くあります。実際、意欲のある新卒1年目の社員が、全国展開する大手ドラッグストアのブランド戦略実行を任されたケースがありました。その社員は、得意先や社内関係者のハブとなって戦略の実行をリードし、年間何十億円という売上をつくることに貢献しています。
清水:本人は大変そうでしたが、最後までやり切ることで成長にもつながったようですよ。そんなふうに、若くしてリーダーシップを発揮している他のメンバーの姿を見て、僕も「もっと頑張らなきゃ」と刺激になりました。
──意欲があれば、大きな成長の機会を得られる環境なんですね。
有本:メンバー自身が考えたことを実行まで担えるように、権限委譲もできる限りしています。「自社の利益を守りつつ、得意先にも貢献でき、生活者にも価値を提供できるのであれば、基本的には何をやってもいいよ」とメンバーには伝えています。
清水:実際、権限委譲によって、得意先の上位レイヤーの方々に対して商談に行くことを奨励してもらえるのはありがたいですね。もちろん与えられた権限の範囲内ですが、自分自身で意思決定をして責任を持って業務を進めているときは熱量が高いですし、目標を達成できたり、アイデアを具現化できたりしたときは、大きな達成感を得られます。ビジネスの最前線に立って実行をリードするパフォーマーであるという意識のもと、使命感を持って自らの役割を全うできる環境です。
──そこまで権限委譲に重きを置くのはどうしてでしょうか?
有本:社員の多様性の中にこそ、新しい取り組みや価値の創出など、イノベーションが生まれるからです。
生活者の価値観がどんどん変化している中、化粧品を中核ドメインに置いていない企業も新規参入してきていて、市場環境はますます激化しています。その状況下では、今までのやり方だけでは通用しない部分があります。
これまでとは違うやり方で差別化を図るなら、若手も含めて社員の新たな意見や行動を尊重する必要があります。立場に関係なく自分の考えをフラットに提言できる環境は重要です。
特に若手社員は生活者に一番近い感覚を持っていて、その意見にはこれから先の需要が含まれているはずです。資生堂には管理職が若手社員から1対1で意見を聞くリバースメンターがあります。最新のトレンドや資生堂が成長するための課題、といったテーマを決めて、管理職が若手社員から教えてもらったりディスカッションしたりする仕組みです。
──あまり聞かないですし、面白い制度ですね。
有本:そうですよね。昨年、僕もその制度を通して、マーケティング部門で働く20代の女性社員と韓国コスメがブームになっている要因について話し合いました。そして、彼女から得た情報を事業部内でも共有し、資生堂の商品づくりやプロモーションに生かせるようにしました。その経験から、若手社員の意見をインプットすることはプラスになる、と改めて実感しました。
セールスのプロや管理職への最短の道が開けている
──セールスの育成については、どんな取り組みをされていますか?
有本:資生堂の経営理念である「PEOPLE FIRST」を具現化するための環境・風土づくりを行っています。創業以来、資生堂では人を価値創造の源泉と捉えて、「社員が会社にとって最も大切な資産である」という考えのもと、社員・会社双方の成長を目指しています。
具体的には、セールス領域における若手社員のキャリアパスの考え方を明確化し、育成のスピードをさらに高めていく予定です。これまでは、入社年次によってキャリアパスがバラバラでしたが、これからは一人ひとりの特性や志向に応じて、さまざまな仕事を経験できるようなキャリアパスを設計していきます。
そうすることで、一人ひとりが短期間でセールスのプロフェッショナルとして活躍できる人材に育てることが目標です。また、ポテンシャルのある社員がさらに成長できるよう、管理職などのキーポジションに早期に登用するファストパスが提供できると思っています。こうした取り組みによって、若手社員の前に続く扉がどんどん開いていくはずです。
──若手社員の大きなモチベーションにつながる取り組みですね。最後に、資生堂のセールスに興味がある就活生に向けて、メッセージをお願いします。
清水:AI(人工知能)が注目されている今の社会では、誰でも共通の正解を導き出せるようになりました。ですが、セールスの仕事には一律の正解がありません。自分だけにしかできないパフォーマンスを発揮できる人であれば、新しい文化やイノベーションを生み出せるはずです。「自分にしかできない価値を発揮したい」という意欲がある方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
有本:当社のセールスは、ただ商品を販促するという仕事ではなく、資生堂が持つリソースをうまく活用しながら、市場やビジネスをリードしていくプロデューサーとしての役割も兼ねています。加えて、商品やサービスを通じて、包括的な体験価値を提供することを得意先と共同で創造していくマーケターでもあります。
それこそが、資生堂セールスの価値であり、最大の魅力です。変化を受け入れてチャレンジを楽しみ、「成長したい」という貪欲な情熱を持っている人にとっては、今の資生堂は格好の舞台です。そういったマインドを持つ方と一緒に会社をさらに盛り上げ、社会に新しいイノベーションを提供することで、これから先もパーソナルビューティ&ウェルネスの領域をリード・拡大していきたいですね。
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【編集:サムライト株式会社、吉川翔大/執筆:流石香織/撮影:是枝右恭】