エントリーシート(ES)や面接で自己PRをする際、コミュニケーション能力をアピールすることで就活を有利に進めることができます。コミュニケーション能力をアピールすることで、企業側が「入社後に活躍している学生の姿」を想像しやすくなるためです。そこで今回は職業別に、どのように自己PRをすれば良いのか、例文を踏まえて解説します。
<目次>
●コミュニケーション能力とは
・コミュニケーション能力3分類
・仕事におけるコミュニケーション能力の重要性
●職種別コミュニケーション能力が問われるシーン
・法人営業職
・企画・マーケティング職
・経理職
・コンサルティング職
・人事
・事務職
・エンジニア職
●自己PRでコミュニケーション能力を伝える際の注意点
・エピソードを細分化し、具体的に話せるようにする
・コミュニケーション能力を使って何ができるかを伝える
・言い換えた言葉を使うようにする
・面接での言動や態度にも注意が必要
●職業別!コミュニケーション能力を自己PRする時の例文18選
・伝える力の自己PR例文
・聞く力の自己PR例文
・質問する力の自己PR例文
●コミュニケーション能力以外でも使える自己PR
・主体性
・チャレンジ精神
・協調性
・誠実性
・適応力
●おわりに
コミュニケーション能力とは
一般的に「コミュニケーション能力」とは、どのような相手でも問題なくやり取りできるスキルのことを指します。就活では、コミュニケーション能力を以下のように定義する企業が多いです。
(1)相手の言うことを正しく理解する能力
(2)伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう能力
サークルで場を回せているような人が「コミュニケーション能力が高い」と思っている就活生もいるのではないでしょうか。しかしビジネスでは、自分と異なる意見を擦り合わせながら「売上を生み出す」という意味でのコミュニケーション能力が求められます。相手の言葉を正しく理解したうえで、自分の主張にも納得してもらえるよう適切に話し合える能力が重要です。
コミュニケーション能力3分類
上記の「ビジネスで求められるコミュニケーション能力」は、大きく以下3つに分類できます。
①伝える力
②聞く力
③質問する力
それぞれについて確認しましょう。
①伝える力
「伝える力」とは、自分の考えをわかりやすく相手に理解してもらうためのコミュニケーション能力です。
ビジネスでは、以下のように自分の考えを伝えるシーンが数多くあります。
・新規顧客に商品の魅力を伝えて購入していただく
・プロジェクトを進めるために同僚へ仕事の意義を伝えて協力してもらう
・同僚や部下に仕事を依頼する際に「何を・どうしてほしいのか?」をわかりやすく伝える
・上司に今月の営業成績を簡潔に伝える
・上司から与えられた仕事でわからない箇所を簡潔に質問する
伝える力がなければ、相手は商品の魅力を理解できず売上につながりません。また、同僚や部下に自分の仕事を協力してもらう際も「どんなアクションを起こしてほしいのか?」を簡潔に伝えられなければ、協力を仰ぐのは難しいでしょう。
②聞く力
コミュニケーションでは、自分が伝えるだけでなく「相手の話を聞く力」も重要です。
例えば顧客に商品を提案する際は、商品の魅力を一方的に「伝える」だけになってはいけません。相手の話から困っていることを見いだして、「商品がどのように役に立つのか?」という点をわかりやすく伝えることが必要です。
また、社内関係者と意見を調整し仕事を進める際は、相手の要望や事情も聞き出したうえで適切に提案する必要があります。もし、一方的に話を遮り自分の要望ばかり伝えると、相手と信頼関係を構築できず業務に支障が出るかもしれません。
③質問する力
上記のように、相手の課題を聞き出したりメンバーの状況を把握したりするには「質問する力」が必要です。相手の話に応じ的確に質問することで、「自分に興味を持ってくれている」と感じてもらいやすくなり、信頼関係を構築できます。
信頼関係の構築だけでなく、相手に「◯◯という認識で大丈夫ですか?」といった意図の確認を目的として質問することで、認識のズレをなくしスムーズな業務を実現できるでしょう。
仕事におけるコミュニケーション能力の重要性
このように仕事においては、学生時代以上に上記で解説した意味でのコミュニケーション能力が重要です。
働きはじめると、同僚や先輩、上司、顧客、部下など多くの相手とコミュニケーションを取る機会が増えます。こうした多くの関係者とやり取りする中で、相手の発言の意図をくみ取って回答したり、異なる意見に対して自分の考えを述べつつ上手に調整したりすることも求められるでしょう。
上記を行うには、一方的に話すのではなく「伝える・聞く・質問する」という3つの要素を満たしたコミュニケーション能力を身に付けることが必須です。
コミュニケーション能力を重視する企業は多い
就活でコミュニケーション能力を重視する企業は多くなっています。実際に内閣府が発表した「企業の採用活動に関する実態調査」では、採用したい学生の人物像として、78.6%もの企業が「コミュニケーション能力が高い」を挙げています。
※引用:内閣府「企業の採用活動に関する実態調査p.2」
適切なコミュニケーションを取れる人材は、顧客との取引を成功させたり社内のやり取りを円滑に進めたりできると期待されているのです。
▼面接で求められるコミュニケーション能力について詳しく知りたい方はこちら ・面接で求められている「コミュニケーション能力」って何?面接で見られる2つのコミュ力とは
職種別コミュニケーション能力が問われるシーン
ここからは具体的に、職種別でコミュニケーション能力が問われるシーンについて解説します。今回紹介するシーンは、以下7つの職種です。
・法人営業職
・企画・マーケティング職
・経理職
・コンサルティング職
・人事
・事務職
・エンジニア職
法人営業職
法人営業職は、コミュニケーション能力が必須の代表的な職種です。
営業職では、以下のように多くのシーンで「伝える力・聞く力・質問する力」が求められます。
・新規顧客と営業・自己紹介などを通じて信頼関係を構築する
・自社商品の魅力を簡潔にわかりやすく伝える
・顧客の話を聞いて、現状を正しく把握する
・相手に質問して潜在的な課題やニーズを引き出す
・商談の場で自社商品の値段に納得してもらう
・既存顧客の悩みを引き出し、適切な別商品を紹介する
これらをスムーズにできなければ、顧客と信頼関係を構築できず「売上を作る」という営業職の役割を果たせません。特に法人営業職は商談相手と、契約・購入許可を出す人が別であるケースが多いため、成約まで時間がかかる傾向にあります。そのため、顧客と長期的な信頼関係を構築して徐々に課題を引き出し、成約までつなげられるコミュニケーション能力が必須です。
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職の業務は、「サービスの設計」「市場調査」「販売戦略の策定」などがメインです。営業のように社外とやり取りする機会は多くありませんが、以下のように「社内関係者とのコミュニケーション」を求められる機会があるでしょう。
・営業部門と連携して顧客の要望を吸い上げ、サービス改善に生かす
・市場調査結果を研究部門と共有し、商品開発の方向性を話し合う
・決定した販売戦略に沿って、現場の従業員に「店舗で何をしてほしいか?」を伝える
・広報担当者と連携して商品のPR方法を決める
社内でさまざまな従業員とやり取りをし、部門の事情やリソースなどを確認しながら、商品開発や販売戦略の設計に取り組みます。社内での情報共有にミスがあると、「別部署にやってほしいアクションが正しく伝わっていない」「調査結果が開発に反映されていない」などが起こり、業務に支障を与えるでしょう。
経理職
社内でお金関係を管理する経理職は、以下のようなシーンでコミュニケーション能力を求められます。
・経費の申請フローなどに変更があれば正確に全従業員へ共有する
・お金に関する質問があった際に専門用語を使わずわかりやすく説明する
・会計に関する法改正があった際に担当者間で正確に情報共有する
・不明瞭な経費申請や請求があった際に担当者へ詳細を確認する
・外部の税理士や金融機関などと連携する
経理職のメイン業務は、日々の入出金管理や経費申請処理、給与計算などの事務作業です。しかし、チーム内で会計に関する法改正の認識を共有したり経費申請者へわかりやすく不備を伝えたりなど、コミュニケーションを取る機会は多くあります。
また、外部の税理士や金融機関などと連携する機会もあるため、社内外問わずお金に関する認識を正しく共有できるコミュニケーション能力が必要です。
コンサルティング職
コンサルティング職とは、経営戦略の策定や組織再編、業務フロー改善などの提案を通じて、外部企業の経営課題解決を目指す職種です。以下のようなシーンでコミュニケーション能力を求められます。
・経営陣に企業の課題点を質問する
・経営課題の改善に必要な提案をわかりやすく納得できるよう伝える
・各企業の売上データや最新の市場傾向を整理して担当者に提案する
コンサルティング職は経営のプロを相手にする仕事です。そのため、業務に関する高い専門知識を持ったうえで、高度なコミュニケーションを取ることが求められます。企業の課題を的確に引き出し、経営陣が納得できるレベルの施策を提案できなければ、コンサルティング職で活躍することは難しいでしょう。
人事
人事とは、採用活動や配置転換、労務管理、教育研修の企画、社員の評価基準策定など、企業で働く従業員に関わる幅広い業務を担う職種です。以下のようなシーンでコミュニケーション能力が求められます。
・採用候補者と面接を行う
・従業員からの労務に関する相談に乗る
・社内制度の導入にあたり経営陣と話し合う
人事は従業員に関わる業務全般を担当するため、仕事も多岐に渡ります。採用活動の最前線に立つ機会が多く企業の顔としても見られるため、社内外を問わず柔軟にコミュニケーションを取れることが必要です。
事務職
事務職とは、書類作成やデータ入力、来客対応、備品管理、請求書作成など、企業に関わるあらゆる事務作業を行う職種です。基本的には社内でパソコンを操作する機会が多いですが、以下のような場面でコミュニケーション能力を求められることもあります。
・来客対応を行う
・書類の不備を該当者と共有する
・同じ部門の従業員にサポートを依頼する
事務職は同じ従業員と長い間一緒に社内で過ごすことになるため、「同僚や部下と適切にコミュニケーションを取れているか?」が重要になります。もしうまくコミュニケーションを取れなければ、職場の雰囲気が悪化するだけでなく、いざ仕事のサポートを依頼したい際に頼みにくくなるでしょう。
エンジニア職
エンジニア職とは、プログラミング言語を活用してシフトウエアや情報システムなどを開発する職種です。開発メインですが、以下のような場面でコミュニケーション能力が求められます。
・顧客へヒアリングして解決したい課題を引き出す
・顧客と擦り合わせて仕様を決定する
・顧客の課題に合わせてシステムの機能を提案する
・同僚と相談して分担を決める
エンジニア職では、顧客の課題を解消するためのシステム開発が必須です。どれだけ技術力が高くても、顧客のニーズに沿ったシステムを開発できなければ意味がありません。
自己PRでコミュニケーション能力を伝える際の注意点
就活の自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際は、以下の点に注意しましょう。
エピソードを細分化し、具体的に話せるようにする
まず、自己PRのエピソードを具体的に話すことが大切です。
コミュニケーション能力は、企業が最も就活生に求めるスキルです。そのため、他の就活生も同じようにアピールしてくる可能性が高く、漠然と「私はコミュニケーション能力があります」だけでは印象に残りません。また、具体的に「何を根拠にして ”コミュニケーション能力が高い” と主張しているのか?」が伝わらなければ、企業に納得感を与えられないでしょう。
企業へ自分の能力をアピールするには、具体的に「コミュニケーションが高い」といえるエピソードを細分化し具体性を高めて話すことが重要です。
エピソードを細分化する際は、具体的に以下を意識して考えると良いでしょう。
・具体的な実績や数字を入れる
・実績や成果を出すためになにを意識したのかまで伝える
・「どんな理由でその行動をしたのか?」を入れる
NG例文①具体的なエピソードがない
以下のように具体的なエピソードがない自己PRは、イメージが湧きにくく企業に就活生の魅力が伝わりません。
私はアルバイトでたくさんの人と関わってきた経験があるため、コミュニケーション能力が高いです。多くの人とコミュニケーションを取る中で質問力や聞く力も鍛えられたため、御社でもこのコミュニケーション能力を生かし活躍できます。
コミュニケーション能力を使って何ができるかを伝える
企業は採用活動の際に、「自社にとってプラスの影響を与える人材がほしい」と考えます。そのため、漠然とコミュニケーション能力の高さを主張するだけでは、そのコミュニケーション能力を使って「具体的にどうやって貢献できるか?」までは企業に伝わりません。
「自分を採用したらこんなに良いことがあります」というメリットを企業が実感できるよう、具体的にコミュニケーション能力を使ってできることを伝えましょう。
NG例文②結論から伝えておらず、今後どう生かしていくのかわかりにくい
以下のような自己PRは、企業に貢献したいという主張は伝わりますが、「具体的にどうやって生かして貢献するのか?」という部分まではわかりません。また、「コミュニケーション能力に自信がある」という点が後ろまで出てこないため、結論もつかみにくいです。
私は大学時代に、ゼミやサークル、アルバイトなど多くの活動に参加してきました。その中で、多くの人と関わりを持ち幅広いスキルを身に付けました。例えば、サークルではイベント企画や運営に携わり、アルバイトではお客様とのやり取りを通じて対応力を身に付けました。
こうした経験から私はコミュニケーション能力に自信を持っているため、この能力を生かして御社に貢献したいと考えています。
言い換えた言葉を使うようにする
就活では多くの学生が「コミュニケーション能力の高さ」をアピールするため、そのままの表現では埋もれる可能性があります。そのため、以下のようにコミュニケーション能力を要素分解して、具体性の高い言葉に変換することも効果的です。
・視覚的にわかりやすく伝える能力
・現状を把握して解決策を提案する能力
・難しい内容をかみ砕いて説明する能力
・相手の話に耳を傾ける能力
上記のような言い換え言葉を使うことで、漠然としていた「コミュニケーション能力」について想像しやすくなります。
面接での言動や態度にも注意が必要
コミュニケーション能力を強みとして自己PRするのであれば、面接での言動や態度には細心の注意を払いましょう。コミュニケーションがあると主張しているのに、「面接官の話を遮って一方的に話す」「伝えたいことがわからない」などが起きると、本当に相手と意識疎通を図れているのか疑われてしまいます。
職業別!コミュニケーション能力を自己PRする時の例文18選
それではここから「職業別」に、コミュニケーション能力を自己PRする際の例文18選を紹介します。コミュニケーションの3要素である「伝える力・聞く力・質問する力」に分けて解説しているため、自分の得意な分野に合わせて活用してください。
伝える力の自己PR例文
まずは、コミュニケーション能力の中で「伝える力」に焦点を当てた自己PRの例文を紹介します。
法人営業職
私は人とのコミュニケーションが得意で、中でも「伝える力」に自信があります。
学生時代に私はインターンシップをしており、その企業ではマーケティング部署の一員として、新サービスのPR企画を担当していました。仕事ではプレゼンの機会が多く、情報を整理してわかりやすく伝える能力が求められていました。
そこで私はサービスの提案を行う際、グラフや図表を活用して市場調査データを視覚的に示したりスライドに要点を簡潔にまとめたりすることで、効果的に情報を伝えることを心がけました。
その結果として私の提案が承認されて、実際のリリースまで行い売上目標を達成できました。
この経験で身に付けた「情報を効果的に整理して伝える力」は、顧客に御社商品の魅力を端的に伝える際に役立つと確信しています。
企画・マーケティング職
私はサークル活動でのイベント企画運営を通じて「伝える力」を身に付けました。
私が所属していた起業家サークルでは、定期的に起業家の方を招いた講演会を実施しています。私は広報として活動しており、毎回「前回以上に多くの人に講演会へ来てもらうには?」という点を意識していました。具体的には、SNSで情報発信したりポスターや動画を作成して講演会の魅力を視覚的に伝えたりするなどの施策を行っていました。
結果として、私が大学生活最後に行った起業家の講演会では、過去最大となる150人の集客を達成しました。
この経験を通じて私は、さまざまな工夫を凝らした企画を行い、自分たちが考えたものの魅力を伝える重要性を実感したと思っています。また、講演会成功のため多くの人に集客協力をお願いした経験もあり、「どのように伝えれば自分の願ったアクションを取ってくれるか?」という点も身に付けることができました。
御社に入社できた際は、サービスの魅力を伝えるための企画はもちろん、さまざまな人に協力を仰ぎながらプロジェクトを成功に導きたいと思います。
経理職
私は学生時代、文化祭の実行委員会の経験を通じて「伝える力」を身に付けたため、コミュニケーション能力に自信を持っています。
文化祭の実行委員会では、会計係を担当していました。会計係は、関係者に予算の使い道を説明して納得を得る必要があります。そのため、お金の使い道をわかりやすく説明できるよう、予算の内訳を示すグラフを作成したり「予算を使う必要性」を説明したりしていました。無事に会計の内容について納得してもらい、必要なところにしっかりお金を使ったことで文化祭を成功に導きました。
この経験で、お金という大切な部分だからこそ、わかりやすく丁寧に用途を説明することが重要だと実感しました。御社で経理職として働かせていただく際も、お金についてわかりやすく伝えてきた経験を生かし、正確で明瞭な会計管理ができるよう意識していきます。
人事職
私は「伝える力」に自信があります。このコミュニケーション能力は、テニス部で主将を務めた経験から磨かれました。
キャプテンを務めた際は、常に練習のポイントや試合の戦略などわかりやすく伝えて、メンバー全員のモチベーションを高めることを意識していました。具体的には、練習前にその日の目標や意識してほしい点をホワイトボードで説明し、取り組む意義を認識できるよう工夫していました。他にも、プレーヤーに対して練習中に具体的なフィードバックを行い、技術向上のサポートを実施したこともあります。その結果、チーム全体の技術やモチベーションが改善し、地区大会で優勝を果たしました。
人事職は、人材評価や配置転換、研修の設計など、従業員のモチベーションに関わる重要な業務だと考えています。御社に入社した際は、この伝える力を生かして社員の方々のスキルやモチベーションのアップにつなげ、企業の成長に貢献していきたいです。
コンサルティング職
私は留学経験を通じて「伝える力」を身に付けました。
留学中は、異文化の中で多様な背景を持つ方々と交流する機会が多くありました。言語も文化も違う中で授業やサークル活動をスムーズにこなすために、どんな相手にも理解してもらえる内容でコミュニケーションを取ることを意識しました。
例えば、留学先の授業でグループ発表があった際は、さまざまな言語や文化的背景を持つメンバーの意見を取りまとめつつ、身ぶり手ぶりや資料なども活用しながら自分の意見を伝えた経験があります。この発表は教授から高評価を得ることができました。
コンサルティング職は自分より経験豊富な経営者を相手にするため、さまざまな工夫を行い自分の考えを伝え、納得してもらうことが重要だと考えています。留学経験を通じて「さまざまな人種の方とコミュニケーションを取る」という難しいことを経験した私なら、経営者というハイレベルな方とも丁寧にやり取りできると自負しております。
エンジニア職
私は大学の研究室での経験を経て「伝える力」を身に付けました。大学の研究室ではIoTやAI技術をメインに学んでいたのですが、知識を身に付けたことだけでなく、コミュニケーションの経験を積めたことも大きな財産になっています。
大学の研究では、データ分析や発表を行う機会が多くありました。発表では単に結果を述べるだけでなく、その結果から読み取れる考察も伝えることが求められます。この考察をまとめる過程で、教授や他のメンバーと意見を交わし「自分の考えを伝える」という場数を踏んだことで、主張を簡潔に伝えられるようになりました。
エンジニア職は、社内外の関係者とコミュニケーションを取って自分の考えを伝え、適切なシステムを組めるよう擦り合わせていくことが重要だと考えています。大学の研究室で、専門的な内容をわかりやすく伝える経験を積んできた私なら、顧客と折衝しながら優れたシステムを開発し御社に貢献できると考えております。
聞く力の自己PR例文
次に、コミュニケーション能力の中で「聞く力」に焦点を当てた自己PRの例文を紹介します。
法人営業職
私は「聞く力」を通じた人間関係の構築が得意です。このスキルは、大学のゼミ活動を通じて身に付けました。
私の大学では年に1回、ゼミ対抗の研究発表会が開催されています。この研究発表会が近付くと、毎週ディスカッションを行い発表内容をブラッシュアップしていました。私はリーダーとして全体の進行管理を任されていたので、毎回メンバーの意見を聞き出し「それは◯◯ということで合ってる?」と全員が理解しやすい形で共有しながら、適切に発表内容をまとめていました。
結果として私たちのゼミは、研究発表会で最優秀賞を獲得させていただきました。この成果は、メンバーの知見があったのはもちろん、私が全員の意見を聞き出して上手に調整した結果だと思っています。
こうした「相手の意見を聞き出して尊重しつつ成果を出す」ということは、法人営業職で顧客との信頼関係を築く際に役立つと考えています。御社への入社後は、この聞く力を生かして顧客と信頼関係を築き、売上に貢献していきたいです。
企画・マーケティング職
私は学生時代からインターンシップでマーケティング職に携わってきたため、顧客やメンバーの声を聞いて業務へ反映させることが得意だと自負しています。
インターンシップでは、マーケティング部門の一員として新サービスのリリースプロジェクトに参加していました。リリースにあたっては、ターゲット顧客に絞ってWebアンケートを実施したり街頭インタビューで20人以上の方から意見をもらったりして、新サービスを改善していきました。こうした顧客の声を聞くことを重視してサービスをリリースした結果、プロモーションは大成功を収めました。
このように私は学生時代から、企画を考えたりマーケティング施策を行ったりする際に、顧客の声を聞くことを重視してきました。そのため御社への入社後は、この経験を生かしてさらに多くの顧客の声を聞き、大きなプロジェクトを成功させていきたいです。
経理職
私はサークル活動の会計係としての活動を通じて「聞く力」を身に付けました。
サークル活動では、合宿やイベントなどさまざまな部分でお金が必要になります。私は会計担当として、サークルメンバー全員が納得できるところに予算を使えるよう、「合宿のどこにお金をかけてほしいか?」や「どんなイベントを開いてほしいか?」などを聞き取り、その要望を反映させるために、予算案を作成し運営してきました。
その結果として、毎回予算案でメンバーの承認をスムーズにもらえるようになり、サークルの活動資金を効率的に管理したりメンバーが楽しめる部分にお金を使ったりできるよう、貢献できたと自負しています。
このように「聞くこと」を通じて適切に予算管理してきた経験は、御社の経理職でも生かせると考えております。企業では、より正確かつ明朗な会計管理が求められると思うので、少しでも私の経験が御社の役に立てば嬉しいです。
人事職
私はアパレルショップでのアルバイト経験を通じて「聞く力」を身に付けました。
アパレルショップではアルバイトリーダーだったため、スタッフの意見や要望を聞き取り、スムーズに連携できる体制を整えることを意識していました。具体的には、私の発案で定例のスタッフミーティングを開催しておりました。ミーティングで吸い上げた意見をもとに、マニュアル改善やシフト作成方法の見直しなど、さまざまな業務改善提案を行ってきました。その結果、スタッフの働きやすさが向上したり職場の雰囲気が良くなったりと、店舗運営に大きく貢献できたと自負しております。
人事職は、社員の方々の意見をもとに研修を考えたり制度を整えたりすることで、企業の環境を良くする仕事だと考えております。アルバイト経験で実際にスタッフの働きやすさや職場環境を整えた経験を持つ私であれば、必ず貢献できると思っています。
コンサルティング職
私は地域のボランティアサークルでの活動を通じて「聞く力」を身に付けたため、コミュニケーション能力に自信があります。
このボランティアサークルでは、何らかの事情で通学することが難しい地域の子供たちに学習支援を提供していました。子供たちの理解度や習熟度は異なるため、全員に似たような指導はできません。そのため、子供たちの疑問や興味を引き出すために多くの質問を行い、その回答をもとにした支援の実施に注力していました。こうした取り組みを行った結果、子供たちの成績が向上しただけでなく、本人から直接喜びの声を聞けたことも嬉しかったです。
コンサルティング職では、この「聞く力」が最も重要だと考えています。御社に入社できた際は、学習支援の経験を通じて身に付けた聞く力をもとに、顧客の話に耳を傾け最適な解決策を提供して貢献できればと思います。
エンジニア職
私は学生時代にエンジニアのインターンシップを通じて、技術だけでなく「聞く力」も磨きました。
インターンでは、サービス設計からリリースまで一通り行っていました。コーディングだけでなく顧客へのヒアリングも担当したため、実際に話を聞いてニーズに合わせて提案するという経験も積んでいます。顧客へのヒアリングは数回に渡って行い、ニーズを把握し的確にシステムへ反映できるよう心がけました。この綿密なヒアリングによって、高品質なシステムが完成し、リリース後の不具合も普段より少なく済みました。
この経験を通じて、エンジニアは技術だけではなく顧客のニーズを聞き出す力も必要だと知れたのは大きな財産です。御社のエンジニア職においても、この「聞く力」を生かして顧客の要望を正確に把握し、優れたシステムを開発することで貢献したいと考えています。
質問する力の自己PR例文
最後に、コミュニケーション能力の中で「質問する力」に焦点を当てた自己PRの例文を紹介します。
法人営業職
私はアルバイトでの経験を通じて質問する力を身に付けました。
大学時代は飲食店でアルバイトをしており、店舗のメニューを全て頭に入れていました。そしてお客様との会話の中で、今日のイチオシを提案したり好みや今日の気分などを質問してその日に合わせた料理をオススメしたりしました。実際にこの取り組みで、お客様から「美味しいものを勧めてくれてありがとう」という感謝の言葉をいただきリピーターも増えて、微力ながら店舗の売上アップに貢献しました。
質問によってお客様のニーズを正確に理解し、最適な商品を提案することは、法人営業職でも役立つと考えております。御社に入社できた際は、この「質問する力」を生かして、顧客のニーズを把握して最適な提案を行い、売上に貢献していきます。
企画・マーケティング職
私は学生時代にカフェでアルバイトをしており、そこで「質問する力を生かして成果を出す」ということを学びました。
アルバイト先のカフェで新メニューを開発する機会があったのですが、お客様が満足できるメニューを開発できるよう、先輩スタッフに多くのことを質問して参考にしました。具体的には「お客様から多い料理のリクエストは?」「どんな食材を使うと季節感が出やすい?」「どんな客層が多い?」といった質問です。こうした具体的な質問を通じて、今までのメニューに足りないことや改良点を見つけ出して新メニュー開発に生かしたところ、実際に販売初月から多くの注文をいただくことに成功しました。お客様アンケートでもたくさん評価の声をいただいて、自分でも成功したと感じています。
この経験から私は、質問によってさまざまな学びを得て、具体的な企画や施策に落とし込むことの重要性を実感しました。御社の企画・マーケティング職でも、この「質問する力」を生かして多くの意見を集めて、具体的な企画や提案作りに生かしていきたいです。
経理職
私は学生時代に居酒屋のアルバイト経験を通じて「質問する力」を身に付けたため、コミュニケーション能力には自信があります。
居酒屋では、アルバイトリーダーとしてスタッフ教育などを任されていました。スタッフそれぞれの動きに目を配り、困っているスタッフがいたら積極的に質問を行い、その原因を解消するためにさまざまなことに取り組んでいました。例えば「ルーチンワークをなかなか覚えられない」という悩みを抱えているスタッフがいた際は、スタッフやマネージャーへマニュアル改善を提案したこともあります。実際に私が提案したマニュアルは「現場の声をもとに作られていて質が高い」と評判でした。
こうした施策も、スタッフへ積極的に質問して悩みを把握したからこそ実現できたと思っています。御社の経理職でも、この「質問する力」を生かし、会計についてわからないことがある方の話を聞き、改善提案をしていければと考えています。
人事職
私は「質問する力」に自信があります。このコミュニケーション能力は大学でのボランティア活動を通じて身に付けました。
ボランティア活動では、地域の高齢者の方との交流イベントを行っていました。イベント企画の際は、高齢者の方のニーズや希望を聞き取り、満足してもらえるようなプログラムを作成できるよう意識していました。具体的には、毎回のイベント後に参加者全員に質問して良かった点や改善点などを把握し、次回以降の企画に反映させていました。
その結果、参加者全員に満足してもらえるプログラムを提供できるようになり、イベント後のアンケートでも90%以上の満足度をいただきました。私の質問力がイベントの成功に貢献できたと実感できて嬉しかったです。
御社の人事職でも自分の質問力を生かして、社員の方々の意見を吸い上げて、より良い職場環境を築く制度設計などに貢献したいと考えています。
コンサルティング職
私は部活のマネージャー経験を通じて「質問する力」を身に付けました。このコミュニケーション能力を生かして顧客の課題解決に貢献できると考えています。
私は大学のラクロス部でマネージャーを務めていたのですが、ただ単に雑務を行うのではなく、より選手が快適に練習できる環境を整備できるよう意識していました。具体的には、選手へ戦略や練習方法などの質問をして私自身も知識を蓄積し、マネージャーの立場だからこそできるサポートを行っていました。例えば、私が練習試合の審判を積極的に務めることで、選手自身がプレーに集中できるよう提案したことも多いです。
この提案も、選手へ質問して私自身が同じレベルの知識を身に付けたからこそできたものだと思っています。実際に選手が自分のプレーに集中できるようになり、チームのパフォーマンスが向上しました。
コンサルティング職では質問力によって顧客への提案の質が決まるため、このマネージャー経験で身に付けた質問力を生かして、顧客の課題解決に貢献できればと思います。
エンジニア職
私は大学のロボット製作サークルでの活動を通じて「質問する力」を身に付けました。このコミュニケーション能力を生かして御社のエンジニアとして貢献できると自負しています。
サークルではロボット設計や製作を行っていたのですが、メンバー間の意見の取りまとめも私の役割でした。特に自分の考えを言語化することが苦手なメンバーに対しては、積極的に質問を投げかけて疑問点を解消し、入念に認識を擦り合わせながら制作を進めました。
こうした取り組みの結果、メンバーの専門知識を高いレベルまで引き上げることに成功し、コンテストでの優勝にも大きく貢献できました。
御社でエンジニアとして働く際も、積極的に質問してメンバー同士の認識をそろえ、高品質な製品を開発できるよう努力していきます。
コミュニケーション能力以外でも使える自己PR
自己PRの際は、コミュニケーション能力以外に以下の要素をアピール要素として活用できます。具体的な例文を掲載しているので、参考にしてください。なお、ESの例文を掲載しているため、面接と若干言葉遣いが異なる点にご注意ください。
主体性
私の強みは「当事者意識を持って行動する主体性」です。アンケートの中で「料理提供スピードが遅い」という意見が寄せられており、その問題の解決に取り組んだ。具体的には、混雑時の提供スピードが遅い要因として料理工程が複雑化している点に着目した。そのため人気メニューとそれらの平均提供スピードを割り出すことで、時間がかかるものから事前に下準備を終わらせるように工夫した。その結果、以前よりはやく料理を提供できるようになり顧客満足度が30%向上した。この経験を通して、課題分析を徹底し、効果的な施策を提案、実行する力を培うことができた。
チャレンジ精神
私の強みは、物珍しい新しいことにも果敢に挑戦できるところだ。これを生かし、新製品や新プロジェクトの企画業務に携わりたい。私のモットーは「前例がないなら自分が前例になれば良い」である。◯◯大学からの派遣生初の◯◯大学における◯◯交換留学や、コースで1人だけが選んだ◯◯進学、海外企業での長期インターンシップなど、身の回りに経験者がいない事柄にもたくさん取り組んできた。自動車業界が100年に一度の大変革期を迎えている現在、サプライヤーとしてもCASEに対応した新しい技術を生み出す必要がある。こうした中で、新奇性を恐れず行動に移すことができるという私の強みは、十分に生きると確信している。旧技術や過去の製品・過去のプロジェクトにとらわれることなく、新製品や新プロジェクトの企画を行い、貴社や取引先企業、ひいては関連業界全体にポジティブな影響を与えられるビジネスマンになれるように努めたい。
協調性
私は、協調性に自信があり、周囲に気配りしながら、物事を進める力があります。大学では野球部に所属し、大会で勝利できるようにチーム一丸となって練習に励みました。しかし、練習場所や試合のチーム編成では意見が合わず、部員同士が対立することもありました。そこで、私が部員の間に入り、意見を聞きながらチームの方向性を決めました。全員の意見を聞くために、常に気を配りながら進行したことで傾聴力を養えました。御社では、部署やプロジェクトメンバーが納得できるよう話し合いの場を設けたり、一人一人に意見を聞いたりして、まとめ役として業務を推進したいと考えています。
誠実性
大学のボランティア活動で地域の高齢者施設での支援活動に参加しました。常に真摯(しんし)な態度で利用者と接し、彼らのニーズや要望を真剣に聞き入れました。例えば、施設内での催し物の企画や実施において利用者の声を反映させるよう努めました。その結果、利用者との信頼関係が深まり、有意義な交流が生まれました。
適応力
私は知的好奇心が強く順応性が高い人である。留学先の授業で、文系出身にもかかわらず◯◯と◯◯などの◯◯について学ぶ授業にチャレンジした。初めは飲料の◯◯プロセスで計算される◯◯式や原料の◯◯作用を理解するのに苦労したが、度重なる課題作成や調査を努力した結果、自身が先導して完成したグループ課題が講義内コンテストで◯位を獲得した。私は新しいことに挑み続ける姿勢と適応能力を御社で生かしたい。
▼上記の詳細を含めて、もっと自己PRの例文について詳しく知りたい方はこちら ・自己PRの書き方【例文30選】就活で差をつけるコツとテンプレート ・長所一覧30選!就活での効果的な強みの伝え方や例文を紹介 ・【強み30選】就活の自己PRで使える強みの見つけ方と一覧|例文つき
おわりに
今回はコミュニケーション能力を自己PRする際に知っておきたいことや例文をご紹介しました。ESでコミュニケーション能力をアピールし、ES通過を目指しましょう。
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