こんにちは、ワンキャリ編集部です。
新卒採用で志望校の内定を得るには、自己PRで上手にアピールすることが大切です。自分の強みが企業の業務にどう生かせるか、説得力を持って伝えなければなりません。
本記事では、面接で必要になる自己PRの流れや、面接での評価ポイントについて解説します。実際に自己PR例文もご紹介しますので、ぜひご参考ください。
<目次>
●就活における自己PRとは
・自己紹介との違い
●新卒採用の面接官が自己PRで見ている4つの評価ポイント
・人柄・性格
・候補者のアピールポイントと自社へのマッチ度
・コミュニケーション能力
・入社後に活躍できそうか
●自己PRを組み立てるフレームワーク【4ステップ】
・【ステップ1】結論(強み、アピールポイント)
・【ステップ2】根拠となるエピソード
・【ステップ3】得られた成果や学んだこと
・【ステップ4】入社後どのように仕事に生かせるか
●周りと差別化するための自己PRの伝え方
・客観的な数字や成果などを盛り込む
・企業が求める人物像を把握する
・企業理念や仕事の進め方とマッチする内容も盛り込む
・自信を持って明るくハキハキ伝える
●エピソード別の自己PR例文
・ゼミ
・留学
・サークル
・部活
・アルバイト
・インターンシップ
・ボランティア
●長所に合わせる自己PR例文
・チャレンジ精神
・行動力
・継続力
・責任感
・論理的思考力
・協調性
・コミュニケーション能力
・リーダーシップ
●自分のアピールポイントの見つけ方
・代表的な自己分析方法を活用する
・診断ツールを用いる
・応募企業が重視する能力を押さえる
・短所から言い換える
・過去の経験を洗い出す
・友人・家族など親しい人に聞く
●面接の自己PRでのNG例一覧
・ESと一致しない
・回答時間が長すぎる
・いくつかのアピールポイントを全て話そうとする
・根拠がない
・企業が求める人物像とずれている
・視線が泳いでぼそぼそと話す
●まとめ
就活における自己PRとは
自己PRとは、応募者が自分の強みやスキルなどをアピールすることです。企業側は、「自社にマッチする人材を採用したい」と考えているため、選考では自己PRの内容を重視しています。
ここでは、自己PRと「自己紹介」との違いについて解説します。
自己紹介との違い
自己PRと同じようなニュアンスの言葉として「自己紹介」がありますが、自己PRとは異なります。
自己紹介は、初対面の人に自分のプロフィールを簡単に知ってもらうために行います。面接のはじめに行うあいさつというニュアンスがあり、自己PRのように自分をアピールするものではありません。
これに対し、自己PRは自分の強みやスキルが志望先企業の業務で生かせることをアピールするものです。自己PRの目的は、自分の強みが「その企業に貢献できる」ことを伝え、企業に興味・関心を持ってもらうことです。
このように、自己PRと自己紹介については目的が異なっています。
新卒採用の面接官が自己PRで見ている4つの評価ポイント
企業は新卒採用において、就活生の自己PRを4つの観点からチェックしています。
ここでは、自己PRで評価される4つのポイントを紹介します。
人柄・性格
企業側は、自己PRを通して候補者の人柄や性格をチェックしています。書類選考や面接は候補者のことを深く知るために行われますが、自己PRは人柄・性格を知るための要となる部分です。
特に、社会人経験がない新卒採用では、スキルよりも人柄や性格に注目されると考えて良いでしょう。
面接の時間は限られるため、自己PRで自分の人柄や性格をいかに詳細に伝えられるかが重要です。短い時間の中で個性を伝え、自分を正しく理解してもらわなければなりません。
候補者のアピールポイントと自社へのマッチ度
面接官は候補者の自己PRから、自社とのマッチ度を測ろうとします。企業は自社の社風になじみ、長く活躍できる人材を求めています。自社になじめない場合、早期離職につながる可能性があるためです。
採用のミスマッチによる早期退職は企業に大きな損害をもたらすため、自社へのマッチ度は、候補者を見極める際に重要視される項目です。長く働いてくれそうな人材を採用するため、候補者の強みが自社とマッチするかを重視しています。
コミュニケーション能力
自己PRでは、候補者のコミュニケーション能力も評価されます。コミュニケーション能力は、ビジネスのあらゆる業務で求められるスキルであるためです。
面接官から質問があればその意図をくみ取って回答し、自然な会話のキャッチボールを成り立たせることが大切です。
面接官の話をさえぎったり、質問からそれた回答をしたりするとコミュニケーション能力に問題があると判断されることもあるため、注意しましょう。
入社後に活躍できそうか
面接官は自己PRを見て、入社後に活躍できる人材かどうかを判断しようとしています。自己PRでアピールしている強みやスキルが自社の業務に生かされるのであれば、活躍が期待できるためです。
自己PRでは過去にどのような経験をして、その経験からどのようなことを学び、スキルを身につけたのか、業務でどのように生かせるのかなどを伝えることが大切です。具体的なエピソードを交えると、面接官も具体的に活躍をイメージしやすいでしょう。
自己PRを組み立てるフレームワーク【4ステップ】
面接で分かりやすく説得力のある自己PRを行うためには、手順に沿って話す必要があります。以下の4ステップで構成されるフレームワークに沿って自己PRをすれば、分かりやすい自己PRが可能です。
4つを順に見ていきましょう。
【ステップ1】結論(強み、アピールポイント)
最初に、「私の強みは◯◯です」というように、自分のアピールポイントを簡潔に伝えます。結論から先に伝えることで、面接官は話のポイントを最初につかめます。
これは、最初に結論から話すPREP法というテクニックです。PREP法とは、結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(point)の順番で話を展開するフレームワークです。自己PRでもこのテクニックを使うことで自分を分かりやすくアピールできます。
【ステップ2】根拠となるエピソード
自分の強みを伝えたら、その根拠となるエピソードを紹介します。部活やサークル、アルバイトなどで強みを発揮したエピソードを伝えるのが一般的です。
ただ、勉強に忙しく、他の活動をあまりしていないという学生もいるでしょう。その場合、強みの根拠となるエピソードは、高校、中学とさかのぼってもかまいません。また、自己PRのエピソードは特別な経験である必要はなく、趣味や家族のことなどでも問題ありません。
自分の強みを説得力を持って伝えられるのであれば、エピソード自体に優劣はありません。企業が求める人物像に合わせて、「自分ならどのような活躍ができるのか」を伝えることが大切です。
このステップのテンプレートは、次のとおりです。
「私は大学時代、◯◯に取り組んでいました」
エピソードの部分は、できるだけ詳細に記載しましょう。
「私は大学1年生のとき、大学の授業やアルバイトと並行して独学で英語の勉強を行い、英語検定の2級を取得しました。これを実現できたのは、1時間単位で計画を立て、徹底して自己管理したからです」
【ステップ3】得られた成果や学んだこと
強みの根拠となるエピソードを伝えたら、そこから得られた成果や学んだことを伝えます。成果や結果の内容には、こだわる必要はありません。
華々しい成果や世間的に誇れる結果ではなくても、強みを発揮して得られた成果や何かを継続して得られた成果を伝えてください。
このステップのテンプレートは、次のとおりです。
「◯◯の経験で◯◯という強みを発揮し、◯◯という成果(結果)を残しました」
特に大きな実績や成果ではなくても、自己PRになる例を紹介します。
「バスケットボール部のマネジャーを経験し、選手を支えることでコミュニケーション力とマネジメントの能力が身につきました」
「大学1年生のときから続けているカフェのアルバイトで、長く勤めたことで仕事の能力を評価され、他のアルバイトをまとめる責任のある仕事を任されるようになりました」
【ステップ4】入社後どのように仕事に生かせるか
強みを発揮したエピソードと得られた成果・結果を述べたら、強みを入社後どのように生かしていくかを伝えましょう。それにより、面接官は、候補者が入社後、どのように活躍するのかを具体的にイメージしやすくなります。
テンプレートは、次のとおりです。
「このような私の◯◯という強みを、御社の◯◯という業務に生かしていきたいと考えています」
自分の強みが、具体的に、企業のどの業務にどう生かされるか、どのように貢献できるかを伝えましょう。
「新規事業の拡大を進めてグローバル展開する御社で、これまでの経験で培った英語力とチャレンジ精神を生かし、新しいことに挑戦しながら貢献したいと考えています」
周りと差別化するための自己PRの伝え方
客観的な数字や成果などを盛り込む
自己PRで強みを根拠づけるエピソードには、客観的な数字や成果を盛り込むことで説得力が増します。過去の出来事を洗い出すときは、思い出せる限り客観的な事実を話しましょう。
例えば、過去の取り組みについてアピールする場合を例に、数字を入れない場合と入れる場合とを比較してみましょう。
<数字を入れない場合>
「私は高校時代に英語力を上げるためTOEICで高得点を目指し、達成しました」
<数字を入れる場合>
「私は高校時代に英語力を上げるため、学校に行く前の1時間と帰宅後の2時間を英語学習にあて、1年間継続した結果、TOEICで800点を取得できました」
数字を入れたほうが、どの程度頑張ったのかがよく分かり、強みをアピールできます。
企業が求める人物像を把握する
企業が求める人物像を把握し、それと共通する自分の強みを見つけてアピールすると、差別化につながります。求める人物像とは、企業が採用したい人材の性格や特性を具体的に示すものです。
ただ強みを伝えるのではなく、求める人物像に沿った強みをアピールすることで、企業に貢献できる人材だと評価してもらえるでしょう。
企業が求める人物像は、公式サイトの新卒採用ページや求人募集の欄、説明会での資料などで見つけられます。
企業理念や仕事の進め方とマッチする内容も盛り込む
自己PRは、企業理念や仕事の進め方に沿った内容にすることも大切です。担当者は自己PRから、候補者が自社にマッチする人材かを判断するためです。
自己PRで企業理念や仕事の進め方に共感し、自分の強みでどのようにそれらを実現するかを伝えれば、説得力のあるアピールになります。担当者は、候補者が企業についてよく理解していると感じるでしょう。
そのためにも企業研究をしっかり行い、企業理念やビジョン、仕事の進め方などの理解を深めることが大切です。
自信を持って明るくハキハキ伝える
自己PRにおいて内容の完成度は非常に重要ですが、面接官への伝え方でも印象は大きく変わります。自己PRは自分の強みをアピールするものなので、面接官に自信を感じさせる伝え方を心がけましょう。
具体的には、面接官が聞き取りやすいように大きな声でハキハキと伝えましょう。また顔を上げて面接官の目を見ることで、声が通りやすくなる他、明るい印象も与えられます。姿勢を正すことも自信を感じさせるために重要です。
エピソード別の自己PR例文
ゼミ
「一人一人の意見を否定せず受け入れた上で、議論の方向性を統一する力」である。
この強みはゼミ内で意見が対立した際に発揮された。当時、ゼミでは意見が対立して議論が収束せず、他のタスクに割ける時間が減っていた。そこで私は、他者の意見の尊重と円滑な議論の2点を両立させるためには、異なる意見の中で根底に共通する要素の発見が必要と考え、共通点の把握に注力した。
具体的には、一人一人の意見の根拠や背景を深く掘り下げ、潜在的な共通点を発見するまでコミュニケーションを重ねた。そして、対話の中で見つけた共通点を軸に、自分なりの意見を加えて新たな折衷案を提示することで、全員が納得する状態で議論をまとめた。
この結果、周囲の意見の尊重と円滑な議論を両立させたゼミ活動を実現することができた。
業務においても、顧客の要望に敏感に対応しつつ、異なるアイデアを調和させ、新たな価値を生み出す存在として貴社に貢献したいと考えている。
※出典:三井住友カード|基幹職(オープンコース)2025年卒インターンシップ選考のES
ゼミ内での「議論」をテーマに自身の強みや役割を中心に具体的なエピソードを用いて自己PRを行っていて、経験と強みの結びつきが明確です。それを根拠に会社での貢献への展開もされています。
留学
私は「圧倒的な好奇心と行動力」を持っている人間である。私は◯◯の◯◯留学を筆頭にさまざまな事に興味を持ち、興味を持つだけでなく必ず実行してきた。このように、行動を起こすことで偏見や先入観ではなく、事実から物事を判断できる。そして、その行動を引き起こす要因が好奇心である。私は圧倒的好奇心からくる行動力により、偏見や先入観にとらわれず正しい視点で物事を判断することができる。この強みを生かして、お客様の潜在的なニーズにまでアプローチし、最大限の幸福を提供したい。
※出典:アサヒビール|事務系2023年卒本選考のES
留学は資金や準備の観点からハードルがとても高い経験です。経験している人も多くはないので、自身の行動力を強くアピールできます。また、海外での具体的なエピソードは非常に独自性が高いので積極的に伝えましょう。
サークル
私はチームワークを大切にし、協調性を持ちながら物事を主体的にやり遂げることを強みとしています。大学で所属していた◯◯の中で、◯◯をまとめる役職に就いていました。リーダー経験や技術的な指導の経験がなかった私は自分の指揮に最初不安を抱いており、それが練習の緩みにも表れ、「◯◯のクオリティもチームワークも心配」と部員に言われてしまいました。これを機に積極的に部員と意思疎通を図り、一人一人の性格や特性をつかみそれぞれに合った指導をしていきました。会議でぶつかった時もそれぞれの意見の良い部分を尊重し、誰かがミスをした時も「次は頑張ろう」などと声をかけ、より前向きに練習を進めていきました。その結果、昨年◯◯を無事大成功に収め、根底にあるチームワークを生かすことがパフォーマンスの向上につながることを改めて学びました。貴社においても自身の強みを発揮して活躍したいと考えています。
※出典:小学館集英社プロダクション|総合職2023年卒本選考のES
サークルでの経験はチームワークやリーダーシップなどの「自身の集団の中での強み」をアピールするのに適しています。特に自身が何らかの役職についていた場合はそこでの経験を述べると印象に残る自己PRになります。
部活
私の強みは目標に対し地道に取り組む粘り強さです。私は大学の◯◯部に入部し、レギュラーになるという目標を掲げました。しかし、私が2年次に入部したことや、高校始めの私と違い小中学校始めの部員が多く、他部員と同じ練習では競技歴による差を埋められないと感じました。そこで私は本練習後に毎回2時間の自主練を行いました。誰よりも練習量をこなしつつ、本練習で取り組む基礎の部分に応用を加えた実践的な練習にも時間を使うことができました。また、隙間時間に自身のプレー動画の分析を行いました。自分のプレーにおける得意・苦手部分を原因の部分から理解し、おのおのの伸長や改善を意識することで練習の質を向上させることができました。時折スランプに陥りながらも以上の取り組みを1年以上欠かさず続けた結果、団体戦出場を果たし目標を達成することができました。そこから私は何事も最後まで諦めず取り組み続けることを大切にしています。
※出典:倉敷紡績(クラボウ)|2025年卒事務系総合職本選考のES
部活はさまざまな強みをアピールできる経験です。例文のように多くの時間をかけて地道な努力を行える粘り強さをアピールしたり、団体競技でのチームワークをアピールしたりできます。
アルバイト
私の強みは自ら考え行動できる点だ。エピソードとして球場の売り子のアルバイトの経験がある。最初の頃、売上が伸びないという課題に直面した。そこで、2つの施策を行った。(1)年間の試合数の9割出勤し、常連客を増やす(2)団体客の座席位置を把握し効率よく売る、といった工夫を凝らした。その結果、初めは平均1日20杯弱だった売上を、1年間で10倍近い平均1日200杯まで伸ばすことができた。
※出典:JTB|総合職2024年卒本選考のES
アルバイト自体は多くの人が経験することですが、その中で例文のような独自の経験がある場合は自己PRとして効果的です。マニュアルの仕事をこなすアルバイトが多い中で、自分で考えて行動した経験はそれだけで独自性を持ちます。
インターンシップ
私の強みは課題の原因を適切に特定して解決する課題解決力である。この強みが生きたのは、◯月から始めた◯◯会社での長期インターンシップである。私は、インサイドセールスとして取り組んでいたが、当初は、企業ごとの提案ができておらず、3ヶ月間アポイントが取れていない状況であった。
自身を客観視したいと考え、社員の方にロープレを定期的に行って頂いた結果、信頼関係を構築せずに会話に入っていたこと、相手の断り文句に対してスムーズに対応できないことが原因であると判明した。そこで私は、相手との関係値を追求することで営業成積向上に繋がると考え、次の2点を実行した。
(1)過去・現在・未来の3軸でヒアリングをすること
(2)断り文句に対応するために、企業課題を予測し、切り返しトークを作成するなど事前準備を徹底すること
結果、通電数◯◯件で初アポを獲得、◯月には月間アポイント数1位を達成した。
この強みを生かし、業務で生じるさまざまな課題に対して適切な解決策を打ち出していきたい。
※参考:ヤマト運輸|総合職2025年卒本選考のES
インターンシップでの経験は特に仕事に直結するものが多く、自己PRに適しているといえます。例文のような課題解決力をはじめとして、行動力や責任感、傾聴力などさまざまな強みをアピールできます。インターンシップの業務内容が受けている会社と近いものだとなお良いです。
ボランティア
私の強みは傾聴に基づく提案力だ。◯◯のボランティア活動で発揮した。◯◯に従い◯◯が希望する場所を案内し、時間通りに指定場所へ送り届ける中で、◯◯や◯◯の混雑で◯◯通りに案内できないことが課題だった。私は「◯◯が満足できるよう、全員が納得した◯◯にする」を目標に、◯◯から正確な要望を聞き出すことに注力を注いだ。当初は世代の異なる中高生と距離を縮めることに苦労したが、互いの地元の話や方言など◯◯が興味のある話題を投げかけ、親睦を深め意見が出やすい関係性を築くことに成功した。結果、◯◯終了時に多くの◯◯から「◯◯さんのおかげでもっと滞在したい」との評価を笑顔でいただく様になった。この経験で培った「常に顧客目線で考える傾聴力と提案力」を生かして、相手が必要とする情報を的確に聞き出し提案したい。
※出典:西日本鉄道|【事務系総合職】国際物流部門2024年卒本選考のES
ボランティアにおける具体的なエピソードなどは自己PRとして比較的書きやすいと思います。ただし、アピールしたい自分の強みと紹介するエピソードが明確に結びついているかどうかを確認しましょう。エピソードが具体的でも強みの裏付けになっていなければ見直す必要があります。
長所に合わせる自己PR例文
チャレンジ精神
私の強みは、物珍しい新しいことにも果敢に挑戦できるところだ。これを生かし、新製品や新プロジェクトの企画業務に携わりたい。私のモットーは「前例がないなら自分が前例になればいい」である。◯◯大学からの派遣生初の◯◯大学における◯◯交換留学や、コースで1人だけが選んだ◯◯進学、海外企業での長期インターンシップなど、身の回りに経験者がいない事柄にもたくさん取り組んできた。自動車業界が100年に一度の大変革期を迎えている現在、サプライヤーとしてもCASEに対応した新しい技術を生み出す必要がある。こうした中で、新奇性を恐れず行動に移すことができるという私の強みは、十分に生きると確信している。旧技術や過去の製品・過去のプロジェクトにとらわれることなく、新製品や新プロジェクトの企画を行い、貴社や取引先企業、ひいては関連業界全体にポジティブな影響を与えられるビジネスマンになれるように努めたい。
※出典:アイシン|事務職2025年卒本選考のES
チャレンジ精神は新入社員がしばしば求められる強みの1つです。重要なのは、例文のようになぜこの強みが会社において役立つのかという理由について分かりやすく述べることです。企業理解などのアピールにもなるので積極的にこういった内容を入れましょう。
行動力
私の強みは、「挑戦心」と「逆境を跳ね返す行動力」だ。
高校時代、初心者ながら50名以上が所属するサッカー部に挑戦した。幼少期から水泳を続けていたが、“新たな環境での挑戦”を求め、入部を決めた。当初、周囲は経験者ばかりで練習すらついていけず、水泳で○○3位の成績を残した私にとって、非常に悔しかった。もっとチームの要になりたいと思った私は、2年生でレギュラー奪取を目標に決めた。そこで経験差を埋めるため、2点の施策を実施した。1点目は、練習の絶対量を増やしたことだ。毎朝7時に登校し、筋トレや走り込みを徹底することに加え、休み日でも基礎練習を行った。2点目は、毎練習後に監督と仲間からFBをもらい、次の練習につなげたことだ。その結果、2年生でレギュラーに選ばれ、また○○選抜を勝ち取ることができた。この強みを貴社でも生かして、仕事をしていく上で訪れるどんな逆境にも挑戦し、乗り越えることで貢献したい。
※出典:島津製作所|事務系2024年卒本選考のES
行動力は大きな強みの1つですが、多くの就活生が用いる言葉でもあります。エピソードなどで差別化を図ることが重要です。例文のように過去に挑戦や課題解決をした経験を振り返り、そのためにどのような行動を起こしたか話すことで独自性、説得力が生まれます。
継続力
私の強みは継続力です。私は高校3年生の3月から仕分けのアルバイトを続けています。3年間続けることで、次の2つの力を身につけました。1つ目は体力です。重い物を持ったり1日中歩き回ったりする力仕事を1日8時間行っています。より体力をつけるため、休日もジョギングをしています。2つ目は忍耐力です。速く仕分けなければならないというプレッシャーもありましたが、迅速かつ丁寧に仕分けるために上司にコツを聞いて試行錯誤し、乗り越えてきました。指導してくれた周りの人たちにより貢献できるよう3年間努めてきたことで、社員から「◯◯さんがいてくれると助かる」と言ってもらうことができ、以前より多くの仕事を任されるようになりました。入社後もこの経験を活かし、向上心を持って粘り強く努力し続けます。
※出典:ウエマツ|総合職2024年卒本選考のES
継続力は、どんな状況でも負けずに目標に向かって努力していくことのできる力のことを指します。行動力と同様、目標達成や課題解決の経験から強みを裏付けるエピソードを探しましょう。例文のように部活動などにおける経験との結びつきが強いです。
責任感
私の強みは、責任感を持ち困難な状況でも諦めず物事をやり遂げる力だ。この強みは、企業と主催した◯◯イベントで広報を務めた際に発揮した。チラシの作成やSNSを通じて◯◯名の学生を集客することが目標だった。SNS発信やチラシの設置を行ったが、当初はわずか◯名しか集まらないという状況だった。そこで「私たちが集客に全力を尽くさなければイベントは成功しない」と考え、日々のSNS更新の継続や他学年への宣伝、◯◯へのチラシ設置や◯◯での発信許可の取得など、さまざまな手段を駆使し行動した。結果、SNSを通じて知った方や◯◯からの応募が増加し、締切日までに目標であった◯◯名の学生を集客することができた。
※出典:みなと銀行|事務職2025年卒本選考のES
自己PRに適した強みの1つとして責任感が挙げられます。ここで注意したいのは、責任感という強みとエピソードが結びついているかという点です。例文のように強みを裏付けるエピソードを探しましょう。
論理的思考力
私の強みは、論理的思考力と傾聴力です。日々の研究活動で困難にぶつかった際、原因分析を徹底し、得られた知見から仮説を立て検証を繰り返していきました。加えて、先生や研究室のメンバーと積極的な意見交換を行うことで、自分には無かった視点での考えや新たな知見に触れることができ、問題点の明確化や疑問点の解消をしていきました。この経験から、◯◯と◯◯を身につけました。入社後、これらの強みを発揮し、新たな価値創出に繋がる商品開発に貢献したいです。
※出典:湖池屋|総合職2024年卒本選考のES
論理的思考力も多くの会社が求める能力です。例文のような学問の場での経験から、サークルなどの集団における経験まで広く裏付けに用いることができます。また、論理的思考力は面接での会話からも伝わるので、論理的で分かりやすい受け答えを心がけましょう。
協調性
私の強みは協調性とリーダーシップです。私はアルバイトのイベントスタッフとしてさまざまな職場で働いてきました。スポーツの試合会場やワクチン接種会場など、その時々で現場も仕事も変わるため、初めて会う人と仕事をする機会が多い環境です。しかし、私は経験と柔軟性があるためリーダーを任されることが多く、大学二年生のときに◯◯の試合です◯◯する部署の運営管理を任されることがありました。10人ほどのスタッフをまとめなければならず、ほとんどが年上で面識がない方なので「この仕事が自分に務まるのか」とプレッシャーを感じていました。気を使い苦労しましたが、かえってそのような状況だからこそ、丁寧な説明を心掛けて話すことやトラブルになりやすいポイントをあらかじめ共有するなど工夫し、無事業務を終えることができました。私は貴社に入った際、この経験をいかして責任感や使命感、協調性を持って仕事に努めたいと考えています。 ※出典:東京地下鉄|エキスパート職2025年卒本選考のES
協調性とは、自分と異なる立場や考え方の人たちと協力して同じ目標に向かうことができる力のことを指します。多くの人が用いる強みなので、自身の集団での経験を振り返り、独自性のあるエピソードを探しましょう。例文のようにアルバイトでの経験、他にはサークルや部活での経験との親和性が高いといえます。
コミュニケーション能力
私らしさは、「高いコミュニケーション能力」です。
もともと転勤族だったこともあり、幼少期から周囲と打ち解けるのが早く、すぐに人と仲良くなれる性格です。人と話すことが大好きで、特に自分と違う考えを持つ人の話はすごく楽しいなと思います。
実際に部活では、部員一人一人との会話を大切にしています。
マネジャーの仕事の1つは共感だとおもっているので、練習の苦しさ・試合の達成感など、さまざまな感情を一緒にかみ締めて、寄り添えるマネジャーでありたいと思います。
部員からは、「◯◯はひまわりみたいだね」とたまに言われます。自分自身も、周囲も明るくできることが私の強みです。
※出典:富士フイルム|事務系2024年卒インターンシップ選考のES
コミュニケーション能力は就活生が使いがちな強みですが、抽象的な能力ともいえるので自己PRの際には工夫が必要です。例文ではコミュニケーション能力の中でも「共感」する力が、マネジャーにとって特に重要であると述べています。こういった工夫で独自性や具体性を持たせましょう。
リーダーシップ
私の強みは、周囲からの信頼を得て目標を達成できるリーダーシップがあることです。その力を発揮した例が、◯◯大学で◯◯という◯◯を促す団体のリーダーを◯カ月間務めたことです。私は約◯人が集まるイベントの企画と進行を担当しました。さまざまな価値観・背景を持った人たちが集まるため、最初は参加者の交流を活発にできませんでした。そこで、私は留学課のアドバイザーと交渉して集合場所を変えてもらい、集合時間を30分早め、イベント前に会話の時間を設けるようにしました。そして、リーダーの中でも全体の指揮をとるだけでなく、参加者の間に入って会話を手伝う役割を作り、参加者同士をつなげました。その結果、会話の時間が増え、イベントの雰囲気が活発になり、参加者の数も前年比より20%増加しました。この経験を通じて、信頼関係を構築していくためには、積極的にコミュニケーションをとることが大切だと再実感しました。
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2020年卒本選考のES
集団の中での自分の強みとして、協調性やコミュニケーション能力と並ぶのが、リーダーシップです。今まで部活やサークルなどで集団を引っ張る役割についていた人はエピソードにも困りません。例文のようにリーダーの立場で集団にどのような影響をもたらしたかまで伝えられるとさらにいいでしょう。
自分のアピールポイントの見つけ方
代表的な自己分析方法を活用する
1. 自分史
自分史とは、自身の人生を振り返り、現在に至るまでの経験を年表のように書き表したもので、客観的な視点でこれまでの経験を振り返って、自分自身の強みや弱みなどを分析するため、説得力のある自己PRの作成に生かせます。
自分史を作成する際に入れるべき内容は、主に以下のとおりです。印象的だった出来事を書くときは、これらの内容もセットで書き出すようにしましょう。
印象的な出来事が起きた時期と内容
- その出来事を選んだ理由
- その出来事に関して当時感じたこと
- その出来事を通して学んだこと
内容だけでなく感じたことや学んだことも書くことが重要です。
実際の記入例については、以下をご参照ください。
当時のキャラクター・立ち位置 | 出来事・エピソード | 当時感じたこと・考えていたこと | 経験から学んだこと | |
幼少期(小学校入学以前) | ・幼稚園ではしっかり者だが家では甘えん坊 | ・玄関の靴並べや新聞を取ってくるといったお手伝いをした | ・お手伝いをすることで、母や父が喜んでくれるのがうれしかった | ・誰かが喜ぶことをすると、自分もうれしい気持ちになる |
小学生 | ・クラスのまとめ役 | ・小学5年生のときに学級委員を務め、クラスで行うイベントの企画をまとめた | ・クラスメイトの意見をまとめて考えることにやりがいを感じた | ・クラスをまとめるためには、多くのクラスメイトの意見を聞くことが大切 |
中学時代 | ・学校ではサッカー部に所属。周囲を俯瞰(ふかん)して見るタイプ | ・中2の夏休みに、ボランティアとして、地域のクリーン活動に参加した | ・友達に誘われての参加だったため、最初は少し面倒に感じたが、歩道などがきれいになっていくともっと頑張ろうという気持ちになった | ・学校と家以外の活動に参加することで、自分の視野が広がった |
高校時代 | ・勉強そっちのけで部活にはまっていたサッカー少年 | ・サッカー部で県大会出場を目指して練習に励んだ | ・日々の練習はつらかったが、同じ目標に向かって部活のメンバーと一緒に努力をするのは楽しかった | ・高い目標を掲げて努力をするとモチベーションが上がる ・掲げていた目標には届かなくても、努力したことで得られるものは大きい |
大学時代 | ・周囲からよく相談を受けるタイプ | ・コンビニエンスストアのアルバイトで、指定されたたばこをすぐに出せるように銘柄をインターネットで調べて覚えた | ・指定されたたばこをスピーディに出せると、お客さまが満足した顔をしてくれる | ・少しの工夫で人の満足を引き出せる |
自分史のテンプレートや書き方のコツ、就活への生かし方についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
▼自分史の書き方について詳しく知りたい方はこちら ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文
2. モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、現在までの人生で、どのようなときにやりがいを感じたか、あるいはやる気を失ったかなどといった、モチベーションの変化を可視化することで自己分析を行う方法です。
具体的には、モチベーションが高いとき、低いときをつないで曲線のグラフを作り、現在までのさまざまな出来事におけるモチベーションの変化を可視化します。
はじめに、以下のようにして縦軸に「心の充実度(モチベーション)」、横軸に「年齢」を設定します。
次にこれまでの自分の人生を振り返って、モチベーションの高低を曲線でつなぎます。自分が大きな影響を受けたと感じる出来事を思い出しながら書いていくことがポイントです。グラフができあがったら、モチベーションに特に大きな変化があった時期にどんな出来事があったかを思い出し、そのイベントを記入します。
最後に、その時期に自分が何を考えていたか、当時どのようなことが要因でモチベーションの起伏があったのかを分析します。モチベーショングラフを作成することで、自分の行動や思考における特性を知り、そこから強みや弱みを発見できます。
モチベーショングラフを使用する際の注意点や就活への生かし方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事でまとめていますのでぜひご覧ください。
▼モチベーショングラフの書き方について詳しく知りたい方はこちら ・【モチベーショングラフの書き方】自己分析が捗るテンプレートも紹介
3. マインドマップ
マインドマップとは、特定のキーワードを中心に、関連するイメージや言葉を放射状につないでいく図のことです。就活で自己分析をする際にマインドマップを使うと、自分の思考を可視化して整理できるため、自分のやりたいことや強みなどが明確にできます。
まずはメインのテーマを決めて、用紙の中心に記入してください。初めて自己分析を行う場合は、メインテーマを「自分」にするといいでしょう。自分というテーマから、好きなことやつらかったことなど自分の内面や経験へと派生させていきます。
中心にテーマを書いたら、関連するキーワードを周囲に放射線状に派生させていきます。この放射線状に書く線は「ブランチ」といい、1つのブランチに対して書くのは基本的に1つのワードです。
このようにテーマから派生して書き加えていった内容に関して深掘りを行います。各項目の分析を通して内面や経験を掘り下げていくことで、自分の強みや価値観などが浮き彫りになります。
マインドマップによる自己分析の具体例や、無料ツール・アプリ、就活への生かし方や注意点についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
▼マインドマップの書き方について詳しく知りたい方はこちら ・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介
4. ジョハリの窓
ジョハリの窓とは、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」について4つの領域に分けて分析することで、自身への理解を深める自己分析の方法です。4つの観点で自己分析と他己分析を行うことで、自分と他者の認識のずれを見つけていきます。
ジョハリの窓では、人間関係における4つの領域を「窓」に見立て、それぞれの「窓」に当てはまった項目で分析を行います。4つの窓にはそれぞれ以下のような特徴があります。
自分は知っている | 自分は気づいていない | |
他人は知っている |
「開放の窓」 自分も他人も知っている自己 |
「盲点の窓」 自分は気づいていないが他人は知っている自己 |
他人は気づいていない |
「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己 |
「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己 |
ジョハリの窓による自己分析を行う際には、紙とペンを使って自由に記述する方法が簡単です。一般的な性格・能力を書き出しておいて各領域に記入する方法もあります。無料の診断アプリもあるので、そういったものを活用するのもいいでしょう。
ジョハリの窓は自己分析と他己分析を組み合わせるため、基本的には複数人で集まって行いますが、1人で行うことも不可能ではありません。
ジョハリの窓とその活用法、そして詳しい分析の仕方についてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▼ジョハリの窓の自己分析のやり方について詳しく知りたい方はこちら ・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説
診断ツールを用いる
選考対策のために演繹(えんえき)的アプローチで自己分析を行う際は、診断ツールを用いることをおすすめします。演繹的アプローチとは、診断ツールを用いて自分の強み・弱みを洗い出し、それらに該当する過去のエピソードを抽出します。
代表的な診断ツールとしては、ストレングスファインダーやビッグファイブ尺度、エニアグラムなどが挙げられます。これらの3つの診断ツールについて詳しく解説します。
1. ストレングスファインダー
ストレングスファインダーは、ウェブサイト上での質問に答えていくことで、自分の才能(強みの源)を診断できるツールです。34種類の特性の中から上位5つの強みをレポート形式で知れます。診断の基準もシンプルなため、選考でアピールすべきポイントを簡潔に絞りやすいことが特長です。
ストレングスファインダーの手順は以下の通りです。
(1)『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』(日経BP 日本経済新聞出版、2023年)を購入する。 (2)書籍のカバー裏側にあるIDを記入して受検する。
ストレングスファインダーで効果的な自己分析を行うポイントは、診断結果を全て用いるのではなく、特に自分が納得する強みを絞ることです。そして、過去の経験でその強みが発揮されたエピソードを複数見つけておくことで、面接などで自己PRを話す時に役立つでしょう。
2. ビッグファイブ尺度
ビッグファイブ尺度は、5つの要素の組み合わせによって、その人の性格や適職を知れる性格診断ツールです。診断結果は、「外向性・好奇心協調性・情緒安定性・勤勉性」という5つの要素でスコア化されます。ストレングスファインダーと同様に診断基準がシンプルなので、選考におけるアピールポイントを絞りやすいことが特長です。
ビッグファイブ尺度の診断方法は以下の通りです。
1. ウェブ上の無料診断ツールで受検する 2. オンラインカウンセリング(有料)を受検する
3. エニアグラム
エニアグラムとは、人間の性格を9つのタイプに分類して、自分の特性や性格を診断するツールです。就活のための自己分析に役立ち、適職を知るための判断材料にもなります。
もともとエニアグラムは、9つの点を持つ円と、それらの点をつなぐ線からできた幾何学図形のことです。このエニアグラムの幾何学図形をシンボルとして、性格診断に応用したものがエニアグラム診断です。
エニアグラムで分類される9つの性格タイプについて、行動原理や強み・弱み、それぞれの適職などを以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
▼エニアグラムの活用法について詳しく知りたい方はこちら ・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう
応募企業が重視する能力を押さえる
自分のアピールポイントが分からないときは、応募企業が重視する能力をチェックしましょう。
応募企業が重視する能力は、企業の公式サイトやSNS、経営者のインタビューなどで確認できます。社員のインタビューが掲載されていれば、共通点の中から自分に当てはまりそうなものを見つけるのも良いでしょう。
企業が重視する能力や強みが分かったら、そこに自分の強みと重なる部分がないかを考えます。自己分析ツールで分かった自分の強みと照らし合わせて重なる部分を見つけ、自己PRを作ると良いでしょう。
短所から言い換える
自分の短所を長所に言い換えて、強みにする方法もあります。自分のアピールポイントは分からなくても、短所といわれると思いつくことも多いのではないでしょうか。
例えば、自分のことを「決断力がない」と思っているとしたら、「何事にも慎重」と言い換えられます。
「諦めが悪い」と思っていた自分の性格も、「継続力がある」と言い換えれば、強みになります。思いついた自分の短所を良い側面で言い換えることで、簡単に強みを見つけられるでしょう。
短所は自覚していることでもあるため、そこからアピールポイントを考えることで、回答に一貫性を持たせられる点もメリットです。
過去の経験を洗い出す
過去の経験を洗い出してみると、自分の強みが見つかる場合もあります。過去から現在までの自分史を作り、出来事を思いつく限り洗い出してみましょう。
例えば、次のような出来事の項目を縦軸にした表を作り、小学生から大学生まで起こったことを思い出して記入します。
- 勉強
- 趣味
- 部活動
- 習い事
- アルバイト
- 頑張ったこと
- 褒められたこと
- つらかったこと
書き出してみると、自分でも意外な出来事が強みを発揮したエピソードだったと気づくかもしれません。
友人・家族など親しい人に聞く
自分のアピールポイントが分からないときは、家族や親しい友人など、自分のことをよく知っている人に自分の強みについて聞いてみることもおすすめです。
他者から見た自分の印象や評価を知ることを他己分析といい、「客観的な視点」で分析ができるという特徴があります。他者から見た自分を知ることで、より自分についての理解を深められます。
「自分では弱みだと思っていた特徴が実は強みだった」という、新しい発見があるかもしれません。
面接でも、他者の目線が加わることで、より説得力のあるアピールができます。「友人から◯◯と褒められたことがある」というように他者からの評価を加えれば、面接官の納得を得やすいでしょう。
面接の自己PRでのNG例一覧
面接で自己PRで失敗しないためには、これだけは避けたいというNG例があります。事前に把握しておくことで、重大なミスを避けられるでしょう。
ここでは、面接での自己PRのNG例を紹介します。
ESと一致しない
面接での自己PRがエントリーシート(ES)と一致しない場合、信頼性や一貫性が失われ、面接官に不適切な印象を与える可能性があります。
ESは書類審査や選考の基準となる重要な資料であり、自己PRがESと一致していない場合、面接官は内容の信頼性に疑問を抱く可能性があります。
面接で自己PRを回答する場合、事前にESや履歴書をしっかり確認し、情報の食い違いを避けましょう。
回答時間が長すぎる
次は回答時間が長すぎることです。
自己PRで回答時間が長すぎると、面接官が何を伝えたいか理解しづらくなります。また、要点をうまくまとめる能力がないと判断されることもあります。
30秒から1分以内で簡潔かつ分かりやすく伝えるように心がけましょう。
いくつかのアピールポイントを全て話そうとする
複数のアピールポイントを話すと、担当者は何をアピールしたいのか分からなくなります。1つ1つの情報量が少なくなり、根拠が乏しくなるため、自分の魅力をうまく伝えられないでしょう。
自己PRでアピールする内容は、企業の求める人物像と自分の強みを照らし合わせ、最も活躍がイメージできるものを1つに絞ることが大切です。
根拠がない
自己PRで、選考に通りたいからといって根拠がない内容を使うことは避けましょう。
根拠のない自己PRは説得力に欠けます。面接官は、候補者が主張を裏付ける根拠や具体例を提供することを期待します。根拠のない場合、候補者の能力や成果を適切に評価できないと受け取られ、面接官に納得してもらえません。
そのため、自己PRの際には具体的な事例やデータで裏付けるように心がけましょう。
企業が求める人物像とずれている
企業は独自のビジョンや文化を持ち、それに適した人材を求めています。自己PRは企業とのマッチ度合いや採用メリットをアピールする重要な機会です。
自己PRが企業の求める人物像と一致しないと、採用の適性やパフォーマンスに疑問が生じる可能性があります。
また、自己PRを使い回すことで真剣さや適応能力に欠けると受け取られることもあるため、企業のニーズや価値観を理解し、それに合わせた自己PRを行いましょう。
視線が泳いでぼそぼそと話す
人と話す際には、相手の目を見て話すのが基本的なマナーです。
視線が泳いでいたり、声が小さくぼそぼそ話したりしていると、伝えたい内容が明確に伝わりにくくなります。また、面接官に自信がない印象を与える可能性があります。
自信を持って視線を合わせ、はっきりとした声で自己PRを行うことで、良い印象を与えられます。
まとめ
今回は、面接での自己PRの流れから押さえておくべきポイント、実際の例文、そしてNG例までを詳しくご紹介しました。
自己PRでの高評価を目指すためには、これらのポイントや注意点をしっかり意識して準備するといいでしょう。ご紹介した例文を参考に、自分の自己PRを作成し、企業に高く評価される内容を目指していただければと思います。
しっかりと事前対策して、内定を勝ち取りましょう。
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