日本には350万社以上の企業がある(平成28年時点)といわれていますが、その99.7%は中小企業で構成されています。そんな日本経済を支えている中小企業を専門とする金融機関が、商工組合中央金庫(以下、商工中金)です。
半官半民の政府系金融機関として、地域に根ざした形で企業の各種経営サポートを行う商工中金は、2023年時点で「2年以内の民営化」が決定しており、今後さらに活動の幅を広げるとのこと。今回は、そんな商工中金で新卒採用や社内研修を担当している鶴丸尚子さんと大塚祐美さんに、同社での働き方や魅力について聞きました。
中小企業専門の金融機関として各種ソリューションを提供
──まず、商工中金は「誰を支える」金融機関なのかについて教えてください。
鶴丸:商工中金は、日本全国で約358万社あるといわれている「中小企業」専門の金融機関です。全ての都道府県に支店を持ち、そのネットワークを生かしながら、預金・決済サービスや融資、それ以外にも経営改善のためのコンサルティングや事業承継、M&A、海外進出サポート、プロジェクトファイナンスといった各種ソリューションをご提供しています。
鶴丸 尚子(つるまる しょうこ):キャリアサポート部 新卒採用担当
2017年入社(入社7年目)本店営業部に配属され、都内で融資営業を担当。2021年から約2年間中小企業庁に出向し、2023年10月より現職。
──メイン業務の1つである「融資営業」の役割と、具体的な仕事内容についても教えてください。
大塚:一言でお伝えすると、商工中金の「顔」であり、お客さまに伴走するパートナーです。直接社長にお会いしてニーズを伺い、 その会社の財務状況や将来性を評価する審査の部分、 さらには実際に融資を実行していく部分を、1人の担当者「営業窓口」がワンストップで対応していきます。
──1人何社くらい担当するのでしょうか?
鶴丸:入社直後は40~50社ほど受け持ちますね。そこから年次が上がり営業力が向上すると、100社以上のお客さまを担当することもあります。
大塚:数だけ聞くと多いと感じるかもしれませんが、ブラシス制度というものがあって、新卒社員には2年間先輩社員がマンツーマンでついてくれるので、手厚いサポートを受けながらOJTでさまざまな業務を覚えていく形になります。すでにお取引しているお客さまもいれば、新規開拓を進めていくこともありますね。
──今後2年以内に民営化することが2023年6月に決まっておりますが、業務を行うにあたって何か影響はありますか?
鶴丸:基本的に大きな変更はありません。引き続き非上場で運営するので、株主などのマーケット環境に左右されませんし、商工中金法で定められている危機対応業務も引き続き実施していきます。
一方で、これまでは政府系金融機関ということで業務範囲がある意味で限定的だったのですが、今後はシステム系の販売や人材サービスの提供なども可能になってくるので、ご提供できるソリューションの幅がより広がっていく予定です。私たち社員としてはポジティブに捉えています。
最も印象に残っているコロナ禍でのお客さま対応
──お2人とも入社7年目ということですが、これまでで最もやりがいを感じた場面を教えてください。
大塚:1番記憶に残っているのがコロナ禍ですね。その頃所属していた支店では飲食業のお客さまが多かったこともあり、緊急事態宣言の影響で営業できないというケースが多くありました。それこそ毎日何件もお客さまからご相談をいただく中で、当金庫ではいち早く、融資を通じてお客さまの資金繰りをご支援していったことが印象に残っています。
大塚 祐美(おおつか ゆみ):D&I推進部 人づくり支援室
2017年入社(入社7年目)池袋支店に配属され、都内で融資営業を担当。2022年より現職。
鶴丸:私もやっぱり、コロナ禍は印象的ですね。難しい状況であっても決してあきらめずに「御社の良さを生かすにはどうしたらいいんだろう」と経営者の方と二人三脚で考えていった経験は、大変だったと同時にすごくやりがいを感じた瞬間でもありました。
──それこそ直近の決算内容が悪くなっているケースも多かったと思いますが、具体的にどうされていったのでしょうか?
大塚:確かに直近の業績は悪化しているケースが多かったのですが、一方で「事業性評価」を行うことで、数字には表れていない事業の将来性についても、しっかりと見極めて対応しました。これができるのは、中小企業の専門金融機関としてこれまで培ってきた独自のノウハウがあるからこそだと考えています。
鶴丸:もちろん、商工中金でも新型コロナウイルス感染症の制度融資を使った部分はありますが、単に制度融資の要件に当てはまるかどうかだけではなく、 しっかりとその企業の将来性を踏み込んだ部分まで評価してご融資しました。この事業性評価においては、お客さまと真摯(しんし)に向き合って対話をすることを大切にしています。
豊富な研修制度と柔軟な勤務スタイル
──金融機関は転勤があると思うのですが、いかがでしょうか?
鶴丸:私は全国転勤型のフリーコースなので、 4〜5年に一回ぐらいの頻度で転勤があります。全員入社前に希望勤務地を第3希望まで書いていくのですが、8割ほどはそのいずれかで決まっているイメージですね。
大塚:私の場合はエリアコースなので、首都圏のどこかに配属されるという形になります。
──研修制度はどうなっているのでしょうか?
大塚:最初の2週間は自社研修施設を使って和気あいあいとビジネスマナーや銀行の基礎知識などを学んでいきますし、3年目までは年1~2回くらいのペースで対面研修を行っています。年次一律ではなく各社員の興味関心に応じた研修メニューも豊富なので、年次問わず希望する研修に好きなタイミングで参加できるようになっていて、時には同じ研修に新人と支店長が参加しているケースもありますね。
──研修担当として何か「推し」の研修はありますか?
大塚:いろいろとありますが、例えば「フィールドスタディ」というものがあります。東北の被災地に赴いて、復興のリーダーの活動に現場で触れ、生の声を聞きながらゼロイチ力を体感し、自分自身の行動変容につなげるという内容になっています。
鶴丸:研修と聞くとビジネススキルのために受けるものというイメージが強いかと思いますが、フィールドスタディのように人間力を磨くような研修が多いのも、商工中金の特徴の1つです。
──仕事とプライベートのバランスはいかがでしょう?
鶴丸:ワークライフバランスは非常に取りやすい会社だと思います。土日・祝日はカレンダー通りでしっかりと休めますし、平日の残業も1日1〜2時間程度のイメージです。もちろん、サービス残業は一切ありません。
大塚:あと、在宅勤務制度もちゃんと整っていて、希望すれば柔軟に認めてもらえます。現に私も、この後在宅勤務しますし、実は昨日も在宅勤務でした。
鶴丸:仕事のスケジュールの組み立てについても、特に支店では一人一人に対してかなりの裁量が与えられているので、働き方についてはいかようにもデザインできると思います。ちなみにビジネスカジュアルについても、業界の中では比較的早期に導入しています。
──最後に、学生の皆さまへのメッセージをお願いします。
鶴丸:私たち商工中金では、会社の魅力を伝えられるサイトとYouTubeチャンネルをそれぞれご用意しております! 特にYouTubeに関しては、会社のパーパス(企業理念)に関連した動画もご用意しているので、企業理解を深めていただく上でぜひご覧ください。また、採用サイト・公式LINEともに皆さまにとって有益な情報をお届けしておりますので、こちらもぜひご登録をお願いいたします!
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