こちらの記事では、具体的にPythonどんな言語なのか、何ができるのか、どのように学習すれば良いのか、どのような仕事につながるのか、など順を追ってご説明していきます。
<目次>
●Pythonってどんな言語?
●Pythonの特徴は?
・Pythonの特徴
・Pythonでできること、メリット
・Pythonで開発されたサービスの事例
・Pythonでできないこと、デメリット
●他言語との違いは?
・Javaとの違い
・C言語系との違い
・他スクリプト言語との違い
・相性の良い他言語
●Pythonを使ってどんな仕事ができる?
・職種の例
・仕事内容の例
●Pythonを学びたい! まずは何をすれば良い?
・学習の大まかな流れ
・Python学習におすすめの書籍、サイト
●Pythonで就職できる企業を探すには?
●この記事のまとめ
●先輩エンジニアの選考体験談が見られる! ONE CAREER for Engineerのご紹介
・ONE CAREER for Engineerではどんなことができる?
Pythonってどんな言語?
この記事では、「世界で最も人気のあるプログラミング言語」である、Python(パイソン)について紹介します。
Pythonは、オープンソースのスクリプト言語です。スクリプト言語とは、作成したプログラムが、先頭から順に1行ずつ実行されていくタイプのプログラミング言語です。
国際的な標準化組織であるIEEEが毎年行っているプログラミング言語の人気調査でも、2017年から連続して1位になっています(※1)。
(※1)参考: IEEE「IEEE Top Programming Languages 2022」
Pythonの特徴は?
Pythonの特徴
まず、Pythonの特徴として、以下のことが挙げられます。
特徴(1)スクリプト言語である
Pythonはインタープリター型(スクリプト)言語の一種で、作成したプログラムは実行時に機械語に変換され、ファイルの先頭から実行されます。一方、Java(ジャバ)やC言語系(C、C++、C#など)は、先にプログラムを実行形式に変換しておく、コンパイラー型の言語です。一般に、スクリプト言語のほうが学習しやすく、開発も容易です。
特徴(2)豊富なライブラリ
データ分析やウェブアプリ開発などに便利な拡張機能(モジュール、ライブラリ)が が多数提供されており、それらを活用することで、効率的な開発ができます。広く使われているライブラリは、世界中の開発者の目でチェックされているため、バグも少なく安心して利用できます。Pythonのライブラリの多くは、PyPI(パイピーアイ)というサイトに集約されており、コマンド1つでダウンロード・インストールできます。
特徴 (3) 日本語の情報が豊富
入門レベルから高度な専門知識まで、Pythonに関するさまざまな情報が日本語の書籍やウェブサイトで提供されているので、学習が始めやすく、また問題解決しやすいことも特徴です。
Pythonでできること、メリット
Pythonは汎用(はんよう)プログラミング言語なので、何でもできます。実際に、Pythonは大学の授業や研究におけるデータ分析から、企業における自動化による業務効率化やITシステムの開発、世界規模のウェブサービスやアメリカ航空宇宙局(NASA)における宇宙開発まで、あらゆる場面で利用されています。
上述のように、Pythonを使うメリットは多くありますが、さらに、「Pythonエンジニアの市場価値が高い」ことがあります。Pythonに習熟することで、より条件の良い企業で働いたり、単価の高い案件に関わることができたりすると考えられます。
Pythonが活用されたサービスの事例
Pythonは世界規模のウェブサービスにおいても利用されています。
Netflix
Netflixでは、投資するコンテンツの決定や配信サーバーの運用など、多くの業務でPythonを活用しています(※2)。
(※2)参考:GitHub「Netflix, Inc.」
Instagram/Facebook
InstagramやFacebookを運営するMeta社でも、Pythonがサービスの開発、運用で利用されています(※3)。
(※3)参考:@IT「Facebook、Instagramを支えるPythonコードの静的解析ツール「Pysa」をOSSで公開」
Pythonでできないこと、デメリット
先ほど「Pythonは汎用プログラミング言語なので、何でもできます」と述べましたが、Pythonに限らず大抵のプログラミング言語においても、スキルさえあれば解決できることが多く、「できない」というのは技術力不足であることが多いです。
ただ、Pythonで苦労して実現するよりも、他の言語で開発したほうが、時間や費用など全体のコストは下がる、といった場合があります。1つ例を挙げると、処理速度が求められるケースがあります。複雑なアルゴリズムを実行したり、リアルタイム性が求められたりする場面では、インタープリター型言語であるPythonは、コンパイラー型の言語であるC++やC#に比べるとどうしても性能が落ちます(※4)。
(※4)参考:Qiita「Python, Java, C++の速度比較」
他言語との違いは?
ここまでも、Pythonの特徴を説明するためにJavaやC言語系との比較をしてきましたが、用途などの観点で見てみましょう。
Javaとの違い
Javaは企業の業務システム開発で広く使われています。特に日系SIerでは開発言語としてJavaが採用されることが多く、それらの企業グループに入社すると、新入社員研修としてJavaを学ぶことになるでしょう。一方、自社サービスの開発を行うIT企業などでは、入社時からPythonを学ぶこともあります。
C言語系との違い
C言語系も業務システム開発で使われますが、特に性能・速度が求められる場合に採用されることが多いでしょう。また、特殊なハードウエアで稼働させる必要や、組み込みなど限られた計算資源しか利用できないケースもあり、Pythonとはそもそも「土俵」が異なる面があります。
他スクリプト言語との違い
広く使われるスクリプト言語として、Ruby(ルビー)やPerl(パール)、JavaScript(ジャバスクリプト)などがあります。これらの言語は、一般にウェブアプリ開発や、パソコンで動作する小さな業務アプリの開発に用いられることが多いでしょう。Rubyも高機能ですが、情報の豊富さや求人数という面ではPythonに分があるようです。
相性の良い他言語
PythonとC言語系(C、C++、C#など)は、実は密接な関係にあります。実際、Python自体がC言語系で実装されています。また、PythonのモジュールをC言語系で開発でき、C言語系の利点をPythonで生かせます。C言語系を知っていると、Pythonエンジニアとしてのスキルが一段高まります。
Pythonを使ってどんな仕事ができる?
Pythonのスキルを生かせる仕事として、どのようなものがあるでしょうか。
職種の例
ここではいくつかの職種を例として紹介します。
アプリケーションエンジニア(ウェブ)
アプリケーションエンジニアは、私たちが普段利用するオンラインショップや動画配信サイト、SNS、就活サイトなどインターネット上で提供されるサービスを開発します。Pythonは、さまざまな処理のロジックを実装するために用いられます。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、上記のロジック開発に加え、ウェブアプリが安定して稼働するように、インフラ(サーバーなど)の監視、運用などを担当します。大規模なサービスは数百台以上のサーバーを組み合わせて動作しているので、Pythonプログラムでサーバーの情報を取得、分析して制御します。
データサイエンティスト、機械学習エンジニア
データサイエンティスト、機械学習エンジニアはデータ分析、AI(人工知能)の領域で活躍する専門家です。両者の違いはさほど明確ではありません。Pythonはデータ分析の領域にも強みを持っているので、豊富なライブラリを活用し、データの収集、加工、分析を行い、高度な予測モデルなどを作成します。
事業部門におけるDX推進担当
ITエンジニアだけでなく、さまざまな事業部門でも、プログラミングによる業務効率化など、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められています。Pythonは試行錯誤が容易なスクリプト言語なので、現場でトライアンドエラーを繰り返しながら、DXを推進できます。
仕事内容の例
さまざまな職種で、具体的にはどのようにPythonが活用されるのでしょうか。
ウェブアプリ開発
Pythonでウェブアプリを開発する場合、Django(ジャンゴ)やFlask(フラスク)といったフレームワークが利用されます。ウェブアプリに必要な画面表示、処理ロジック、URLと処理の対応付け、データベースアクセスなどを実装しやすくする機能が用意されており、効率的に開発できます。
バックエンドシステム開発
ウェブアプリのバックエンドでは、PythonのFastAPIなどのフレームワークを活用し、拡張性の高いシステムをクラウドに展開するケースが増えています。
デスクトップアプリ開発
DXや業務効率化といったキーワードで、定型的な作業をプログラムで自動化することがはやっています。Pythonでは、Tkinter(ティーケイ・インター)やそれを拡張したCustomTkinterなどでGUIアプリを容易に開発できます。
データ分析
近年、ビジネスのあらゆる場面でデータを分析し、活用することが求められています。Pythonには、データハンドリングのためのPandas(パンダス)、可視化のためのMatplotlib(マットプロットリブ)、機械学習のためのScikit-Learn(サイキット・ラーン)など、豊富なライブラリがそろっており、気軽にデータ分析を始められます。
Pythonを学びたい! まずは何をすれば良い?
ここまでPythonの特徴や利用場面を紹介してきましたが、これからPythonを学んで就職活動に生かしたい、という場合、何から始めれば良いのでしょうか。
学習の大まかな流れ
Pythonを学習する際の基本的な流れは、目的がウェブ開発であってもデータ分析であっても、基本的には変わりません。まずは、Python言語の基礎を身に着けなければなりません。
そして、それぞれの目的で使用する各種ライブラリの使用法を学びます。実際に小さなプログラムを作成し、実行してエラーがあれば修正する、という作業を繰り返して、理解を深めましょう。さらに、学んだことを外部に発表、公開することで、現在の自分のスキルなどが明確になっていくでしょう。
Python学習におすすめの書籍、サイト
これからPythonを学び始める、というときにおすすめの書籍やウェブサイトを紹介します。
書籍
・『Python1年生 第2版 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ』(翔泳社、2022年)
「Python◯年生」シリーズは、プログラミング未経験者が学びやすいように工夫されており、小さなステップを積み重ねて理解が深まる構成になっています。
・『Pythonチュートリアル 第4版』(オライリージャパン、2021年)
Pythonの生みの親であるGuido van Rossum氏による入門書です。近年受験者が増えている「Python3エンジニア認定基礎試験」の指定教材でもあります。
・『独習Python』(翔泳社、2020年)
「独習」シリーズは他の言語でも豊富な実績があり、章立てや記述内容がわかりやすく工夫されています。
ウェブサイト
ここでは、大学や官公庁が公開している教材を中心に紹介します。
東京大学の授業で使用されている教材が公開されています。すべて、Colaboratory上で実行できます。
京都大学の授業で使用されている教材が公開されています。
東京工業大学・岡崎直観教授が公開しているPythonの入門コンテンツです。
慶応大学の授業で使用されている教材が公開されています。すべて、Colaboratory上で実行できます。
Pythonの環境構築から文法の基本、データ分析の基礎まで幅広くカバーした入門教材です。
Pythonで就職できる企業を探すには?
Pythonのスキルを活用できる企業はどのようにして探せば良いのでしょうか。
Pythonで就職できる企業の探し方
大企業では「デジタル人材育成」といった方針で従業員にPythonの研修を行っているところも多いので、面接などで「Pythonを勉強しています」と言えば、非IT系でも評価されるでしょう。
ITエンジニアとしてPythonを本格的に利用したい場合は、就活サイトで「Python +(ウェブアプリ、データ分析、AI)+ 開発」といったキーワードで検索すると良いでしょう。
この記事のまとめ
この記事では、「世界で最も人気のあるプログラミング言語」である、Pythonについて紹介しました。
・Pythonは世界的に高い人気を誇るプログラミング言語 ・便利なライブラリが多数提供されており、効率的な開発ができる ・Pythonエンジニアの市場価値は高く、良い条件で働けると考えられる ・ウェブアプリ開発、データサイエンス、業務効率化などさまざまな場面でPythonのスキルが活用できる
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