※こちらは2016年4月に掲載された記事の再掲です。新型コロナウイルスの感染拡大などにより、働き方に関して変化している部分もあります。
こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。
就活をしていると「この業界は激務だから」という言葉にふれることがあります。しかしどの程度の「激務」に耐えられるかは人それぞれ。22時退社に耐えられない人もいれば、出社も退社も午前という「時計が2回転に迫る9時5時勤務」を当たり前にこなす超人もいます。
そこで今回は、業界ごとに「激務の度合い」をお見せした上で、それらの業界の「激務の理由」を解説します。
<目次>
●この業界の「激務」はどのくらい? 業界別分析
●1. 労働集約型ビジネス
●2. 作っているものに答えがない
●3. プレゼンテーションが多い
●おわりに
この業界の「激務」はどのくらい? 業界別分析
まずは、激務とされる代表的な業界を、度合い別にまとめました。同じ業界でも会社や業種、部署によってバラつきはありますので、一概に決め付けることなく参考としてご覧ください。
【激務度 ★★★☆☆(終電時間と戦いながら帰宅】
銀行(営業職)・外資系メーカー(マーケティング・ファイナンス)・薬剤(MR)・印刷・不動産・出版
【激務度 ★★★★☆(終電から深夜3時ごろまでに退社)】
外資系コンサル・広告/マスコミ・商社・保険・国家公務員総合職・証券(営業職)・IT
【激務度 ★★★★★(睡眠時間は「分」単位の超人ぞろい)】
外資系投資銀行(IBD)・医者(研修医)
ここから、激務になりやすい業界の特徴が見えてきます。
今回は以下3点に絞って、「なぜ激務業界は激務なのか」を解説いたします。
1. 労働集約型ビジネス
仕事には大きく分けて「モノを売るもの」と「サービスを売るもの」があります。
それぞれの代表的な業界は、「モノを売るもの」が食品やビール、清涼飲料水などを扱う「食品業界」、「サービスを売るもの」が広告アイディアや企業同士をつなぐ交渉スキルを扱う「広告業」や「商社」「コンサル」です。「サービスを売るもの」は労働力への依存度が高いことから、「労働集約型産業」と呼ばれ、一般に激務度の高い傾向がある業界です。
例えば「大量に売れる」ということが起きた場合を想像してみましょう。
「モノを売る」業界で、ある日ビールが大量に売れたとします。その場合飲料メーカーは、工場の稼働率を上げ、短期間で商品を大量生産し、市場にビールを届けることができます。
「サービスを売る」業界ではどうなるでしょうか?
質のいい人材は、工場製品のようにいきなり増やすことはできないため、増えた仕事を今いる社員でこなすしかありません。その結果、「通常は5人分の仕事を抱える現場に、いきなり10人分の負担がかかる」といった人手不足が発生するのです。
2. 作っているものに答えがない
「食べているだけで痩せられるガムを開発した。これがバカ売れするキャンペーンを作ってほしい」とクライアントから依頼されたら、あなたはどうするでしょうか。若い女性を狙うか、中性脂肪が気になる40代男性を狙うか。テレビCMを作るべきか、それとも雑誌にタイアップするか、いや今時の広告だからWeb広告を出すか。無限の可能性から答えを導く、達成感を感じやすい業務でしょう。
その反面、こういった自由な発想でサービスを提供する業務には「模範解答」がありません。自動車開発において「燃費が良い方がいい」、流通業界において「速い方がいい」というふうな分かりやすい答えはなく、もっといいアイディアはないか、もっと相手の心へ入り込んで交渉を進められないかと高みを目指しつづけることになります。その結果、労働時間が長くなってしまいます。
3. プレゼンテーションが多い
通常、WordやExcelを使い、社内向けの書類を作成する場合は、決まった形式にデータを埋めていく場合がほとんどです。また、ファイルを見せる相手も上司など社外へ出るものが少なく、見栄えをそこまで気にする必要もありません。
対して、PowerPointなどを使い社外向けの資料を作成する場合はさまざまなことに注意しなければなりません。どういうデザインなら相手に伝わりやすいか、相手へ失礼な言葉を使っていないか、難しいデータが理解しやすく図解されているか、突っ込まれる要素はないか……。先ほどの広告を作る例と同じで最適解がないため永遠に修正することができます。
例えば、激務の筆頭に挙げられる外資系投資銀行のIBD部門では、顧客である企業のために「どうすればより儲(もう)かるか」「そのためにA社を買収するか、B社にするか」「A社を買収すべき理由」といった膨大な資料を用意する必要があります。
こういった業務をこなす専門性が高い社員は育成に時間が掛かるため、少数精鋭になりがちです。また、そのデータを就活生と同程度の金融知識しかない企業の責任者へプレゼンすることも多いです。専門性のあるものを簡単に説明し、突っ込まれてもアラが出ず、さらに相手へ「うん、これでいこう」といわしめる営業資料は、毎日の長時間労働の血と涙で作られているのです。
おわりに
いかがでしたか。
ここまで大まかに書きだした激務度別業界一覧と、激務の生まれる仕組みを解説してまいりました。外資系は一般的に激務といわれますが、一方で外資でもホワイトと呼ばれる会社もあります。
こちらの記事を参考にしてください。
・外資系企業の年収・ホワイト度ランキング!「高給」「激務」の実情を数字で比較してみた。
また、激務と呼ばれる業界もそれ相応の魅力があるものまた事実です。ワンキャリ編集部では激務業界と呼ばれる業界の魅力をお伝えしています。激務の先にはどういった魅力があるのか、各業界の面白さも合わせてご覧ください。
▼激務業界のリアルを知る
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コンサル・投資銀行などの激務な業界のリアルを知りたい方は、ぜひ「ONE CAREER PLUS」もご覧ください。
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