クライアントの課題解決や目標達成に向け、戦略を立案・提言するコンサルタント。
就職活動をする学生からも人気の高い職業において、「事業づくり」という従来の枠を超えた新たな役割を切り開いている部門があります。
それが、デジタルイノベーションコンサルタントコースの配属先であるDXIビジネスユニットです。当部門は、「デジタル(Digital)をマルチ(X)に組み合わせ、イノベーション(Innovation)を実現する」ことをビジョンとしています。また、最先端のデジタル技術を活用し、時に国内外のスタートアップ、大学/研究機関、公的機関と共創しながら、未来を見据えた新たなビジネスモデルを創出しています。
今回は、DXIビジネスユニットの立ち上げから参画している安藤有紀さんと小山実希子さんに、デジタルイノベーションコンサルタントの魅力や強み、携わるプロジェクトについて、お話を伺いました。
<目次>
●特定の業界や技術に縛られない。全方位的な取り組みで新たな価値を創出する
●「ここまで事業に入り込むとは思っていなかった」
●現場改善からビジネスモデル変革、海外スタートアップとの共創まで携われる
●求められる既存の枠組みにとらわれないアイデア。若者の柔軟な発想や新たな考えをいかせる環境
特定の業界や技術に縛られない。全方位的な取り組みで新たな価値を創出する
──まず、デジタルイノベーションコンサルタントの魅力について、教えてください。
安藤:そもそも配属先となるDXIビジネスユニットは、世界的にデジタルトランスフォーメーション(DX)が話題となった2015年に、社内で立ち上がったDXの専門組織が発端です。
業務改革や基幹システムがビジネスの軸だった当時のアビームにおいて、最先端のデジタル技術やデータを活用したビジネスを行う部門として立ち上がり、IoTやAI(人工知能)、デジタルマーケティング、スタートアップとの共創といったさまざまなテーマのビジネスを開拓してきました。
クライアントは製造業・産業インフラ・金融・流通・公共などの全産業、業務としては企画から実装まで多岐に渡り、またロボティクスやWeb3、メタバースなど最先端のデジタル技術を活用しています。デジタルイノベーションコンサルタントは、デジタルをマルチに組み合わせ、業界を横断することで、既存の枠組みを超えた新しい形のビジネスを生み出しています。
安藤 有紀(あんどう あき):DXIビジネスユニット ダイレクター
2008年中途入社。流通・小売業界を中心に業務改革などのコンサルティングや新事業立案プロジェクトを経験した後、DXIビジネスユニットの前身である部門の立ち上げに参画。
──具体的に、「業界を横断する」プロジェクトとはどのようなものがあるのでしょうか。
小山:例としては、脱炭素社会に向けた取り組みを指すグリーントランスフォーメーションや少子高齢化における施策立案、地方創生といった社会課題は、各産業をまたいだテーマであり、今までの枠組みに収まらない取り組みといえます。
現代はさまざまな分野を組み合わせていくことが求められているため、一つの分野に特化するのではなく、全方位型として多様な技術や業務プロセスを組み合わせてプロジェクトを進めています。
小山 実希子(こやま みきこ):DXIビジネスユニット シニアマネージャー
新卒で入社し、現存部門の立ち上げ時に新サービスの自社グローバル拠点展開を経験。その後、クライアント経営層との中期経営計画策定、新規事業創出プロジェクトに従事。
安藤:他にも、スマートシティのような新しい街づくりも新たな価値を創出するプロジェクトの一つになりますね。街づくりとなると、行政関連の部門が連想されますが、実は教育や産業振興、観光など、テーマは一つにとどまりません。こういった多岐に渡るテーマを横断しながら、さまざまな知見をもとに全体像を描いて新しい価値を生み出していくことが、デジタルイノベーションコンサルタントの魅力です。
「ここまで事業に入り込むとは思っていなかった」
──お話を聞いていると、まさに新しいコンサルタント像を作り上げているといえますね。
安藤:そうなんです。コンサルタントとしてクライアントのサポートをしつつ、私たち自身も事業のプレーヤーでもあるというイメージですね。
小山:新卒入社の社員が、「ここまでクライアントの事業に入り込ませてもらえるとは思ってもみませんでした」と驚いていたこともありました。プロジェクトでは実際に事業の企画から実装までを行うため、新しいビジネスを考えるだけでなく、実現するところまで取り組みたい方にとって、これほどワクワクする環境はないと思います。
安藤:私たちとしては、組織運営そのものが事業だという考えもあります。社員一人一人がその意識を持つことで、会社から言われたことをこなすのではなく、事業の中身までしっかりと関与することで新しい価値の提供を目指しています。
小山:実際、DXIビジネスユニットの部門長も「今後のコンサルティング業界はコンサルティングだけでなく、事業をすることで勝ち筋を見いだしていく」と話しているくらいですからね。
──デジタルイノベーションコンサルタントの強みについても聞かせてください。
安藤:案件が多岐に渡っていることもあり、所属しているメンバーも多様性に富んでいるところが強みです。
事業会社から転職した人材も多く、製造業や小売業、金融業など、出身業界もさまざまです。技術面でも、デジタルやITだけでなく、機械設計や化学プロセスのような多様な技術知見の保有者が所属しています。それぞれの業界・技術に精通した人材が在籍しているために、クライアントには人材の組み合わせによる新たな提案も可能となります。
小山:人材の豊富さと各人の持つ幅広い人脈、経験値から、最先端の潮流を読み取れるところも強みとして挙げられます。世界的な産業技術の展示会にも参加することで各業界のトレンドを漏れなくつかみ、数年後の未来を見据えた幅広い提案ができているのは、その証拠の一つといえます。
現場改善からビジネスモデル変革、海外スタートアップとの共創まで携われる
──デジタルイノベーションコンサルタントはどのようにプロジェクトを進めていくのでしょうか。
小山:国内と海外でそれぞれプロジェクトがあり、いずれの場合も私たちが提唱する「Industrial DX Journey」をもとに、クライアントのDX推進を支援しています。
小山:クライアントが目指すのはビジネスモデルを変えながら収益も高めていく、右上の「ビジネスモデル変革」です。
ただ、「ビジネスモデル変革」へ一足飛びに移ることは難しいため、クライアントの現状に合わせてアプローチしていく必要があります。業務効率化のような「現場改善」はビジネスモデル変革を目指す上で欠かせません。そこからスタートし、例えばモノ売りからコト売りへの変革を経て従来型事業では成しえなかった収益源を増やしていく(プロダクト変革)。もしくは川上から川下までの企業同士をデジタルでつなぎ、従来とは異なる次元での効率化を図っていく(バリューチェーン変革)。私たちは、この4象限いずれのテーマにおいても、全産業で携わっています。
──具体的にどのようなプロジェクトがあるのか教えてください。
安藤:左下の「現場改善」は工場にIoTを導入し、データを収集して生産性の改善に生かすケースが代表例です。右下の「プロダクト変革」は、かつて屋内でリモコン操作していた住宅設備がスマートホームのように屋外からでも操作できるようになった点が、既存製品に新サービスが追加された例といえます。
左上の「バリューチェーン変革」は、メーカーが原料調達などをはじめとするサプライチェーンで行うデータ連携などが挙げられます。そして、右上の「ビジネスモデル変革」は、まさに新たなビジネスを構築することだといえます。
私たちは4象限のどの案件でも、企画の構想から実行まで全ての過程をクライアントと議論をかわしながら携わっています。企画では類似の事例集めやアイデアの言語化など、そして実行フェーズでは、工場のIoT化のため現場でデバイスを実際に取り付ける作業もこなしますし、データ収集のためのクラウドプラットフォームの構築も担うことがあります。
小山:デバイスの取り付けなど、実際に工場の生産ラインにわれわれが入り推進しています。
安藤:現場に深く入り込むことは刺激的であり、大切ですよね。現場を知ることで、机上の空論ではない実現可能な業務設計や要件定義に落とし込むことができます。
小山:それらの案件をクライアントと二人三脚で取り組みながら、新しいビジネスを生み出すには、日本にない最先端の技術が必要となる場合も多いです。そのため、多くのスタートアップ企業の集まるイスラエルや中国へクライアントとともに出向くこともあります。
安藤:海外スタートアップ企業とのコラボレーションも、まさにデジタルイノベーションコンサルタントが携わるプロジェクトならではですね。海外スタートアップは、私たちが本気だという態度を見せると真剣に話を聞いてくれるため、「この技術を日本に持ち帰りたい」と熱意を持って伝えると、その場で一気に交渉がまとまることもありました。
小山:ほかには、DXIビジネスユニットで開発したデジタル技術を活用したソリューションやサービスをグローバル展開するため、私たち自身で世界各地にあるアビームのオフィスへ出向き、現地のクライアントへ説明することもあります。
──実際に海外の現地オフィスを訪問することもあるんですね!
小山:現地オフィスとのコラボレーションは非常に多いです。中国拠点でスタートアップをクライアントに紹介する際も、日頃のコミュニケーションで現地オフィスのスタッフとの信頼も築けていたので、話がスムーズに進みましたね。
安藤:ソリューションやサービスなど、実際に携わった人間がその価値や意味を説明することで、現地オフィスにおける理解度も変わってくるものです。それによって、彼らも現地のクライアントにより深い説明ができるようになり、場合によっては現地オフィスと協業することもあり得ます。最近は、現地発の案件が日本に持ち込まれるケースも増えてきました。
求められる既存の枠組みにとらわれないアイデア。若者の柔軟な発想や新たな考えをいかせる環境
──入社2、3年目のメンバーが身につけられるスキル、10年目で身につけられるスキルについて聞かせてください。
小山:クライアントとの対話を通じて、相手の抱える課題を引き出し解決する問題解決スキルは、若手のうちから身につきます。また、事業会社出身者や起業経験者など豊富な人材が所属しているため、さまざまな知見をすばやく吸収しつつ、実経験を積むことができます。
さらに、近年は既存の枠組みにとらわれないアイデアを求めるクライアントも増えたことで、若者の柔軟な発想力や新しい考えを発揮できる環境も整っていますね。
安藤:特にデジタルイノベーションコンサルタントは、やり方が決まっていない仕事が多いんです。何事も自分たちでどこから手をつけていくべきかと考えるところから始めるため、自分で切り開いていく開拓力が身につくはずです。プロジェクトでは、若手にも積極的に自分の考えを発信してもらうようにしています。
一方、10年目となれば、ちょっとしたアイデアからビジネスを生み出したり、案件につなげたりするスキルが身につきます。自分で事業を組み立てて周りを巻き込み、実現まで導くスキルは、どのような場面でも生かしていくことができると思います。
──最後に学生へのメッセージがあればお願いします。
安藤:私たち自身の仕事も日々変化があり、決まった分野やテーマも設定されていません。自ら未来を想像して新たな価値の仮説を作り、経験のない領域でも学びながら切り開くことを楽しめる人にとって、デジタルイノベーションコンサルタントは非常に魅力的だと思います。
小山:新たなビジネスを生み出すことに興味がある人には、ぜひデジタルイノベーションコンサルタントを選んでいただきたいです。社会に意義のあること、という大前提はありますが、「あれをやりたい」「これを形にしたい」と考えている人には、ぜひアビームで希望するキャリアを実現してほしいです。
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