こんにちは、ワンキャリア編集部です。
経済産業省所管の独立行政法人であるJETRO(日本貿易振興機構)(以下、JETRO)。日本と海外の架け橋ともいえる存在で、グローバルに働きたい学生から人気の高い企業です。
この記事では、JETROの「総合職」に絞って具体的な選考対策をお伝えします。
選考前の最終確認にご一読ください。
<目次>
●JETROの社風
●JETROの本選考のポイント
●JETROの本選考のフロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. 小論文
・3. 1次面接
・4. 2次面接
・5. 最終面接
●おわりに
JETROの社風:「貿易」「投資」について中立的な立場で、提言から実行までサポート
JETROは経済産業省所管の独立行政法人。貿易や投資に関して、企業に提言する機関です。日本と世界の架け橋といえるでしょう。
世界各国70カ所以上の海外事務所と、全都道府県に広がる国内のネットワークを生かしながら下記の事業を展開しています(※1)(※2)。
(1)対日直接投資やスタートアップの海外展開支援等を通じたイノベーションの創出支援
(2)農林水産物・食品の輸出促進
(3)中堅・中小企業など国内企業の海外展開支援
(4)国内の企業活動や通商政策への貢献
(5)グローバル時代の地方創生への貢献
貿易や投資に関する施策の提言のみならず、実行まで携われるのがJETROの魅力です(※3)。
実際に海外の現地法人の設立から、商品の生産・加工、海外市場向けの販売まで行うケースも珍しくありません。株式の100%が日本国所有の機関であるため、利益にとらわれず中立的な立場でアプローチできます。
取引先の幅広さも特徴です。アジア市場、新興国市場、欧米などに対して戦略的に事業を展開しています。
企業の市場獲得競争が激化しつつある中で、政府系の機関の立場からサポートが行える組織がJETROなのです。
(※1)参考:JETRO「ジェトロについて」
(※2)参考:JETRO「ジェトロの取り組み」
(※3)参考:JETRO「事業領域」
全社員の4割が海外勤務、3年目からは希望すれば誰でも行ける
JETROには海外で働くチャンスが豊富にあります。実際に、世界の国の約30%にあたる全55カ国に拠点を構えて現地で社員が働いています。国外で働いている社員は全社員の約40%にもなるそうです(※4)。
入社3年目から海外研修に応募ができ、参加者は1年間海外で実務研修を受けられます。希望している社員であれば誰でも、ほとんどの場合海外研修に参加可能です(※5)。
また、内定者によると、希望すれば、76カ所にある海外事務所で勤務できるとのことです。研修以外での海外赴任(海外事務所での勤務)に関しては、入社7〜8年目の場合が多いようです(人事談)。日本企業の開発支援や、法令や行政などの海外情勢調査を行います(選考対策ページより)。
若いうちから海外で働きたいと思う学生に、おすすめの機関です。
(※4)参考:JETRO「組織概要」
(※5)参考:JETRO「教育研修体系」
JETROの本選考のポイント:「JETROでやりたいこと」を明確に語れるようにしよう
JETROの本選考では「JETROでどのように日本に貢献したいのか」を明確に語れることが重要です。
国際協力銀行(JBIC)やJICA(独立行政法人 国際協力機構)、商社などと併願する学生も多く「JETROでなければならない理由」と「志望度の高さ」が求められると考えられます。
企業HPや説明会を通して各機関との違いをしっかりと理解した上で、JETROでやりたいことを事前に整理しておきましょう。
志望動機を考える際は、下記の項目に沿って考えるのがおすすめです。
<志望動機を考える際のポイント>
(1)日本のためにどのような貢献をしていきたいのか
(2)なぜそう思ったのか
└ 背景となる経験と考え
(3)JETROがなぜ適切なのか
(4)それを他の企業ではできないのか
「あらゆる人と協働する能力」と「他人のために動ける謙虚さ」をアピールしよう
「立場の異なる人々と協働できる能力」をアピールすることも大切です。
JETROの仕事では、国内外のあらゆる人々と関わります。さまざまな立場で異なる価値観をもった人と、円滑にコミュニケーションをとらなければなりません。
業務適性を示すためにも、どんな人とも協調性をもって仕事に取り組める素養を示しましょう。カルチャーフィットをアピールする上では「他人のために動ける謙虚さ」を伝えることも大切です。
利益を求めず国内外の企業支援を行うJETROでは「自社ではなく他社の成果にコミットできるか」が重要になります。
面接においても、率先して他人に貢献する謙虚な姿勢を示せるのがベストです。
実際にある内定者は「他の学生は自分のアピールを多くする中、謙虚ですごく落ち着いている」と高評価を得ていました(選考対策ページより)。
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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JETROの本選考フロー
JETROの選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(ES)
2. 小論文
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):厳しい絞り込みはされない模様。面接での深掘りを想定して回答しよう
JETROのエントリーシート(ES)では、過去には以下のような設問が出題されました。
(1)あなたが企業を選ぶ際の基準とJETROへの志望理由(200字程度)
(2)興味のある事業と入社後に携わりたい業務について(200字程度)※既存事業にとらわれず自由に記述してください。
(3)学生時代に力を入れたことを3つ(各80字程度)
(4)3つの中で最も力を入れたこと(200字程度)
(5)これまで経験した失敗や挫折、その要因と学んだこと(300字程度)
※出典:JETRO(日本貿易振興機構)|総合職2022年卒本選考のES
全体的に文字数が少ないため、厳しい絞り込みはないと予想できます。とはいえ、回答内容が面接で深掘りされる可能性も少なくありません。
特に「志望理由」と「入社後に携わりたい業務」については、JETROに対する理解度と志望度の高さを見られていると考えられます。
また「学生時代に力を入れたこと」は、業務適性を示す上で大切な「異なる立場や価値観の人々と協働する能力」をアピールするチャンスです。
高評価を得て今後の選考につなげられるように、ESの段階から準備しておきましょう。
2. 小論文:日本や社会の情勢について日頃からアンテナを張っておこう
小論文は自宅で受験する、45分程度の選考です。過去には以下のようなテーマで出題されました。
【テーマ】
日本や社会の情勢を踏まえた上でJETROがすべきことについて
※守秘義務のため詳細は不明
【時間】
45分程度
【字数】
800字程度
※出典:JETRO(日本貿易振興機構)|総合職2022年卒本選考の小論文
内容については守秘義務が課せられているため、事前の対策が難しい選考です。日本や社会の情勢について日常的にアンテナを張り、情報収集しておきましょう。
回答する際は、内容を構造化して読みやすい文章作成を心がけてください。
3. 1次面接:ネガティブチェックの選考! 志望度は重視されるので注意
1次面接は社員1名に対し、学生1名で行われる30分程度の個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・自己紹介
・志望動機
└ 商社との比較
└ ITとの比較
└ 海外経験について
・学生時代に力を入れたこと
└ 具体的には
・趣味について
・逆質問(2~3問程度)
など
※出典:JETRO(日本貿易振興機構)|総合職2022年卒本選考の1次面接
内定者いわく、ネガティブチェックの意味合いが強いようです。一方で「志望度の高さは重視された」とも話しています。
JBIC、JICA、商社などとの違いを明確にしつつ「JETROでなければならない理由」を語れるようにしましょう。
それぞれの企業HPや説明会で得た情報をもとに、企業理解を深めて回答を準備しておくと安心です。
内定者の考える各機関との違いを下記に記載します。選考前にご参考にしてください。
【参考:内定者の考える各機関との違い】
・官僚:日本全体は見られるが、実際のアクションのサポートまではしづらい。
・JBIC:基本的に海外案件のみ扱う。日本全体の厚生よりも、クライアント企業への融資がきちんと回収できるかといった面で企業のサポートを実施する。
・JICA:全面的に企業と関わる機会は少ない。チームよりも個人でどれだけ頑張れるかを考える人が多い。
・商社:あくまで企業としての営利のみを考える。自社の案件のみに業務はとどまる。
4. 2次面接:選考最大の鬼門! 圧倒的な志望度の高さと業務適性を示そう
2次面接は社員4名に対し、学生1名で行われる30分程度の個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・自己紹介
・志望動機
└ 商社との比較
└ ITとの比較
└ 海外経験について
└ やりたい業務は何か
└ 配属リスクについて
・学生時代に力を入れたこと
└ 具体的には
└ きっかけは
など
※出典:JETRO(日本貿易振興機構)|総合職2022年卒本選考の2次面接
2次面接は選考における最大の鬼門といっても過言ではありません。役員や事業統括責任者が面接官を担当する上、次の最終面接も意思確認の要素が強いためです。
内定を勝ち取るために、万全な準備をして臨みましょう。具体的な対策内容は、本選考のポイントで記載した下記の2点と同様です。
・「JETROでやりたいこと」を明確に語れるようにする
・「あらゆる人と協働する能力」と「他人のために動ける謙虚さ」をアピールする
前述した対策内容を参考にしつつ、圧倒的な志望度の高さと業務適性を示せるように心がけてください。
5. 最終面接:意思確認の場! リラックスして臨もう
最終面接は社員3名に対し学生1名で行われる、15分程度の個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・自己紹介
・志望動機
└ どのようなことをしたいか
・好きな本は何か
※出典:JETRO(日本貿易振興機構)|総合職2022年卒本選考の最終面接
内定者いわく、選考の要素はなく意思確認の意味合いが強いようです。これまでの選考で回答した内容を整理しつつ、リラックスして臨みましょう。
▼JETRO(日本貿易振興機構)の選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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JETRO(日本貿易振興機構)が参加予定のイベント一覧
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おわりに
ここまで、JETROの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
JETROの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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(Photo:CHEN MIN CHUN/Shutterstock.com)