※こちらは2022年2月に公開された記事の再掲です。
こちらは三菱商事の寄稿記事です。
豊かな未来を作る皆さんと、仕事やキャリアについて考え、語り合いたい。皆さんが持つ大きな可能性に気付き、育むきっかけを作りたい──。
このような思いを背景に、三菱商事は学生の皆さんと向き合う学びの場「MC Academia」を2020年に立ち上げ、対面・オンラインでのイベントを継続的に開催しています。
2021年の8〜9月には、学年を問わず多くの方々にご参加いただき、2日間のワークショップをオンラインで実施。三菱商事に10ある全ての営業グループから、それぞれ社員が2人1組でメンターとして加わり、熱い議論が繰り広げられました。
ワークショップでは、社員が実際に取り組むビジネス課題をテーマに、各チームで新規事業を構想。2日間で異なる2つの事業分野の課題に取り組みました。各日の終わりには、社員から1対1でフィードバックをもらう時間も設定。経験を踏まえたアドバイスを受けながらブラッシュアップを重ねます。
三菱商事の幅広い事業の一端に触れ、社員とのコミュニケーションを通じて三菱商事らしさも感じられる。この記事では、ワークショップに参加したメンター社員2人の感想や思いをご紹介し、MC Academiaの雰囲気や魅力をお伝えできればと思います。
経験豊富なメンター社員たち。現場で磨いた「五感」が支えるビジネスの最前線
──このMC Academiaでは、グループのメンター社員が携わった実際のビジネスを基に、新規事業のテーマが設定されます。お二人は海外のプラント建設に携わるなど、現場での経験も豊富だと聞いています。どのような仕事を経験されてきたのですか?
加藤:私は以前、インドで製鉄プラントの建設プロジェクトに携わっていたのですが、ワークショップでは、学生の皆さんにその時のエピソードや苦労話などを関心高く聞いていただいたと思います。
今はチームメンバーとともに、生体認証技術を使った決済プラットフォームなど、「DXで新しいインフラを作る」という事業にも取り組んでいますが、従来のインフラ事業とこうした新しいインフラ事業、両方をやっているからこそ、世の中の変化に合わせて挑戦できると思っています。だからこそ、昔の話にも関心を持っていただけたのはうれしいですね。
加藤 光軌(かとう こうき):産業インフラグループ・インフラソリューション部
2014年入社。海外事業会社の経営サポートや産業プラント関連の新規事業開発を担当後、インドでの製鉄プラント建設プロジェクトに約4年間従事。現在は、トルコ財閥系企業チャルックグループとの資本戦略提携の下、インフラ・プラント建設プロジェクトの開発をはじめ、デジタル技術を活用したWebプラットフォーム事業の立ち上げや生体認証技術を使った決済プラットフォームの実証事業など、社会・産業の基盤となる「新しいインフラ事業」の創出に取り組む。(所属部署はインタビュー当時のものです)
──現場での経験も大切だということですね。
立石:ビジネスをする上では、業界の言葉や生態系が分かっていないとセンサーが働かないんです。例えば、私は若手時代に中国で製鉄プラントの仕事をしていましたが、その中でプロジェクトの肝はもちろん、業界の考え方や慣習、人間関係、そういったものが理解できたからこそ、今本社にいても判断ができる。こうした「五感」を磨くことは、ビジネスにおいて非常に大事だと感じています。
現場は大変ですが、五感を鍛える貴重な経験の場です。事業を通して成し遂げようとしていること、「そこで暮らす人々のために」という思いへの共感があれば、多少泥臭い仕事であっても学生の皆さんに前向きに捉えてもらえるんだというのは新しい気付きでした。そうそう「DXは泥臭いの略だよ」という話をしたら、皆さん笑っていました(笑)。
加藤:DXは泥臭い(笑)。 魔法じゃないよ、っていうことですね。
立石:そうですね。今まさにDXの新規事業に取り組んでいますが、現場を見て五感で感じ、泥臭いところも理解していないと、DXで何を解決すべきなのかが分からない。そういう意味では、デジタルを使ってソリューションに落とし込んでいくけれども、入り口のところは超アナログだし、そこにアナログの課題があるからデジタルで解決するのであって、まずそこをしっかり理解することが必要だよね、という話をしたんですが、学生の皆さんにとても面白がって聞いていただきました。
立石 隆章(たていし たかあき):産業インフラグループ・インフラソリューション部
2004年入社。中国での製鉄プラント建設やインフラ事業を行う事業会社への出向を経験し、コーポレートスタッフ部門でリスクマネジメント業務にも従事。トルコの財閥系企業チャルックグループとの資本戦略提携に携わり、16年よりトルコ・イスタンブール支店に駐在し、同財閥系企業にも出向。帰国後、19年より現職。現在はプロジェクト開発チームリーダーとして、ハード・ソフト両面から社会・産業を支える広義のインフラ事業開発に取り組む。(所属部署はインタビュー当時のものです)
事業開発のフレームワークは商社パーソンの「血と汗の結晶」。やるからには本気で、実現可能性のあるアイデアを
──課題説明の講義やグループワークなど、中身の詰まった1日だったと思います。お二人のグループの雰囲気はいかがでしたか。実際にどのような新規事業のアイデアが出たのでしょうか。
加藤:私たちが取り組んだのは、「新しいインフラ事業を生み出す」という課題です。難しいテーマだったと思いますが、皆さんの「やってやるぞ」というまなざしを見て、私もスイッチが入りました。参加したのは2日目でしたが、1日目でチームワークが醸成されていたこともあり、スムーズに役割を分担し、お互いの強みを生かし合って議論を進めていたことも非常に印象的でした。
立石:ワークに入る前の講義で、事業に対する考え方のフレームワークを提示し、それを踏まえて議論をしていただいたのですが、このフレームワークは、私が出向先のトルコで取り組んだ新規事業の創出やスタートアップ投資など、これまでの経験の中で得た学びや気付きから作り上げたものです。
私たちが商社パーソンとして、実ビジネスに悩みながら取り組む中で生み出した血と汗の結晶ともいえる枠組みなので、三菱商事ならではの考え方に触れていただく良い機会になったと思います。私としても、「このフレームワークを学生の皆さんが使うと、こんな化学反応が起きるのか」と非常に興味深かったですね。
議論の中では、インドを旅行したときに体感した水質汚染を起点に、課題解決につながるインフラ事業を考えたり、物流インフラにおける業界課題を起点に、アフリカでのラストワンマイル(※)事業を考えたりするなど、社会課題を自分ごととして捉えられていたこともとてもよかったと思います。
(※)……最終拠点からエンドユーザーへの物流サービス。お客様へ商品を届ける物流の最後の区間のこと
ワークショップにおける課題の進め方。新規事業を考える際のフレームワークの1つだ
──議論の中ではどんなアドバイスをしたのでしょうか。
加藤:最初はどうしても三菱商事だけでできることを考えてしまいがちですが、実際のビジネスでは、仮にインフラ・プラントの建設プロジェクトを例にとっても、日本政府や外国政府、建設を担当されるゼネコン、技術を提供してくださるメーカーなど、本当に多くのステークホルダーと一緒に事業を進めていきます。その推進体制にも絶対解はなく、「誰にどんな価値を提供するのかに合わせて、自由な発想で最適な形を考えていいんだよ」という話をしました。そこで議論が深まり、ブレークスルーしたと感じました。
立石:ビジネスと収益の関係性が見えづらくなっているのかなと感じたので、そこを言語化してお伝えしました。企業は収益を出す必要がありますが、大事なのはその手段。私は、収益は「ありがとう」の対価だと思っています。事業を通じて社会のお役に立てれば収益が生まれるし、リスクの高い事業への挑戦であれば、その分「ありがとう」の見合いである収益も高くなる。ありがとうを集めて、さらに大きなありがとうにつなげていく、その繰り返しがビジネスだと思います。
──ワークショップに参加するに当たり、どんな思いで臨みましたか。
立石:新規事業を考える上で、正解は一つではありません。三綱領の下、私たちがチームのミッション・ビジョンを実現するために日頃からチームメンバー全員で大切にしている10の価値観(バリュー)や考え方のフレームワークを共有することで議論の精度を上げ、限られた時間の中で議論があちこちに広がり過ぎてしまわないよう工夫するなど、より実業務に近い経験を積んでもらえるよう、2人でいろいろと準備しました。
加藤:コロナ禍でオンラインでの開催となりましたが、オンラインであっても最大限できることはやろうという思いでした。こだわったのは、三菱商事で働くイメージを解像度高く感じてもらうこと。日ごろの業務さながら、一緒にやるからには本気で、社会のためになる事業を考え、「面白いアイデアだね」で終わらせずに、実現の可能性があればぜひ実行したいと考えていました。
立石さんと加藤さんのチームが大切にしている10のバリュー(価値観)
社員が1 on 1で10分以上フィードバック。伝えたかったのは三菱商事のリアル
──今回のワークショップでは、学生への1 on 1のフィードバックの時間を設けています。アドバイスをする際に気を付けた点などはありますか?
立石:一人10分以上、しっかり時間をかけてフィードバックできるのはいい仕組みですね。責任重大ですから、議論の最中は一人ひとりを真剣に見ていました。人を動かす、というのは仕事においても重要ですが、その時に力になるのはやはり言葉。いかに「刺さる言葉」で伝えられるか、という点にもこだわって向き合いました。
今の学生の皆さんは、論理的に考える力が非常に高いなと感じます。一方で、ビジネスではエモーショナルな部分、人の心のひだを読むといったことも重要ですから、社会に出て、ぜひそういった部分も伸ばしていただけたらと思います。
加藤:グループワークを拝見していて、時間が限られる中でも全員の意見を尊重して議論の方向付けができたり、全体を俯瞰(ふかん)し不足する部分に対して自主的にアクションできたりと、それぞれに強み、良い点をお持ちだと感じました。
「なぜだろう」と疑問に思うことをおざなりにせず、本質を突き詰める姿勢も素晴らしかったと思います。一方で、皆さん自分の足りない部分に目が行きがちだとも感じたので、自分では見えづらい強みへの気付きになればという思いでフィードバックしました。
──強みを教えてもらえれば、自信にもつながりそうです。
加藤:もう一つ伝えたかったのは、抜きん出て目立つことをしなくても、自分のやるべきことをしっかりやっていれば必ず見てくれている人がいるということ。これは私が三菱商事で働く中で感じていることでもあります。チームとして動く中では、いろいろな強みの生かし方やリーダーシップの在り方があって然るべきで、それをフェアに見てくれる環境があり、仲間がいる。そうした三菱商事らしさも感じていただけたらと思います。
──ワークショップ全体を通じて、どんなことを感じられましたか。
加藤:オンライン環境をものともせず生産性高く議論ができることには驚きましたし、デジタルスキルの高さは見習う点が多いですね。
三菱商事では、先輩社員が新入社員をマンツーマンで1年間指導する制度があるのですが、相手のことをよく知り、個々の強みや価値観を理解した上で、それぞれに合った導き方を模索していかなければと感じましたし、そうすることで能力をより引き出せると実感できたことは私にとっても大きな収穫でした。
立石:今の学生の方々はベースとなる知識が豊富で、今回のように考え方のフレームワークを共有すれば、質の高いアウトプットができると思います。ビジネスの場でも即戦力になれるはずなので、人材育成の考え方を変えていく必要があると改めて感じましたね。私自身、若手社員に気付きを与えられる存在になれるよう、ビジネスや言葉のセンスをもっと磨いていかねばと、大いに刺激を受けました。
──最後に、学生の皆さんへのメッセージをお願いします。
加藤:今回、自分の学生時代を思い返し、「世のため人のために働きたい」という当時からの思いを実現できていることを改めて実感しました。インフラ事業を通じて、その国や地域で暮らす人々のためになる仕事に携われることに大きなやりがいを感じています。
決まった正解がない中で、世の中の変化に目を向け、新たな事業に挑戦することで自分の可能性が広がっていくのを感じますし、そうした現場が世界中にあることは三菱商事で働く醍醐味(だいごみ)です。ぜひ、三菱商事ならではのビジネスの現場に飛び込んで来てください!
立石:20年近く前になりますが、私が三菱商事を選んだ理由は「自分の10年後が全く想像できないわくわく感」でした。目の前の仕事に無我夢中で取り組む中で、中国の国家プロジェクトに携わったり、トルコでの出向中は、たった1人の日本人として、出身国もさまざまな同僚に囲まれて仕事をしたり、スタートアップの取締役になったり、家族ぐるみで付き合える外国人の親友が何人もできたりと、気付けば学生時代には想像もできなかったほど、変化に富んだダイナミックな社会人生活を送れていると感じます。
三菱商事というフィールドでの可能性は無限、かつ、挑戦できることのスケールもインパクトも極大だと自負しています。今後もダイナミックでエキサイティングなフィールドで挑戦し続けたいと思いますし、その仲間になってくれる方をお待ちしています!
【告知】
三菱商事では、豊かな未来を作る皆さんと仕事やキャリアについて考え、語り合う場として今後もMC Academiaを実施していきます。以下URLより、「キャリア教育サイト」にご登録いただくと今後のイベントのご案内が届きます。この機会にぜひご登録ください。
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