企業選びの軸に「年収」が含まれている、という方は少なくないでしょう。
年収を求めれば、外資系企業や総合商社といった選択肢が真っ先に浮かぶと思いますが、なんと「新卒初年度の年収を710万円にする」と発表した企業があります。ITベンチャーの雄、GMOインターネットグループです。
同社は2023年卒採用から「~No.1&STEAM人財採用~新卒年収710万円プログラム(以下、No.1&STEAM人財採用)」をスタートします。高いポテンシャルを持つ学生の採用を目的としており、入社後の2年間は年収710万円が約束されます。
なぜ同社はこのような取り組みを始めるのでしょうか。取締役グループ副社長執行役員・COO(最高執行責任者)の西山裕之さんに本プログラム導入の背景を、さらに記事後半では、グループ会社の人事担当者3名に各社が求める人材について、詳細を伺いました。
<目次>
●「新卒年収710万円」は、全パートナーの給与を倍に引き上げる計画の一部
●待遇だけが魅力じゃない。成長を求めるなら「最先端」を走る企業を選ぶべき
●来たれ、好奇心旺盛なやんちゃ人材 「常にお祭り状態」のGMOが君を待っている
●エンジニアから会計士、弁護士まで──No.1&STEAM人財採用で各社が求める人材とは?
●技術力や専門性での基準は上がるが、人物重視で採用する点は変わらない
●単にスキルが高ければいいわけじゃない。尻込みしそうな自分を鼓舞して挑戦してほしい
「新卒年収710万円」は、全パートナーの給与を倍に引き上げる計画の一部
──新卒社員の年収710万円は大卒の平均を上回る額ですし、かなり人件費も増えますよね。No.1&STEAM人財採用を行う背景について教えていただけますか。
西山:No.1&STEAM人財(※1)採用は、グループ全体の給与水準を日本企業で一番にする「未来家賃削減&RPA・AI・ロボット導入の結果としての給与No.1プロジェクト」(以下、結果としての給与No.1プロジェクト)の一部です。優秀な人が集まり、高め合う仕組みを作るには、ビジネスとしての魅力はもちろん、待遇面もトップクラスにする必要がある。そんなシンプルな考え方がベースにあります。
当グループはベンチャー企業であり、人が最も重要な経営資源と考えています。われわれがグループ経営をしているのも、事業作りや経営ができる人を集める仕組みを作るため。人財への投資は以前から重視してきました。そこからさらに踏み込んだ目標を掲げた背景には、コロナ禍が影響しています。
(※1)……Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)に、美術・文学・哲学・歴史などのリベラルアーツ(教養)を包括したArtsを加えた造語で、これからの世代を支えるイノベーション人財を指す。
──日本企業の中でも、GMOインターネットグループはいち早くリモートワークに対応しましたよね。
西山:当グループは2020年1月27日からリモートワークに切り替えて以来、感染状況に応じて出社率をコントロールしてきました。そこで分かったのは、リモートワークは、ちゃんと仕組みを作ってやれば生産性は上がり、同時に家賃などのコストを削減できること。リモートワーク実施で生まれる余剰コストを活用して「人への投資を強化し、待遇面を日本トップクラスにしよう」となったわけです。
日本企業のトップクラスの給与水準は平均年収1500〜1800万円なので、まずはその水準まで引き上げようとしています。現在グループ全体の平均年収は600〜700万円台なので、倍以上にするために結果としての給与No.1プロジェクトを2021年に始めました。
西山 裕之(にしやま ひろゆき):取締役グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐
神戸大学在学中に株式会社リョーマを設立。さまざまな会社の経営に携わった後、1999年にGMOインターネットグループへ入社。GMOアドパートナーズの前身である株式会社まぐクリック代表取締役就任後、同社は設立から364日で国内最短上場を果たす。2013年よりグループ人財開発統括に就任。2021年から「結果としての給与No.1プロジェクト」の座長を務める。
──平たく言えば、従業員全員の給料を2倍以上にすると……。
西山:No.1&STEAM人財採用も、その一環です。他の企業を調べたところ、1年目の年収は700万円がトップだったので710万円に設定しました。
──現在の平均年収が600〜700万円台ということは、新卒社員の方が既存社員よりも年収が高いことも起こり得るのでしょうか?
西山:おっしゃる通りです。最初に発表したときは正直ざわつきましたが、代表取締役グループ代表の熊谷が「営業利益率が18%を超えた分はパートナー(従業員)の皆さんに分配する。結果としての給与No.1を達成させる。実現させるのは皆さんです」と宣言していますので、短期的に給与が逆転しても、それを刺激にして全体の底上げをしたいと考えています。
逆にいえば、新卒社員の方は、給与が高くても納得できるだけの人財を採用しなければいけないので、条件はかなり厳しくしています。
──なるほど。その条件についても教えてください。
西山:まず、私たちの企業理念である「スピリットベンチャー宣言」をはじめとする「GMOイズム」を理解し、実践していただけることが前提です。そして具体的には「STEAM人財」といわれる特殊技術を持ち、それを十分に活用できる人を対象とし、早期に経営幹部に登用することを想定した採用を行います。短期的に新卒の人数が大きく減る可能性も許容した上で、今後の新卒採用はNo.1&STEAM人財採用のみ行う予定です。
──それは相当大きな決断ですね。ちなみに年収はどのくらいの期間で、倍の水準まで引き上げるイメージでしょうか?
西山:会社によって異なりますが、平均10年強で達成したいと考えています。当社では8年前から営業利益の年間成長率の目標を15%以上と定め、順調に推移しています。この5年間の平均伸び率では20%を達成しており、パートナー数の増加率は年平均7.8%でしたので、生産性は飛躍的に向上しています。一方で昇給率は年平均3.6%で、5年間で20%の増加でした。この数値は日本の平均からすると高いものの、このペースで平均給与を倍にするには約20年かかりますので、さらなる加速が必要です。
パートナーに対して明確に伝えているのは、「待っていれば給与が上がるわけではない」ということ。お客さまに価値提供をする対価が給与ですから、順調に上がる人もいれば、そうではない人も出てくるでしょう。少なくとも全体をベースアップする考えではありません。
待遇だけが魅力じゃない。成長を求めるなら「最先端」を走る企業を選ぶべき
──待遇だけを考えるのならば、外資系企業などに入る選択肢はあると思います。今のGMOインターネットグループに新卒で入る「待遇以外の良さ」は何だと考えますか。
西山:まずは業界としての魅力が挙げられます。変化が激しく、若い人がポジションを取るチャンスがたくさんある。当社の場合は組織も事業も多様化し、変化に富んでいますから、早々にチャンスが来る可能性が高いですし、新しいポジションや事業を作るのも大歓迎です。若くして経営に携わることもできるでしょうし、成長の早さは担保できると思いますね。
エンジニアやクリエイターなどの技術職の方々にとっては、グループ全体であらゆる技術をカバーしていることはプラスだと思います。アプリケーションからサーバの仮想化、FinTech、暗号資産、AI(人工知能)など。興味のある分野を極められます。
自ら手を挙げて異動したり、新会社を立ち上げる際のプロジェクト公募をしたりといった仕組みも用意していますし、自分で希望するわけですから厳しい面もありますが、腕試しをしたい人や自分の能力を開花させたい人にとっては良い環境だと思います。
──成長の早さや経営という要素を重視し、コンサルティングファームや総合商社、スタートアップといった業界を目指す学生もいます。
西山:おそらく商社やコンサルでは、世の中の仕組みの理解や社会人としての基礎のプロセスを身に付けるといった、総合力を身につける考え方が強いと思います。
一方当グループはベンチャー企業として経営をしています。ロジックではなく、ビジネスの現場で起こっていることをリアルに、肌で感じられる。グループ全体の規模は大きいですが、各社に目を向けると大きな会社でも数百人規模ですから、経営を近い場所から見られます。かといってスタートアップほど近すぎず、リスクも少ない。バランスは良いと思います。
来たれ、好奇心旺盛なやんちゃ人材 「常にお祭り状態」のGMOが君を待っている
──特殊な技能や実績、という要素以外で、No.1&STEAM人財採用でどんな人に来てほしいですか?
西山:「やんちゃな人」ですね。特に技術者は好奇心が旺盛で、新しい技術にどんどん触れたい人ほど成長が早く、活躍しています。チャレンジ精神旺盛で、インターネットや技術が好きで、かつ変化を楽しめる人は合うと思います。
グループ会社ごとに社風や制度は異なりますが、共通しているのは「積極的にやりたいことを発信できる人に仕事が舞い込む」という点。自分の成長や好奇心に貪欲なタイプが活躍しています。
実際、当社のスピード感や変化の激しさが楽しかったと、一度辞めてから再び戻ってくる人も多いんですよ。お祭りをしている感じで、ガチャガチャしているんです。グループ代表の熊谷はすぐにツイートしちゃいますしね(笑)。それこそリモートに切り替えて間もないころ、熊谷が突然「印鑑を廃止する」と宣言しちゃって。
──え、西山さんもそのツイートで知ったんですか?
西山:そうです。宣言したからにはやらなければと、2日後には取引先に押印してもらっているものは全て電子化しました。当社が押印するものは先方に当社のシステムを無償提供し、切り替えていただいたことで7割ほど紙への押印を削減できました。
──結果としての給与No.1プロジェクトやNo.1&STEAM人財採用しかり、先にゴールを決めて逆算で動くことが多いのですね。
西山:そうですね。営業利益の年率15%成長の目標も、1996年から55年後の2051年に売上10兆円、利益1兆円を目指す『55カ年計画』から逆算して設定した数字です。多くのパートナーが最初は「ありえない」と言っていましたが、決定事項となれば、それぞれが何をすべきか考え出す。5年もたてば、その目標が当たり前になります。
それは今回のNo.1&STEAM人財採用も同じです。まぁ、各社の人事担当者は苦労していると思いますけどね(笑)。
エンジニアから会計士、弁護士まで──No.1&STEAM人財採用で各社が求める人材とは?
──ここからはGMOインターネット、GMOペイメントゲートウェイ、GMOペパボの人事担当者の皆さんにお話を伺います。まずはNo.1&STEAM人財採用について、最初に聞いたときはどう感じましたか?
谷下田(GMOインターネット):驚きましたが、会社がもう一段成長するタイミングに居合わせていることにワクワクしました。緊張感はありつつも、「うちのグループはこうやってチャレンジし続けていくんだな」と改めて感じましたね。
稲山(GMOペイメントゲートウェイ):地道に積み上げて、後から報酬がついてくるのではなく、一気にバーを上げることでチャレンジ精神のある方に来てもらおうとする発想が面白いなと思いました。びっくりはしましたけど、ユニークな企画ですよね。
船橋(GMOペパポ):これまで人事施策は各社がそれぞれ進めていたので、グループ全体で同じ取り組みをすること自体が驚きでした。でも、それぐらい思い切ったことをしなければ、短期間では成し得ないことですよね。最初は「大胆なプロジェクトだな……」とは思いましたが、どうしたら成功させることができるだろう、という思考に切り替えてグループ各社人事の皆さんとともに走り出しました。
谷下田 まどか(やげた まどか):GMOインターネット株式会社 人事総務部 兼 グループ人事部 マネージャ
新卒でメーカーに入社。営業職として従事。2006年GMOインターネットグループへ入社。管理部門として会社立ち上げ期を経験。2010年GMOインターネット株式会社、グループ人事部へ転籍し、採用担当として人事のキャリアをスタート。2012年と2014年、GMOインターネットグループアワード個人賞を受賞。GMOインターネットの文化を大切に、100年単位で成長する会社を目指し、グループの仲間づくり強化に向けて活動中。
──各社の事業と採用予定の職種を教えてください。
谷下田:GMOインターネットはドメイン、レンタルサーバやクラウド、プロバイダーなどのインターネットインフラに関連するサービスや、暗号資産のマイニング事業を展開しています。私たちは、サービスを生み出し、世の中にリリースする中で必要となる職種を幅広く採用します。技術者はもちろん、クリエイティブや会計、法律の知識を持った方なども募集します。
GMOインターネットの事業
稲山:GMOペイメントゲートウェイは「キャッシュレス」「FinTech」といった市場で、決済を軸にBtoBのサービスを展開しています。現在10万を超える(※2)多くのEC・オンライン事業者などに当社の決済・金融関連プロダクトをご利用いただいています。今回の3社ともそうですが、業界をリードする自社プロダクトを開発して、世の中にサービス提供をしている事業会社であることが特長です。主としてビジネス職とエンジニア職の双方を採用予定です。
(※2)……2021年12月末時点、連結数値
GMOペイメントゲートウェイの事業
船橋:GMOペパポは、個人や中小法人をメインユーザーとしたホスティング事業やネットショップ作成サービス、ハンドメイド作品の販売・購入ができるサービスなど、クリエイターや表現者を支えるサービスを展開している企業です。初年度はエンジニアとデータサイエンティストを中心に採用を予定しています。
GMOペパボの事業
技術力や専門性での基準は上がるが、人物重視で採用する点は変わらない
──従来の新卒採用と異なる点があれば教えてください。
谷下田:求めるスキルのレベルは上がる一方、人物重視で採用をすることに変わりはありません。「何に興味があって、何がやりたくて、どんなことに感動し、ワクワクするのか」を会話の中で理解することを大切にしています。その上で、スキル面をより深掘りすることになると思います。
稲山:当社では以前から経営陣が積極的に採用活動に参画して、新卒採用に注力してきました。採用基準は上がるものの、No.1&STEAM人財採用も、あくまでその延長線上だと考えて、選考の過程での接点を増やし、候補者と当社の相性を丁寧に確認するようにしています。
船橋:技術力や専門性は従来よりも基準が上がりました。以前から変わらない点としては、当社はインターネット上でのアウトプットの支援を事業として展開しているので、新卒中途に関わらず採用時にも候補者のアウトプットを重視しています。NO.1&STEAM人財採用においては、アウトプットしている量や質の水準が上がるイメージです。
稲山 享伸(いなやま きよのぶ):GMOペイメントゲートウェイ株式会社 執行役員・人事部長
大学卒業後、外資SIerでITエンジニアからキャリアをスタート。SEマネージャを経て、ネットワーク事業部を統括。2016年にGMOペイメントゲートウェイに入社。システム本部でさまざまな開発プロジェクトや組織強化タスクをリードした後、2020年より人事部にて現職。「企業は人なり」を合言葉に人財育成・組織開発を統率する。
──入社後のキャリアパスはこれから検討すると伺っていますが、現段階で考えていることがあれば教えてください。
谷下田:「GMOブレイクスルーオプション」というグループ全体の制度にチャレンジしてほしいですね。これは自ら立候補し、自分がやりたい仕事や行きたいグループ会社に立候補できるもの。実際に、事業立ち上げの責任者になり、グループ会社の社長になった人もいます。そういったモデルケースを増やしたいですね。
もちろん立候補するには実力が不可欠です。急成長する必要があるので、一般的な新卒社員と比べて厳しい環境で仕事をすることになるかもしれません。その代わり「新卒だからここまでしか経験させない」というリミットは全くないので、やりたいことに積極的にチャレンジできるような仕組みを整備したいと思っています。
稲山:「キャリアは自らが選択する」という考え方をキャリア形成では重視しています。当社では、新入社員が自ら配属先を選択できる研修制度があります。入社後約3カ月、主要部門を周って業務体験を行った上で、本人の希望をもとに配属先を決定しています。
基本的には採用時の希望職種を前提としての配属とはなりますが、誰と働きたいのか・自分がどのような事業に携わりたいのか、上司と配属先を逆指名できます。自らが選んだ仕事に対して、高いモチベーションと覚悟で臨んでいただこうという考え方です。この考え方は継続しようと考えています。
──それは面白い制度ですね。
稲山:その上で、実績を上げた人は若いうちから重要なポジションへ抜擢(ばってき)します。これまでは新卒4年目で課長、6年目で部長というのが最短記録。これから入社する方には、その記録を塗り替えてほしいですね。社歴や年齢に関係なく、実力重視で機会を用意していますので、高い目標を持って仕事をしたい方は大歓迎です。
船橋:今回は学生のうちから強みや専門領域を保有し、技術的なアウトプットをしている方を採用することになるので、皆さんの得意領域を踏まえた上で配属を決めることになると思います。
当社ではエンジニアのキャリアパスとして、スペシャリストとマネジメントラインの大きく2種類を用意しています。ジュニアクラスとして一定の経験を積んだのちにキャリアパスを選んでもらうのですが、スペシャリストには3つの職位があり、自ら立候補してランクアップしていく仕組みになっています。
今回採用する方には、ぜひ入社1〜2年目からステップアップをしていただきたいですね。そこへの意欲が高い方を積極的に採用したいです。アウトプットや成長に鈍欲な方ほど、早期にステップアップしていけると思います。
船橋 恵(ふなばし めぐみ):GMOペパボ株式会社 HR統括部 副部長
2009年GMOペパボ入社。役員秘書、サービスディレクターを経て、2013年より人事部門に従事。2014年育休中に社会保険労務士資格を取得。採用や研修、評価制度などの制度設計、運用などの業務を担当し、現在はHR統括部の副部長として組織力向上をミッションとした業務に注力。
単にスキルが高ければいいわけじゃない。尻込みしそうな自分を鼓舞して挑戦してほしい
──募集要項を見る限り、特殊な「一芸」がないと応募できないようにも感じてしまいます。尻込みしてしまう学生もいるかと思うのですが、いかがでしょう?
谷下田:分かりやすいワードを並べるとWebページに記載しているような条件になるのですが、そういった人たちが集まれば採用が成功というわけではありません。「お客さまが一番喜ぶもの、楽しいと思うものを想像して作れる人」というのがグループ全体で共通して求める人財ですので、好奇心や興味が非常に重要です。インターネットのサービスは、国籍、性別問わず、老若男女すべての方が使うものなので、同じ考え方の人を採用するのでは、おもしろいイノベーションは生まれません。私たちはさまざまな価値観を持った方に来ていただきたいと思っています。
そもそもインターネット業界は未成熟で、発展途上です。誰もゴールが分からないですし、歴史が浅いからこそ、初めてのこともたくさんある。言い方を変えるとチャンスがそこら中に転がっているということです。そんな状況を面白いと思ってくださり、「できない理由」ではなく「やれる方法」を考えられる人にぜひチャレンジしていただきたいです。
稲山:当社は決済を中心に自社プロダクトを開発し、企業にサービスを提供しています。営業とエンジニアが両輪となり自ら価値を作り出していく仕事なので、「オーナーシップ(責任感)」があり、キャッシュレス・決済という伸び盛りの業界・技術に興味を持つ、好奇心の強い方とご一緒したいと考えています。
最も重視するのは「努力する力」です。学業や部活など、学生時代に高い目標を設定して何かを一生懸命やった方は、その素養があります。同じ優秀な学生であっても、社会に出てから差が出るのは、努力の部分だと私は考えています。
船橋:ぜひ尻込みしそうになる自分を鼓舞してエントリーしてください。就活に限らず、チャレンジの先に成長があり、自分を鼓舞しチャレンジする機会が多いかどうかで、その後の人生に大きな差が出ると思います。その最初の一歩として、チャレンジしていただけるとうれしいです。
──一時的に既存社員より新卒社員の給料が高くなることも起こり得ると西山さんから伺いました。入社後、先輩社員の給料が自分より低いケースも起こり得るわけで、不安に感じる人もいそうです。
谷下田:大前提として、「全体の給与をナンバーワンにする」ということがあり、向かう先は一緒です。そして当グループの社風として、変化を受け入れ、前に進もうという志向が強いので、今回も「それなら給与を上げるために、負けじとチャレンジしよう」と考えるパートナーが多い印象ですね。
実は現在、既存のパートナーが本プログラムに編入できる制度も並行して作っていこうとしています。現在の新卒1年目はまさに給与が逆転するわけですが、「自分も編入プログラムにチャレンジしたい」と希望する人も早速出てきています。
稲山:もともと当社の人事制度は会社・個人の業績次第で報酬が上がる成果主義の仕組みであり、これまでも新卒採用にはこだわってきましたので、2〜3年目ですでに本プログラムと同等以上の報酬を得ている優秀な若手パートナーもいます。一時的な年収のギャップはあるかもしれませんが、視座を高く持ち、上を見て切磋琢磨(せっさたくま)してほしいと社内では伝えています。社歴と関係なく努力には報いる文化です。
船橋:当社の場合は、等級ごとに報酬テーブルを設定しており、今回新たに設定した初任給は、上位職としての活躍が見込まれるパートナーに設定する報酬額に相当します。
上位職であるシニアへのチャレンジ機会は年齢や勤続年数などには関係なく、一定要件を満たしたパートナーであれば誰でも挑戦できる制度となっており、実際入社1年でシニアエンジニアに昇格し活躍する若手社員もいます。入社年次に関係なく機会はフェアにあるので、よき刺激として相互に高め合い、個人と組織の成長を最大化させていきましょう、と伝えています。
──ありがとうございました。最後に、就活生へのメッセージをお願いします。
谷下田:就職活動は多様な会社に話を聞ける機会なので、たくさんの会社を見てほしいと思っています。知らなかった自分を発見する機会として、有意義に使っていただきたいですね。
また、面接のトレーニングをしている学生さんは多いですが、「うまく話すこと」よりも、いかに等身大の自分の言葉で話せるかが勝負。敬語やマナーは社会人になってからでも学べますから、自分の言葉で堂々と「今の自分は何がしたいのか」を伝えて、等身大で挑んでいただくのが一番だと思います。
稲山:いろいろな企業を見て、自身が働く場所を考える機会は人生にそう何度もありません。自分が何をやりたいのか、そのためにどういう特性が必要で、自分が成長するにはどういった環境に身を置かなければいけないのか。一生懸命考えてほしいと思います。
私自身は、成長市場・企業を選ぶことが一番だと思っています。優秀な人も機会も、そういう場所に集まりますから。手前味噌(てまえみそ)ですが、当社は毎年平均25%以上の営業利益成長継続を目標に掲げて、16期連続で増収・増益を実現しています。まさにサービスを拡大している最中です。成長するのに最適な環境ですから、チャレンジ精神のある方とぜひ一緒に働きたいですね。
船橋:「その企業が社会にどんな価値をもたらしているのか」は、青臭いようで非常に重要だと私は思います。多くの企業が理念やビジョンとして提示しているはずなので、そこに共感して自ら価値創造していくことにコミットできるか、が重要ではないかと思います。
人生の大半の時間を仕事に費やすことになるので、仕事を通じて得るもの、生み出すものは、自分の人生や価値観に大きな影響を与えます。「仕事を通じて得るものと、自分が本当に好きなものや喜びを感じるものが、同じ方向を向いているのか」を、自身と対話しながら考えてみてください。同じマインドや価値観を持った仲間と、同じ思いを持って社会に価値をもたらしていく。それが数年後の自身の幸せにも通じるのだと思います。
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【ライター:天野夏海/撮影:赤司聡】