こんにちは、ワンキャリ編集部です。
東京中心のエリア戦略を掲げ、物語のある街づくりを行う東京建物。時代を先取りする「進取の精神」に基づき、新規事業にも積極的に挑戦しています(※1)。
この記事では、東京建物の「総合職」に絞って具体的な選考対策をお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
(※1)参考:東京建物「企業情報」<目次>
●東京建物の特徴
●東京建物の本選考のポイント
●東京建物の本選考のフロー
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 最終面接
●おわりに
東京建物の特徴:1896年に創業の日本橋区で誕生した日本最古の総合不動産会社
東京建物には以下の特徴があります。
・創業者の「進取の精神」に裏打ちされた事業の多角化戦略 ・東京にフォーカスしたエリア戦略 ・ただ建物をつくるだけではない「物語のある街づくり」それぞれの内容について、下記に記載します。
創業者の「進取の精神」に裏打ちされた事業の多角化戦略
東京建物は1896年に創業された、日本で最も歴史のある総合不動産会社です。旧安田財閥の創始者である安田善次郎によって、東京市日本橋区に設立されました。安田は「お客様第一の精神」と、常に時代の流れを先取りする「進取の精神」を重んじており、その思いは現在の東京建物にも受け継がれています。
同社は「住宅ローン」の原型となる「割賦販売方式」や「区分所有ビル」といった画期的な手法を、他社に先駆けて実施していました。 昭和40年代にはマンション販売を開始し、以降も「新宿ビル」や「新宿センタービル」といった大型施設を次々と建設。これらの経験や実績を生かしながら「街づくり」をスタートさせ、今に至ります(※2)。
現在の東京建物が展開する事業は、不動産業だけに留まりません。代々受け継がれる「進取の精神」に基づき、スタートアップ支援・物流開発施設・駐車場事業など、さまざまな事業に取り組んでいます(※3、4、5)。国内最大級のスペースの時間貸しプラットフォームである「スペースマーケット」と業務提携を結んで行った「スペースシェア」の取り組みも、新たな試みの1つです(※6)。同社のマンション「Brillia 品川南大井」のモデルルームの一部も、スペースマーケットを通じて一般ユーザーに貸し出す取り組みを開始しています(※7)。
(※2)参考:東京建物 東京建物物語「あゆみ編」(※3)参考:PR TIMES「スタートアップ支援事業 2020年6月 新たなステージへ」
(※4)参考:東京建物 事業案内「物流施設開発事業」
(※5)参考:東京建物 事業案内「駐車場事業」
(※6)参考:CINET JAPAN「スペースマーケットと東京建物が資本業務提携--スペースの時間貸しが生み出す不動産の新たな形」
(※7)参考:事業構想「東京建物がスペースマーケットと共創 伝統の街を活性化」
東京にフォーカスしたエリア戦略
「東京にフォーカスしたエリア戦略」も東京建物ならではの特徴です。都心部のオフィスビルは競争力が高い上に人気も高く、地価が上がり続けると考えています。実際に東京建物が手がけるオフィスビルの賃貸面積や分譲マンション計上戸数も、全体の約8割が都心部(※8)。中でも同社は八重洲周辺を中心に開発しています。
上記の戦略により、コロナ禍でも増収増益を達成しました(※9)。業界理解を深めるために、国内の代表的なデベロッパーの主な拠点と特徴を以下に記載します。選考にあたって、把握しておきましょう。
<国内の代表的なデベロッパーの主な拠点地と特徴一覧> ・三井不動産:日本橋、豊洲を中心に開発(コレド室町など) ・三菱地所:丸の内を中心に開発(丸の内ビルディングなど) ・住友不動産:港区周辺を中心に開発。都内オフィスビルやリフォームに強み ・東急不動産:渋谷周辺を中心に開発(東急プラザなど)。住宅事業に強み ・野村不動産:茅場町周辺を中心に開発。住宅事業に強み ・森ビル:港区周辺を中心に開発(六本木ヒルズ、GINZA SIXなど) ・東京建物:八重洲周辺を中心に開発。バランスの良さが魅力 ・NTT都市開発:NTTグループが全国に有する資産を活用して開発 ・日鉄興和不動産:赤坂周辺を中心に開発 ・ヒューリック:銀座などを中心に開発(※8)参考:東京建物「東京建物ってどんな会社?」
(※9)参考:東京建物「業績推移」
ただ建物をつくるだけではない「物語のある街づくり」
東京建物は「物語のある街づくり」を重視しているのも特徴です。街をただの「建物の集合体」とせず「この街に住んで良かった」と一人一人が思える場所の創出を目指しています(※10)。
「大手町タワー」も上記の事例の1つ。「都市を再生しながら自然を再生する」をコンセプトに開発され、敷地全体の約3分の1に森をつくりました(※11)。「オフィス街であればこそ、その対極ともいえる野性味のある『本物の森』に意義がある」という思いから、プロジェクトがスタートしたそうです。
また同社のマンションブランド「Brillia」は「住まいのトータルブランド」として、建物の提供だけでなく一人一人の価値あるライフスタイルの実現を目指しています。「物語のあるデザイン」にもこだわり「Smart&Graceful」「Comfortable」「Social Value」の3つをコンセプトに街づくりを行うブランドです(※12)。
(※10)参考:東京建物「まちと、あなたと、次の物語を。」(※11)参考:東京建物|サステナビリティ「特集『大手町タワー』都市と自然の再生」
(※12)参考:東京建物のマンション Brillia-ブリリア 「Brilliaの強み」
東京建物の本選考のポイント:「デベロッパー」「東京建物」両方の適性を示せるか
東京建物の選考のポイントでは以下の2点が重要です。
・デベロッパー志望の全学生に求められる共通のポイントを押さえる ・社会的事象に対するアンテナを張り、自分なりの意見を持つ
それぞれの内容について、下記に記載します。
デベロッパー志望の全学生に求められる共通のポイントを押さえる
デベロッパーを志望する学生は、以下のポイントを意識しましょう。
・過去の経験から物事をやり抜く素養があると示せるか ・異なる価値観を持つ他者を巻き込む素養を示せるか ・他者と信頼関係を築く素養があると示せるか
デベロッパーの主な業務である「都市開発」では、用地取得にあたって価値観や利害の異なる関係者と粘り強く交渉しなければなりません。
また1つのプロジェクトを完遂するまでに、パートナー企業と数十年にわたり良好な関係を築くことも重要です。したがって、他者を巻き込みながら信頼関係を築き、最後まで諦めずやり抜く素養が求められると考えられます。
実際に、ある内定者は「組織に求めるものがそれぞれ違うメンバーたちと、目標に向かって取り組んだ経験」を話して、内定を獲得していました。
学生時代のエピソードや面接での振る舞いから、上記の素養を示せるように心がけましょう。
社会的事象に対するアンテナを張り、自分なりの意見を持つ
→東京建物は「進取の精神」により、ビルやオフィス以外の第3の柱を模索していると考えられます。したがって、日常的にさまざまな社会的事象へアンテナを張り、新規ビジネスの発見に備えることが重要です。
実際に選考では、以下のような幅広い質問がされていました。
・新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす影響は? ・不動産業界は地方創生にどう貢献できるか? ・AI(人工知能)がもたらす影響は? など
これらの設問への具体的な対策としては、時事問題をインプットし、自分の意見を用意しておくことです。新聞、ニュース、ウェブメディアで情報収集し、分からないことは理解できるまで調べましょう。特に不動産業界に関係の深い「人口減少」「地方創生」「スマートオフィスなどの働き方改革」「介護医療」などは、重点的にリサーチしておくと安心です。
上記の方法で得た情報をもとに「不動産業界で働く人がどのような答えを求めるか」を考えながら、自分なりの意見を語れるように心がけてください。
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東京建物の本選考フロー
東京建物の選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):デベロッパーの適性をあらゆる観点からアピールしよう
東京建物のESでは、下記に以下のような設問が出題されました。
(1)人生においてやり抜いた経験(500字以内) (2)デベロッパーの志望動機(400字以内) (3)東京建物の志望動機(200字以内) (4)あなたの人生を3つに分けて、それぞれにタイトルをつける(100字以内) (5)就職活動において「重視している軸」「重視していない軸」の理由(600字以内)
※出典:東京建物|総合職 2023年卒本選考のES
設問(1)デベロッパーの業務内容を意識したキャラクターをアピールしよう
設問(1)はデベロッパーの業務適性を図る質問であると考えられます。「やり抜く力」を過去の経験からアピールし、プロジェクトを長期的に遂行するために必要な素養を示せるのがベストです。
以下のような、デベロッパーの業務内容を踏まえたキャラクターを意識して回答すると良いでしょう
実際に内定者がアピールしたこと ・周りと常に協力する ・周囲をまとめる ・広い視野を持つ ・常に挑戦する
設問(2)(3)他社と比較し「なぜ東京建物に惹(ひ)かれているか」を語ろう
設問(2)(3)の志望動機は、同業他社と比較した上で回答を用意することが重要です。他社のデベロッパーと併願する学生が多いため「東京建物でなければならない理由」が求められます。下記の3つの観点から、他社ではなく東京建物に惹(ひ)かれている理由を用意しておきましょう。
「なぜ東京建物なのか」について ・説明会やOB・OG訪問などを通して感じた社風とのマッチング ・実際に東京建物が手がける施設 ・企業理念「お客様第一の精神」「進取の精神」
設問(4)「あなたらしさ」を示し、デベロッパーに適した素質をアピールしよう
設問(4)では過去の経験を振り返った上で「あなたらしさ」が伝わるタイトルをつけましょう。
以下、2023年卒内定者の回答例を紹介します。
生まれた年~小学生:他者からの評価を気にして、自分から動けない期 中学生頃~高校1年生:自分だけでやろうとするリーダー期 高校2年生頃~現在:みんなと協力し並走するリーダー期
※出典:東京建物|総合職 2023年卒本選考のES ※ONE CAREERに投稿されたESの内容から、一部表記を変更しています
設問(1)と同様に、デベロッパーで働く上で必要な素養を意識すると、回答に一貫性が生まれるためおすすめです。
設問(5)就活軸を通して「デベロッパーを受ける理由」が理にかなっていることを示そう
設問(5)では「デベロッパーを受ける理由」が理にかなっていることを的確に示せるのがベストです。ある内定者は重視する就活軸に約400字、重視しない就活軸に約200字を充てており、重視する軸については自身の体験を絡めてアピールしたそうです。その際は、「自分はデベロッパーに向いている」と示せるエピソードを選択したとのこと。
重視する就活軸と重視しない就活軸が、デベロッパーの特徴と矛盾しないように意識しましょう。
2. Webテスト:形式は玉手箱! 難易度は低いが最低限の対策をして臨もう
Webテストは自宅で受験する、玉手箱形式のテストです。「言語」「非言語」「性格」の3科目から出題され、所要時間は1時間半程度です。
内定者によると「さほど対策はしていないが、難易度は高くなく容易に通過できた」とのこと。ボーダーや難易度は低いと推測できますが、参考書などで最低限の対策をして臨みましょう。
▼玉手箱対策におすすめの記事はこちら
・【Webテスト対策:玉手箱】計数・言語・英語の例題一覧で問題練習!出題企業とおすすめ問題集も
・【これが本当のWebテストだ!(1) 2025年度版 【玉手箱・C-GAB編】 (本当の就職テスト)
3. 1次面接:一般的な質問メインか雑談メインか。どちらにも対応できるようにしておこう
1次面接は、社員と学生の1対1で行われる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・志望動機 ・学生時代に頑張ったこと ・なぜデベロッパーを志望したのか など
※出典:東京建物|総合職 2023年卒本選考の1次面接
ただし、質問内容は人によって大きく異なるようです。ある内定者は「ESに沿った基本的な質問が中心だった」と述べていますが、別の内定者は「始終雑談で何を見られているか分からない」と語っていました。
ESに沿った質問をされる場合は、オーソドックスな質問の対策をしておく必要があります。志望動機は「デベロッパーの志望動機」と「東京建物の志望動機」の2つを用意しておきましょう。
具体的な回答例を下記に記載します。
<デベロッパーの志望動機の具体例> ・街づくりを通じて長期的な価値提供が可能 ・多くの関係者を巻き込み、同じ夢(開発)に向かってまい進できる <東京建物の志望動機の具体例> ・説明会やOB・OG訪問などを通して感じた社風とのマッチング ・実際に東京建物が手がける施設 └(参考)21卒の内定者は好きな施設を3つは言えるように準備をしていたそうです ・企業理念「お客様第一の精神」「進取の精神」
学生時代の経験は「困難の中でチームをまとめた経験」をアピールするのがおすすめです。地主やゼネコンの意図を理解し協働する、デベロッパーの業務適性を示しましょう。雑談がメインの面接の場合は「自分がどのような人間か」を伝えることを意識してください。回答にも根拠をもたせ、東京建物にマッチする人材であると評価してもらえることが理想です。
デベロッパーの社員に求められる「巻き込み力」や「やり抜く力」をアピールしつつ、企業への適性を示しましょう。雑談メインの面接では、面接官とのコミュニケーションが円滑に取れるほどいいでしょう。そのために、以下の記事をお役立てください。
▼面接対策におすすめの記事はこちら
・面接で求められている「コミュニケーション能力」って何?面接で見られる2つのコミュ力とは4. 2次面接:時事×ケース問題! しっかりと情報収集をして自分の意見を用意しよう
2次面接は社員と学生の1対1で行われる個人面接です。過去には以下の質問がされました。
・学生時代に頑張ったこと ・ケース面接:「不動産業界の5つの課題を自分で上げて、業界としてどう対処できるか」 など
※出典:東京建物|総合職 2023年卒本選考の2次面接
2次面接では、そのとき話題になっている時事を絡めた質問をされる傾向があります。日常的に新聞やニュースで情報収集をしつつ、自分の意見を用意しておきましょう。ある内定者は「ケース問題に対しては考える時間を30秒与えられたが、すぐに思いついたため即答したところ反応がよかった」と語っていました。奇抜な回答を求めるというよりは、「自分の意見を考え述べられること」「結論までに至るスピード」が重視されていたそうです。
また、上記の質問に加えて「デベロッパーに入社して何がしたいか」という軸に関する質問も多くされたとのこと
自分の興味と、デベロッパーが担う社会的役割の観点から、入社後に実現したいことを整理しておきましょう。
5. 最終面接:選考要素あり! 端的に回答することと、志望度の高さを示すことが重要
最終面接は、社員3名に対し学生1名でおこなわれる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・学生時代に頑張ったこと ・不動産業界を志望した理由 ・東京建物を志望した理由 ・あなたが考える東京建物の弱みを3つ教えてください ・自分が活躍したい部署はどういうところか ・なぜその部署を志望するのか ・花形の部署に入社したくないのか など
※出典:東京建物|総合職 2023年卒本選考の最終面接
最終面接はネガティブチェックではなく、選考要素のある面接です。ある内定者も「30〜40人程度しか内定が出ないので、かなり準備をしていく必要があるだろう」と話していました。特に「東京建物の弱みを3つ教えてください」という質問は、その後にどのように解決すればよいのかを答える必要があるため、解決しやすい課題を述べることがポイントです。
限られた時間の中で3名の役員から質問を受けるため、端的な回答が求められます。結論ファーストを心がけ、圧倒的な志望度の高さをアピールしてください。
「なぜデベロッパーなのか」「なぜ東京建物なのか」「入社して何がしたいか」などに対する深掘りに対応できるように、入念な準備をしておくと安心です。2次面接と同様に時事問題を絡めた質問もされるため、日常的に情報収集をしておきましょう。
▼東京建物の選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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おわりに
ここまで、東京建物の本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
東京建物の選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています。
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(Photo:shigemi okano/Shutterstock.com)