新型コロナウイルスの感染拡大により、就活情勢は急激に変化しました。合同説明会の中止を皮切りに、面接やOB・OG訪問、インターンシップまでもがオンラインへと移行。今やオンラインでの就活は「新たな常識」となりました。
しかし、すでに就活で佳境を迎えている2022年卒の方や、サマーインターンに向けて準備を進める2023年卒の方にとって、「コロナ禍の就活」というものは不安なものに変わりはないはず。
そこで今回は、コロナ禍で先を見通せない状況の中、就活を進めた7人の2022年卒早期内定者に「就活生に向けてのアドバイス」を伺いました。前編では、Aさん・Bさん・Cさんの回答を紹介します。一足先に、コロナ禍の就活を経験した先輩の意見が、あなたの支えになりますように。
<目次> (1)情報収集はどのように行っていますか? (2)就活スケジュールを組んだり、選考対策を進めたりする際に工夫した点はありますか? (3)オンライン説明会を最大限活用するために工夫したことはありますか? (4)就活のモチベーションを保つためのコツは何ですか? (5)ガクチカを作るのが難しい状況ですが、もし就活生だったらどのように対処しますか? (6)これからコロナ禍の就活を経験する就活生たちに、メッセージがあればぜひお願いします。
(1)対面でのコミュニケーションが以前より難しくなっていますが、情報収集はどのように行っていますか?
Aさん:LINEのオープンチャットを利用して情報収集を行いました。しかし、サマーインターンを終えたあたりで、内定獲得の自慢が流れてくることが増えてきたため、最終的に有志の方が作成した業界用の就活カレンダーを活用していました。
Bさん:Twitterを使い、就活の最新情報や企業の選考情報を見ていました。企業理解を深めたい際は、直接社員に聞いた方が早いと考えたので、Facebookや選考で親しくなった人事の方を経由して、とにかく社員の方にお会いしていました。
Cさん:最新の就活情報を知りたかったので、情報の鮮度が高いと思う就活掲示板やオープンチャットを利用していました。
オープンチャットやTwitterなどのSNSを使って情報を得るという声が上がりました。また、人事に直接連絡を取るという意見も。特にTwitterでは、就活Tipsのような実用的な情報だけでなく、企業の人事や現場社員が発信する貴重な情報を得られるので、情報収集にぴったりだといえるでしょう。今見ておくべき企業のTwitterやSNSアカウントを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!・OB・OG訪問よりも簡単に企業や社員の雰囲気をキャッチ。おすすめ企業SNSアカウント3選
(2)コロナ禍を踏まえて、就活スケジュールを組んだり、選考対策を進めたりする際に工夫した点はありますか?
Aさん:新型コロナウイルスの影響で本選考がどうなるか分からないこともあり、「どの業界でもサマーインターンに参加することの重要度が増している」と先輩から聞き、大学2年生の2月から自己分析を始めました。選考対策を進める上で工夫した点は、とにかく知り合いにエントリーシート(ES)添削を依頼すること。本命業界のESは5人以上、興味が少しあるくらいの業界でも最低2人にはお願いしていました。
Bさん:徹底的に行動することです。GMARCHのサマーインターン通過率の見込みが低かったので、大学3年生の4月からオンライン説明会や面接への参加、ESの提出などにおいて「数をこなすこと」をとにかく意識しました。また、地味なことかもしれませんが、説明会での質問や社員さんとの面談の依頼などは積極的に行いました。面談を取り付ける際には、Facebookを使って社会人に友達申請やメッセージを送っていました。
Cさん:就活メディアや周りの先輩から得た情報から「経験を積むこと」が内定の近道だと考え、場数を踏むことを意識しました。大学3年生の4月から週に一度のペースで、グループディスカッション(GD)やケース面接の対策をするオンラインイベントに参加していました。
BさんとCさんに共通しているのは、オンライン説明会や面接、ESの提出などにおいて「とにかく場数を踏むこと」。何度も選考を経験することは就活において重要なカギであるといえそうです。とはいえ、授業やアルバイトもある中でこなせる選考の数が限られているのも事実。そんなときは、先輩の失敗談からヒントをもらうのも一つの手かもしれません。
・【失敗を避けろ】就活を絶対後悔させないための3つのポイント〜新卒就活談〜
(3)オンライン説明会は対面のものに比べて集中力が続きにくく、聞き流してしまったり、聞き忘れてしまったりということもありますが、オンライン説明会を最大限活用するために工夫したことはありますか?
Aさん:パソコンのスクリーンショットで、説明会で使用されるスライドを撮影していました。説明会の後や面接の前に、保存したスライドを振り返ることで、企業を理解する手間を省くことができたと思います。
Bさん:「何が分かったら、満足のいく意思決定ができるか」を念頭に置いていました。その上で、オンライン説明会を逆質問の「材料集めの機会」と捉え、Googleドキュメントにメモをしながら聞いていました。また、チャット機能で積極的に質問をしていました。実際に、それが高評価につながったこともあります。
Cさん:情報収集は就活メディアの記事で十分だと思っていたので、オンライン説明会で情報を集めないといけない、という意識はありませんでした。そのため、特にオンライン説明会で工夫した点はありません。多くの場合、自分が説明会に出席していることを企業の方に示すために、オンライン説明会に参加していました。
オンライン説明会はいつでも、どこでも視聴できる分、ついつい気が緩んでしまいがち。ぼーっとしていたら、説明会がいつの間にか終わっていた……とならないよう、事前に参加目的を明確にして臨むことをおすすめします。ワンキャリアでは、日本最大級のYouTube企業説明会である「ワンキャリアライブ」や、20分でさまざまな企業のビジネスモデルが理解できる「企業研究動画」を公開しています。効率的な情報収集にお役立ていただければ幸いです。
(4)学校で友人と話したり、励ましあったりすることがしにくくなっていますが、モチベーションが落ちてしまうことはありましたか? また、どのように乗り越えましたか?
Aさん:一緒に就職活動を始めた高校の同級生と月に2回ほど連絡を取り合い、互いに励ましあっていました。やはり、就活は団体戦です。サマーインターンや本選考に通らず、落ち込むことも多いですが、仲間と励ましあえば乗り越えられると実感しました。
Bさん:私はモチベーションが落ちてしまうことはありませんでした。就活は成長の機会と捉えていたので、楽しく行えました。普段なかなかお会いできない企業の経営陣と話すこともできて、とてもぜいたくな経験だったと思っています。
Cさん:サマーインターンの選考がうまくいかなかったときや、内定が出た後、他はもう受けずにこの企業でいいんじゃないかと満足してしまったときに、モチベーションが下がりました。そんなときは、先輩や友達と就活に関係のない雑談をすることで、自身のモチベーションが高まり、就活も頑張ろうと思えました。
就活は長期戦。サマーインターンの参加も見据えて就活を始めると、1年以上にわたる可能性もあります。長い期間モチベーションを保ち続けるのは難しく、就活への意欲が低下してしまう人も少なくはないはず。時には友達と遊びに行ってリフレッシュしたり、ご自愛したりしてくださいね。・「ご自愛する」という戦い方・「死にたい」と思うほど就活が苦しい時にどうしたらよいか
(5)現在はサークルや留学などの活動がしづらく、ガクチカを作るのが難しい状況ですが、もし就活生だったらどのように対処しますか?
Aさん:アルバイトや趣味のランニングや料理など、日常の何気ないエピソードから意外とガクチカ(学生時代に頑張ったこと)は作れます。私だったら自分が今努力をしていること、工夫して取り組んでいることをまずは一度見直してみます。
Bさん:日々取り組んでいるアルバイトなどで、目標を設定するところから始めます。そして、その目標に向かっていろいろ試行錯誤してみると思います。この状況下では、すでに自分がやっていることの中から、どうガクチカを作るかを、楽しみながら考えてみるといいのではないでしょうか。
Cさん:SNSを使うかもしれませんね。例えば、Instagramを使ってアルバイト先などにお客さんを引き込んだり、YouTubeで動画を発信したりする「SNSマーケティング」にチャレンジしてみるのも面白そうだなと思います。
アルバイトをするときに「なぜこの業務を自分は行う必要があるのだろう」と仕事の目的を考えてみたり、例えば「今月は先月よりも◯◯人お客さんを増やすぞ!」など目標を意識して設定したりすれば、アルバイトの経験や趣味であっても「立派なガクチカ」になるとAさん、Bさんは話します。アルバイトでの仕事をクリエイティブなものにし、ガクチカに生かす方法はこちらの記事でご説明しています。「学生時代に頑張ったことなんて何もない……」と悩んでいる方にもおすすめです。・家庭教師のバイトよりもマクドナルドのバイトがためになる理由・バイトを舐めるな。バイトは学びの機会であふれている。
(6)これからコロナ禍の就活を経験する就活生たちに、メッセージがあればぜひお願いします。
Aさん:オンラインでの面接や説明会、インターン。就活生にとってはもちろん、企業側にとってもオンラインでの就活は慣れないことばかりです。気分が高揚したり、落ち込んだりすることもあるかもしれませんが、あくまで冷静でいることが大切。自分が納得できるまで、就活をやり遂げてください! 応援しています!
Bさん:私は就活を通して、「とにかく行動するべきだ」と学びました。インターンに行けば頭の良い学生ばかりで圧倒されることもありますが、社会人から見れば彼らもただの学生に過ぎません。ただ、私が会ったほとんどの社会人が、優秀な学生だと見られる共通点として「とにかく行動につなげる主体性」を挙げていました。周囲の学生が「◯◯を受けている」「◯◯社も受けている」などと話していることを気にせず、淡々と自分のやるべきことに集中するといいと思います。
Cさん:学生もそうですが、企業側も手探りの状態でオンライン就活を行っているので、少しずつ学びながら慣れていけば良いと思います!
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