「最終面接は他の面接とどう違うの?」「何を聞かれてどう答えれば良いの?」
いくつかの面接を受けて最終面接にたどり着いたものの、不安やプレッシャーを感じてしまう就活生は少なくありません。
就職活動の最終面接では、面接官がどこに着目しているかを知って質問に備えておくことで、落ち着いて最終面接に挑めます。これまでの努力が実るよう、面接対策をしっかりと行って内定につなげましょう。
今回は、最終面接の特徴と、最終面接で良く聞かれる質問と回答例を紹介します。逆質問の例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
●最終面接と1次・2次面接の違い
・面接官の役職
・所要時間は30分
・入社意欲が評価軸
●最終面接で面接官に評価されるポイント
・入社意欲・熱意が高いか
・企業方針とマッチする人材か
・一貫性があるか
●最終面接で必要な準備と対策5つ
・1. 企業について詳しく調べる
・2. 面接官について調べておく
・3. 逆質問を5個以上準備する
・4. 面接を通してアピールしたいことを決める
・5. 自己分析・志望動機を深掘りする
●最終面接で良く聞かれる質問と解答例一覧
・「志望動機を聞かせてください」
・「自己PRをお願いします」
・「なぜ他社ではなく弊社を志望されているのですか」
・「強みを生かしてどのような仕事がしたいですか」
・「入社後のキャリアプランを聞かせてください」
・「もし弊社から内定が出たら入社しますか」
・「他社の選考状況を聞かせてください」
・「これまでの人生の挫折経験とそこからの学びを教えてください」
・「あなたは周りからどのような人だと言われていますか?」
・「大学で研究した内容を教えてください
●最終面接で好印象を与える逆質問例一覧
・事業や経営に関する質問
・働き方や考え方に関する質問
●最終面接で落ちるフラグは?
・面接時間が短い
・内定連絡を電話ではなくメールですると言われる
・面接官のリアクションが悪い
・今後に関しての説明がない
・回答に対して否定的な意見を言われる
●最終面接の注意点(NG例)と心構え
・最終面接で注意すべきマナー
・緊張しすぎないようにする
・企業に対してネガティブな発言は避ける
●最終面接まとめ
最終面接と1次・2次面接の違い
最終面接に備えるために、まずはその特徴を押さえましょう。ここでは、最終面接の面接官・所要時間・評価基準について、詳しく解説します。
面接官の役職
企業の就職活動で最終面接の面接官を務めるのは、社長・役員などの経営層が中心です。
最終面接は、その名の通り、採否を決めるための最後の選考であるからこそ、代表者や代表に近い人物が選考にあたる傾向にあります。
1次面接や2次面接などは、人事部の採用担当や現場で働く社員が務めるケースが一般的です。最終面接はそれまでとは違い、いわゆる役員面接であることから、緊張感を持つ就活生もいるかもしれません。しかし、企業の経営層と直接言葉を交わして、自分自身をアピールする絶好の機会と捉え、前向きな気持ちで臨みましょう。
所要時間は30分
一般的に1次面接の時間は20分~30分、2次面接の時間は30分~60分です。それに対して最終面接の時間は、一般的には30分〜40分程度ですが、企業によっては10分程度で終わることも珍しくありません。軽い顔合わせのような雰囲気の最終面接であれば、10分程度で終わる場合が多々あります。
最終面接の時間が短いと「落ちたかもしれない」と心配することもありますが、短時間で終わったからといって、必ずしも不合格になるとは限りません。
入社意欲が評価軸
1次面接では自己分析や一貫性など基礎的な部分が、2次面接では企業への志望度・学生の強みと企業の相性が主な評価軸となっています。一方で最終面接では、入社意欲が評価軸の中心です。
企業は、「入社後長く働いてもらいたい」「自社に貢献してもらいたい」という気持ちを持って採用活動を行っています。そのため、内定を出した学生に内定辞退をされたり、入社後すぐに辞められたりという事態は避けたいところです。
それを測る意味でも、この学生に内定を出したら入社してくれるのか、企業に貢献してくれる人材になれるのかといった視点で入社意欲を中心にチェックしています。
企業の理念や価値観、ビジョンをしっかり理解したうえで、入社意欲の高さをアピールするようにしましょう。
最終面接で面接官に評価されるポイント
最終面接で面接官が評価しているポイントを理解しておけば、内定がより近づきます。ポイントをしっかりと押さえて面接官に好印象を与えられるようになりましょう。ここでは、最終面接で面接官に評価されるポイントを3つご紹介します。
入社意欲・熱意が高いか
最終面接では、会社に対して高い入社意欲や熱意を持っている就活生が評価される傾向にあります。最終面接でのやり取りを通して、社長や役員などの採用決定者に「特に意欲が高い人材だ」「会社の理念に深く共感している学生だ」といった印象を残せるようなアピールを積極的に行うようにしましょう。
最終面接での回答内容や態度次第によっては、入社意欲がうまく面接官に伝わらないことがあります。1次・2次面接を通して感じたことなどをうまく盛り込むと、より強いアピールにつなげられるでしょう。
例えば、1次・2次面接で社員と対話して高まった会社への入社意欲や会社の理念への共感度などを交えると、他の就活生より良い印象を残せます。
企業方針とマッチする人材か
最終面接では、企業方針とマッチするかも重点的に見られます。そのため、具体的なスキルや経験、知識を問うものではなく、どういった仕事観を持っているのか、どのような価値観や理念を持っているかといった視点から、企業とのマッチ度を確認していくのが特徴です。
企業理念を事前に理解せずに理念に反する発言をしてしまうと、そもそも会社と合わないと判断される可能性があるため注意しましょう。
一貫性があるか
1次面接や2次面接で話した内容と最終面接での発言に一貫性があるかも重要な評価ポイントです。これまでに話した内容と食い違う話をした結果、不採用となるケースもあるため注意してください。
最終面接で会う面接官が初対面だったとしても、過去の面接内容は面接官同士で共有されています。そのため、話に一貫性がないと信用ならない人間と評価されてネガティブな印象を与えてしまうことにつながりかねません。
選考段階が変わっても、志望動機や自己PRの内容を変える必要はありません。軸をぶれさせず、一貫性を保って自分をアピールできるように心がけましょう。
最終面接で必要な準備と対策5つ
最終面接にあたり、企業や面接官について調べること以外に、アピールできることや自己分析・志望動機をブラッシュアップしておくことが重要です。
ここでは、最終面接で必要な準備と対策を5つご紹介します。自分を面接官にアピールできるように、しっかり理解して事前準備を万全にしておきましょう。
1. 企業について詳しく調べる
最終面接では、面接官が経営層であることが多いため、経営方針への理解が十分にあるかという点に関して企業とのマッチ度を測っています。今までの面接では学生の基礎能力などがメインに審査されてきましたが、最終面接では将来長くこの会社で活躍できるかどうか、会社の方針とのマッチ度が重要視されます。
企業も内定を出したうえで内定辞退されることは避けたいため、経営方針を理解しているかという基礎的な部分も評価対象にあるので、十分な下調べを行いましょう。
2. 面接官について調べておく
面接官は経営層であることが多いため、企業のサイトなどから経歴やメッセージなどをチェックできる可能性が高いです。
そこで、面接官のブログなどから経歴や考え方、今後の方針をチェックしておくことで、面接官に合わせた回答や逆質問を用意できます。面接官に合わせた受け答えをすることで、面接官の興味を引くだけでなく、熱意を伝えられることができるためおすすめです。
面接官が事前に教えられていない場合は、ONE CAREERにある体験談から面接官の役職を事前にチェックしてみてください。
3. 逆質問を5個以上準備する
最終面接は、学生の質問に答えられる最後の機会でもあるため、逆質問の時間が比較的長く設けられる傾向にあります。 そのため、質問は5個以上用意しておくと良いでしょう。 また、同じようなジャンルの質問を5個用意してしまうと、しつこいといったマイナスイメージを与えてしまう可能性があるため、ジャンルの違う質問を用意しておきましょう。 1次面接や2次面接で質問に対する回答が比較的短かった場合などは、時間が余ってしまうことを見越してそれ以上の質問を用意するのもおすすめです。
ここで、逆質問の個数とその目的に関する体験談をご紹介します。
最後の面接なので、志望度の高さを伝えようと逆質問をたくさんした。日本のために日本企業で頑張りたいと伝えて、そのために現在はIT資格の勉強をして、経営学も学んでいるとお伝えすると好感触をいただけた。楽しい面接だった。
※出典:富士通|2024年卒Openコース本選考の最終面接
4. 面接を通してアピールしたいことを決める
まずは、面接を通してアピールしたいことを決めましょう。
質問に対する回答がいくつか思い浮かぶ場合、アピールしたいことを決めておけば優先順位をつけて回答できます。アピールしたいことは企業が求めていることにマッチさせて選びましょう。
また、面接を通してアピールしたいことを決めることは、企業への熱意や関心の高さ、自分の能力の高さを自由にアピールできる逆質問においても同じく重要です。もちろん、企業について知りたいことや疑問を解消するための質問もあると思いますが、自分をアピールできる質問を用意すると、逆質問を通して面接官に好印象を与えられます。
面接で伝えきれなかった自分の良さをアピールできる機会でもあるため、アピールしつつ質問をするといったことができると尚良いでしょう。
5. 自己分析・志望動機を深掘りする
企業リサーチや面接官についてのリサーチと併せて、再度自己分析や志望動機を深掘りしておきましょう。
価値観や考え方などは日々の生活や暮らしの中で変化していくものです。そのため、以前に行った自己分析が現在のあなたを反映したベストな自己分析とは限りません。今の自分と照らし合わせて、あらためて分析するようにしましょう。
また、自己分析を行えば自己PRや志望動機の精度を高められます。自己分析を通して自分自身を見つめ直すことで、より具体的で深みのある志望動機に仕上がるでしょう。
最終面接前に、あらためて自分自身を見つめ直し、より自分を理解できれば最終面接でアピールすべき要素が見つかるはずです。
▼自己分析のやり方について詳しく知りたい方はこちら ・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説
最終面接で良く聞かれる質問と解答例一覧
最終面接まで来たからには、内定をしっかりと獲得したいところです。最終面接に臨むときには、良く聞かれる質問を事前に押さえておきましょう。ここでは、最終面接の質問例と答え方のポイント、回答例を紹介していきます。
「志望動機を聞かせてください」
志望動機の質問に対しては、ただ「◯◯に興味がある」という理由を述べるだけでなく、企業の理念や社風を理解したうえで、根拠を示しながら分かりやすく伝えることが大切です。また、曖昧な伝え方はせず、具体性を持たせることがポイントです。
【例文】
私は御社の「今と未来をつなぐ」という理念に感銘を受け、今回、営業職を志望いたしました。今と未来をつなぐためにはどれだけ技術が発達したとしても人と人のつながりも必要不可欠だと考えるからです。業界の中でもいち早くITを生かして業務を進める御社の環境にも、強い魅力を感じています。私は学生時代、飲食店のアルバイトをしていました。来店者の多い店舗でお客さまに喜んでもらうためには、短時間で質の高い食事を提供する必要がありました。立て続けに来店するお客さまに対応するために、状況判断力と臨機応変な対応力を身につけました。
状況判断力と対応力は、斬新な技術を取り入れ業界の革新を図るために、必要な能力だと考えております。また、アルバイトでは仕事を円滑に進めるためにチームワークを良くすることの大切さも学んだため、事業の発展に向けて仲間と協力しながらお力添えができるのではないかと存じます。
「自己PRをお願いします」
最終面接では熱意や入社意欲を評価される傾向にあるため、自己PRを求められることもあります。それまでの面接でも自己PRで意欲を伝えてきていると思いますが、最終面接の相手は社長をはじめとした経営層で、初対面の相手です。
あたらめて、自分自身の思いを率直に伝えることを意識して自己PRをしましょう。また、端的に分かりやすく伝えること、具体的なエピソードに触れて説得力を持たせることも重要です。
【例文】
私のアピールポイントは、まず「なんでもやってみよう」と考えるチャレンジ精神です。大学3年生のときに国際交流のボランティアに初めて参加したのですが、せっかくの機会だと思い、リーダーの役割に挑戦しました。交流の場にはいろいろな国籍の人がいたため、英語も通じないことが多く、はじめのうちは非常に難しいと感じました。
しかし、周囲の雰囲気をいち早く察して行動したり、非言語的コミュニケーションのコツをつかんで交流を深めたりするうちに、仲間からもリーダーとして信頼されるようになりました。以来、自分自身の能力を高めるためにも、経験したことがないことには積極的にチャレンジしています。
御社でも開発業務や顧客対応など、多くの場面でチャレンジ精神が役立つと考えていますので、積極的に挑戦し、スキルを充実させてまいります。
「なぜ他社ではなく弊社を志望されているのですか」
最終面接では、他社ではなく自社を希望する理由を聞かれることもあります。この質問に、しっかりと説得力をもって回答するには、企業研究を欠かさないことが大切です。
どれだけその企業について理解を深め、他社にはないポイントに共感しているのかが問われます。具体的な理念や社内体制、社風などに触れたうえで、高い理解度をアピールしましょう。
【例文】
お客さまとの交流を最も重視するという、御社の理念に非常に共感しており、志望いたしました。◯◯の開発ストーリーを拝見し、お客さまの意見を広く取り入れて開発されたという背景に感激いたしました。私は学生時代に◯◯部で活動をしたのですが、個人競技ゆえに、つい自分自身の考えに固執してしまう部分があり、そこが成長の課題となっていました。
そのような折に御社の開発ストーリーに触れ、どのようなことも、多方面から意見をヒアリングすることが成長につながると知りました。そのため、キャリアを問わず参加できる、御社の週1回の意見交換会にも非常に魅力を感じています。
「強みを生かしてどのような仕事がしたいですか」
最終面接では、アピールしてきた強みや長所をもって、具体的にどのような仕事に従事したいのかという質問をされることがあります。
企業は、しっかりと強みを生かして自社に貢献してくれる人材を求めています。答えるときには、自分の強みと志望する仕事内容が一致していることが重要です。単に自己PRや長所・短所を伝えるだけにならないように注意しましょう。
【例文】
私の強みは、サッカー部での経験を通じて鍛えられたメンタルの強さです。実力が足らず試合メンバーに入れない時期が続きました。けれど悔しさをバネに、現状の自分に足りないスキルを分析し、自主練で技術の向上を図りました。最後までレギュラーにはなれませんでしたが、一流選手たちと肩を並べてプレーできるまで技術面では追いついたと自負しております。この経験から、少しのことではへこたれない精神力が身につきました。
困難な状況でも諦めないメンタルの強さを生かして、御社では営業職に就きたいと考えております。営業職は努力をしてもお客さまに断られることがあり、強い精神力が求められるとかねて聞いております。サッカー部で鍛えられたメンタルの強さを生かし、粘り強く行動できる営業担当として御社に貢献してまいります。
「入社後のキャリアプランを聞かせてください」
最終面接では、入社後に具体的にどのようにキャリアを形成していきたいのか、プランを聞かれる場合もあります。
ビジョンの持ち方や目標設定についての考え方、それに対する現在の向き合い方などを測るための質問だといえるでしょう。ただ「◯◯したい」と答えるのではなく、なぜその目標を設定したのか、そして具体的にどう向き合っていくつもりなのかを明確に答えることが大切です。
【例文】
御社に入社した際には、企画に積極的に携わりたいと考えております。自分自身のアイデアが商品やサービスとなって具現化されていくことは、喜びとやりがいがある仕事だと魅力を感じています。
大学のサークルでは多くの仲間とコミュニケーションを取ってきたため、意見を交わしながら製作していくことの難しさや重要性も実感しています。アイデア力とコミュニケーションスキルを生かし、商品の企画に携わったのちには、チームのリーダーとしても積極的に活躍していきたいと考えています。
「もし弊社から内定が出たら入社しますか」
最終面接の質問で、「内定が出たらどうするか」と聞かれたときには、明確な意思をもって就職活動に臨んでいることをしっかりとアピールしましょう。
企業側にも、入社への熱意と意欲を持つ学生を採用したいという目的があります。単純に「入社します」の意思表示だけでは深掘りされる場合もあるため、入社の意思とともに、意欲の高さや、企業選びの軸があることを伝えられると良いでしょう。
【例文】
御社から内定をいただければ、喜んで入社させていただきます。私は、研究分野が生かせるという点を重視して就職活動を進めています。御社には◯◯の事業があり、現在私が選考に参加している企業の中で、研究分野に最も合致する企業は御社であると考えております。
内定をいただきましたら、少しでも早く仕事に貢献できるよう、さらに◯◯業界について知識を増やしてまいります。
「他社の選考状況を聞かせてください」
最終面接では、別の企業の選考状況について質問されることも少なくありません。他社の状況については伝えたくないという心理もあるかもしれませんが、面接中に不必要な嘘(うそ)をつくのは避けましょう。
高い入社意欲を持っていることをアピールしつつ、志望企業の選考状況についても素直に回答することが大切です。
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・「他社さん、どこ受けてるの?」に正直に答えてはいけません
【例文】(他社も選考が進んでいる場合)
現在、◯◯社、◯◯社が最終面接まで進んでいます。また、◯◯社、◯◯社が結果待ちです。中でも御社の手掛ける◯◯事業は、私の持つ力を発揮できると感じているため、採用していただいた際には、御社に入社すると心に決めております。
【例文】(他の企業を受けてすでに落ちている場合)
他社も志望していますが、御社が第一志望です。
※落ちたことまで言及する必要はありません。
「これまでの人生の挫折経験とそこからの学びを教えてください」
最終面接では、あなたが過去に経験した挫折経験や、挫折経験をどのようにして克服したのか、そこから何を学んだのかを問われることがあります。実際に仕事に就いて困難に直面したときに、就活生がどのような行動をするかといった点を確認するための質問です。何を学んで、行動にどう生かしているのかという点を提示しましょう。
【例文】 私の挫折経験は、部活中にケガをして学生生活最後の大会に出場できなくなったことです。私は部長をしており、大会に向けてチーム全員をまとめて練習を重ねてきたにもかかわらず、自分がケガをしたことで部員に迷惑をかけてしまう結果になり、とても落ち込みました。ただ、そこで落ち込むのではなく、選手として貢献できないのであれば裏方としてチームを支えられるのでは、と考えを切り替えました。チームの弱点を克服するための練習メニューを考えたり、メンバーに積極的に声かけをしたりした結果、チームも優勝を果たせました。私はこの経験から、自分にできることは何か考えることの大切さを学びました。御社に入社してからも、周りの社員と協力して業務に取り組み、自分の力を存分に発揮したいと思います。
「あなたは周りからどのような人だと言われていますか?」
最終面接で、どのような人だと言われているかを問われた場合は、自己を客観視できているかを見定められています。自己評価と他者評価がずれていないかを問う質問であるため、自己分析をしっかりと行いましょう。
自己分析をしっかりと行えていれば、他者からの評価に大きなずれや逆の評価は生じません。仮に自己評価と他者評価に大きなずれがある場合は、自己を客観視できていないと判断されるため注意しましょう。
【例文】 私は周りから責任感があると言われます。学園祭でサークルの催し物を行う際に、私は責任者を担当し、そのときにメンバー全員をうまくまとめて円滑に催し物をできるように計画し実行したことが要因のようです。催し物の企画段階では、全員が参加できるように計画を練り、当日も滞りなく進行できるようにアンテナを張って行動しました。また、トラブル発生時には、他のスタッフと協力して対処し、催し物に来ていただいた方々からも「良かったよ」と評価してもらえました。これらの経験を生かして、社会人になっても常に責任感を持って行動したいと考えております。プロジェクトではメンバーと協力しながら目標達成に向けて尽力していきます。
「大学で研究した内容を教えてください」
最終面接で大学での研究内容を問う理由は、「なんとなく」で物事を決めていないか確かめるためです。物事に対して目的を持って取り組める人材であることをアピールしましょう。
【例文】 大学ではマーケティングを専攻し、ゼミでは顧客の購買行動について研究しています。顧客が購買するきっかけは何なのか、顧客の購買を刺激するものは何なのかといったことを、世の中の事例を参照しながら調べています。中でも注目しているのが、顧客の購買行動に与えるSNSの影響です。現在は多くの企業でマーケティングにSNSを活用しています。その中には成果を上げている企業もあれば、そうでない企業もあり、その差がどこから生まれてくるものなのか研究しています。御社もSNSマーケティングに注力されているため、大学で学んだ知識を有効活用して貢献したいと考えています。
最終面接で好印象を与える逆質問例一覧
最終面接の質問について準備するときは、質問を求められたときに何を聞くかも迷うところです。ここでは、逆質問の例を挙げていきます。
事業や経営に関する質問
最終面接での逆質問は、経営層にする質問として適切なものを選びましょう。例えば、事業や経営について深掘りするような内容や、経営層が考える戦略についてなどです。
【例文】
・御社の事業は、競合他社と比べて◯◯の点で強みがあると考えるのですが、他にはどのような優位性があるのか教えていただきたいです。
・御社の◯◯の理念は、他社ではなかなか耳にしない新しい価値観だと感じました。このような理念が生まれた背景やエピソードを教えていただけますか。
・御社は今後◯◯事業を拡大させていくとのことですが、成果次第では、その事業チームに加わることはできるのでしょうか。
働き方や考え方に関する質問
逆質問は、入社する前提で聞くことが重要です。実際にその企業で働くことを想定して、社員の働き方や考え方に関して具体的な質問をするのも良いでしょう。
【例文】
・入社するまでに身につけておくべき知識やスキルがあれば教えてください。
・御社で仕事をするにあたって、社員に最も大切にしてほしいと考えていることはございますか。
・◯◯社長をはじめとした経営層の方や、社内で成果を出されている方に、共通している点はなんでしょうか。
・仕事の成果は、どのような観点をもとに評価されますか。
最終面接で落ちるフラグは?
不合格フラグという言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。不合格フラグとは、面接での面接官の対応から不合格を予想するサインのことです。最終面接で面接時間が短かったり面接官のリアクションが薄かったりした場合が、「落ちる(不合格)フラグ」といわれています。
ここでは、最終面接の不合格フラグを5つご紹介します。ただし、不合格フラグが立ったからといって面接に落ちているとは限りません。あくまでも結果を予想するうえでの参考として捉えましょう。
面接時間が短い
1つ目のフラグとして、面接時間が短いことが挙げられます。最終面接で面接官からの第一印象が良くないと、その時点で自社に合わない人材だと思われて早々に不採用の判断がされ、面接が短時間で終わる可能性があります。
特に、最終面接は社会人としての基礎的マナーや身だしなみに厳しい重役が担当することが多いものです。入室時のあいさつや就活生の身だしなみなど、基本的ビジネスマナーがおろそかになっていると、落ちるフラグが立つ可能性があるため、注意しましょう。
内定連絡を電話ではなくメールですると言われる
内定連絡を「電話ではなくメールでする」と言われた場合も落ちるフラグの1つです。メールを使った連絡は、電話のように個別に会話をする必要がありません。電話と比べて企業側の負担が軽くすむため、メールで最終面接の結果を伝えると言われた場合は落ちるフラグが立ったと予想する人が多いようです。
ただし、企業の中にはメールで先に採用通知をし、あとから電話や郵送で詳細を伝える場合もあります。メールを利用するのは、他の連絡手段に比べて就活生のもとに早く届きやすいためです。「結果はメールでお伝えします」と言われた場合でも、不採用だと勝手に判断して落ち込まないようにしましょう。
面接官のリアクションが悪い
面接官のリアクションが薄い場合も、落ちるフラグと考えられるでしょう。最終面接を担当する社長や役員からすると、最終面接まで進んできた就活生であれば、しっかりと受け答えできるだろうと想定しています。
そのため、志望動機や自己PRなどの基本的な質問に適切な回答ができなかったり、質問に対して的外れな回答をしたりした場合、そっけない態度を取られて不合格となってしまうこともあるでしょう。記事内でご紹介した質問例を把握したうえで、しっかり受け答えできるように準備しておくことが重要です。
今後に関しての説明がない
最終面接で今後に関しての予定を説明されない場合、落ちるフラグが立っているかもしれません。そもそも、不採用が決定している人に面接官が入社後の話題を出すことは基本的にないためです。
仕事についての具体的な説明や、希望する部署はどこかといった入社後のことについて深掘りして話がされないケースは、不採用である可能性もあります。
回答に対して否定的な意見を言われる
回答した内容に対して、面接官に否定的な意見を言われた場合も落ちるフラグが疑われます。回答を否定されるということは、企業の考える方針や面接官の考え方と一致していないことの表れです。そのため、会社にふさわしくない人間だと判断されて、落ちるフラグが立っている可能性が考えられます。
ただし、就職活動において、あえて就活生の反応を見るために、意見を否定することがあります。その場合、意見を否定されたからといって不合格になるとは限りません。意見を否定されたときは、いきなり反論したり感情的になったりしないことが重要です。
自分の考えを伝えたい場合は、「確かにそう思われるかもしれませんが」と、面接官の意見を一度肯定したうえで、自分の考えを冷静に伝えるようにしましょう。
また、ストレス耐性などを見極めているケースもあり、就活生の言葉以外にも表情や態度をチェックしています。否定をされてイライラしてしまうと、ストレス耐性がないと判断される可能性があるため、注意してください。
企業側からすると、採用したいからこそ厳しい意見をしているのだと捉えて、冷静に対応しましょう。
最終面接の注意点(NG例)と心構え
最後に、最終面接における注意点と心構えをまとめてご紹介します。ここまででご紹介した内容を自分の中に落とし込んで実践するだけでは、内定はつかめません。
適切な服装であるのか、マナーはできているのかといった社会人として最低限の受け答えやマナーが守られていることが内定を勝ち取る前提条件です。こちらでご紹介するマナーを守ったうえで、緊張しすぎず前向きに最終面接に臨みましょう。
最終面接で注意すべきマナー
まずは、最終面接で注意すべきマナーからご紹介します。注意したいのは、服装の選び方と面接時の返答方法の2点です。
服装の選び方
服装はスーツか私服かその他、カバンや靴などの持ち物類に関しても見られているため、しっかりマナーを押さえておくことが肝心です。それぞれ解説していきます。
- 男性のスーツの選び方
スーツは普通のシングルで問題ありません。重要なのは清潔感とフィット感です。そのため、面接前にクリーニングに出しておきましょう。ヨレヨレでシワのついたスーツで面接に臨むことはNGです。
色味は、濃紺がおすすめです。青系の色味は誠実、聡明(そうめい)なイメージを相手に与える他、気持ちを落ち着かせる効果があるため、緊張しがちな最終面接時にはもってこいの色味といえるでしょう。
- 女性のスーツの選び方
女性の場合は、スカートとパンツタイプがありますが、どちらを着るか迷っているのであれば、スカートを選ぶと良いでしょう。
色味は、落ち着いた色合いのものがおすすめです。ブラックやネイビーなどで問題ありません。
- 私服の選び方
企業によっては、私服で面接にお越しくださいと連絡がある場合があります。いろいろと迷ってしまいがちですが、私服=普段着ではないことを理解しておきましょう。就職活動における私服は、オフィスカジュアルを想定しています。
例えば、シャツにジャケット、ブラウス、カーディガン、パンプス、革靴などであれば、面接官に与える印象が悪くなることはないでしょう。
私服でOKだからといって、パーカやダメージジーンズ、露出が多い服などは避けてください。
- カバンの選び方
カバンを選ぶときに大事なのは、床に置いたときに自立する製品であることです。自立できるカバンであれば置く場所を選ばず、すぐに面接を開始できるでしょう。素材は、ナイロンや合成皮革のような製品でも問題ありません。
色味はスーツや靴とそろえて黒や紺、茶といったあたりが基本といえます。
- 靴の選び方
靴も面接官から見られるポイントで、面接時の印象を大きく左右するアイテムです。スーツ同様に清潔感が大切なため、汚れている、傷んでいる場合はキレイに磨いたり、新品に取り換えたりして面接に臨みましょう。
形状は男女問わず、先端が尖(とが)りすぎていないものを選んでください。男性の場合は、黒か茶色のひもタイプの革靴を、女性の場合はスーツの色に合わせるのが定番です。
▼就活の身だしなみについて詳しく知りたい方はこちら ・【身だしなみ:男性編】就活で好印象な髪形・スーツなどのチェックリスト ・【身だしなみ:女性編】就活で好印象の髪形・スーツなどのチェックリスト
返答のマナー
続いて、面接中のマナーについてご紹介します。面接中、面接官は話している内容だけではなく、返答についてもチェックをしています。
話す際は、以下の例のように結論から伝えたりポイントを明示したりして、話が長くならないよう簡潔に話すことを心がけましょう。
【例】 結論から申し上げますと、◯◯です。具体的には◯◯です。 私の長所は2点あります。1点目は……。
話す際は面接官の目を見て、ハッキリとした声で身ぶりを交えて話すと好印象を与えられます。視線をそらしたり、うつむいたりすると、自信がないと判断されてしまう恐れがあるため注意が必要です。
緊張しすぎないようにする
最終面接では想像以上に緊張してしまって、ガチガチになる人もいます。誰しも緊張するものですが、必要以上に緊張しすぎないようにすることが重要です。緊張しすぎると、頭が真っ白になって伝えたいことが伝えられなかったり、入社後に仕事の場でも同じように緊張してしまうのでは? と不安に思われたりと、悪い印象を与えかねません。
緊張対策としては、発声練習の他、頻出質問に対する回答の準備が有効です。また、大学の面接対策講座の模擬面接の活用やキャリアセンターへの相談を通して対策・改善するのも良い手段といえるでしょう。
企業に対してネガティブな発言は避ける
企業に対してのネガティブな発言も悪い印象を与えることになります。例えば、今後の経営に対する不安要素に関して質問したり、マイナスの意味で競合他社と比べて意見したりすると、最終面接の面接官である社長や役員に、自社に利益をもたらしてくれる人材ではないと判断される恐れがあります。
熱意があることの裏返しからくる発言だとしても、最終面接では好印象を抱いてもらえるようなポジティブな発言を心がけましょう。
最終面接まとめ
最終面接は、内定につながる最後のステップです。重要なチャンスを逃さないためにも、質問・逆質問にはしっかりと備えておきましょう。
良くある質問については知識を充実させ、例文をもとに事前にシミュレーションすることが重要です。また最終面接は社長や役員などの経営層と話せる貴重な機会でもあるため、その機会を前向きに捉えることも大切です。
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