こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は、日本のインフラを支えている鉄道業界のうち、JR2社(JR東日本、JR東海)の社風や事業を比較・分析します。
<目次>
●業界全体の傾向
●業績比較
●各企業の特徴
・JR東海
・JR東日本
●平均給与比較
●おわりに
業界全体の傾向
鉄道業界は、メインの鉄道事業以外にも、不動産や海外事業などにも取り組んでいるのが特徴です。
私鉄と比較した際のJRの特徴の一つとして、新幹線を保有していることが挙げられます。例えば、JR東海は東海道新幹線が鉄道事業収益の約90%を占めるなど、鉄道事業において大きな利益をもたらしています(※1)。
鉄道各社は、国内事業のみならず、インフラの輸出や、海外で商業施設を開業するなど、東南アジア諸国を中心にグローバル展開をしています。具体例として、JR東日本はインドやタイなどで鉄道事業の整備を支援しています(※2)。
また、鉄道会社の特徴として、多くの企業が独自のICカードを保持していることが挙げられ、JR東日本の場合はSuicaを、JR東海はTOICAを発行しています。これらは、地域の利便性を高め、相互利用させるなどサービスを拡大させています。
JR東日本は、SuicaのサービスをFintech(※3)に連携させて、Suicaの基盤を強化させ、収益拡大を図っています(※4)。
(※1)参考:JR東海 財務・輸送の状況
(※2)参考:JR東日本会社要覧2018-2019
(※3)……FinanceとTechnology(金融と技術)を組み合わせた造語。ITを活用した革新的な金融サービスの創出などを指す
(※4)参考:JR東日本「中期経営計画p13-2」
業績比較
JR2社の売上高、営業利益は以下の通りです。
※出典:JR東日本「2018年度 有価証券報告書 P.74」、JR東海「2018年度 有価証券報告書 P.71」
2018年度は、売上高はJR東日本の方が多いですが、営業利益はJR東海が逆転しています。JR東海は、利益率の高い、東海道新幹線事業に注力しているためだと考えられます。
次に、各社の特徴を見ていきましょう。
JR東日本:エリア住民に密着した事業展開
※出典:JR東日本「2018年度有価証券報告書 P.101」
鉄道事業
上のグラフからもわかるように、「運輸業」にあたる鉄道事業は、売上高において、64%という大きな割合を占めています。
この鉄道事業を支えているのは、「最大規模の営業エリア」と「在来線」です。
JR東日本の営業エリアは1都16県と最大規模(※5)で、北陸・上越・東北・山形・秋田の5新幹線(※6)の他、69線区もの在来線を手掛けています(※7)。
運輸収入の内訳は「新幹線と在来線」の比率が「5,971億円:1兆2,595億円(大体の比率=1:2)」であり(※8)、後述のJR東海と比較して、「在来線が経営の柱」となっており、地域住民の生活を支えている側面が見えるでしょう。
(※5)参考:JR東日本「事業エリア」
(※6)参考:JR東日本「列車」
(※7)参考:JR東日本「会社概要」
(※8)出典:JR東日本「JR東日本会社要覧2019-2020 P.28」
不動産事業、海外事業
「不動産・ホテル事業」では2020年ごろまでに10,000室を越えるホテルチェーンとなる目標が掲げられています。その一環として、2019年2月、「JR東日本ホテルメッツ札幌」をオープンさせました。これは、JR東日本営業エリア外にできた初のホテルです(※9)。
海外事業では、インドで、日本の新幹線方式を採用した高速鉄道を建設するプロジェクトが始動しています(※10)。JR東日本が海外事業を展開しているのも、日本の鉄道技術を国外の市場で活用することで、新たなビジネスモデルを作ると同時に、国外の鉄道事業の発展に寄与したいと考えているためです(※11)。
他の鉄道会社と比べ、メインの鉄道事業から、海外事業などのスケールの大きい事業に至るまで、幅広く関わることができるのがJR東日本の特徴と言えるでしょう。
(※9)出典:JR東日本「2018年度有価証券報告書 P.28」
(※10)出典:JR東日本「国際事業」
(※11)出典:日経ビジネス「[報告]なぜ、海外で鉄道事業? JR東日本の担当者に聞く」
JR東海:リニア開業を控える鉄道事業がメイン
※出典:JR東海「2018年度 有価証券報告書 P.89」
鉄道事業
東海道新幹線開業以来50年以上にわたって、日本の大動脈である東京大阪間の輸送を担ってきた企業であり、まさにインフラ企業の代表格です。東海道新幹線という莫大(ばくだい)な収入源を軸に、現在では超伝導リニアによる中央新幹線計画を進めています(※12)。担当エリアである東海地域の輸送に注力をしていく方針は、しばらくは変わらないといえるでしょう。
(※12)参考:JR東海「リニア中央新幹線」
不動産、海外事業
東海道新幹線を武器に鉄道事業をメインに展開しつつも、売上高の4%を占める不動産事業や、海外事業展開などに挑戦しています。
不動産事業においては、2017年に名古屋駅に直結したJRゲートタワーを開業させ、2018年度の営業収益が前期比13.7%増の780億円となりました(※13)。
海外事業の具体例としては、東海道新幹線システムを米国テキサス州に、リニアシステムを米国北東回廊に展開する取り組みを続けています(※14)。
(※13)参考:JR東海「2018年度有価証券報告書 P.23」
(※14)参考:JR東海「海外展開」
平均給与比較
以下の表は、各社の平均年収をまとめたものです。
企業名 | 平均給与 | 平均年齢 |
JR東日本 | 715万円 | 39.4歳 |
JR東海 | 735万円 | 36.9歳 |
※出典:2018年度有価証券報告書「JR東日本 P.13 / JR東海 P.10 」
※平均給与は千の位を四捨五入しています
おわりに
いかがでしたか。
業績こそ違いはありますが、各企業に独自の強みがあることが分かります。
JRに興味を持った方は、以下の選考対策ページも参考にして、各社の企業理解を深めましょう。
詳しい選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)は、下記の「選考対策ページ」を参考にしてください。
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