こんにちは、ワンキャリア編集部です。日本を代表する広告代理店である「電通」。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの専任代理店として指名されるほど、世界的にも影響力の大きな企業です。この記事では、電通の特徴から選考対策の具体的なポイントをまとめてお伝えします。選考前の最終確認のためにご一読ください。
注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
電通
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電通の特徴::体育会系の文化が根強い一方で労働環境の改善がすすむ
「体育会系」の電通、「アットホーム」な博報堂
日本の広告業界を代表する「電通」は体育会系の文化が根強いようです。上下関係が厳しい一方で、仕事への真摯(しんし)な姿勢が表れているのかもしれません。熱意のあふれる仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長したい学生に向いています。同じく、日本を代表する大手広告代理店の博報堂は、電通とは反対に「アットホームな社風」なようです。内定者も「博報堂は、若手社員が年次の高い先輩社員に対し『おじさん何言ってるんですか』とツッコミができるくらいアットホームさがある」と話していたそう。「どのような環境に身を置いて働きたいか」を考えて、自分に合った企業を選ぶと良いでしょう。
過労死事件以降、見直されつつある労働環境
電通は2015年に過労死事件が起きて以降、労働環境の見直しが進められているようです。フレックスタイムや在宅勤務制度を導入し「従業員1人あたりの仕事を8割に抑える」ことを掲げています。他にも22時以降の仕事を禁止する「全館消灯」をはじめとした労働環境の改善施策が導入されました(※1)。結果的に1人当たりの総労働時間は2016年に「2,166時間」であったものの、2018年には「1,952時間」となり、200時間以上のカットが実現しています。有休消化率も2016年には56%でしたが、2018年には66%へと増加(※2)。より働きやすい環境へと近づいているといえるでしょう。
(※1)参考: 電通「労働環境改革」
(※2)参考: 電通「労働環境改革の進捗状況について」
電通の選考全体の特徴:「電通・広告である理由」と「業務適性」を示すのがカギ
電通には総合職やデジタルクリエーティブ職、アート職など複数の職種の募集がかけられます。中でも、今回は志望人数の多い「総合職」に絞って選考対策をお伝えします。「なぜ電通・広告なのか」を明確にして差別化を図ろう
電通の選考を通過するためには「なぜ電通なのか」「なぜ広告なのか」といった理由を明確にした上でアピールする必要があります。日本を代表する広告代理店であることもあり、多くの学生が志望します。博報堂と併願する人も少なくありません。他の就活生との差別化を図るためにも「数ある業界の中から広告業界を選び電通を志望する理由」を明確にしておくと良いでしょう。営業職とストラテジックプランナーの業務適性をアピールしよう
電通の選考では営業職とストラテジックプランナーに適性があることをアピールするのが重要になります。その理由として、どちらの職種も入社後に携わる可能性が高いためです。
内定者が説明会で社員に話を聞いたところ、「電通は6割以上が営業」とのこと。そして、新卒社員の約8割以上はストラテジックプランナーに配属されるそうです。入社後にも活躍し、貢献できることを示せるように適性をアピールすると良いでしょう。営業職の場合、社内外の人を良好な関係を築きながらプロジェクトをすすめるのが業務の特徴であるため、「相手の懐に入り込める素質」や「リーダーシップをもって人をまとめる力」をアピールするのをおすすめします。ストラテジックプランナーについては、「課題解決力」を示せると高評価をもらえる可能性があります。市場やターゲットを分析し戦略を練るのが仕事であるため、ロジカルな思考で問題を分析し、最適なソリューションを提示する力が求められます。
電通の本選考フロー
電通の選考フローは以下のように進みます。1. エントリーシート(以下、ES)
2. WEBテスト
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 3次面接
6. グループディスカッション
7. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
電通選考の各ポイント
エントリーシート(ES)の選考基準:多くの設問に丁寧に答えられるかが問われる
2020年卒の電通の本選考では、ESに以下の設問が課されました。
(1)電通の何に惹(ひ)かれたのか
(2)そのような考えに至った背景やきっかけはどのようなものか
(3)現在のあなたを形成している、人生の3大エピソード(体験)を挙げてください。
(4)世の中の物事や現象で「まだ名前のないもの」を見つけ、 世の中に共感される呼び名をつけてください。また、その内容を説明してください。
(5)あなたを表現してください(A4用紙1枚)
※出典:電通|総合職のエントリーシート
ESの位置付け:絞り込みの可能性あり! 入念な対策をして臨もう
電通の選考では、さまざまな学生から大量の応募が届くため、ESの段階で絞り込みがされている可能性があります。ESで落とされる恐れも考えられるので、入念に対策をして臨むのが良いでしょう。設問数が多いので、気を抜かず丁寧に答えるのがポイントといえます。設問(1)(2)の選考基準:「広告・電通であるべき理由」をロジカルに伝えよう
設問(1)、設問(2)は志望動機についての内容です。選考全体の特徴でも記載した通り、「なぜ電通・広告なのか」をはっきりと示す必要があります。
体育会系の社風にもマッチさせて、業務適性もアピールできるのがベストです。論理的で説得力のある理由であればあるほど、志望度の高さが伝わるでしょう。
OB・OG訪問で得た社員のリアルな声も盛り込むことでオリジナリティが増し、他の就活性との差別化も期待できます。志望動機は「1次面接から最終面接までしっかり聞かれた」と内定者が話すほど、選考で最も重要な項目といっても過言ではありません。面接官とのコミュニケーションも想定しながら、読み手を納得させるESに仕上げるのが大切です。
設問(3)の選考基準:過去の経験から「統率力」と「忍耐力」を示そう
設問(3)の「人生の3大エピソード」ではバイタリティの有無が問われている可能性があります。クライアント企業によって働き方が左右されてしまう電通の仕事は、精神力と体力の強さが欠かせません。社内外を巻き込みながら引っ張るリーダーシップも必要になります。困難な状況におかれても自らが先導し、最後までやりきる力を、過去のエピソードをもとにアピールできるのが理想です。
実際に内定者は「この3つの経験では共通して、リーダーシップとタフさを全面的にアピールした」と話していました。統率力と忍耐力を人事に分かりやすく伝えられるように心がけましょう。
設問(4)の選考基準:論理的な根拠に基づいた斬新なアイデアを提案しよう
設問(4)では「柔軟な発想力で斬新なアイデアを生み出せるか」を見られている可能性があります。クリエイティブ性が重要視される仕事だからこそ「面白さ」は重視されます。
注意すべきポイントは「論理的な根拠」に基づいてアイデアを説明すること。闇雲に生み出した案では現実性に欠け、夢物語で終わりかねません。「ターゲットは誰か」「どのようなニーズに注目するか」など具体的な段階まで掘り下げ、アイデアの根拠を論理的に示しましょう。
設問(5)の選考基準:個性を最大限に引き出して自分の魅力を伝えよう
自分を自由に表現する設問(5)では、模範的な回答はないようです。内定者も「ESを通過している友人を見ても、さまざまな人がいる」と話していました。
自分のキャラクターにあわせて、個性を最大限引き出せる表現方法を選ぶのをおすすめします。絵を描くのが得意であれば、イラストでアピールするのも良いかもしれません。自分の特徴を表すキーワードを羅列して表現するのも良いでしょう。
正解がないからこそ、自分の魅力を全面的に伝えるのが大切です。
Webテストの選考基準:他社選考や参考書を活用して油断せず対策しよう
電通のWebテストの形式はSPIで、所要時間1.5時間程度のテストです。テストセンターで受験します。出題内容は言語・非言語・構造把握・英語の4つです。高得点が採れればテスト結果を使い回すこともできます。選考のボーダーは本選考ほど高くはないようです。内定者も「商社は落ちても電通は通っている友人が複数人いた」と話していました。
とはいえ、油断しては実力が発揮できない可能性もゼロではありません。他社選考や参考書を活用して事前に慣れておくと良いでしょう。
1次面接の選考基準:志望動機と学生時代の経験を深掘りされる
1次面接は社員2人に対し学生1人の個人面接。面接官は営業職やクリエーティブ職の社員が担当するケースが多いようです。過去には次のような質問が出されていました。・学生時代の経験(何を頑張ったのか、どんなことに苦労したのか、どうやって困難を乗り切ったのか、など)
・志望動機(なぜ広告業界がいいのか、なぜ電通がいいのか、など)
・インターンの参加経験など
※出典:電通 総合職の1次面接
主に学生時代の経験と志望動機について深掘りされます。ESの内容をもとに質問がされるようなので、事前に回答内容を考えて対策しておきましょう。
学生時代の経験では「タフさ」と「論理的思考力」をアピールするのが大切です。困難を乗り越えられるバイタリティや論理的に斬新なアイデアを生み出す発想力が仕事で求められます。会社との適性を図る重要なポイントと考えられますので、面接官の掘り下げにも対応できるように準備しておくと安心です。
志望動機は選考全体の特徴でも説明した通り、「なぜ電通・広告なのか」をはっきりと伝えられるようにしましょう。
2次面接の選考基準:1次面接と似た内容! 人によっては思いつきで質問もされる可能性も
2次面接は社員2人に対して学生1人で行う個人面接です。時間は30分程度で、質問も1次面接と似ています。具体的な内容は次の通りです。
・学生時代の経験(何を頑張ったのか、どんなことに苦労したのか、どうやって困難を乗り切ったのか、など)
・志望動機(なぜ広告業界がいいのか、なぜ電通がいいのか、など)
・インターンの参加経験・今後の広告業界はどうなると思うか
・コミュニケーションの定義は何だと思うか
・大きい組織で小さい裁量権か小さい組織で大きい裁量権だと、どちらがいいか
※出典:電通 総合職の2次面接
2次面接も1次面接と同じように、学生時代の経験と志望動機を中心的に質問されるようです。より具体的に深掘りされる可能性も考えられます。
ESや1次面接の回答をもとに、入念な対策を心がけると良いでしょう。また、2次面接では面接官の思いつきで質問がされる場合もあるそうです。ある内定者は「今後の広告はどうなっていくと思うか」を質問されたと話していました。落ち着いて自分なりの考えを説明できるかを判断されている可能性があります。電通が重視する「タフさ」と「論理的思考力」をアピールできる回答ができれば、回答にも一貫性が生まれ、高評価につながるかもしれません。
3次面接の選考基準:小論文と同時に行う! 1次・2次面接の回答をふまえて対策しよう
3次面接は社員2名に対し学生1人で行う個人面接。小論文と同時に行われるのが特徴です。
過去には次のような質問が出されました。
・学生時代の経験(◯◯な場合どうするか、人を巻き込めない時にはどうするか、など)
・志望動機(なぜ広告業界なのか、なぜ電通なのか、など)・入社後どんなことをしたいのか
・大変な仕事でも頑張れるか
・インターン経験
・逆質問
※出典:電通 総合職の3次面接
1次面接や2次面接と同じように、学生時代の経験や志望動機について深掘りされます。
ESや過去の回答内容を振り返り、深掘りに対応できるように対策しておきましょう。
「入社後にどんなことをしたいか」は、営業以外の職種についても回答するのがポイントです。
前述した通り、新卒の約8割以上はストラテジック・プランナーに配属されるといわれています。営業職だけにこだわらず、クリエーティブ職にも関心があると伝えるのが安心です。3次面接で行われる小論文は、与えられたお題について400字程度でまとめる課題が課されます。
2020年卒では、「サブスクリプションモデルの是非」についてA4用紙1枚程度で課せられました。
年によってお題は変わるそうなので、日頃から情報感度を高め、トレンドをおさえるのが重要です。とはいえ、小論文の重要度はそこまで高くない可能性が考えられます。内定者も「これ以降の面接で小論文について聞かれることはなかった」と話していました。最低限の文章能力を示しつつ、論理的で分かりやすい論文を作成しましょう。
グループディスカッションの選考基準:面接の回答内容との一貫性に気をつけよう
3次選考に通過すると、グループディスカッション(GD)に案内されます。2人~6人程度の社員に対し約45名の学生で行われる選考です。与えられたお題に対し、学生7名程度のグループで話し合います。20卒のテーマは「雨傘が使いたくなるコミュニケーションを考えよ」だったそうです。テーマは開催回によって変わるため、その場で柔軟に対応する必要があります。
グループディスカッションの通過のポイントは「人柄の一貫性」示すこと。面接時の印象と差がないか確認されている可能性があります。面接の質問で答えた内容とギャップがないように、話し合いを進めるのが重要です。
最終面接の選考基準:意思確認! 最後まで気を抜かず第一志望の旨を伝えよう
最終面接は社員3名に対し学生4名で行うグループ面接です。面接官は役員クラスの社員が担当する場合が多く、意思確認の意味合いが強い可能性が考えられます。過去の面接のように志望動機や学生時代の経験についての深掘りはされないようです。とはいえ、落ちてしまう可能性もゼロではありません。最後まで気を抜かず入社意思を強く示しましょう。
おわりに
いかがでしたか? ここまで、電通の本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
電通の選考についてさらに知りたい方はこちらをご覧ください。選考ステップをみる
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(Photo: Sorbis/Shutterstock.com)