こんにちは、ワンキャリアの多田薫平です。
ワンキャリアに1人目の新卒として入社し、今は事業企画や採用コンサルティング、キャリアアドバイザーなどをやっています。
曲がりなりにも4年間、1年に1,000人以上の就職活動生と会って相談に乗り、さまざまな「悩み」を聞く生活を続けてきました。
悩みにはいくつかのパターンがあるのですが、いわゆる「ドツボ」にハマっている学生には、明確な共通点があります。それは、次に何をすればいいのか分からなくなっているということ。
いろいろな人にアドバイスをもらいに行き、それを全て実行し、問題を解決しようとして、息が詰まってしまう。そして結局、学業、研究、サークル、課外活動などが忙しい中、モチベーションも下がり、就活の優先順位が下がっていく──。
あなたの周りに、そんな人はいませんか?
そもそも、就活において「悩むべき問題」はそんなにない。
このように、就活生の悩みは尽きませんが、よく聞いてみると、「それって今悩むことではないよね」と思うことが少なくありません。
今、悩んだところで絶対に答えが出ないことを考えていたり、本当に考えるべきは別の問題だったりと、貴重な時間を無駄にしてしまっている。
こういう勘違いが起こってしまうのも、「何を考えれば(何が明らかになれば)、次に進めるのか」、ひいては何を考えていけば就活を進められるのか、その全体像を把握できていないためだと思います。
だからこそ、就活生が必要なのは「納得感を持ってその会社に意思決定する」というゴールにたどり着く手助けとなる「羅針盤」だと感じています。詳しく説明していきましょう。
「選ぶ」と「受かる」。悩みはまず2つに分かれる
まず、就活生の悩みというのは、大きく「企業を選ぶための問題」と「企業に受かるための問題」の2つに分けられます。これは、「就活」というフィールドで「納得感を持ってその会社に意思決定する」というゴールを目指す旅だと考えると、分かりやすいと思います。
「選ぶ問題」は「どう志望業界を選べば良いか」「企業を選ぶための基準(軸)が定まらない」「複数社から内定を得たが、どこに決めればいいか分からない」といった、文字通り志望する企業を絞るための悩みです。これは、ゴールに行く方法が分からず、ずっと迷っている状態です。
一方、「受かる」問題は「ESをどう書くべきか」「面接でどう振る舞うべきか」といった、選考を突破するための悩みだとまとめられます。これは、「行きたい場所は決まっていても、目の前が崖になっていて、攻略法がわからない状況」と言えるかもしれません。
整理すると一見、単純な構造に見えますよね。でも、実際には多くの就活生がどこかで行き詰まるのが実情です。それはなぜなのか。
目隠しされたステータス。「自己分析」の罠(わな)
就職活動では、選ぶ問題と受かる問題が、しばしば混在する形で表れます。先ほどの話だと、迷子にならないように気を付け、乗り越える方法を学べば、ゴールに行けるような気がしますよね。ところが、これを実際に就活で行うことは、とても難しいです。
なぜなら、「自己分析」の存在が、この問題をさらにややこしくしているからです。志望企業を選ぶところから、ES、そして面接にいたるまで、自己分析をベースに進める人は多いと思いますが、この進め方が分からなくなり、企業を絞ることも、対策をすることもできなくなる人は少なくありません。
つまり、自分は今迷子になっているのか、崖を越えるための方法を持っていないのか。はたまたその両方に困っているのか。そういった自分のステータスが分からずに身動きが取れない状況です。これでは、どんな人でもクリアすることは難しいでしょう。
就活の羅針盤とは、「立ち帰る場所」をつくるための思考法
ここまでの話を振り返ると、私は就活生が「悩むべき問題」というのは、5つにまとめられると考えています。
そこで、この5つの問題の解決法を5回に分けてお届けします。ワンキャリアの12月特集は「就活の羅針盤」。「悩んだときに戻って来られる場所」をコンセプトに、順風満帆なキャリアへと舵(かじ)を切るための思考法を深めていきます。
第1回:「何していいか分からない。だけど就活しなきゃ……」。そんなあなたは「情報不足の砂漠」をさまよっている
就活についての情報が何もない状況からどうやって企業選びを始めるのか。情報収集と取捨選択のコツをお伝えします。
第2回:「どこもいい会社に見えるから、決められない」。そんなあなたは「情報の海」でおぼれているのかもしれない。
「どこもいい会社に思える」というのは、就活生がよく抱く悩みです。そこから抜け出す方法を紹介します。
第3回:「この会社でいいのかな」と悩むあなたへ。最後の分岐点に立ったときに考えるべき唯一のデメリットとは?
内定をもらった後も悩みは尽きません。納得して入社先を決めるための思考法をお伝えします。
第4回:ESも面接もポイントは同じ。乗り越えるために大事な「優秀なビジネスパーソンの視点」とは?
実は分かりやすく書いてあるエントリーシートは、ほとんどありません。分かりやすくするためのポイントを理解すれば、面接にも応用できます。
第5回:突破法は2通り。就活の悩みを複雑化しないための自己分析術
自己分析で行き詰まり、企業選びでも選考対策でも悩むことはよくあります。悩みを複雑化しないために必要な取り組みを紹介します。
長くなりましたが、就職活動で悩まない人なんてほとんどいません。そのほとんどが未知の体験であるから、仕方がないことなのです。だからこそ、悩んだときに今自分が悩むべき問題の正体は何なのか、そして今自分が就職活動全体から見て、どの位置に立っているか把握することが、大事です。
この特集は読んでいる今だけではなく、社会人になって迷ったときにも役に立つと思います。就活で悩んだとき、この羅針盤を武器に乗り越えてくれたら、これほどうれしいことはありません。
【特集:就活の羅針盤】
・【新特集スタート】就活生の悩むべき問題は5つだけ。モヤモヤした視界を切り開く「就活の羅針盤」
・「何していいか分からない。だけど就活しなきゃ……」。そんなあなたは「情報不足の砂漠」をさまよっている
・「どこもいい会社に見えるから、決められない」。そんなあなたは「情報の海」でおぼれているのかもしれない。
・「この会社でいいのかな」と悩むあなたへ。最後の分岐点に立ったときに考えるべき唯一のデメリットとは?
・ESも面接もポイントは同じ。乗り越えるために大事な「優秀なビジネスパーソンの視点」とは?
・突破法は2通り。就活の悩みを複雑化しないための自己分析術
・【新企画:絵で分かる就活】就活の「5大悩み」と対処法を、図とイラストで解明
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