こんにちは、2020年卒のドンドコマン(@dondocoman)です。
世渡り上手な学生の既得権益である「上っ面の就活ライフハック」を市場に流出させるため、ワンキャリアで記事を書かせていただいています。
▼前回記事はこちら
今回紹介するのはOB・OG訪問に関するライフハックです。
以前の記事で、OB・OG訪問はメリットが大きいので必ずやるべきだと書きました。
ですが、「とりあえず社員訪問をしなきゃ」の一心で飛び込む危なさといったらありません。
訪問中に社員から「この学生はなんとなく話を聞きに来ているな」と思われた瞬間、向こうから得られる情報も少なくなりますし、印象が悪ければ名簿にバツが付くでしょう。
(会計の際に領収書が切られていれば、基本的に評価はついていると思った方が良いです)
総合商社のある社員が、「訪問数を稼いでる感」にあきれて学生を返してしまったという話も聞きます。
というわけで、今回の記事では、社員の前でどう振る舞えば良いのかをお伝えしたいと思います。
また後半では、話を聞きやすいOB・OGをどのようなツテで見つけてくれば良いのかについても解説していきます。
訪問の目的を必ず社員と共有する
社員とのあいさつの後、必ず今回の訪問の目的を説明しましょう。事前にメールで目的と質問リストを共有するのも良策です。
その際、自分の状況を正直に伝えることで、理解度に合った情報を得やすくなると思います。初めての訪問であれば、まだ業界に関する知識が少ないことを正直に話し、教えを乞うスタンスでも良いのです。
(とはいえ、採用サイトに載っている程度の基本情報はさすがにインプットしておきましょう)
理解度の話に関連しますが、くれぐれも少ない知識で知ったかぶりをしてはいけません。社員の前では、あなたが必死で詰め込んだ業界知識も0に等しいのです。某外銀のOB訪問で「バイアウト」という単語を誤用し、あきれられたという学生を知っています。
また、話す際は人間的なコミュニケーションを心がけましょう。良い情報を得られるのは、無機質なQ&Aではなく、血の通った会話です。
学生は必死に質問というタスクをこなす、社員は機械的に答え続ける。こんなにつまらない食事はないと思います。
私も社員訪問を初めて間もないころは、リストにある質問を上から順にぶつけて、回答が終わると気まずい時間が流れていたものです。
会話の文脈を意識しつつ、質問攻めにしないように気を付けましょう。
訪問で良い話を聞けるかは、相手が決まった時点でほぼ決まっている
ですが、スムーズに会話するというのはそれほど簡単なことではありません。
会ったこともない大人と、たった1時間程度で打ち解けるのは難しいことです。社員が常に会話をリードしてくれるすてきな方であれば万々歳ですが、自分でコントロールできた方がベターです。
この前提を加味すると、社員訪問は相手選びが重要であることが分かってきます。会話の質は、自分と相手との関係性に左右されるからです。
では、訪問の相手はどこから見つけてくるのが良いのか?
社員のツテ探しの方法はさまざまですが、相手との打ち解けやすさでいうと、以下のような順序になると思います。
この優先順位で上から数人、同じ企業に訪問することができたら十分でしょう。
知っている先輩 > 信頼のおける人からの紹介 ≧ 部活やサークルの名簿 > 中高の名簿 > 大学の就活支援課 ≧ 企業HPから申し込める訪問 > 社員訪問のマッチングアプリ > SNS
ここからは、上の8つの方法を個別に紹介していきたいと思います。
なお、「自分はコミュニケーション能力が高いので、誰が相手でも打ち解けられる」というツワモノや、社員のツテの数が限られている地方在住の学生は、この順序を気にせずに持っているツテをフル活用してください。
1. 知っている先輩
まずはここから当たりましょう。
社員訪問のいろはを知らないうちは、自覚なく失礼なことをしてしまうかもしれませんし、そもそも訪問の段取りなどに自信が持てないですよね。
まずは顔の知れた先輩(場合によっては同期や後輩も⁉)にお願いして、社員訪問の基本を教えてもらうことをオススメします。
ぶっちゃけた話も聞きやすいですし、良い評価を付けてくれる可能性も比較的高いはずです。
私の例ですが、志望企業・業界であるかどうかに関わらず、気兼ねなく話せる先輩は全員に訪問しました。社会人としての基本を半ば無礼講で身に付けさせてもらい、図らずもツテを紹介してくれることもありました。
2. 信頼のおける人からの紹介
かといって、訪問したい企業に知った顔がいないこともありますよね。その場合は友人や先輩に紹介をお願いすることもあると思います。
信頼のおける人からの紹介であれば期待も大きいですし、紹介者を通して訪問相手にあらかじめ自分の情報を共有できるというメリットもあります。なによりも、共通の知人の話題から会話が始まりやすいことが強みです。
また、訪問した社員が、さらに他の社員を紹介してくれるというのも、このパターンにあたります。
学生の目的に沿って適切な人を紹介してもらえることが多く、時には、通常ではアクセスできない偉い人につないでもらえる可能性もあります。訪問で打ち解けた社員には、積極的にお願いしましょう。
このお願いは訪問中の会話の流れで紹介してもらうのが最も自然ですが、そこまで至らなかった場合には、訪問のお礼メールとともに、以下のようにお願いしても良いと思います。
「本日のお話の○○という部分についてさらに掘り下げたく、詳しく聞かせていただける社員さまがいらっしゃればご紹介いただけないでしょうか」
ただ、社員としても推薦できる学生にしか紹介したくはありません。もし訪問に失敗したような感触があれば、その人脈からは身を引くことも戦略です。
3. 部活やサークルの名簿
名簿が発行されている団体であれば、使わない手はないと思います。
自分と同じ団体の後輩となると、かわいく見えるのが人の性ではないでしょうか。学生時代を同じことにささげたという共通項があり、スムーズな訪問が望めそうです。
歴史が古い団体であれば、ベテラン社員から深い話が聞けるかもしれません。
4. 中高卒業生の名簿
こちらはほとんどの人が持っているのではないでしょうか。社員のツテがないのであれば、どんどん活用していきましょう。
特に、進学校に通っていた学生であれば、信じられないほど多くの有名企業社員にアクセスできると思われます。
私はこの魔法の名簿を使って、某総合商社の部長にたどり着くことができました。1時間向こうの話を聞いているだけでしたがw
5. 大学の就活支援課
大学が卒業生の社員訪問をあっせんしている場合があります。
網羅している企業は少ないかもしれませんが、企業によっては「大学ごとの採用枠」を設定していることもあります。その大学だけの採用突破ルートを伝授してもらいましょう。
メーカーの技術職を志す理系の学生などは、このルートに乗れば数回のリクルーター面接を経て内定まで行くことも多いようです。大学事務からメーリスを配信している場合もあるので、一度訪ねてみましょう。
6. 企業HPから申し込める訪問
企業によっては、採用活動の一環としてHPから社員訪問を申し込めるように制度化されていることがあります。
しかし、企業公認であることもあって、予約が極めて取りにくいことがほとんどです。
また、評価が付いていることはほぼ間違いないですし、企業が推薦する有能な社員が送り出されてくるので、こちらもしっかりとした準備が必要です。
7. 社員訪問のマッチングアプリ
最近は、「ビズリーチ・キャンパス」や「HELLO, VISITS」など、社員訪問のマッチングサービスも存在しています。あまり共通項のない社員がほとんどだとは思いますが、ツテがなければ使ってみる価値はあります。
また、社員側から見ると、学生のアカウントの「アイコン」が大事だという話もよく聞きます。むさくるしい男の自撮りや無機質な証明写真よりは、かわいらしい猫ちゃんにした方が良いそうですw
8. SNS
Twitterで、いわゆる「業界アカ」として発信している人に直接アポイントを取ることもできなくはないです。
特に総合商社界隈(かいわい)は母数も多く、ダイレクトメッセージを歓迎している方もいるので選択肢としてはアリかもしれません。
ただ、素性を明かしているとは言えない以上、あまりよい巡り合わせにはならない気がします。
Facebookについては、最近企業名でのユーザー検索ができなくなってしまったので、難しいでしょう。できたとしても、かなり失礼だと思われます。
いかがでしたでしょうか。
OB・OG訪問は数よりも質。
良い情報を得るための肝は、純粋に会話を楽しめるかどうかという点にあり、それは学生の意識だけでなく社員との関係性に大きく左右されます。
誰から訪問するか、ということまで考えられるとよりよい機会になると思います。
以上、ドンドコマンでした。
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※こちらは2019年11月に公開された記事の再掲です。