<都内私立大学 Aさん(文系/女性)>
内定先
資生堂、JT(日本たばこ産業株式会社)、サッポロビール、YKKグループ、コーセーコスメポート、ミルボン、大塚商会
就活サマリー
【就活の進め方・軸は?】
自分の好きなモノを扱うメーカーで、ネームバリューがある企業に絞って参加。3月の解禁と同時に就活を開始し、3カ月でやりきった
【内定獲得の秘訣は?】
反省ノートと質問ノートを作って、面接を重ねるごとに自分の苦手な部分をつぶしていった
#どんな就活?
#文系 #日系 #大手メーカー #営業
日系企業を志望している2021年卒の皆さん。
「日系企業は3月に就活解禁だから……」と、本選考はまだまだ先の話だと思っていませんか?
ワンキャリ編集部では、2020年卒の日系大手企業内定者にインタビューを行い、彼らの就活スタイルを徹底調査しました。
業界別に、内定獲得の秘訣(ひけつ)や就活スケジュールを余すことなくお届けします!
この記事を読んで、一足早く日系企業対策を始めましょう!
【目次】
・就活の進め方・軸は?
・受けた企業一覧
・内定獲得の秘訣は?
・就活スケジュール
就活の進め方・軸は?
就活を始めたのが大学3年生の3月だったというAさん。
遅いスタートに焦っていたという彼女ですが、実際の面接を通して「どんな質問でも答えられる」と言えるようになるほどの急成長を遂げています。
たった3カ月の就活で行きたい大手企業の内定を獲得した秘訣は、一体どこにあったのでしょうか。
行きたいと思える企業しか受けない!
飲食店のバイトで接客をしていた彼女は、「自分のおすすめでお客さんが商品を買ってくれたことにやりがいを感じ、化粧品やお酒など、好きなモノを売る仕事をしたいと考えるようになった」とのこと。
加えて、より多くの人に影響がある方が、自分の仕事の成果を実感できると考えた彼女の就活の軸は、「好きな商品を扱っている」「知名度の高い企業」という2つになったそうです。
「モノ」を売る仕事、といえばメーカーや商社が思い当たるかもしれませんが、Aさんはメーカーのみに絞って選考を受けていました。
その違いは、Aさんいわく「愛着が湧くかどうか」とのこと。
商社はさまざまな商品を扱えるかもしれないけれど、自社で作っているモノではありません。一方メーカーは「どんなモノを作るか」から「どうやって売るのか」まで、全て一貫して自社で考えて行っているところに魅力を感じたそうです。
好きなモノを売ることにこだわるAさんらしく、「メーカーの方が商品に愛着が湧くと思う」と話してくれました。
こうして化粧品や飲料、たばこなど好きな商品を扱うメーカーの営業職(または総合職)を、とにかくトップ企業から受けていくという、Aさんの就職活動が始まりました。
受けた企業一覧
受けた企業 | 内定した企業 | |
3年夏 | ー |
ー |
3年秋 | ー |
ー |
3年冬 | ー |
ー |
4年春 |
【本選考】 大塚商会、アサヒビール、 ファンケル、アサヒ飲料、 オルビス、コーセー、 YKKグループ、伊藤園、 サッポロビール、花王、 ディーエイチシー、資生堂、 JT(日本たばこ産業)、 宝ホールディングス、 コーセーコスメポート、 キリンホールディングス、 サントリーホールディングス、 ミルボン フィールドパーソン |
サッポロビール YKKグループ、資生堂、 ミルボン、大塚商会、 コーセーコスメポート、 JT(日本たばこ産業) |
内定獲得の秘訣は?
大学3年生の3月、ちょうど解禁と同時に就活を始めたというAさん。
周りを見渡せば、すでにインターンなどに参加している学生も多く、「まず何をしよう……?」と考えている間にも、ESの締め切りがすぐ間近に迫ってくるような状況でとても焦ったそうです。
そんな彼女が日系大手企業の内定を勝ち取った秘訣は、以下の2点にまとめられます。
・自分も企業も、徹底して分析する
・反省ノートと質問対策ノートを作る
自分も企業も、徹底して分析する
【自己分析編】
飲食店で接客のバイトをしていた、というだけあって、お客さまに商品を勧めて盛り上がっている場面が想像できてしまうほど、明るくフレンドリーなAさん。
そんな彼女が就活全体を通して意識していたことは、「ESや面接、全てを通して一貫した明るい人物像が浮かび上がるようにする」ということでした。
どの程度の一貫性を意識していたのか、と聞いてみると、「自己PRから学生時代に頑張ったこと、志望動機まで全てのエピソードが一本につながるように考えて用意した」と話してくれたAさん。なんと、自己分析では生まれたところまでさかのぼって何が今の自分を作り上げたのかを考えた、というのだから驚きです。
その徹底した自己分析は、実際に面接でも役立っており、Aさんが自分の強みや考え方について「なぜこの能力が身についたのか」「なぜこの考えに至ったのか」と、そのきっかけになる出来事まで自分で深掘りをしていたところ、面接で同じように質問され、問題なく話すことができたそうです。
また、徹底した自己分析によって自分の人柄や考え方を深く理解したAさんは、「自分の素で勝負をして、合う会社に行こう」という気持ちで就活に臨むようになったとのこと。
企業の欲しい人材を演じるのではなく、素の自分の良いところを最大限に出すことに専念したことで、矛盾なく話すことや自然体でいること、常に笑顔で明るく話す、ということが無理なくできるようになっていったのかもしれません。
営業向きの、ハキハキと明るい性格という、ある意味普遍的で誰もが面接では意識していそうなポイントがAさんの強みだったからこそ、1段階上を目指し個々のエピソードや面接での話し方だけでなく、全ての要素を通して明るいという強みを際立たせるところまで徹底して行うことができたのでしょう。
【企業分析編】
Aさんが徹底して分析したのは自分についてだけではありません。
インターネットや先輩から入手した情報をもとに、「商品知識が必要」「売り上げ戦略に関する質問がされる」「最近の流行について聞かれる」といった企業に対しては、徹底した事前準備を行っていました。
実際に、Aさんの受けていた企業では、以下のような質問がされています。
<資生堂>
・好きなブランドはあるか(化粧品や服など何でも自由に)
・好きなブランドを複数候補から1つ選び、ドラッグストアにそのブランドの商品を置いてもらうための販売戦略をプレゼン
・自分のバイト先の好きな商品について、営業してみて
など
<JT(日本たばこ産業)>
・官庁などに営業に行った時に、タバコを押すためにはどういうふうに話すか
・実際にお店に営業に行った時に、タバコ嫌いな店主だったらどうするか
など
それぞれ業界が違うため、ネットの記事やInstagramなどを駆使してその企業の商品の強みや特性、親しまれている年代といった企業分析を行っていたとのこと。
特に日常生活でなじみも深かった化粧品については、自分でドラッグストアなどを普段から見て回り、お気に入りの商品を探したり、実際に新商品を試してみたりするなどしていたそうです。
そのため、面接では自分の実体験に基づいたプレゼンをその場で考えて行うことができ、社員から「その戦略だったら、私もGOサインを出すと思う」とまで言われています。
また、上述のように、メーカーの営業を行う職種の面接では、実際の業務を想定したプレゼンなどを求められることが多く、Aさんは自分が実際に営業をしている場面が想像できるように、以下のことに気をつけていたようです。
・できる限り即答する
・相手の好みやニーズについて先に質問し、それを踏まえた上で話す
・営業らしく、抑揚など意識して引き込むような話し方をする
など
とはいえ、3月に始めて練習などなく、実際の面接を乗り越えながら成長していくスタイルだったこともあり、最初は失敗も多かったそうです。
予想を超えて深掘りされたり、緊張で相手の質問の意図を取り違えたりしてしまうなど、動揺する場面では笑顔で話すことができず、慣れるまでは苦労したと言います。
そんなAさんの急成長を助け、どんな質問も即答し、動揺しても笑顔で話せるほどの自信をつけることができた裏側には、2冊のノートがありました。
反省ノートと質問対策ノートを作る
Aさんは上述のように、就活を始めた当初は何も分からずに挑んでいたこともあって、面接で答えに詰まってしまうなど失敗も多かったとのこと。
当時を振り返ってもらうと、やってよかったこととして「選考を1回1回振り返り、反省ノートを作っていたこと」が挙がりました。
具体的には、以下のような内容をまとめていたそうです。
・選考内で社員にもらったフィードバック
・実際に失敗したエピソード(緊張から相手の質問の意味を取り違えてしまった、など)
・通過できなかった選考や手応えのなかった選考について、自分で分析して考えた反省点
など
この中でも特に注目したのは、3つ目の自分で分析した反省点のまとめです。
周りに言われた点について反省し改善するというのは誰しも行うと思いますが、毎回の選考を振り返って分析する学生はあまり多くないのではないでしょうか。
実際に、Aさんは以下のような反省をしています。
・通過できなかったグループディスカッションについて
∟盛り上がってしまい、敬語で話さなかったことがよくなかったのではないか
→次回から必ず敬語で話すようにする
・面接官の反応がよくなかった志望動機
∟企業理念など企業のホームページを見れば分かる情報だけを話していたのがよくなかったのではないか
→人から聞いた話や情報を自分なりの言葉に落とし込むことが重要と考え、OB訪問など積極的に行って情報を集めた上で、そのまま述べず、自分の考えに落とし込むことを意識した
・予想外の深掘りに言葉が詰まってしまった
∟自己分析や企業分析をするだけでなく、質問を想定しておくことが重要なのではないか
→質問対策ノートを作るようにした
こうして反省・改善を続けていく中で、Aさんは自己分析や企業分析だけでなく、質問をできうる限り想定しておくことの重要性に気付きます。
そこで作るようになったのが、もう1つの内定の秘訣である「質問対策ノート」です。
先輩に聞いた話やネット上の情報を基に、選考前に考えられる質問を少なくとも10個程度用意していたとのこと。
ここでポイントなのは、情報を基に想定するだけでなく、自分で用意した志望動機や学生時代に頑張ったことに対して、自分であらためて深掘りをしてみることで質問を予想する、ということです。
特に、学生時代に頑張ったことなどは、自分で深掘りして想定した質問が用意した企業で問われなくても他社の選考で聞かれた時にそのまま答えることができるため、毎選考で質問対策をすることで答えのストックも増えていった、とのこと。
Aさんは、本命である資生堂やJT(日本たばこ産業)や飲料メーカー等の選考に挑む前に他社の選考で練習を重ね、その分だけ反省や質問対策を蓄積しています。
そのおかげで、就活終盤の本命企業の選考では、間を空けずにほとんどの質問に自信を持って笑顔で答えられるようになったそうです。
しかし、いくら反省をまとめていても、緊張して行動に移すことができなければ選考は通過できません。
営業職を中心に受けていたAさんが心がけていた点として上述のように「とにかく明るく、営業らしく話す」ことがあるそうですが、「やっぱり何回も面接をこなすうちに慣れていくので、練習のためにも多くの企業を受けた方がいい」と話していました。
多くの選考を重ねて慣れること、そして反省をしっかり形として残して無駄なく次の選考に生かしていくこと、その両方を行うことが重要といえるでしょう。
就活スケジュール
大学3、4年(3〜6月)
月 | 選考 | 対策/活動 |
3 |
【本選考】 ファンケル、花王、 オルビス、ミルボン、 伊藤園、アサヒ飲料、 サッポロビール、 ディーエイチシー、 JT(日本たばこ産業)、 コーセーコスメポート、 サントリーホールディングス |
・自己分析 ・面接対策 |
4 |
【本選考】 資生堂、アサヒビール、 ファンケル、ミルボン、 大塚商会、YKKグループ、 コーセーコスメポート、 宝ホールディングス、 キリンホールディングス |
・OB/OG訪問 ・面接対策 |
5 |
【本選考】 資生堂、大塚商会、 ミルボン、YKKグループ、 サッポロビール、 コーセーコスメポート |
・OB/OG訪問 ・面接対策 |
6 |
【本選考】 資生堂、アサヒ飲料、 アサヒビール、 YKKグループ、 サッポロビール、 JT(日本たばこ産業)、 キリンホールディングス |
・面接対策 |
※インターン:実施した月/本選考:選考が行われた月
▼メーカー業界に関する就活記事はこちら。
・【業界研究:化粧品メーカー】女社会を強かに生きる、化粧品メーカー5社(資生堂、花王、コーセー、LVMHグループ、日本ロレアル)の強み・違いを徹底比較
・【業界研究:消費財メーカー】海外展開を加速させる、日系消費財メーカー4社(花王、ユニ・チャーム、ライオン、小林製薬)職種・事業・年収の違いを徹底比較
・【業界研究:食品メーカー】日本の「食」を担う食品メーカー5社(明治・味の素・日清食品・キッコーマン・ヤクルト)の特徴や年収の違いを徹底比較
・【業界研究:飲料メーカー】業界再編の動きが激しい飲料業界を率いる4社(サントリー・キリン・アサヒ・サッポロ)の特徴、違いを徹底比較!
おすすめのトップ就活レポートはこちら。