「自己分析」。
就職活動を経験した学生で、この言葉を知らない方はいないでしょう。
自己分析とは、過去の経験やエピソードから、自分の価値観やモチベーションの源泉を言語化していくプロセスです。
自己PRから各企業の志望動機まで。応用できる範囲が広いこともあり、就活は業界分析と自己分析から始める、というのが一般的になっています。
しかし、「本当に」それは正しいのでしょうか?
僕自身、就職活動中は自己分析に対して懐疑的だった人間の1人です。
取ってつけたようなエピソード、志望企業に合わせたキャラ作り──いろいろなツールに手を出して迷走する人、分析がうまくいかずに自信をなくしてしまう人も数多く見てきました。自己分析が人を不幸にしているのではないかと考えたこともあります。
就活、いや社会が変わる今、自己分析の「意義」を問い直すときがやってきた
そんな問題意識も就活が終わるとともに、忘れてしまっていたのですが、ワンキャリアで取材を進める中で、自己分析について、賛成も反対もさまざまな意見があることが分かってきました。
「過去を振り返っても仕方がない。社会人に話を聞き、未来を見てキャリアを考えた方がいい。変化の激しい時代、20年程度の人生を振り返って、キャリアを考えるのはリスクだ」
こう言う人もいれば、
「先の予測が難しいのだからこそ、自分の意志が重要になる。自分の価値観の源泉を探る自己分析がこれまで以上に必要になっている」
このような意見の人もいます。しかし、そのどちらにも共通しているのは、「変化の激しい時代だから」という前置き。寿命が延び、人生設計そのものが変わるといわれる、いわゆる「人生100年時代」に差し掛かりつつある今、単なる「就活のため」という枠を超え、自己分析の意義が変わってきていることは間違いないでしょう。
ワンキャリア編集部、8月の特集テーマは「人生100年時代、『自己分析』は本当に必要か」。就職活動が変わる今、そして社会が変わる中でアップデートされる自己分析の意義、そして最新のトレンドも含め、自己分析のあるべき姿とその未来を占います。お楽しみに。
【8月28日(水)公開】 「この10年で激的に変わった」 『絶対内定』著者が語る、自己分析に起きた変化とその理由
そもそも「就活には自己分析が必要」という考えが生まれたのは、いつからかご存じですか?
それは今から20年以上前の1994年。今や就活対策本として有名になった「絶対内定」シリーズの初版で、その考え方に触れられたのが最初だと言われています。今回は絶対内定の著者である我究館館長の熊谷氏にインタビュー。長い歴史を持つ自己分析ですが、「時代とともにその意味は変わってきた」と言います。その理由とは?
【8月29日(木)公開】 ⾃⼰分析など不要、学⽣はもっと戦略的にキャリアを考えよ──気鋭の⼤学教授が唱える「新・就活論」
組織・新卒採用分析を専門とし、大学でもキャリアに関する講義を行っている、法政大学の田中研之輔教授。彼が研究しているプロティアン・キャリア理論の考え方に基づくと、「多くの学生が行っている自己分析は不要」なのだそう。それは一体、なぜなのでしょうか。
【8月30日(金)公開】「ストレングスファインダー」は自己分析の扉を開けるカギ──適職診断に使ってはいけない理由とは?
就活生が自己分析に使うツールも進化し続けています。その1つが、米ギャラップ社が開発した診断ツール「ストレングスファインダー」です。しかし、彼らの使い方は必ずしも正しいとは言えないのが現状です。
就活生コミュニティを運営している元オリエンタルランド人事の安藤さん、そして、ストレングスファインダーと若手のキャリアにおける専門家である楠さんに、このツールの落とし穴と正しい使い方について聞きました。社会人の方も必読です。
(Photo:Vlue/Shutterstock.com)
【特集:人生100年時代、『自己分析』は本当に必要か】
<我究館 熊谷智宏氏>
・「この10年で劇的に変わった」『絶対内定』著者が語る、自己分析に起きた変化とその理由
<法政大学 田中研之輔氏>
・自己分析など不要、学生はもっと戦略的にキャリアを考えよ──気鋭の大学教授が唱える「新・就活論」
<「就活ブランディングポート」代表 安藤奏氏>
・「ストレングスファインダー」は自己分析の扉を開けるカギ──適職診断に使ってはいけない理由とは?
<前田裕二×箕輪厚介×熊谷智宏 対談>
・自己分析でライバルと差をつける、最強の思考法