鉄鋼ビジネスの戦略立案から実行部分を担い、金属ビジネス特化の専門商社として存在感を高める住友商事グローバルメタルズ。取引の80%が海外向け、国内外に100カ所以上の事業拠点があるという、グローバルなビジネス環境が広がっています。
住友商事の100%子会社である同社は、未来を見据えて脱炭素/カーボンニュートラルなどの領域で事業を展開し、社会課題の解決を目指します。
今回は、そんな住友商事グローバルメタルズで執行役員を務める坪田修二さんに、同社での働き方や魅力について聞きました。
グローバル展開を見据えた知識や経営マネジメント力が求められる
──まずは住友商事グローバルメタルズがこれまで積み重ねてこられた歴史について教えてください。
坪田:当社は、住友商事の主力事業である金属事業と、野村貿易株式会社および旧ニチメン株式会社(現双日株式会社)の金属事業が独立し、合併して誕生した企業です。住友商事グループの鉄鋼グループに関する中核企業として、鉄を基軸に多様な産業でグローバルビジネスを展開しております。
──坪田さんのこれまでのご経歴についても教えてください。
坪田:私は1993年に旧ニチメンに入社し、2003年に住商スチールに合流した形です。その後、国内外で自動車鋼板ビジネスを担当し、2009年からチェコのスチールサービスセンターに駐在して営業から社長までを経験しました。
2014年からは東南アジアを中心に自動車ビジネスを担当し、2021年4月からは戦略的に組織を変更しました。インド、パキスタン、中東、トルコなどの地域の自動車および家電、電気、OA関係、それから建材トレードといったビジネスラインの営業部長をさせていただきました。2024年4月からは、コーポレート部門の担当役員補佐を拝命しており、コーポレート部門の戦略実行と、全社の戦略議論を活発化させるためのポートフォリオの整理、今後に向けたリソース配分の議論などを進めております。
──かなり濃密なキャリアですが、坪田さんのご経験を踏まえて、貴社のキャリア形成にはどのような魅力があるのでしょうか?
坪田:鉄鋼専門商社ということで、鉄鋼メーカーから鉄を購入して顧客に販売するという基本的な事業の流れに携われて、商いの基本を学べることが挙げられます。また、単なる売り子としてのキャリアがゴールではなく、グローバルでの活躍を見据えた知識、実務力、コミュニケーション力、それから経営マネジメント力を培っていけると考えています。
住友商事グローバルメタルズの「3つの強み」
──貴社の強みを教えてください。
坪田:大きく3つあると考えています。1つ目は、全世界に展開しているスチールサービスセンターのネットワークです。このスチールサービスセンターを起点に、大手自動車メーカーや大手家電メーカーなど、多種多様なお客様に鉄を届けるというネットワークを構築できています。
2つ目は、国内外グローバルに展開している「鉄道資機材ビジネス」です。具体的にはレールや枕木、分岐器、レールと枕木をつなぐ締結装置、タイプレートや車輪、車軸といったものになるのですが、これら商材の販売において比較優位性があり、実際にシェアも高いです。もちろんここは国内だけではなく、北米でもレールビジネスとして競争力を持っていますし、北米以外の新興国でも今後ニーズが高まっていくと考えています。
そして3つ目は、インドでナンバーワンの特殊鋼製造事業への投資です。今後も経済成長が見込まれるインドにおいて鉄鋼製造事業に参画したことで、われわれが住友商事の金属事業部門として培ってきた特殊鋼の知見などを含め、インドの財閥からもしっかりと信頼を構築できています。
──将来的に期待しているビジネスとしては、どういったものがありますか?
坪田:脱炭素/カーボンニュートラルの分野に今後チャンスがあると考えています。一例として2024年8月に、着床式洋上風力のモノパイルという基礎構造製造物を製造する欧州の大手企業に出資・参画することを発表しました。
今後、欧州の洋上風力の需要を満たすことに貢献できると考えています。
このようなお客様の課題と各国の社会課題を解決していくという観点で、当社はその一端を担えると考えております。また社会課題を解決する先駆者になって、お客様とのビジネスパートナー・ナンバーワンになってまいります。
──親会社である住友商事との違いや関係性についても教えてください。
坪田:われわれは多種多様な業界におけるエンドユーザーと直接関わるビジネスをしており、住友商事のソリューションを提案する際の「ラストワンマイル」の立ち位置にいると捉えています。そういう意味では、住友商事と一緒になって新しいビジネスを作る「ビジネスオーガナイザー」ともいえるでしょう。
成長意欲にあふれた方にエントリーしてほしい
──ここまでのお話を踏まえて、貴社を志望する学生にはどんなことを期待しますか?
坪田:まず「いろいろなことに興味を持つ」こと、そして自分自身の能力を高めて「一流プレーヤー」になることを期待したいですね。
当社には、魅力ある社員たちがいると自負しておりますので、そういう先輩方から能力を盗んで勉強していただき、一流になって、いずれは後輩に背中を見せる存在になってほしいと考えています。これにより、当社は若手の方や意欲のある方がよりチャレンジできる場になっていくでしょう。
──坪田さんはこれまで、お仕事に取り組むにあたってどんなことを大事にしていましたか?
坪田:当然ながら、お客様との信頼関係ですね。これが一番重要じゃないかなと思います。あとはお客様だけではなく、社内の従業員の方と向き合う。われわれはみんな仲間と思っていますから、そういう部分を私は一番大切にしているかなと思います。
──社員にはどんな方が多いのか、ぜひ教えていただきたいです。
坪田:体育会系ではなく、どちらかというと頭が切れる精鋭集団ですかね。クールヘッドでウォームハートということで、非常に頭が切れて議論が前へ進むが、かといって白けているわけではなく、情熱を持って仕事に取り組んでいるメンバーが多いと感じます。私自身、日々積極的に皆さんと会話をしながら、業務の進め方などいろいろな相談を受けるようにしています。
──最後に、就活中の学生にメッセージをお願いします。
坪田:当社は鉄鋼商材を基本としながら、多種多様な業界/ビジネスにサプライチェーンを構築していて、活躍できる「場」があります。就活生の皆さんが描いているキャリアなどをかなえる環境が整っていますので、ぜひ成長への意欲があふれた方に、当社を志望していただきたいです。
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住友商事グローバルメタルズ
【執筆:長岡武司/編集:山田雄一朗】