物流システムや自動倉庫などのマテリアルハンドリング(以下、マテハン)(※)分野で世界トップクラスのシェアを誇るダイフク。物流センターや自動車工場、半導体工場、空港など、幅広い分野で保管、搬送、仕分け・ピッキング、情報システムを組み合わせたソリューションを提供しています。
同社の強みは、システムを構成する機械・ソフトウエアを自社開発し、コンサルティングから保守まで一貫して提供する体制を構築していること。グローバルにも積極的に事業を展開し、グループ全体の海外売上高比率は67%に達しています。R&Dにも注力する同社では、年間112億円の研究開発費を投下。4,000件以上の特許を保有しています。
今回は2019年に新卒入社し、現在はソフトウエア開発に携わる倉本那央氏をインタビュー。大学で機械設計を学んでいた倉本氏が、なぜダイフクを選び、ソフトウエアエンジニアとしてのキャリアを歩むことになったのか。大規模な機械制御システムの開発というメーカーならではの仕事の醍醐味(だいごみ)や、ダイフクで働く魅力について詳しく話を伺いました。ダイフクの未来を支えるエンジニアの声から、世界でマテハンを牽引(けんいん)する企業の実像に迫ります。
(※)……物流業務などを自動化・省人化・効率化するために必要な機械や管理システムなどのソリューション全般。以下の図の配送センターの場合、保管から搬送、仕分け・ピッキングまでの工程をマテハンがつかさどる。
<目次>
●圧倒的なスケールのマテハンに魅了された
●手厚い教育体制と、柔軟な人材配置
●巨大自動倉庫を、現場で確認しながら動かせる
●助け合いの文化が根付くダイフクで、物流・製造に変革を
圧倒的なスケールのマテハンに魅了された
──学生時代はどんな勉強をされていたんですか?
倉本:大学では機械情報工学科で機械と情報について学んでいました。基本的には3Dプリンターなどハードウエアの設計がメインで、7〜8割は機械設計の勉強でしたね。当時はITやソフトウエアの仕事に就くとは想像もしていませんでした。
倉本 那央(くらもと なお)
ダイフクに2019年新卒入社。大学では機械情報工学科で機械設計をメインに学ぶ。入社後は自動倉庫の在庫管理システム(AWC)の開発に一貫して携わる。現在はイントラロジスティクス事業部生産本部 ソフトウエア部 システム2グループSF3課に所属し、システムの設計、開発、テスト、現地納入まで幅広く担当。大規模な機械制御システムの開発という、メーカーならではの醍醐味を日々体感。標準品の開発や新機能の実装、バージョンアップ作業なども手がけ、ハードとソフトの両面を理解した上で、現場で直接成果を確認できる仕事に従事している。
──就職活動では、どんな軸で会社を探していたのですか? その中で、何が決め手でダイフクに入社したのかも教えてください。
倉本:モノづくりが好きだったので就活ではメーカーを中心に企業を探していました。ダイフクに出会ったのは合同説明会がきっかけです。パソコンやテレビなど一般消費者向けの製品をつくるメーカーも見ていたのですが、いまいちピンとくる会社がなくて。その中で、ダイフクに出会い、扱っている製品のスケールの大きさに一目ぼれして、入社を決めました。
今だから言えるのですが、実はダイフクに魅力を感じたというより「マテハンシステム」に衝撃を受けたのが、一番の入社理由です。自動倉庫の中で、モノが流れているのを眺めているだけで楽しかったんです。理屈抜きに見ているだけでワクワクしましたね。
ダイフクの競合も受けたのですが、ダイフクはシェアも世界トップクラスですし、選考の過程で出会う社員の人柄も魅力的だったので入社を決めました。
※出典:ダイフク「物流ソリューション」
手厚い教育体制と、柔軟な人材配置
──機械情報工学科で機械を専攻していて、ソフトウエアに関しては入社後に学んだと思うのですが、どのような育成や教育体制があったのでしょう。
倉本:入社時はプログラミングについてよく分かっていませんでした。しかし配属後3〜5カ月くらいで、プログラミング言語やデータベースなど一般的なIT知識について、課題を解きながら学べたので知識不足は研修で補えました。
当社はパッケージとしてマテハンソリューションをお客さま向けにそのまま販売することもあれば、お客さまごとにカスタマイズして提案することもあるので、標準品の知識はとても重要です。製品知識を深めるために、資料や動画などの教材も豊富に用意されています。
また、研修と並行したOJTで先輩と仕事を進めながら、業務に必要なスキルを身に付けられました。
──配属の希望は出せるのでしょうか?
倉本:もちろんです。選考中・内定期間中・入社後の研修期間中など、複数回に渡って配属希望の事業部・職種を伝える機会があります。私の場合は少し特殊で、就活中は機械設計職を志望していたのですが、研修を受けていく中で希望が変わっていきました。最終的にはソフトウエア設計職を志望し、今に至ります。現在、当社では総合職のほかに「職種優先コース」というソフトウエア設計職に初期配属職種が確約されている選考ルートもあります。ソフトウエアエンジニアを目指したい学生さんにはぜひ検討をいただきたいですね。
またグローバルで事業を展開しているので、希望を出せば海外で活躍するチャンスもあります。私の同期も入社後から「海外に行きたい」と希望を出して、今はアメリカに駐在しています。部署によっては海外に出張する機会もあり、入社2・3年目の若手から海外出張をして活躍している社員も多くいますよ。
巨大自動倉庫を、現場で確認しながら動かせる
──所属するソフトウエア部ではどんな役割を担っているのでしょうか?
倉本:例えば、1日で数千個もの物量がある物流倉庫などでは、製品や資材などの入荷から出庫までの流れや状況を人がExcelで管理するのは無理があります。一般的にはシステムで管理されており、そのシステムはWarehouse Management System(WMS)や、Warehouse Control System(WCS)と呼ばれます。そういったシステムを自社で開発するのがソフトウエア部の仕事です。その中で私はソフトウエアを設計・開発・テストして現場に納入する仕事をしています。
業務範囲は幅広く、お客さまが既に使っているシステムとの連携も考慮した新規開発はもちろん、保守・改修まで対応しています。
一言で保守といってもその仕事は、多岐にわたります。例えば、過去に納入したシステムを要望にそってリニューアルしたり、システムのOSがサポート期限切れになったり、部品が流通していない場合などに、OSやパソコンを入れ替えたり、後継のシステムを入れたりします。ただ、リニューアルの専門部隊がいるので、専門外の業務については任せることもできるので心強いですね。
──どんなお客さまが多いのでしょう。
倉本:会社としては、やはり物流や製造業のお客さまが多いですね。その中で、私の部署では中小規模の製造業のお客さまをメインに担当しています。
物流のお客さまの場合、基本的に自動倉庫が大規模になりがちです。例えば、数十列と連なる棚から物をロボットでピッキングして、出荷方面に合わせてコンベアで流すなど、さまざまな機械が組み合わさった大掛かりなものです。
一方、私たちの部署が担当する製造業のお客さまは、クレーンの列が両手で数えられるくらいの小規模なものがメイン。例えば、数列の棚からモノを出し入れするだけのシンプルな運用の自動倉庫のシステムを担当することが多いです。私の部署では日本国内のお客さまを担当することが多く、納入やサポートのために、北は青森から南は九州まで全国各地を飛び回っています。
──ダイフクでソフトウエアを開発する魅力はどこにあると思いますか?
倉本:スケールの大きなモノを制御したり、機能を実装したりできること。そして、自分の仕事の成果が目に見えて分かりやすいことですね。大きなモノを動かせる感動は、他ではなかなか味わえないと思います。実際、大規模なハードをソフトで動かす仕事は、いわゆるビックテック企業でもそうそう経験できないと思います。
私たちはハードを動かす仕事をしているので、お客さま先の工場や倉庫まで出向いてソフトがインストールされたパソコンを現地に導入し、動作確認まで行います。コンシューマー向けのITサービスを提供する会社から当社に転職してきた方も多く、手がけたシステムがどう世の中に影響を与えているのか実感したい人には最適な環境だと思います。
もちろん、設計やプログラミングにもやりがいを感じます。自分でどうやってこれを実現しようか考えてカタチにするプロセスが楽しいですし、現場で実際にモノが動いたところを見た瞬間がうれしいですね。仕様やシステムをどう実現すればいいか、どうすれば一番安全に簡単にできるか、論理的に考えて実行することにやりがいを感じます。
──印象に残っているプロジェクトについても教えてください。
倉本:最近担当した、ある企業の大きめのプロジェクトが印象に残っていますね。当時、私はメイン担当として設計や人員配置計画などのプロジェクトマネジメントを行いながら、自分でも率先してプログラミングをしていました。幸い当社には要件定義を専門とする部署があるので、私たちは詳細設計・基本設計からにはなるのですが、それでも限られたリソースで納期に間に合わせるために必死でした。
納期に遅れるとお客さまの製造ラインが止まってしまうので、かつてないプレッシャーでしたね。最終的には、いろんなチームからリソースをかき集めてなんとか納期に間に合わせられました。あの時の達成感は忘れられません。おかげで一皮も二皮も成長できたと思います。
助け合いの文化が根付くダイフクで、物流・製造に変革を
──ダイフクの人や社風の魅力についてはどうでしょう。
倉本:職場の雰囲気を一言でいうと、「気さく」な感じです。多少トラブルがあっても決して下を向くことなく、周囲と協力しながら乗り越えるカルチャーだと思います。部下を気にかけている先輩も多く、何かあれば助けてくれます。関西に本社があるのでボケやツッコミの文化があるのも特徴です(笑)。一体感を感じて仕事をしたい方には最高の環境ではないでしょうか。
──貴社に向いている人の特徴について教えてください。
倉本:やはり大規模なシステムやハードに興味がある人ですね。大きなモノをつくるには会社のパワーが必要なのですが、それを備えるダイフクのような会社は限られています。「大規模なマテハンシステム」に興味がある人にとって、当社はいい選択肢だと思います。あと、柔らかい雰囲気の人が多いので、フラットな組織で働きたい方にも向いていると思います。
また技術があればもちろん生かせますが、新卒で入社した時点ではスキルはそこまで重要ではありません。あとからスキルは身に付けることができるので、どちらかといえば人間性の方が大切ですよね。楽しく責任を持って仕事に取り組める人、仲間やお客さまのためを思って仕事ができる人は活躍できると思います。
──最後に、就活生の皆さんにメッセージをお願いします。
倉本:今は人手不足の企業さまが多いので、省人化を支援できる点において当社のソリューションは社会的な意義が大きいと思います。当社でなら、これまで培ったマテハンのノウハウを生かして、高効率な物流ソリューションを提供し、世の中に大きなインパクトを与えられます。
しかも、業界の中で当社ほど大規模なマテハンを扱っている会社はなかなかありません。大きなモノを制御・管理したい人にとって、ダイフクは最高の環境だと思います。グローバルに事業を展開しているので、世界で活躍したい方にもチャンスがあるかもしれません。全国に拠点があるので、導入後に何かあったときにも迅速かつ手厚く保守できるのも当社の魅力です。
希望を考慮したキャリアパスを描けるので、さまざまな志向の方が「なりたい自分」を目指せるでしょう。私個人としては、将来はより大規模なプロジェクトに挑戦したいですね。10年、20年後のことはまだ想像もつきませんが、数年先の未来でいえば、まだまだプレイヤーとして活躍したい気持ちはあります。少しでも興味を持った方は、ぜひ私たちと頑張りましょう。
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