1. 東京大学Aさん(文系/男性)
内定先
米系投資銀行 投資銀行部門
2. 東京大学Bさん(文系/男性)
内定先
米系投資銀行 投資銀行部門
3. 慶應義塾大学Cさん(文系/女性)
内定先
米系投資銀行 証券部門
名だたる外資系の超人気企業。その内定者は、どのような1年を過ごし、どのようにして内定を獲得したのでしょうか?
今回、ワンキャリ編集部では3人の2020年卒の外銀内定者にインタビューを行い、彼らの就活スタイルを徹底調査しました。
彼らの内定の秘訣(ひけつ)や就活スケジュールを余すことなくお届けします!
<目次>
●就活スケジュール
●内定獲得の秘訣
●受けた企業一覧
●年内内定を獲得するために必要なこと
就活スケジュール
月 | Aさん | Bさん | Cさん |
3年6月 (M1) |
|
【インターン】 米系投資銀行C、米系投資銀行F 戦略コンサルB、戦略コンサルC ディー・エヌ・エー(DeNA) |
【インターン】 PwCあらた有限責任監査法人 KPMGコンサルティング 欧州系投資銀行 米系投資銀行A 米系投資銀行B、三井住友銀行 |
3年7月 (M1) |
【インターン】 ユー・エス・ジェイ 米系投資銀行A 欧州系投資銀行 |
【インターン】 米系投資銀行A、米系投資銀行C 米系投資銀行F、欧州系投資銀行 戦略コンサルA、戦略コンサルC |
【インターン】 米系投資銀行B 三井住友銀行 三菱UFJ信託銀行 |
3年8月 (M1) |
【インターン】 米系投資銀行B |
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3年9月 (M1) |
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3年10月 (M1) |
【インターン】 米系投資銀行B 【本選考】 米系投資銀行A |
【本選考】 米系投資銀行A |
【本選考】 米系投資銀行A |
3年11月 (M1) |
【本選考】 米系投資銀行B 米系投資銀行C 米系投資銀行D 米系投資銀行E 欧州系投資銀行 |
【本選考】 米系投資銀行B、米系投資銀行D |
【本選考】 米系投資銀行A |
3年12月 (M1) |
【本選考】 米系投資銀行B 米系投資銀行C 米系投資銀行D 米系投資銀行E |
【本選考】 米系投資銀行B |
【本選考】 米系投資銀行A |
3年1月 (M1) |
【本選考】 米系投資銀行B |
【本選考】 米系投資銀行A |
|
3年2月 (M1) |
【本選考】 米系投資銀行A |
※2020年卒の就活スケジュールです
3人のインタビューから浮かび上がった「内定獲得の秘訣」は3つ
内定者3人のインタビューから浮かび上がってきたのは、彼らは以下の3点を意識していたということです。
・外銀特有の面接対策
・各企業の社風に合わせてキャラを作る
・企業側が求める資質を意識する
ここからは、3つのポイントそれぞれの詳しい対策内容をご紹介します。
外銀特有の面接対策
米系投資銀行の投資銀行部門の内定を獲得した、東京大学のAさんとBさんは、面接において【基本的な対策】【外銀特有の対策】それぞれの中でも、以下の点を意識していました。
【基本的な対策】
・面接前:面接での受け答えを見越したエントリーシート(ES)を作成する
・面接中:自分が持っている知識を過度にアピールしたり、知ったかぶりをしたりしない
・面接後:面接後の振り返りを毎回行う
・面接前:面接での受け答えを見越したエントリーシート(ES)を作成する
Bさんは「面接のことを考えて、ESでは具体的な内容をわざと細かく書かなかった」と話します。
ESにおける「学生時代に力を入れたこと」の設問では、Bさんは外銀の投資銀行部門(IBD)に求められる素質を「タフさ、チームで動ける力、頭の良さ」と仮定し、それぞれに当てはまる自分の過去の経験を一文ほどにまとめ、わざと具体的な内容を書かなかったそうです。
そうすることで「面接官の質問を予測でき、スムーズに答えられた」とBさんは話します。
・面接中:自分が持っている知識を過度にアピールしたり、知ったかぶりをしたりしない
面接中については、AさんとBさんの2人とも「自分の持っている知識をアピールし過ぎない」という点に気をつけていました。
「過度にアピールしたり、知ったかぶりをしたりすると、面接官からそのことについて、深く質問されて答えられなかった場合、逆に悪い印象を与えてしまう」とBさんは話します。
「好印象を持たれたい」「ライバルと差別化したい」など、自分の知識を話したくなる瞬間はあると思いますが、ときにはグッと堪えるのも大切です。特にインターン選考の場合は、知識や資格を持っていても「これから勉強させてください」という謙虚な姿勢で面接に臨むのがいいでしょう。
・面接後:面接後の振り返りを毎回行う
面接が終わってもまだ終わりではありません。Bさんは「面接本番の内容を毎回録音して、面接後に必ず反省をしていた」といいます。
「録音内容を聞き直すことで『この話は面接官のウケが良かった(悪かった)』ということが客観的に分かり、次の面接で話す内容を考え直すことができた」とBさんは話します。
Aさんも面接で聞かれた質問は全てメモに残し、次の面接で同じようなことが聞かれたときに、より論理的に答えられるよう整理したそうです。
面接も回数を重ねれば自然とブラッシュアップされていくと思いますが、特に、面接に慣れていない今の時期は、2人のように面接の振り返りをするのがいいでしょう。
以上の内容は、外銀に限らず、どの業界でも共通していえることなので、ぜひ他の業界、企業の面接においても、ぜひ参考にしてみてください。
次に【外銀特有の対策】です。
【外銀特有の対策】
面接前:英語面接がある場合は、英語と日本語両方のスクリプトを作成する
面接前:経済ニュースや日経平均株価をこまめにチェックする
面接中:業務特性をアピールするために、面接の振る舞いを意識する
・面接前:英語面接がある場合は、英語と日本語両方のスクリプトを作成する
面接前に心がけていたこととして、Bさんは「英語と日本語両方で、想定問答集を毎回必ず作成した」と話しています。
ワンキャリアの体験談などを参考にしつつ、実際にあった過去の質問や基本的な質問をリストアップし、それぞれに英語と日本語両方で回答を準備しておくといいでしょう。
・面接前:経済ニュースや日経平均株価をこまめにチェックする
面接で「日経平均株価を見て、来年の景気についてどう思う?」と質問をされたことがあったAさん。インタビューでは「事前に必ず調べておくべきだ」と語りました。
併せて、経済に関するニュースもこまめに確認することをお勧めします。
・面接中:業務特性をアピールするために面接の振る舞いを意識する
Bさんは面接において、ガチガチにならないよう、なるべくフランクに話すことを意識していたそうです。
「入社後は自分より圧倒的に年次の高い人と仕事をすることが多いため、面接のたびに緊張で固まっていたら、業務適性がないと思われる可能性がある」とBさんは語ります。
もちろん、Bさんも面接の際は緊張していたそうですが、時間とともに最初に使っていた「私は〜」という主語を時間がたつにつれて「僕は〜」と意図的に変えることで、相手に場が温まったと思ってもらえるようにしていたそうです。
「面接が始まってすぐに適度なフランクさを出すのは難しい」と感じる人は、内定者のOBやOGなどに面接練習を頼み、面接での話し方に慣れましょう。
各企業の社風に合わせてキャラを作る
ここまで、さまざまな面接対策についてお話ししてきましたが、これ以外にも、社員に好印象を与えることができるポイントがあります。
外銀の選考において、頭の良さだけでなく「各企業の社風や社員のイメージに合わせる」ことが大切だとよくいわれるのはなぜでしょうか?
外銀はどこも採用人数が少ないため、地頭の良さなどの能力面は、いわば「あって当たり前」の前提条件であり、社風や社員にマッチするかが合否のポイントになりやすいのです。
また、外銀は一般的に「激務」といわれることもあり、同僚と長い時間を過ごすことになります。そのため、現在働いている社員にとっても「一緒に働く人」のキャラクターは、とても大切なポイントになるでしょう。
そのため、AさんとBさんは内定を獲得するために「各企業の社風に合わせてキャラを作る」ことを意識したそうです。
例えば、外銀各社には以下のような社風があるといわれています。
・ゴールドマン・サックス:体育会系、縦社会、チームワークを重んじる
・モルガン・スタンレー:厳格な雰囲気、真面目な社員が多い、部門が縦割り
・J.P.モルガン:スマート、社員の連帯意識が高い、新卒重視
・メリルリンチ日本証券:ガツガツした雰囲気、最も「外銀」らしい派手さ
・シティグループ:温和、生真面目
・ドイツ銀行:知的、独特の雰囲気、一芸に秀でた個性派集団
・UBSグループ:投資銀行の中で最もマイルドな社風、学者肌
・バークレイズ:若手の裁量が大きい、外銀の中で最も日系企業的な和やかさ
・クレディ・スイス証券:ガツガツした人と高貴な人のバランス
※引用:【業界研究:投資銀行】米系投資銀行4社(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、J.P.モルガン、バンクオブアメリカ・メリルリンチ(メリルリンチ日本証券))の特徴や社風を徹底比較!
実際にBさんは、ある外銀のインターンでチームのメンターと性格が合うと判断され、チームの発表で発言しなかったにもかかわらず、その後の裏選考に呼んでもらえたと話しています。
このことから、社員に気に入られ「ウチの社風に合う」と思ってもらうことも大切なポイントになり得るといえるでしょう。
企業側が「求める資質」を見抜き、意識する
ここからは、証券部門の内定を獲得した慶應義塾大学のCさんについてご紹介します。
Cさんが選考で大切にしたポイントは「企業側が求める資質を意識する」こと。特に「自分の志望職種に必要な素質を意識した」と言います。
証券部門の内定を獲得したCさんは、証券部門の中でもセールスの職種を志望していたため、本選考前のインターン中から「セールスらしい」行動を意識していたと話します。
「セールスらしさ」をアピールするために、Cさんは主に以下の点を意識していました。
・インターン選考〜インターン〜本選考を通じて、社員や他の学生の話を、目を見てうなずきながら聞く姿勢を保つ
・面接やインターンで知り合った社員に、お礼のメールを送る
・面接や面談で出会った社員の顔、名前、部署名を全て覚える
証券の仕事は「人」が大事だといわれています。競合各社でプロダクトが似ており、購買の決め手が「あの人がいるからこの会社で買おう」となるケースが多いためです(選考対策ページより)。
そのため、上に挙げたような「気配り」のある学生が好まれる傾向にあるのです。実際にそのような行動ができていた学生は、Cさん以外にほぼいなかったとのこと。
Cさんは「『セールスらしさ』という点で多くの社員から気に入られ、高く評価してもらえた」と話しています。
一方で、内定者の中には、志望していた職種とは異なる職種の本選考に呼ばれてしまった人もいたそうです。
インターンの時点で志望職種が明確に決まっている人は、Cさんのように、志望職種に必要な素質を意識しながら行動することも1つの手でしょう。
例えば、証券部門の中でもセールスの他にトレーダーとストラクチャーがあり、それぞれ求められる能力が異なります。
・セールス:「顧客と中長期的に信頼関係を築く対人能力」が商談の成否を分ける大切な要素
・トレーダー:株式市場や為替市場などの変動を読み取る嗅覚と、数的センスを用いて利益を上げることが求められる
・ストラクチャー:複雑な金融商品を取り扱うため、数的センスが必要。また、セールスに同行して顧客と取引を行うこともあるため、コミュニケーション力も必要
IBD(投資銀行部門)以外の職種に関する詳しい内容は、以下の記事を参考にしてみてください。
・IBDだけじゃない!外銀の各部門「今さら聞けない」業務内容や合格の秘訣をおさらい:マーケット、リサーチ、アセットマネジメント、オペレーション、テクノロジー
・本選考で40回を超える面接、PDCAを回し続けた
Cさんの内定先の企業は、採用方針として「チーム全員のコンセンサスで『この人を採る』と決断しないと、内定を出さない」(選考対策ページより)というものがあるそうです。そのため、Cさんは本選考で40回を超える面接を行ったそうです。
出会った社員全員に「採りたい」と思われるのは難しい話ですが、先ほど挙げた「気配り」は有効な手段です。実際にCさんは出会った社員全ての名前や部署名を覚え、メールを送ることも欠かさず行っていました。
その点に加え、Cさんは内定獲得について「『短期間で、社員からのフィードバックを全てくみ取って成長できるところ』を評価されたと思う」と語ります。
Cさんは、面接後の逆質問で毎回「私の良かったところと改善点を教えてください」と聞き、そのフィードバックを次の面接に生かすようにしていたそうです。
結果として、Cさんは社員から「学生の中で一番成長していた」と言われたそうです。
「うまくいかなかった」と思っても、そこで諦めるのではなく、次に生かそうとする姿勢が、内定に近づくカギといえるでしょう。
内定者が「あのときやっておけば良かった」と思うこと
外資系投資銀行を含む、複数の内定を獲得した3人ですが、振り返ってみると「やっておけば良かった」と思うこともあるそうです。それぞれ、以下で紹介します。
・帰国子女が多いため、英語の資格(TOEFL iBTなど)で高得点を取っておけば良かった(米系投資銀行 投資銀行内定 Aさん)
・面接対策を前日の夜にしたら、選考当日に寝坊してしまったため、スケジュールが厳しくても、もっと早くから対策しておけば良かった(米系投資銀行 投資銀行部門内定 Bさん)
・もっと外銀のインターンや説明会に参加し、外銀仲間を作って情報共有をすることで、各社の違いをつかみたかった(米系投資銀行 証券部門内定 Cさん)
受けた企業一覧
Aさん | Bさん | Cさん | |
3年夏 (M1) |
【インターン】 ユー・エス・ジェイ 米系投資銀行A 米系投資銀行B 欧州系投資銀行 |
【インターン】 米系投資銀行A、米系投資銀行C 米系投資銀行F、戦略コンサルA 戦略コンサルB、戦略コンサルC ディー・エヌ・エー(DeNA) |
【インターン】 PwCあらた有限責任監査法人 KPMGコンサルティング 米系投資銀行A 米系投資銀行B 欧州系投資銀行 三井住友銀行 三菱UFJ信託銀行 |
3年秋 (M1) |
【インターン】 米系投資銀行B 【本選考】 米系投資銀行A 米系投資銀行B 米系投資銀行C 米系投資銀行D 米系投資銀行E 欧州系投資銀行 |
【本選考】 米系投資銀行A、米系投資銀行B 米系投資銀行D |
【本選考】 米系投資銀行A |
3年冬 (M1) |
【本選考】 米系投資銀行B 米系投資銀行C 米系投資銀行D 米系投資銀行E |
【本選考】 米系投資銀行B |
【本選考】 米系投資銀行A |
※2020年卒の就活スケジュールです
年内内定を獲得するために必要なこと
現在、外資系投資銀行を志望する2022年卒の皆さんに向けて、内定者3人から「年内内定を獲得するために必要なこと」を教えていただきました。
1. 就活の選抜コミュニティへの参加(米系投資銀行 投資銀行部門内定 Aさん)
→選考対策のサポートや、各企業の情報を効率よく得られます。しかし、外コンも外銀もそれぞれに特化したコミュニティがあるため、事前に調べることが必要です。
2. 英語面接対策(米系投資銀行 投資銀行部門内定 Bさん)
→Web英会話などを利用して、普段から英会話に慣れることが大切です。
3. 業界・部門理解(米系投資銀行 証券部門内定 Cさん)
→面接などで業界や部門への志望理由を聞かれることが多いため、事前に調べておくことが重要です。
インターン選考時点では、企業より業界自体の理解をして志望理由を述べられるようにすることがベストです。
4. Webテスト対策(米系投資銀行 証券部門内定 Cさん)
→特に計数の対策は必須だと思います。
いかがでしたか?
これから本格化するインターン選考に向けて、以下の記事も併せて参考にしてみてください。
▼ 外銀:関連記事一覧
【外銀の入門記事】
・【外銀入門】15分で分かる外資系投資銀行!受ける前に知っておきたい「部門の違い」
【外資系投資銀行業界】
・【保存版】外銀志望必見!5分で分かる投資銀行業界〜部門の解説から最新のM&A動向まで〜
【夏インターン攻略法】
・外資系投資銀行(IBD)のサマーインターンに行きたいならこう動け!〜外銀志望の戦略と選考対策〜
【職種解説】
・IBD:英語のいらない外資?外銀IBD部門の実態
・マーケット:実力主義、高収入、グローバル!三拍子そろった外銀マーケット部門の内実とは?
・リサーチ:外銀の頭脳?謎多き外銀リサーチ部門の業務を解説
・アセマネ:野村アセットマネジメント、アセットマネジメントOne、大和アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメント:隠れ優良業界⁉資産運用業界(アセットマネジメント)の実態や業務とは?
また、各社の選考詳細は以下の選考対策ページからご覧ください。
モルガン・スタンレー
シティグループ
J.P.モルガン
ゴールドマン・サックス
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
各社のクチコミはこちらをご覧ください。
モルガン・スタンレー
シティグループ
J.P.モルガン
ゴールドマン・サックス
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
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