みなさんこんにちは。金融業界内定者の井口です。
私は総合商社、広告代理店をはじめ70社以上の採用試験を受けてまいりました。自分の就活を終えたころ『早慶女子「一般職」に殺到 「長く働きたい」裏の本音』という記事を見ました。(※現在この記事は公開されていません)
比較的バリキャリ志向の女性が多い早慶ですが、なかには以前の私のように、心の中で総合職と一般職のどちらを選ぶべきか悩んでいる方もいらっしゃるはず。今回は総合職・一般職どちらを選べばいいのかわからない! という方に向けて、初心者でもわかる差をお伝えしたいと思います。
総合職・一般職の基本の「キ」
そもそも、総合職と一般職の違いとは何でしょうか? 総合職とは管理職及び将来管理職となることを期待された幹部候補が行う主軸業務を担い、一方で一般職は定型的・補助的な業務を担います。具体的な業務で見ていくと、以下のような違いがあります。
【転勤の有無】
総合職は国内外へ転勤を命じられる可能性がある。一般職は基本的に転勤しない。
【昇進スピードの速さ、幅】
総合職は昇進スピードが速く、昇進の上り幅も大きい。
【業務内容、そして裁量権の大きさ】
総合職には営業活動や経営企画など大きなやりがいを感じやすいが、責任や長時間労働を必要とする業務がある。裁量権も総合職のほうが大きい。
【基本給】
総合職のほうが高いが、一部の一般職ではメーカーの総合職並の高年収になるところもある。
ここまでをまとめると、総合職であればやりがいや裁量権の大きな仕事を任せてもらいやすく、その報酬として給与アップのスピードも速いことがわかります。しかし一般職でも総合商社などでは他業種の総合職と同じレベルの給与をもらえることがあり、決して「一般職は9時5時勤務だけど低賃金」というわけではないこともわかります。
新常識1:「一般職といえば女子大出身」というイメージは誤解
かつて一般職といえば、女子大から就職するのが一般的でした。しかし2014年、2015年度のある商社の一般職(業務職)の卒業大学別内訳を見ると、意外な事実が判明します。
【総合商社A社】
内定者のうち3人に2人は早慶。残りを他大が占める。女子大は若干名。
【総合商社B社】
内定者のうち75%が早慶。残りもほぼ全員が上智、MARCH。女子大は若干名。
5大商社の例で見ると、早慶女子の一般職(業務職)における比重はかなり大きいことがわかります。このように一般職を女子大が占める時代は終わったと見ていいでしょう。東洋経済オンライン(※)には「中堅企業の総合職よりも、大手企業の一般職を選ぶ女子学生は珍しくありません。大手企業のほうが人に勤務先を言うときにかっこいいし、福利厚生も充実しているので、大手の一般職を選ぶようです」とあります。
(※)引用:東洋経済オンライン『女子就活生、「一般職なら簡単」という勘違い 人気企業の内定者は高偏差値校のみ』
新常識2:一般職は「やりがい」を持って「活躍」できる
では、昨今の高学歴女子はなぜ「一般職」を選ぶのでしょうか? 実際に5大商社の一般職を内定先として選んだ女性にお話を伺ってみました。
——内定先を全て教えていただけますか?
「5大商社の一般職以外だと、金融のエリア総合職、そして法律事務所の秘書職から内々定をいただいていました」
——商社の一般職を就職先に選ばれた理由をお聞かせください。
「一番海外と接点を持てる仕事は何かと考えたときに、総合商社の一般職がマッチしていたので。あと、結婚・出産後も比較的続けやすい仕事というところにも魅力を感じました」
——次に一般職内定者にどのような性格の方が多いのかを教えてください。
「バランス良く採用されているように感じます。体育会出身者や、帰国子女もいるので、『誰かをサポートすることが好き』というよりも、リーダーシップをもって目標を達成するなど自己主張が強い方もいます。5大商社といっても会社によってかなりカラーが違うので、一般職内定者の雰囲気も違うと思いますね」
一般的に、業界トップの企業では一般職がアシスタント業務に注力し、業界下位では一般職も戦力として積極的に活躍してもらう傾向にあります。一般職だからサポート業務だけだと思っていると、思わぬキャリア観の違いに内定後に苦しむ可能性があります。また、一般職も会社によってカラーが違うため、OB・OG訪問などで社員の雰囲気を肌で感じることが欠かせません。
新常識3:一般職内定はイバラの道
「総合職への内定は難しそうだから、一般職を受けよう」と、考えたことはありませんか?「難易度が一般職より総合職の方が高い」というイメージを持ってしまうトップ大学生も多いのが現実です。私自身もその一人でした。しかし、実際は真逆であり、一般職はかなり狭き門。
ここで、例として伊藤忠商事の内定倍率を見てみましょう。伊藤忠商事の総合職は2015年入社で74倍でした。対して事務職では184倍。エントリー層が異なるものの、数字だけで見ると総合職よりも一般職のほうが高倍率です(参考:伊藤忠商事 「2015年度 入社式 社長メッセージ」より)。
昨今の一般職では活躍のチャンスを与えられると同時に、早慶女子でも内定はイバラの道です。もしあなたが一般職を志望するならば、総合職よりも厳しい就活となることを覚悟する必要があります。
そのため、一般職の内定を目指すのならば、対策は入念に行いましょう。ワンキャリアの選考対策ページを活用し、選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)をチェックしてください。(閲覧には無料の会員登録・ログインが必要です)
5大商社の一般職の選考対策ページはこちらをご覧ください。
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おわりに
ここまで総合職と、一般職(業務職)の違いをお伝えしました。どちらが良い、悪いということではなく、OB・OG訪問などを通じ自分に合う職種を選んでいただければと思います。
でもやっぱりどちらも捨てがたい! という方には、「金融業界のエリア総合職」もおすすめです。総合職と同じ業務内容でやりがいを感じつつ、地域から離れずに働けるので、個人的にはかなりいいとこどりな職種なのではないかな、と考えています。
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※こちらは2016年2月に公開された記事の再掲です。