こんにちは、トイアンナです。外資系企業の選考が一般的な選考と最も異なるのは「英語ES」「英語面接」の存在です。綿密な添削を依頼できるエントリーシート(ES)と異なり、面接は自分で挑むしかありません。しかも英語面接の所要時間は長いと1時間に及ぶことも。参加前から棄権を考える就活生もいることでしょう。
しかし、諦めることはありません。日本に外資系企業の従業員は63.8万人(※)。ひどい物言いですが、日本にネイティブスピーカーがそんなにいるはずがありません。ということは、先輩方も四苦八苦しつつ英語面接を乗り越えてきたはずです。今回は、「最強の付け焼刃」と称して、英語が苦手な方にこそたたき込んでほしい英語面接フレーズ例をご案内いたします。
(※)出典:日本人材ニュースONLINE「外資系企業の従業員数は63.8万人、アジア系企業が増加」
まずはこの3フレーズ! 中学英語をビジネス英語へ進化させるあいさつ
そもそも、英語が苦手な方にとってのあいさつは「Hello」か「Hi, I am Taro.」など中学英文で止まっているのではないでしょうか。しかしビジネス英語ではこういったフレーズは使いません。下記の例文を叩き込みましょう。
Hello, I am ◯◯. This is my pleasure to meet you.
訳:はじめまして、◯◯(名前)です。お会いできて光栄です。
丁寧語のためやや長くなりますが、国際会議などで頻出です。いまのうちに叩き込んでおきましょう。
相手の言っていることが分からないときはこう尋ねましょう。
Sorry, could you please repeat that again?
訳:すみません、もう一度おっしゃっていただけますか?
そして、去るときはこのように伝えましょう。
Thank you for your time.
訳:本日はお時間をありがとうございました。
この3つだけでも、丁寧な印象を与えることができます。
英語でよく質問されるフレーズの模範解答7選
さて、ここからは面接の内容に触れていきましょう。英語面接では大抵の場合、質問のバリエーションはせいぜい10パターン程度に限られています。以下はその例です。
1. So, tell me about yourself.
自己紹介してください。
もっともベーシックな質問です。必ずと言っていいほど聞かれるので、最低でもここは暗記しておきましょう。ここで「なぜ志望しているか」「私の強み」といった情報を織り交ぜると、のちのち同様の質問をされないよう先手を打つことができます。実際に志望動機と強みを織り交ぜた自己紹介例を見てみましょう。
回答例: I am Taro Tanaka. I am from The University of Tokyo. I study economics. The reason to apply is following my strength. My biggest achievement was(leading the sport club as a captain.)This experience gave me(grit)and(leadership). These should contribute to the applying position. And my career goal is to be the project leader by age 30. I believe your company is the best place to achieve this. That is why I am here today. Thank you.
訳:私はタナカタロウです。私は東京大学からまいりました。経済学を勉強しています。貴社への応募するのは私の強みが理由です。私の学生時代に達成した最も大きなことは(部長として体育会を率いたことです。)この経験が私に(やり抜く力)と(リーダーシップ)をくれました。この強みは貴社の業務でお役に立てるはずです。そして私のキャリアゴールは30歳までにプロジェクトリーダーとなることです。貴社はキャリアゴールを考えると最高の場と考えています。そのために本日ここへ参りました。よろしくお願いいたします。
文中の()の部分を書き換えることで、自分なりの自己紹介ができます。当てはめる例をいくつかご紹介します。
【例文:学生時代に頑張ったこと】
managing the team at my part time job(アルバイト先でチームをまとめたこと)
overcoming the trouble at my seminar class(ゼミのトラブルを乗り越えたこと)
increasing the sales at the university festival(文化祭の売上を向上させたこと)
getting awarded at my study field (専攻分野で表彰されたこと)
【例文:手に入れた強み】
integrity(誠実さ)
envisioning skill(人にやる気を起こさせる技術)
strategic mind(戦略的思考)
collaborative communication(協調的なコミュニケーション)
convincing skill(人を説得する能力)
accuracy(業務の正確さ)
flexibility(柔軟性)
diversity inclusion(多様性を認めること)
openness(オープンさ)
high commitment(強い責任感) など
この後「Why did you get that strength? なぜその強みが手に入ったと思う?」「 What was the issue there? 何が課題だったの?」と質問されうるので、あらかじめ答えは考えておきましょう。
【例文:深掘りへの回答】
The reason I got that strength was ~.
The issue was ~.
なお、回答例を簡単に校正してくれるGingerというウェブサイトがあります。こちらへ回答例を貼り付けて文法をチェックしましょう。
▼面接での自己紹介について詳しく知りたい方はこちら ・面接の自己紹介では何を言う?新卒就活で使える例文&自己PRとの違い
▼ガクチカについて詳しく知りたい方はこちら ・【学生時代に力を入れたこと:面接対策編】就活でよく聞かれる質問「ガクチカ」 ・【ガクチカの書き方】絶対に外せないテンプレ/構成とテーマ別の例文 ・ガクチカ例文30選!テーマ別・文字数別の通過ESと高評価の理由
2. Why do you want this job?
なぜこの仕事を志望されるのですか?
回答例:上記の自己紹介をすれば、この質問はされないと思います。もし聞かれてしまったら、上述の設問の「The reason to apply is~」から先を話しましょう。
3. Why do you want to choose this division?
なぜこの部署を志望されるのですか?
回答例:外資では部署別採用が多いため、このような質問が課されます。しかし質問1と同様に「私の強みが◯◯だから」という答え方をすればよいでしょう。以下はP&Gジャパンのマーケティング部を受けた際の設問と回答例です。
Why do you want to choose this division?
訳:なぜこの部署へ応募されたのですか?
Because my strength is leadership. I attended your recruitment seminar. Then I heard this strength is the key at this job.
訳:私の強みがリーダーシップだからです。私は貴社の採用セミナーへ伺いました。そこでその強みこそが鍵だと伺ったのです。
So, is there any leadership experience?
訳:リーダーシップを見せた経験があるのでしょうか?
Yes. When I was in 1st year at university, I was working at a drugstore. In there, I delivered 30% sales increase from last year. The issue was low sales at the cosmetics. Then I proposed a gift package. Not many consumers wore makeup. However, they bought gifts. I made this change by convincing senior staffs and the shop manager. Also, I convinced 10 part time members with passion and data. That led to the 30% sales increase. That is my leadership experience.
訳:はい。大学1年のころ、私はドラッグストアで働いていました。そこで昨年比30%売上向上させました。課題はコスメの売上低迷にありました。そこで私はギフト商品を提案しました。そこの消費者がメイクをしなかったからです。しかしギフトを買うことが分かっていました。そこで私は店長と先輩社員を説得しました。さらに10名のパートさんを情熱とデータでもって説得しました。その結果が30%の売上アップへつながりました。これが私のリーダーシップ経験です。
長い答えを作るのは骨が折れますが、「一文を短くする」「単語を簡単にする」ことで対処してください。この回答例でも短文を連発しています。
初心者こそ短文・中学英語を意識した方がスムーズに話せるものです。語彙(ごい)が豊富でも加点はされませんから、「優れた英語より伝わる英語」を意識して簡単な文章を作りましょう。
以下のテンプレートをご活用ください。
【例文:経験を紹介する】
I have an ◯◯ experience. (◯◯の経験があります)
I was working at ◯◯. (◯◯で働いていました)
The issue was ◯◯. (◯◯が課題でした)
Then I proposed ◯◯. (◯◯を提案しました)
I overcame the hardship via ◯◯. (◯◯を通じ課題を乗り越えました)
The result was ◯◯% increase. (◯◯%増加させました)
▼志望動機について詳しく知りたい方はこちら ・【面接対策:志望動機】全業界対応!評価が高まる「志望動機」の作り方・答え方を5つのポイントと例文で解説! ・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例
4. What is your strength/weakness?
あなたの強み/弱みは何ですか?
シンプルに「私の強み・弱みは◯◯です。理由は◯◯だからです」という構文を作りましょう。それを証明する経験を質問されたら、「設問3」のように答えます。
回答例:My strength is honesty. When there is an issue, I don’t hide them. I quickly share the issue with the team. Because I believe honesty solves the issue faster.
訳:私の強みは正直さです。課題があるとき、私はそれを隠しません。その課題をチームへ共有します。なぜならその方が課題を早急に解決できるからです。
▼強み・弱みについて詳しく知りたい方はこちら ・【強み30選】就活の自己PRで使える強みの見つけ方と一覧|例文つき ・【弱み一覧100選】就活の面接・ESでの伝え方|例文付き
5. What was your biggest failure/struggle?
あなたの人生最大の挫折体験は?
挫折体験は詳細の説明を求められます。その上頻繁に質問されます。したがってフルセットで暗記してしまってもよいでしょう。
回答例:My biggest failure is receiving a complaint at my part-time job. I was working at Starbucks. However, I did not deliver coffee in order. Those who received coffee late was upset and complained to me. Then I was replaced to the backyard work. Then I changed a mind. I delivered the best result at backyard job. That attitude change made manager think me differently. I managed to go back to the front staff. That is my biggest failure in my life.
訳:人生最大の挫折はアルバイトで苦情をいただいたことです。私はスターバックスでアルバイトをしていました。しかしコーヒーを注文順にお届けしませんでした。コーヒーを後から受け取った方がお怒りになり、苦情となりました。そこで私は裏方へ回されてしまいました。しかし私はそこで心を入れ替えました。裏方で最高の成果を出したのです。それがマネージャーの印象を変えました。私はフロントスタッフへ戻ることができました。これが私の人生最大の挫折です。
この文章も一文を短く切ることで難易度を下げています。いくつか挫折体験で使えるキーフレーズがあるのでご紹介します。
【例文:挫折経験の紹介】
I changed my mind. (私は心を入れ替えました)
That attitude made manager think me differently. (その態度がマネージャーの自分に対する印象を変えました)
I received a complaint. (私は苦情を受けました)
I did not deliver the promised result. (約束した結果を出せませんでした)
I could not convince the team. (チームを説得できませんでした)
I was a strong single player. (独りよがりなメンバーになっていました)
I was replaced to ◯◯. (◯◯へ配置換えされました)
▼挫折経験について詳しく知りたい方はこちら ・挫折経験の書き方【ES例文あり】面接での答え方・ないときの対策も解説
6. How can you contribute to our company?
弊社へどうやってあなたは貢献しますか?
こちらの質問は「4. What is your strength/weakness?」と同じシンプルな構造で答えられます。さっそく例文を見てみましょう。
回答例:I can contribute to your company via fast learning. I am open to learn new things. First career must give me many new things. However, I am a fast learner. I will absorb new things to be efficient as soon as possible.
訳:私は学習速度で貢献します。私は新しいことにオープンです。ファーストキャリアでは新しいことが多数あることでしょう。しかし私は即座に学びます。なるべく早く優秀になるためにも新しいことを吸収します。
7. Do you have any questions to ask?
何か質問はありますか?
必ず準備しておきたい項目です。特に長文でなくてもよいので、定型文を覚えておきましょう。
回答例: What was the tough moment for you in here, and how did you overcome it?
訳:この職場で最も大変だったことと、どう乗り越えたかを教えていただけますか?
回答例:Is there anything I can prepare before getting into this job?
訳:この職へ就く前に準備できることはございますか?
回答例:May I ask your feedback on today's interview?
訳:私の面接態度へフィードバックをいただけますでしょうか?
回答例:What is the most important thing in here to keep working for many years?
訳:ここで長年働く上でもっとも重要な要素は何でしょうか。
▼逆質問について詳しく知りたい方はこちら ・【面接の逆質問】厳選32例|質問の終わり方と業界・面接官別の鋭い質問 ・1次面接の逆質問【厳選18例】高評価を得るコツと他面接との違い ・2次面接の逆質問例【40選】高評価を得るにはいくつ必要?NG例も解説 ・最終面接の逆質問【厳選20例】NG例や評価アップのコツも一覧で紹介
発音も付け焼き刃:英語は「音を延ばす位置」で変わる
ここまで、面接のキーフレーズをご提案しました。紹介したフレーズはややフランクな表現ですが、丁寧語になると文章が長くなりすぎるためギリギリ許されるフランクさで挑むのが初心者の鉄則です。which/whoなどの関係代名詞は避け、一文ずつ区切ることで簡潔に説明しましょう。
最後に発音の上で「ちゃんとしている」感を見せるコツを2つお伝えします。
1つ目は「英語で音の真ん中を伸ばす」ことです。たとえば Because を発音する場合、日本人はよく「ビコーズー」と語尾を伸ばします。これを「ビコーーズ」と音の真ん中を伸ばせば、日本人英語からネイティブらしい英語へ進化します。カタカナ発音をいきなりネイティブのそれへ近付けるのは大変ですが、これを意識するだけでも変わりますよ。
2つ目は「信じられないほどゆっくり話す」ことです。日本人は英語を速く話そうとしすぎるきらいがあります。しかし英語のプレゼンは本来、「ゆっくりすぎるほどゆっくり」でも構わないのです。参考にトランプ大統領の動画を見てみましょう。
短文で、かつ簡単な単語で遅くスピーチをしているのが分かるはずです。遅く話せば、話しながら次に何を言うか考えることができます。これくらいの速度へあえて落とすことで、確実に英語面接を乗りきってください。健闘を祈っています!
▼英語選考について詳しく知りたい方はこちら ・【就活】英語面接を突破!聞かれる質問と面接官を納得させる回答例文 ・Google翻訳で突破!英文レジュメ(エントリーシート)の書き方&例文【英語ニガテ就活生に贈る、一からの勉強は不要の攻略法】
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