こんにちは、ワンキャリ編集部です。
日本を代表する総合商社7社が一堂に会する特別企画「総合商社の採用戦略」。
今回は双日で人事総務部採用課 課長を務める一丸さんにお話を伺いました。
双日の採用戦略 押さえるポイントはここ!
・双日の魅力は「現場主義」、「失敗を恐れずに若くから挑戦させる社風」、そして何よりも「人の魅力」
・世界一のナイキを創業時から支えた企業、それが双日
・面接で見るのは「その人が働く姿を想像できるかどうか」
「挑め。何度でも。」──失敗を恐れずにチャレンジするのが双日パーソン
── 一丸さん、本日はよろしくお願いします。「挑め。何度でも。」という双日のキャッチコピーは、非常にインパクトが強いですよね。ワンキャリアEXPOをはじめとした就活イベントや、鉄道の車内広告でも目にします。まず、キャッチコピーが、どのような理念や信念から生まれたのか伺えますか。
一丸:我々は総合商社の中で、決して上位商社ではありません。更なる高みを目指すため、あるいは双日らしい独自のポジションを築くためには、何度でも挑戦し続けるチャレンジ精神が必要なんです。先日社長と話す機会があったのですが、「双日は減点主義ではなく加点主義だ。失敗を恐れてはいけない。そもそも若いやつの失敗なんてたいしたことがないし、上司がフォローできるから問題ない」と言っていました。失敗を恐れずにどんどん新しいことに挑んで、失敗したら原因を突き詰める、考えるだけでなく実行する、この繰り返しで会社も人も育っていくと、まさにその通りだなと思いました。
一丸 太孝(いちまる やすたか):双日株式会社 人事総務部採用課 課長。1997年、新卒で日商岩井に入社し、石炭を始めとする資源関連部署、経営企画等を経験。2004年の合併後は、(株)メタルワン出向やエネルギー・金属分野での事業戦略の策定に従事。2017年11月より現職。
──失敗を恐れずにチャレンジするからこそ、新しいフィールドを切り拓いていけるということですね。実際に若手がチャレンジできる場も多いのでしょうか。
一丸:具体例として、ある課ではインドの工場現場で現地スタッフとコミュニケーションを取り、今後の信頼関係を築いていく機会を設ける為、配属されて5ヶ月の若手が派遣されています。他にも6、7年目の社員がオーストラリアの炭鉱に行き、作業着を着てどっぷりと現場の業務にコミットしてもらうこともありました。
これは、現地だからこそ分かることを若手のうちに吸収してもらいたいからです。「マネジメントスキル」や「総合商社の機能を現場で活かす発想力」といった商社パーソンの軸になる能力は、若いうちに現場経験をどんどん積むことで育っていくと思います。現場主義とでもいいましょうか。
──他に、双日らしい魅力として何がありますか?
一丸:やはり、共に働く仲間の人柄ですね。闊達な人が多いです。素直で、誠実で、温かいというか。皆さん、仕事もプライベートも純粋に人生を楽しんでいます。そして、先輩後輩の距離がすごく近く、その距離間でみんな嘘偽りなく接しているところが気持ちいいと感じます。
学生にも双日の魅力を聞かれることがありますが、「たくさんあるけれど、一番は今まで『会社を辞めたい』と思ったことがないこと」と答えています。もちろん辛いこと、大変なことはありますが、一緒に取り組むメンバーが魅力的なので、苦労も含めて、良い思い出しか残っていません。
──苦しい局面でも、フェアに戦い抜くマインドを持った社員が多いのですね。
47年前、ナイキ創業者の「挑む」を支えた双日
一丸:双日の魅力が事業に表れているエピソードとして、ナイキの話をしましょう。スポーツメーカーとして世界一を独走するナイキのサクセスストーリーには、双日(当時は日商岩井)が大きく絡んでいたんです。
──双日というと、航空機分野が強いイメージがあります。ナイキとの繋がりは、意外に感じる就活生も多そうですね。詳しくお聞かせいただけますか?
一丸:はい。双日とナイキの関係は1970年秋、ナイキの前身となるBRS社が従業員30数名の小さな企業だった頃から始まります。当時、創業者のフィリップ・ナイト氏(以降フィル)のビジョンは銀行家たちの理解が得られず、会社の存続さえ危ぶまれる状態でした。フィルは、融資の相談に訪れた日系銀行で、「同じビルの9階に、日商岩井という日本の総合商社がある。行ってみろ」と告げられ、アポなしで当社に飛び込んできたのです。その時、当社オフィスにはスポーツシューズのような物資を担当する駐在員が不在だったにも関わらず、別の担当者がフィルを温かく迎えたことがきっかけでした。以後、BRS社に対して日商岩井が手を差し伸べることになり、現在に至るまで、47年間にわたる取引が始まったのです。(※)
(※)「ナイキ誕生」の詳細:「創業者フィリップ・ナイト(33歳)、日商岩井の扉をたたく」
──日商岩井はナイキのどこに注目したのでしょう?
一丸:スポーツシューズ販売の将来性をいち早く見いだしたのでしょう。10年後には1981年にはナイキと日商岩井の合弁会社である「ナイキジャパン」を設立しました。その後のナイキの躍進はもはや説明不要ですよね。同社とは、未だに経営陣以下、さまざまな形で関係を深めています。事業にまつわるエピソードはオフレコのものも多いので、興味のある人はぜひとも弊社に入社して、社内で取材してみてください(笑)。
──「挑め。何度でも。」このキャッチコピーを社内外で実行してきたのですね。
一丸:はい。そして、やはり始まりって、「人」なんですよね。出会ってそこからビジネスに繋がっていく、そのときに打算はなく、シンプルに「この人と働いてみたい」と思う純粋さが根底にあるのでしょうね。双日とフィルの間にはそれがあった。
──ただ資金や戦略を提供するのではない、パートナーとして経営を背負うという、総合商社ならではの信念を感じるエピソードですね。
「挑む」ための多様性。女性、グローバル人材を積極採用
──双日は、人材の多様性が魅力という声もよく聞きます。学生の声によると、近年では、18卒は100名ほどいる総合職のうち、3割ほどが女性だったとも聞きました。「総合商社では女性が活躍しづらい」という先入観も根強いですが、女性総合職の採用に積極的というのは本当ですか?
一丸:女性に限らずともグローバルな人材を積極採用したり、多様性を目指した採用をしているという特徴は確かにあります。それはやはり、新しい切り口でビジネスを切り拓くのは、幅広い視点や新たな価値観を持った人材がいてこそだという考えからです。商社は常に新しい価値や機能を提供していかなくてはいけません。
──実際に、現在双日で活躍されている女性のエピソードはありますか?
一丸:例えばある社員は、地方のショッピングモールに出向し、事業経営に携わっています。彼女は女性ならではの目線で顧客のニーズを捉えて現場で活躍しています。また、大手アパレルメーカーとの取引で活躍している若手女性もいます。やはりショッピングの意思決定を握るのは女性であることはしばしばありますし、ファッションに対して関心が強いのも女性ですよね。女性の特性や、男性には見えていない女性ならではの視点や価値観、活かすことのできる事業フィールドは、ますます増えてきています。
──採用の成果は、事業面でどのように表れていますか。
一丸:双日は、統合以来、健全な財務体質や強固な収益基盤の確立に注力してきました。現行の中期経営計画の取り組みを通じて、成長軌道へのシフトが確かなものになってきました。多様な人材を採用することで、狙い通り多様な視点を得て、新しい事業をつくれるようになってきました。これからが勝負です。挑戦は続きます。
自分が会社に入って働く姿を、人事にイメージさせろ
──今後の採用戦略についても伺えますか。未来の双日を担う人材として、共に働きたい学生の条件は、一言で言うと何でしょうか?
一丸:やはり「挑む」姿勢を持つ人ですね。大きな夢をもってほしい。新しい視点を持った双日パーソンに必要な資質は3つあります。「感じる力」、「考え抜く力」、そしてそれを「実行する力」です。新しい視点と言っても、ただただ奇抜なだけではいけない。発想力はもちろん必要ですが、150年続く会社がお客様と築いてきた信頼がやはりベースにあって、その上で新しい価値を生み出す必要があります。お客様のニーズや社会の変化を感じ、新たな機能を考え抜く力が必要になります。
──「実行する力」という点では、いかがですか。実行と一口に言っても、さまざまなアウトプットの形がありますよね。
一丸:双日パーソンにとっての「実行する力」は、失敗を恐れず、スピード感を持つことです。これは、なかなかできない人が多いのです。アイディアは出せても、それを実行するのは当たり前なようで実は難しい。難しい課題に挑戦すれば、失敗はつきものです。リスクを恐れずに挑戦し、失敗してもそこから学び、次に活かしていくことが「挑め。何度でも。」というメッセージにも表れています。失敗して小さくなっていてはダメ。夢を持ち、挑戦と失敗を繰り返しながら、会社も人も大きくなっていくものと思います。
──そんな人材を探るために、採用の場ではどのような視点でご覧になるのでしょうか。少しヒントをいただけますか?
一丸:これは私の就活時もそうだったのですが……。よく学生って、「こんなことを頑張ってきました」「○○で優勝しました」とか、これまでの事実をアピールすることが多いのです。でもこちらからすると、「うん、すごいね、それで?」となってしまうわけです。例えば「マラソンで優勝しました」と言われても、うちはマラソンをする会社ではありません。
──それはそうですよね。日本の風土的にも、学生のうちに自分の働く姿を想像するような機会が少ないようにも感じます。
一丸:そう、だから学生だけが悪いわけでもないのですけれどね。一概には言えませんが、留学経験がある学生などを見ると、やはり自立心というか、一歩先まで考えているような印象を受けることが多いです。
「頑張りました」だけはなく、その先までアピールする癖をつけるといいと思います。過去だけでも、未来だけでもだめ。過去と現在、そして未来とつなげて考え、伝えること。面接官に一緒に働いている姿を想像させられたら勝ちだと思いますよ。ちなみに私が就活するときにはまさに「頑張ったアピール」しかしなかった典型例なので、今の私の前に来たら確実に落とすと思います。(笑)
──これは学生にとってかなり大きなヒントになりそうです。それでは最後に学生に向けて一言お願いします。
一丸:商社って何でもやってそう、というイメージがありますよね。私自身もそうでしたが、今現在自分に満足していない人こそ向いているのかもしれません。入社してから長い時間をかけて自分に合った分野をしっかりと見つけていくことができるので、一生成長し続けることができる仕事です。私自身幅広い視点を持った方ともっと会話をしてみたいと思っているので、志のある方はぜひ双日の門戸を叩いてほしいです。
──「一生成長し続けることができる仕事」というフレーズが素敵ですね。本日はありがとうございました。
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