こんにちは、ワンキャリ編集部です。今回は、九州へのIUターンに興味をもつ就活生の皆さんに向けて、九州を代表する企業が集まる「七社会(九州電力 、福岡銀行、西部(さいぶ)ガス、 西日本鉄道、 西日本シティ銀行、 九電工 、JR九州)」各社を紹介します。
※注釈のない記述は、「企業情報ページ」「選考対策ページ」の情報をもとにしています
九州電力の選考ステップをみる
福岡銀行の選考ステップをみる
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西日本鉄道の選考ステップをみる
西日本シティ銀行の選考ステップをみる
JR九州(九州旅客鉄道)の選考ステップをみる
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「九州七社会」の概要
そもそも「九州七社会」とは、九州の7つの有力企業(九州電力 、福岡銀行、西部ガス、 西日本鉄道、 西日本シティ銀行、株式会社 九電工 、九州旅客鉄道)により構成されるもので、正式名称は「互友会」です。
1950年代に、総会屋対策の情報交換を目的として発足しました。総務担当の取締役や担当者が定期的に集まり、地元行事や学術・文化活動への寄付のあり方など、調整が必要な議題を協議しています。九州で就職するならば、ぜひとも知っておきたい企業群です。寄付の調整については2012年に事実上廃止されましたが、情報交換はいまでも継続され、2ヶ月に一度担当者の定期会合が行われています(西日本新聞より)。
「九州七社会」各社の紹介
ここまでは「九州七社会」の歴史を駆け足でお伝えしましたが、皆さん興味を持っていただけたでしょうか。次は各社の個々の事業、社風。選考のポイントをみていきましょう。
1. 九州電力:九州の電力インフラを支える大黒柱。
事業:年間の総発電量900億kWhの電力事業
九州電力は、総発電量およそ900億kWhを誇る、九州最大の電力会社です(「九州電力データブック2014」より)。合計200程度の発電所をもつほか、メキシコのトゥクスパン2号と5号、フィリピンのイリハン、ベトナムのフーリー3号の海外IPP事業に携わるなど、海外の案件にも力を入れています。
社風:充実した福利厚生
日本の大手企業でよくあるように福利厚生が充実しており、特にアニバーサリー休暇(創業記念日が年間1日休みになる休暇)やリフレッシュ休暇(連続5日間の休暇)といった休暇制度が充実しております。「ワークライフバランス推進委員会」というものがあり、社員の休暇に関して積極的な取り組みを行っています。実際、九州電力は全社員のうち約70%が有給を消化しているという実績があり、生活の充実にも注力していることがわかります。
選考のポイント:重視されるのは「主体性をもって積極的に行動すること」
九州電力の選考は、
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 面接
4. グループディスカッション
5. 面接
の5ステップからなりますが、いずれにおいても重要なのは「リーダーシップ」です。
たとえばESでは、「これまでにあなたの周囲で「当たり前」だったことに対し、貴方自身もしくはチームで関与して変えたことや変えようと考えたことを教えてください。」という問いが出されています。
抽象的なリーダーシップ論もさることながら、最終面接では「現在の電力自由化の社会で九州電力はどのように生き残るべきか?」学生に問うたこともあります。なお、最終面接は合格率が7割程度であり、最後の難関となっています。
2. 福岡銀行:銀行業から生活支援まで
事業:銀行、証券、保険、それに災害復興支援
福岡銀行は、昭和20年に生まれ、福岡市中央区に本社を置く九州最大の銀行です。銀行、証券、保険といった事業を主に行っており、最近は自然災害の復興支援にも着手しています。
2017年にはメインバンク企業数で九州トップ(19,944社)になるなど、九州最大手の銀行として知られています(帝国データバンク「九州・沖縄地区のメーンバンク調査」より)。また、高齢者の生活を支援する「見守りサービス」も行っています。
社風:福利厚生と、地元催事への参加
九州電力に劣らないトップクラスの給与体系と福利厚生を有しています。これは福岡だけでなく九州全土で知名度があることや、社員の金銭的な負担を減らし、仕事と普段の生活を両立させようという社風があるためです。
それだけでなく、福岡銀行では地元の催事(「博多祇園山笠」や「地域清掃ボランティア」)に企業として参加することも多いです。「土日に関してはたまに催事に参加することがある。地域に貢献しているのを肌で感じられる」と社員は話しています。
選考のポイント:福岡のために働く大義名分を見つけよう
福岡銀行の面接は、以下の5ステップからなります。
1. エントリーシート(ES)
2. 一次面接
3. 二次面接
4. 三次面接
5. 四次面接
選考を通じて重視されるのは「福岡(九州)に貢献したい理由を語れるか」と「理由を端的に答えられるか」という点です。面接は四度行われますがこのうち特に二次面接が鬼門とされています。自分の過去の経験にリンクさせて、地域に貢献したい理由を話せるようにしましょう。
3. 西部ガス:九州の広域をカバーするガス事業者
事業:九州最大のガス事業。新築・リフォーム向けの商品提案や食生活支援も
福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県の北部九州主要都市を営業区域とする福岡市博多区千代に本社を構える一般ガス事業者です。西部ガスの前身は九州内の主要中小ガス会社を統合した、西部合同瓦斯ですが、そこから統合分離を繰り返しながら、一度は現在の東邦ガスに統合されながらも、昭和に入って改めて西部ガスとして再独立しました。現在は、九州の1,098,400世帯をカバーしています(「西部ガスHP」より)。
ガス供給事業の他には、新築やリフォームを予定している人向けに製品を紹介したり、クッキングクラブの運営をしたりしています。
社風:地域密着の理念、「契約」よりもまずは「生活を支える」
地域密着の理念を掲げる西部ガスは、九州で唯一定期的に直接ガスの供給家庭に訪問営業・点検を行っています。中期経営計画(2017〜2019年)によると、西部ガスグループとしてガスのみならず、水素や電気などエネルギーの最適化、飲食店や商業施設開発など地域密着事業の多角化を目指しています。
選考のポイント:徹底した自己分析、それに基づいて語る力
西部ガスは終身雇用を前提に、従業員の育成に重点を置くため、一番は一緒に働く人としての魅力や性格が最も大きな評価対象になります。実際に志望動機は最終面接以外でほとんど聞かれない代わりに、学生時代頑張ったことや幼少期のエピソードを特に深掘りされます。
人事いわく「性格の良い文系か、話せる理系」を採用したいそうで、「選考では1ヶ月2ヶ月本気で自己分析しないと答えられない程、深掘りをする」と話しているそうです。
4. 西日本鉄道:九州の鉄道・物流を支える
事業:鉄道・バス事業から不動産賃貸まで
明治41年に設立された福岡市に本社を置く交通(鉄道・航空)業界に所属する企業です。鉄道事業やバス事業のほかに、不動産賃貸業、流通業など、広く社会を支える事業を行っています。
西鉄グループは、『「あんしん」と「かいてき」と「ときめき」を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。』という企業理念、そして、企業理念実践の行動指針である企業メッセージ『まちに、夢を描こう。~Connecting your Dreams~』を道標に、従業員一人ひとりが「お客さまのためにできること」を考え、行動する企業グループを目指しています(西日本鉄道HP「トップメッセージ」より)。
社風:慎重な社風、本人次第で海外も
明治時代に立ち上がった会社ということもあり、社風についてはいかにも古い会社らしい点が多く挙げられます。たとえば、ある営業社員は「リストラによる人員解雇をしない、賞与が年3回出る、人間関係がフレンドリー、慎重な社風なのでまず倒産しない、なんだかんだで業界5位の位置にいるので営業ツールもそれなりに競争力はある、海外駐在員を志すのであれば高確率で赴任できる昨今の海外要員の不足、英語力が普通に身につく業務内容。(「カイシャの評判」より)」を特徴として挙げています。
選考のポイント:勢いを保ち、堂々と
西日本鉄道(技術系)の選考ステップは以下のようになっています。なお、内定人数は30人程度となっています。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト(SPI形式)
3. 一次面接
4. 二次面接
5. 三次面接
一次面接と三次面接については、和やかな雰囲気の中で行われ、面接を受けた人は「面接をしているというよりは人事の方と話している感覚だった。」と話しています。二次面接では面接のほかにクレペリン検査、YG性格検査なども行われ、時間をかけてさまざまな側面から選考されます。面接を担当する人事の多くは熱量のある方であるため、それに圧されないように此方も堂々と話すのが大切です。
5. 西日本シティ銀行:西日本を支える、地域密着型の銀行
事業:地域の生活に密着したサービス
西日本シティ銀行は、1944年に設立された福岡県に本社を置く、銀行・証券業界に所属する企業です。全国に支店が展開されているメガバンクに比べ、支店が地域に集中しており、その地域の方の生活に密着したサービスを展開しています。たとえば世界遺産保存応援私募債を募っており、これは地方銀行ならではの事業です。
特に西日本シティ銀行は「地域の発展なくして西日本フィナンシャルホールディングスグループの発展なし」という信念を基に、利用者の生活や中小企業の経営面のサポートを行っています(西日本フィナンシャルホールディングス「中期経営計画」より)。
社風:銀行業界のなかでは、穏やか・フレンドリー
西日本シティ銀行は「ココロを尽くす」という言葉を掲げ、地元九州の人々との繋がりを大切にしている企業です。福岡銀行と併願していた内定者の1人は、2社の選考を受けていく中で、「福岡銀行はバリバリ働きそうな人が多いイメージを持ったのに対して、西日本シティ銀行はフレンドリーな社員が多いイメージを持った」と言います。堅いイメージが持たれやすい銀行業界ですが、穏やかに働きたい学生にとって魅力的な環境といえるでしょう。
選考のポイント:多様な形式。個人面談は楽しい雰囲気だが要注意。
西日本シティ銀行の選考は、以下のステップにより行われます。
1. エントリーシート(ES)
2. 座談会
3. Webテスト
4. 個人面談
5. 面接
さまざまな形式の選考を取り入れているのが特徴です。
特に注目すべきは個人面談です。学生一人と社員一人で、20分程度かけて行われます。学生時代に注力したこと、志望動機のほかに「動物に例えると自分はなにか」などというユニークな質問もなされます。終始和やかな雰囲気のもとで行われますが、これも選考のうちに入っており、内定者によると「ここで合否の判断が下されたと思う」とのことです。
6. 九電工:「人」「環境」「技術」の快適な調和
事業:電気、空調、水道といった重要なインフラを支える
九電工は、昭和19年に「九州電気工事株式会社」として設立された、九州の電気設備を主に担う会社です。「人」「環境」「技術」の快適な調和を目指し、事業の幅も広げつつ発展しています(九電工HP「企業基本情報」より)。電気工事のほかには、空調工事、水処理事業、下水道事業など、ひろく社会のインフラを支える事業を展開しています(九電工HP「沿革」より)。
社風:しっかりした教育システム、管理されすぎない体制
九電工は教育システムがしっかりしており、アカデミーと言う会社自身の 教育機関が存在します。新入社員時代の教育だけでなく、実務での不明点などを解決する(問い合わせる)システムもあり、新入社員を支える体制が整っています。
また「上司の管理は厳しくはないので、自分のやり方で仕事を進められるところはやりがいを感じます。工事が終わって客先に喜んでもらえた時にもやりがいを感じます。(「カイシャの評判」より)」と社員は話します。
選考のポイント:プロ志向で、熱意のある人材
九電工の選考は、不明です。
九電工は、求める人物像として「バイタリティーにあふれ、何事にもチャレンジし、プロフェッショナル志向で、最後まであきらめない人(九電工HP「採用情報 九電工が伝えたいこと」より)」 を挙げており、熱意のある学生を求めていることが伺えます。また技術職ではコミュニケーション力のある若者を求める傾向もあるようです。
7. JR九州:鉄道事業者でありながら、新事業の開拓も
事業:鉄道事業者から総合事業会社へ
九州旅客鉄道(以下、JR九州)は、本社を福岡県福岡市博多区に構えます。1987年4月1日に日本国有鉄道から旅客鉄道事業を引き継ぎ発足したJR旅客鉄道会社のうちの一つに当たります。鉄道事業のみでなく、旅行業、不動産業、農業などを展開している総合事業会社に変化しつつあります。『安全』を全ての事業の基盤とし、鉄道事業においては、列車の増発、スピードアップ、新型車両の投入、新駅設置など、利用者の利便性向上と業務運営の効率化により収支改善を図り、関連事業では駅ビルの建設やマンション販売、また各グループ会社の事業を通じ当社グループの収益の拡大を図っています(JR九州HP「トップメッセージ」より)。
社風:積極的に新規事業に挑戦する姿勢
JR九州は、旧国鉄民営化直後、鉄道事業が赤字化したため、政府から支援金を受けながらも新規事業を立ち上げ、黒字化する必要がありました。結果的に現在では建設・不動産・流通外食・ホテルなどの非鉄道事業などによって収益をあげ、株式上場まで秒読みの段階まで経営が改善することができています。
例えば、ある社員はJR九州のことを「泳ぎ続けないと死ぬマグロのような会社」と例えています。
これはJR九州の鉄道事業以外でも常に新しく事業を創出し、利益を得ていこうとする姿勢を表しています。インフラ企業のため基幹的な鉄道事業をそつなく行うのは当然ですが、ベンチャーのように新規事業に挑戦できる風土もあります。
選考のポイント:懇親会で存在をアピール
JR九州(総合職)の選考は、以下のようなステップで行われます。
1. エントリーシート(ES)
2. 懇親会(学生50〜100人、社員10人)
3. 一次面接
4. 二次面接
懇親会が行われるのが特徴です。学生が多数集まり、座談会形式で行われるものです。懇親会という名称にはなっていますが、多数の学生が参加することもあり、ここでいかに存在をアピールできるかが重要です。内定者によると「この懇談会の評価が高かったおかげでリクルーターがついた。リクルーターがつかないと内定できないため非常に重要なイベントである。」とのことです。積極的に会話し、逆質問をして、自身を社にアピールしましょう。
おわりに
いかがでしたか?
今回は九州のリーディングカンパニーが集う「七社会」を特集しました。電気事業者、鉄道事業者、銀行などさまざまありましたが、九州での就職を考えるならばどれも外すことができません。
「九州七社会」というふうに一括りにされているものの、事業や社風などは多種多様でした。ぜひ自分にあった企業を探してみてください。
※注釈のない記述は、「企業情報ページ」「選考対策ページ」の情報をもとにしています
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