こんにちは、ワンキャリ編集部です。今回は、就職活動においてMARCH(※1)学生の多くが目の当たりにする理不尽な現実と、それらを乗り越え企業から内定を獲得する術をお伝えしたいと思います。
就職活動で学名による学歴フィルターに苦しんでいるMARCHの学生や関関同立(※2)の学生は、ぜひご一読ください。
(※1)……明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のことを指す
(※2)……関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学のことを指す
<目次>
●MARCH就活生がぶち当たる「学歴フィルター」
●理不尽(1):企業の採用説明会が、2分で満席!?
・解決策:参加可能か、説明会直前に企業へ打診してみよう
●理不尽(2):MARCH学生は知る由もない「早慶のような高学歴学生向け限定イベント」
・解決策:高学歴大学の学生から、企業の採用・選考情報を吸い取ろう
●理不尽(3):行きたい大手企業のOBが……いない!?
・解決策:企業のイベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作ろう
●MARCH生が理不尽に打ち勝つために必要な2つの能力
・1. 自分の現状を把握し、不足している点を正しく認識する力
・2. 誰よりも強い熱意と人並みはずれた行動力
●おわりに
MARCH就活生がぶち当たる「学歴フィルター」
MARCH生の中には、総合商社やメガバンク、広告代理店といった日系の大手企業への就職を目指す方もいるでしょう。MARCH学生が企業の採用選考でライバルとなるのは、東京大学をはじめとする国公立や、早稲田大学、慶應義塾大学など高学歴の学生たちです。例えば、下のグラフを見てください。
出典:三井物産|総合職2017年卒の内定実績(ワンキャリア調べ)
このグラフは、三井物産の2017年卒の内定者は東京大学・京都大学・早慶などの高学歴の学生で6割近くも占めていることを意味します。就職活動では、高学歴の学生と競う中で、MARCH学生だからこそ感じてしまう理不尽なことが数多くあり、その根源に「学歴フィルター」なるものが存在します。
学歴フィルターとは、学歴の差によって採用やイベントの参加の基準に何かしらの違いが設けられるということを指します。この学歴フィルターによって、高学歴の学生ほど、企業の採用選考で多くの恩恵を受けることができます。
一方、MARCH学生にとってこの「学歴フィルター」は、就職活動では厄介な障壁になり得ます。企業の採用にはコストが掛かり、かつ時間も有限なため、優秀な学生が比較的多いイメージのある高学歴の大学に重きを置いた採用を行いがちになってしまうからです。そういった企業の採用選考での「学歴フィルター」が、MARCH学生が目の当たりにする「理不尽」になるのです。
それでは、実際にどのような点でMARCH学生が理不尽な経験をしているか、どのようにすれば大手企業からの内定を獲得できるかを詳しく見ていきましょう。
理不尽(1):企業の採用説明会が、2分で満席!?
就職活動が解禁されると、大手・中小問わずさまざまな企業が一斉に説明会や座談会などのセミナーを実施します。その多くは、企業のマイページから案内が来て、そこから先着順で説明会や選考に申し込みをするというものです。
しかし、例えばこれが人気大手企業の説明会などの場合、MARCHや関関同立の学生は参加できない事が多いです。企業からメールが来て直ぐにマイページにアクセスしても、説明会などが全て満席になってしまっている事が多いためです。いくら人気大手企業とはいえ、さすがに1〜2分足らずの段階で説明会が満席になることはまずありません。
これは、企業が定めた学歴フィルターによるものが大きいと考えられます。実際に、2015年にゆうちょ銀行が学生の採用活動で学歴フィルターをかけていたことが判明したニュースもありました。こちらは東京大学と日東駒専(※3)との比較ですが、これと同じことがMARCH学生にも起きています。
面接など実際の選考では、学歴の高さだけで合否が決まるわけではありませんが、こういったことが重なることで情報格差が生まれます。結果的に、高学歴の学生が大手企業に内定しやすくなるということは十分に考えられます。
(※3)……日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学のことを指す
解決策:参加可能か、説明会直前に企業へ打診してみよう
説明会が予約できないときは、前日に電話で空きがないか確認したり、説明会当日に会場へ行って参加できないか聞いてみたりと、企業へ直前に問い合わせをしてみましょう。直前に説明会をキャンセルする学生は必ず発生し、席に余裕があることが多いため、急きょ参加できることもあるからです。
上記の行動は企業にとって非常識で失礼な行動に見えるかもしれませんが、企業側の説明会1回あたりのコストは固定であり、一人でも多くの学生にアプローチしたいと考えているので、承諾してくれることも多いはずです。また、「そこまでして説明会や採用選考に参加したいのであれば熱意はあるだろう」と企業の採用担当者が判断する可能性もあり、企業への志望度の高さを示す良い機会とも言えるでしょう。
もちろん、企業の採用担当者から断られたら、素直に引き下がることも大切です。
理不尽(2):MARCH学生は知る由もない「早慶のような高学歴学生向け限定イベント」
上述した説明会などのセミナーはすぐ満席になるものの、案内はMARCH学にも来ます。しかし、中にはMARCH学生が存在すら認知できない、高学歴学生向けのイベントが存在します。
例えば2018年卒の就職活動では、あるMARCH生によると大手システム系会社が早慶を中心とした高学歴学生向けに大学別説明会を開催していたものの、MARCHや関関同立学生向けには開かれていなかったことという事実があったようです。
MARCH生は、それらのイベントの存在を、その後の選考などで上位校の学生と話をしている際に初めて知り、なんともいえない気持ちになります。
解決策:高学歴大学の学生から、企業の採用・選考情報を吸い取ろう
こういった特別イベントは、企業から評価されれば早期選考などの優遇措置が取られることもあります。MARCH生はそもそも対象外なので、そういった面では厳しいですが、だからといって諦めてはいけません。
高学歴大学の学生に差をつけられないようにするためにも、企業の限定セミナーで彼らが得た情報を集めておきましょう。説明会や選考で一緒のチームになった学生とは、積極的に連絡先を交換し仲良くなり、お互いに就職活動の情報を共有し合う関係を構築すべきです。
MARCH学生側から企業の情報を提供できることは少ないですが、「就職活動疲れたし、久しぶりにリフレッシュしようよ!」「高学歴の○○さんに就職活動の悩みを聞いてほしい!」といった形で誘うと良いでしょう。
理不尽(3):行きたい大手企業のOBが……いない!?
上述したような人気の大手企業内定者は、学歴フィルターによって、結果的に過半数が国公立早慶大学などの高学歴の学生で占められています。
その割合は毎年大きく変わらないので、人気大手企業にはMARCH大学出身のOBが少なく、大学のキャリアセンターを使ったOB訪問が難しいという問題も発生します。仮に自身の大学を卒業したOBを見つけたとしても、多くの学生が殺到してしまっていて、訪問に対応できないということも往々にしてあります。
解決策:企業のイベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作ろう
自分と同じ大学出身大学のOBがいない時には、就職活動イベントで企業社員とのコネクションを作りましょう。例えば企業の説明会で名刺をもらい、後日あらためてOB訪問をすることもできます。
そういった場で名刺をもらう学生は少ないので、OB訪問さえも快諾してくれるでしょう。1人OB訪問ができれば、その後はその企業社員から他の社員を芋づる式に紹介してもらえます。
大手総合商社に内定したあるMARCH学生は、その企業だけでOB訪問を30人以上行っていたそうです。その学生は企業の採用選考で「君の名前はいろんな社員から聞くよ」と社員から言われるほど注目されており、結果的に無事内定も獲得できたと話していました。
企業のOB訪問について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
・いよいよOB訪問。突撃して後悔しないために、先に読むべき14記事!【総合商社・広告代理店・外資メーカーほか】
・【現役商社マンが指南】50名にOB訪問をされたから分かる、総合商社OB・OG訪問で好印象を得る質問の特徴
MARCH生が理不尽に打ち勝つために必要な2つの能力
ここまで、学歴によって生まれる理不尽な状況を見てきました。しかし、それらの状況を覆し、見事人気大手企業から内定を勝ち取って入社するMARCH学生もいます。それらの学生の共通点として、以下の2点が挙げられます。
1. 自分の現状を把握し、不足している点を正しく認識する力
上記のような理不尽によって、MARCH学生は高学歴大学と比べた際に、自分をアピールする場や企業情報が足りない傾向にあります。そして、その状況に気づかず企業の選考に臨み、案の定内定できないケースが多いといえます。
そうした就職活動の状況に危機感を持ち、「自分には今何が必要なのか」、「それを得るためにはどうすればいいのか」といったことを考えることが、まず必要だといえるでしょう。
2. 誰よりも強い熱意と人並みはずれた行動力
(1)を踏まえた上で、MARCHや関関同立学生に必要なもう1つの要素が、異常なまでの行動力です。それぞれの理不尽に対する解決策でも記載しましたが、大手人気企業に内定している学生は、さまざまな手段を使って内定取得に向けて努力しています。
例えば、あるMARCH大学の大手総合商社内定者の中には、その商社が東南アジアで手がけるプロジェクトの現地視察を行っていた学生もいたようです。
また、リクルーターで有名なある超大手日系メーカー企業に内定したMARCH学生は、その企業は自分の大学にリクルーター枠がないことから、企業の採用責任者に「自分はこういう人間である。御社が第一志望だから直接会って話を聞いてほしい」と直談判したそうです。
このように、企業の面接やESの通過や内定するためには何が必要なのかを明確にし、それを実現するために行動することで、MARCH学生であっても超難関企業に内定することは可能です。
おわりに
いかがでしたか。MARCH学生の多くが共感する、就職活動での理不尽あるある。これはMARCH以外にも日東駒専、産近甲龍(※4)の学生にも同じことが言えます。学歴偏重社会である現在の日本では、仕方のない部分もあります。しかし、高学歴が全てではありません。MARCHの学生や関関同立の学生も、就職活動において努力次第で変えられるものは多々あるので、悲観することはありません。
以下の記事も参考にしつつ、学歴フィルターをひっくり返していきましょう。
・GMARCHでも商社内定!?学歴を跳ね返す就活勝者が使った3種の神器(※4)……京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学のことを指す