こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリの人気ライター、トイアンナ・KEN・熊谷 真士が学生の悩みに答える「就活道場」。
今回のテーマはこちら。
幸せな家庭を作っている社会⼈と、そうでない社会⼈、どこに分かれ⽬があると思われますか?
・トイアンナ:30歳までに決断してください。
・KEN:「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて気が付けばそこにあるもの」ではない
・熊谷 真士:もう、頑張るしかない
三者三様の答えをお楽しみください!
トイアンナ:30歳までに決断してください。
トイアンナ:
大学を卒業後、外資系企業にて約4年勤務。600人以上の人生相談を受けた実績を基に独立。現在はマーケター、ライターとして広く活動中。
幸せな家庭を作っている社会⼈と、そうでない社会⼈、どこに分かれ⽬があると思われますか?
こんにちは、トイアンナです。えらい重たい質問をありがとうございます。幸せな家庭を作っている社会人……と見せかけて実際はW不倫の末アイスバケツチャレンジより冷え切った仮面夫婦もたくさんいるので断定はできませんが、たぶん幸せな社会人から話を伺う中で共通していると思うことを書きます。
優先順位がハッキリしている人は幸せになりやすい
自分の人生を考える上で欠かせないのがワーク・ライフ・バランスです。んなこた分かってる、と誰もが思うでしょう。けれども激務と呼ばれる業界へ進む就活生のどれくらいが「1日15時間は職場にいて出会いがなくなり結婚できない可能性」とか、「いざ結婚できても家に帰れなさ過ぎて離婚するリスク」を真剣に考えた上で内定を受諾しているでしょうか?
少なくとも私が内定したときは「よっしゃ〜もう就活せんですむ~!!」しか考えてませんでした。まあ私はとびきりバカな部類ですが、同じホモサピエンスなら共感してもらえるものと信じます。
その点、ワーク・ライフ・バランスを上手く取る人には「家庭と仕事、どっちが大事なのよ!?」という究極の質問に早くから答えを出し、優先順位をハッキリさせている方が多いです。
家庭の方が大事と結論を出した方は「仕事は好きだけど結婚するためならキャリアダウンも辞さない」とさっさと退職したり独立したり。花形キャリアも惜しみなく捨てます。
逆に仕事優先と結論を出した方は主夫志望の男性と結婚して仕事へ集中したり、子供だけ作ったものの結婚せずシングルペアレントをやっていたりします。その子は住み込みのベビーシッターさんに愛されてとても幸せそうです。人生の優先順位がハッキリしているなら「普通の結婚」「普通の幸せ」といった型に囚われず自分なりの幸せが何か、解を出せるものです。
普通に頑張っても、どうにもならない
一方、結婚やキャリアで30代に入ってから迷子になるのは優先順位を付けずに「頑張れば普通の幸せが手に入るだろう」と思ってきた人に多いように見えます。頑張れば報われることが多い受験や就職と違い、結婚したければ出会いを増やさなくてはいけないし、子供に愛されたければ普段から子育てに参加するしかない。幸せは自分で定義しないといけないし、そのために社会常識を無視すべきときもある。その割り切りをせずに「世間的な幸せ」をぼんやり考えていると、どの幸せも取り逃がします。
日本の労働状況では「仕事も家庭の時間も、どちらも」を選択するのは非常に難しい現実があります。就職してからでも構いません。実際に働きながら自分は何を優先したいのか、30歳までに決断してください。
KEN:「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて気が付けばそこにあるもの」ではない
KEN:
1987年生まれ。本名北野唯我。事業会社、コンサルティングファーム出身。学生時代にボランティア団体を設立・プロボノ支援等のソーシャルセクターでの活動経験を持つ。
幸せな家庭を作っている社会⼈と、そうでない社会⼈、どこに分かれ⽬があると思われますか?
この質問の難しさは、1つの質問に2つの抽象的な問いが含まれていることだと思います。1つ目は「幸せとはなにか?」ということ。そしてもう1つは「幸せを実現する上で、家庭はどんな役割があるのか?」ということです。
今回は、先人の知恵を借りながら、考えてみましょう。
ドイツの研究者であるエーリッヒ・フロムは『愛するということ』という本の中で、「愛とは能動的なアクションである」ということをいっています。
その意味は、愛とは「具体的な行動」であり主体的なもので、コントロールできるものだということでした。愛とは「Being(状態)」ではなく、「Action(行動)」だというのです。いわゆる「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて気が付けばそこにあるもの」とは全く反対の考え方です。
そして私は「幸せ」も同じような構造だと感じています。すなわち「幸せとは、小さな幸せを定義する能動的なアクション」だと考えます。
分かりやすく、偉大な言葉を借りるのであれば、
・賢い人とは?…あらゆる人から学べる人
・強い人とは?…感情を抑えられる人
・富める人とは?…いま持つもので満足できる人
この3つ目、富める人であること、すなわち「今あるものに、価値を見出すこと」、それ自体が「幸せ」なのだと感じます。
幸せとは、「今あるものから多くの『小さな幸せ』を見出すこと」と言い換えられるでしょう。
「幸せな家庭」をどう定義するか
議論を進めます。
2つ目の問い、「幸せを実現する上で、家庭はどんな役割があるのか?」について考えてみましょう。
「小さな幸せを見出すこと」は、あなた1人でもできるはずです。それを2人以上で行うと、何が変わるのでしょうか。
その最大の違いは、主語の変化です。主語が「We」となるということです。
最初の質問に答えると、もしも「幸せな家庭を作っている社会人」と「そうでない社会人」に違いがあるのだとしたら、その違いは
「主語がWeである小さな幸せをどれだけ定義できているのか?」の量。
そう考えてもいいのではないでしょうか。
とはいえ、言うは易く行うは難し。
私ならきっと、こんな行動を取ります。
1. 些細な違いで衝突しないように、常により大きな目的を提示する
2. 相手に対して最大の敬意を表し、それを言葉にし、感謝する
少しでも参考になれば幸いです。
熊谷 真士:もう、頑張るしかない
熊谷 真士:
京都大学→総合商社→ヘッジファンド/ライター。ブログ「もはや日記とかそういう次元ではない」を運営。
幸せな家庭を作っている社会⼈と、そうでない社会⼈、どこに分かれ⽬があると思われますか?
自分の周りの3,750にも及ぶサンプルを見渡してみても、やはり幸せな家庭を作り家族との触れ合いから幸せを享受している人もいれば、そうでなく妻との関係はギスギスし家庭に居場所はなくなるべく週末も仕事をしていたい、という感じの人もいます。一体その分かれ目は、どこにあるのか。
これは相当難しい質問で、正直一度も結婚したことのない自分には検討もつきません。何一つ自分で経験したことではないので全て妄想ベースになってしまいますが、様々な要因により付き合っている時には感じなかった不満を結婚後に感じることがあるんだろうと思います。
結婚後に仕事が変わったり、住む場所が変わったり、単身赴任になったり、子供が生まれたり、どちらかが病気になったり、どちらかがハゲたり、どちらもハゲたり、と予想もしていないような変化があれば、2人の間に想定外の“相容れないポイント”が出てくるのも頷けます。
事前のすり合わせによって結婚前に全ての可能性を潰しておくのは、事前に全てのリスクを洗い出して完全無欠な契約書を作った上でジョイントベンチャーを立ち上げることと同様、実質的には不可能な所業なのでしょう。結婚も「何か想定外の問題があったら、相談の上合意!」という条件の元で基本的には一緒にやっていくのだと思います。
こうすれば上手くいく! という具体的な方法は僕には分かりませんが、少なくとも良い家庭を築いて幸せに家に帰って行く人を見ていて思うのは、そういう人達は家庭を築くために少なからず常に「頑張っている」なあ、ということです。
一見、ただ好きな人と一緒にいるだけの話なので「頑張り」は必要なさそうですが、やはりどんなに愛し合った人間の間にも「まるで違う部分」が無数にあって、長く一緒にいればそれがどんどん発見されていくので、この違いを乗り越えようとそもそもお互いが思っていること、常に“違う”人間を理解せんと「頑張っている」こと、これが大切なのかもしれません。
勿論、頑張れば何でも上手くいくってもんじゃないので、これは十分条件ではなくて、必要条件なんだろうと思います。“少なくとも” 頑張らないといけないだろう、という、ただそれだけの意見です。いずれにしても、いつか結婚する時には「安心」せず、「頑張ろう」と、それだけ個人的に思っています。というわけで結論はLet’s頑張ろう、です。 あれ?
ショボ過ぎません? 僕の意見。
「就活道場」の記事一覧
・vol.1:学⽣のうちは遊んでおけっていうアドバイスは本当に正しいのか?
・vol.2:「やりたいことは仕事をやっていく中で見つけていこう」ってのは、実際見つかるもの?
・vol.3:いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない
・vol.4:新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
・vol.5:学⽣時代の期待が裏切られ、社会⼈になって最もがっかりしたことは何か。
・vol.6:幸せな家庭を作っている社会人と、そうでない社会人、どこに分かれ目があると思われますか?
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・vol.9:中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
・vol.10:社会人1年目と現在との考えのギャップ。(e.g.将来のビジョン、働くモチベーション)
・vol.11:昇進する上で失敗せずにチャレンジするコツは?
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