こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリの人気ライター、トイアンナ・KEN・熊谷 真士が学生の悩みに答える「就活道場」。
今回のテーマはこちら。
「いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない」
・KEN:落とす理由はない。でも、「採る理由もない」からだと思います
・トイアンナ:たいていそれまでもうまくいってません
・熊谷 真士:偏りが存在するかもしれません。あくまで仮説です。
三者三様の答えをお楽しみください!
KEN:落とす理由はない。でも、「採る理由もない」からだと思います
KEN:
1987年生まれ。本名北野唯我。事業会社、コンサルティングファーム出身。学生時代にボランティア団体を設立・プロボノ支援等のソーシャルセクターでの活動経験を持つ。
「いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない」
結論ファーストで答えると、その理由は「落とす理由はないけど、採る理由もないから」だと思います。
そもそもですが、企業は何のために面接をするのでしょうか?
当然、目的はシンプルで「入社後に活躍してくれる人を採ること」です。では、「入社後に活躍してくれる人」とは一体どんな人でしょうか?
これを構造的に考えるためには「業界特性による部分」と「どの会社でも共通する部分」に分けて考える必要があります。まず前者から見ていきましょう。
業界特性を持っているかどうかは「偉い人」じゃないと見極められない
例えば、商社の面接において「周りを巻き込む力」が極めて重視されますが、それは商社のメインの仕事がさまざまなステークホルダー(利害関係者)をまとめる仕事だからです。一方で商社は、製造やマーケティングのような業務はそれほど専門的に担当しないため、「確実な仕事をゆっくりコツコツと積み上げる力」や「ユーザーインサイトに基づく分析力」「クリエイティビティ」は、製造業や金融業界、マスコミ職に比べるとあまり見られません。この違いが「業界特性による部分」です。
この「その業界で特に必要とされる能力」は、その会社に長く勤め活躍している人ほどそれが何かが分かってくるものなので、必然的に「偉い人」が見極めることになります。選考ステップでいうと「最終面接」や「最終面接の1つ前」です。
一方で「どの企業でも共通する部分」に当たるのは、最低限の「地頭」や「不快感のないコミュニケーション能力」などです。これは若手でも見極めることができますので、面接の初期段階から見られることになります。
質問者は「業界特性」の部分で、育てたいと思われていない
さて、質問者の特徴は「初期の面接は通るけど、最終面接で落ちる」ということでした。それはつまり「基本的な部分はクリアしているが、応用部分ができていない」ということです。
面接官は「業界特性」の部分で、質問者を採りたいと思う理由を見つけられなかったのです。
では質問者は何を面接官に伝えたらいいのでしょうか?
それは上述の通り業界によって異なりますので、みなさんが行きたい企業のOB訪問やOG訪問で直接聞いてみましょう。
具体的には、年配の人に対して「どんな新人なら一緒に働きたいと思いますか?」「どんな後輩なら、いろいろ教えてやりたいと思いますか?」と聞いてみましょう。コンサルティングファームでは意外と「可愛げのある奴」という答えが返ってくるでしょうし、投資銀行では「とにかく頭の回転が速くて肝が座っている奴」などが返ってくるでしょう。
年配者の「こういう人と仕事をしたい」という要素は、最低限の業界特性を示しています。
その答えを踏まえて、最終面接で「あなたを採る理由」を伝えてみてはいかがでしょうか?
トイアンナ:たいていそれまでも、うまくいってません
トイアンナ:
大学を卒業後、外資系企業にて約4年勤務。600人以上の人生相談を受けた実績を基に独立。現在はマーケター、ライターとして広く活動中。
「いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない」
こんにちは、トイアンナです。「いつもいい感じで進むけど最終で落ちる」という時は、たいていそれまでもうまくいってません。ボーダーライン上にいたのに気付いていなかっただけです。
ではなぜいい感じにコトが進んでしまうのか。それは、先方が「優秀なんだけど、◯◯が足りないんだよなあ」と思っているからです。おそらく最終まで進むあなたは就活生の平均よりずっと優秀で、入社した後大活躍する可能性が高いと思われています。
「じゃあ何でダメなんだよ」
という声が聞こえてきそうですが、これまでご相談をいただいた経験からお話しすると面接官が「◯◯が足りないんだよなあ」と思っている◯◯は以下のどれかです。
1. 志望度
まずは「優秀だけど、志望度が足りないんだよなあ」という場合です。
例えば、面接で志望理由を聞かれた場合に、就活生から「ものづくりに関わりたい」「日本の良さを広めたい」などボンヤリとしたものしか出てこなかった場合、普通の学生だったら早めに落とされているでしょう。しかし優秀な人材なら「う~ん」と思われつつ、次の選考へ進められてしまいます。
しかしそれは判断が保留されただけです。最終面接で「あなたに内定をあげても、より就活偏差値の高い有名企業の内定が出たら自社を蹴られる」と思われれば容赦なく落とされます。
【対策】業界・業種への志望動機をさらに「御社を志望する理由」まで落とし込む。具体的には自分の思い出など感情的な企業との関わりを伝えるか、OB・OG訪問を通じた社員への思いを伝える。
2. 社会の理不尽に対する心の準備
次に「優秀だけど、理不尽耐性が足りないんだよなあ」という場合です。
企業には、人事部が説明会で言えないような理不尽な業務もあります。例えば外資系コンサルティング業界は、説明会で言われるロジカルシンキングや体力だけでなく、クライアントとの接待や過剰な要求に耐えるための能力も必要です。
このように、いわゆる「説明会で言われる」要件は満たしているが理不尽な業務に耐えられなさそうだと思われた場合、最終でお断りされることがあります。
【対策】OB・OG訪問で会社へ入ってから感じた嫌なところを質問しておく。Vorkersなどのクチコミサイトで会社のネガティブな面を学習する。これらを踏まえて「私は現実も知っていますが、それでも御社へ行きたい」と伝える。
3. 協調性
最後に「優秀だけど、協調性が足りないんだよなあ」という場合です。
自分ではイケていると思っていても、就活生がアピールする協調性に関するエピソードには実際の仕事で必要とされる要素が欠けていることがあります。
それは、(1)自分より立場が上の人をヨイショできるのか(2)対立した意見を持つ人の気分を害さず説得できるかという2つの要素です。
【対策】上記2点の協調性を見せるようなエピソードを最終面接までに準備しましょう。「成果と言えるかは分からないんですが……」と謙虚な姿勢で見せるとなおよいです。
次の最終こそ確実に通りたい! その気持ちを叶(かな)えるためにも一度面接で語ってきたエピソードを振り返り、面接官の懸念点を払拭(ふっしょく)したアピールへ挑んでください。次こそは内定しますように!
熊谷 真士:偏りが存在するかもしれません。あくまで仮説です。
熊谷 真士:
京都大学→総合商社→ヘッジファンド/ライター。ブログ「もはや日記とかそういう次元ではない」を運営。
「いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない」
いい感じで面接に進むのに、なぜか毎回最終で落ちてしまう。一体、なぜでしょうか。難しいです。正直、全然分かりません。以下、あくまで仮説です。
当たり前ですが面接というのは基本的に1次、2次、3次と進むごとに高い役職の人が出て来ます。最初の面接では現場のチームリーダークラスから始まり、それが課長になり、部長になり、最終面接は役員クラス、こんな感じになっていることが多いです。最終面接には社長が出て来るというパターンも多く見受けられるのではないでしょうか。あくまで仮説です。
僕自身は社長でもなければ面接をしたこともないので何一つとして正確なことは言えませんが、極めてボンヤリとした曖昧なことを言えば、「普段自分自身がどのようなポジション・視点で仕事をしているのか」というのは、「限られた時間で学生の何をみようとするのか」に大きく関係するかもしれません。例えばですが、現場レベルの人は「能力」に、経営者レベルの人は「人間性」によりフォーカスして人を見ようとする傾向があるとか、そういう偏りが存在するかもしれません。あくまで仮説です。
「英語の勉強をして、TOEICで990点を取りました。」という客観的な事実があったとして、これをドヤ顔で発表したとして、その発表した時に聞いている側の人間がどう思うのかというのは、その聞いている人が注目しているポイントによって、まるで変わってしまいます。「おお、こいつは優秀そうだな、色々と海外のビジネスが出来そうだ。とりあえず面接は通過で、上にあげよう。」と感じる人もいれば、「いや別にそんなことはどうでも良くて、なんで英語を勉強したのか、英語を勉強することで何を感じたのか、その辺の根本的な考え方の話が聞きたいんだよなぁ。なんか違うなあ。」と思う人もいるでしょう。全く同じことを全く同じように話していても、感じ方は人によって本当にまちまちなものです。その、それぞれにユニークな注目ポイントがどこから出て来るかと言えば、あくまで各人の経験から来ているのだろうとは思います。あくまで仮説です。
仮に「最終面接ばかり落ちてしまう」という独特な傾向が本当に存在するのであれば、それはこれまでの最終面接に現れる面接官に何らかの注目ポイントがあり、貴方のアピールがそれに何となくハマらないのかもしれません。最終面接と言うと緊張してしまうと思いますが、自分のことを必死で説明する前に「で、この人は何を知りたいんだろ」と立ち返り、同じ会社の面接であっても相手の人間に合わせて自分の話を柔軟に組み立てるのが良いんじゃないかと思います。30歳の社員と60歳の社長とでは興味も視野も全然違うので、やはり効果的な説明方法も違いそうです。
なんだか難しいことをするかのようになってしまいましたが、やるべきことと言えば「変に意気込んで自分の話ばかりせず、目の前の人間の意図に沿った受け答えをする」というだけです。もっとシンプルに言うと、「なるべく普通の会話をする」ということになると思います。もっとシンプルに言うと、「する」になると思います。あくまで仮説です。
あとはもう、面接官の視点がどうのこうのとかそういう次元では一切なく、最終面接ということで貴方自身がやたらと緊張してしまっている、という問題があるのかもしれません。最終面接の時だけ毎回緊張し過ぎて身体がワナワナと震え、その震えをどうにか隠そうと身体の震えを上書きする程の強烈な貧乏揺すりをした結果、毎回“一人震源地”と化してしまっている。そんな傾向はありませんか? あるとすれば恐らくそれが落ちてしまう原因なので、相手の面接官の考えがどうの何て言う話は一切忘れて、とにかく可及的速やかに貧乏揺すりをやめましょう。貧乏揺すりをやめると揺れがおさまり、面接官も安心します。すると、面接に合格します。あくまで仮説です。
以上、あくまで仮説でした。
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・vol.5:学⽣時代の期待が裏切られ、社会⼈になって最もがっかりしたことは何か。
・vol.6:幸せな家庭を作っている社会人と、そうでない社会人、どこに分かれ目があると思われますか?
・vol.7:就職せず、いきなり起業する学生についてどう思いますか?
・vol.8:結婚しないと昇進に響くか
・vol.9:中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
・vol.10:社会人1年目と現在との考えのギャップ。(e.g.将来のビジョン、働くモチベーション)
・vol.11:昇進する上で失敗せずにチャレンジするコツは?
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