こんにちは、ワンキャリ編集部です。日本を代表するIT企業、ソフトバンクの特別インタビュー企画を、前編・後編の2記事にわたってお届けします。前編は、企画職を担当する2年目の都築さんへのインタビューです。PC・スマホ・TVなどで人気スポーツの生中継を配信するスポナビライブ立ち上げの裏話や、1年目からチャンスをつかむために必要なことなど、2年目若手社員とは思えない活躍をされている都築さんのとても刺激的なお話です。
※法人営業の女性社員が語る後編はこちらから:「私の仕事のモチベーションは…」ソフトバンクの仕事観【ソフトバンク特別インタビュー:後編】
入社2年で、既存事業のプロモーション統括から新事業の立ち上げまで
ソフトバンク株式会社 プロダクト&マーケティング統括 サービスコンテンツ本部 都築(つづき)さん:
2015年入社。初期配属のプロモーション企画部では既存事業のプロモーションを経験後、新サービス「スポナビライブ」の立ち上げに参画。その後、販売企画部に移り今は販売戦略や営業企画推進の業務を担当している。
――入社2年目にして数多くの事業を手掛けてきたと聞いています。今までいくつの事業に関わってきたんですか?
都築:これまで担当事業やチームを変えながら、4つの事業に携わってきました。
――入社2年目で4つ……! すごいですね。それぞれどんな業務をされてきたのでしょうか。
都築:入社後携わった順ですと、1. 既存サービスのプロモーション→ 2. 直営店舗での営業研修 → 3. 新サービスの立ち上げ → 4. 販売促進の戦略設計、の順ですね。1つ目はアニメやスポーツ・書籍などエンタメコンテンツや、補償と留守電サービスのプロモーションを行いました。4つ目、つまり現在はサービス自体の販売戦略設計と、代理店が売りやすくするための営業スキームやインセンティブの設計を行っています。
スポーツ観戦の常識を変革した「スポナビライブ」。立ち上げメンバーとしての大型PJ参画も「アピールすること」から始まった
――3つ目のお仕事は、三代目 J Soul Brothersとお父さんのCMでおなじみの「スポナビライブ*」ですよね。あのサービスの開始は、スポーツ観戦の転換点として社会的にも大きく注目されましたよね。
*スポナビライブ=ソフトバンクとヤフーが共同運営しているスマホ・タブレット・PCで人気スポーツのライブ中継が見放題となるサービス
都築:スポナビライブが出る前のスポーツ観戦の常識は『テレビで観ること』でした。海外サッカーなどの目玉コンテンツはBSやCSの有料チャネルでないと観られないなどという制約も多くありました。それをスポナビライブは、スマホでいつでもどこでも観られるようにした新サービスです。プロ野球やサッカーを中心に、最近はバスケットボールのBリーグの試合も配信しています。自分も学生時代からスポーツの試合を観ることが大好きだったのですが、スポーツ観戦の常識を大きく変えたサービスだという実感があります。
――2年目の若手社員が新サービスに関わることはめったにない事例だと思います。なぜ都築さんは挑戦できたのでしょうか?
都築:それはソフトバンクのカルチャーにあると思います。それこそが私がソフトバンクをいいなと思うところなのですが、「アピールを続ければ、1年目でも経営側に入れるチャンスが与えられる」という環境があるんです。会社の上層部が若手をとても好きなんですね。私が参画した専務直轄のプロジェクトも「若手社員を各部署から一人ずつ連れて来い。ソフトバンクの5年後10年後を君たちと一緒に考えたい」という上層部の声があったことが発端でした。
私は当時の部長に推薦してもらいそのプロジェクトに参加、そこで積極的な発言と行動を行いました。それにより、挑戦の機会を与えてもらったと思っています。
孫正義からの「ド鋭い」助言。山積みの課題へ「業界を変える意志」を持って数百名規模で挑む
――やりたいことを口にすることって、上司の顔色を伺ったりで意外と簡単にできないですよね。そのあたりは都築さんはさすがですね。そのようにして始まったスポナビライブでは、どのような業務を担当されたんですか?
都築:会社にとっても大きな新事業だったので、私が作った資料を上司が直接、孫さんにプレゼンすることもありました。孫さんからド鋭い意見をもらうこともあって震えました(笑)。
プロジェクトは大きいけれど時間に限りあって、システム構築やサービスの価格設定・関係者との調整など課題が山積み。私は「スポナビライブ」を共同運営するヤフーとの連携や、バスケットボールリーグの「B.LEAGUE」との契約を主に担当しました。法人営業・コンシューマ営業・技術・マーケティングなどすべての部門との連携が必要だったので、最終的には数百人というメンバーが関わるほど大規模なプロジェクトになりました。
――就活生にとっては、「ソフトバンク=携帯電話の会社」というイメージが先行しがちかと思います。数百名規模のプロジェクトの立ち上げに関わるなど、携帯電話とは違った仕事があることは学生からすると意外かもしれません。
都築:誤解を恐れずに言うと、ソフトバンクにとって携帯電話はいちサービスにしか過ぎません。スポナビライブの時は「うちがスポーツ業界を変えてやろう」という強い意志を持ち、ファンが満足するスポーツ業界の理想の在り方などを考え続けて、その中でソフトバンクができることをビジネスに落としていきました。この部署にいると携帯会社で働いているというイメージは一切ないですね。
難易度の高い仕事への挑戦。裏では先輩社員「エルダー」がOJTでサポート
――そんな都築さんがされた「若手ならでは」の苦労を1つあげるとすると何でしょうか?
都築:「1つ」どころではないですね(笑)。最初はなにもできませんでした。サービスをつくるにあたっては、システムをどのように構築するか、どんなお客様にどうアプローチをすれば響くのか、価格設定はどうするか、など考えながら事業計画に必要な分析を進めます。その中でも「このサービスは本当に会社の利益につながるのか?」という採算面を考えることには特に苦労しましたね。
立ち上げの日々は、プロジェクトマネージャーの真横にずっといて、システム開発の会議に出て、事業計画を進める会議に出て、分からないことだらけのなかで必死に議事録を録る日々。1日中会議ばかりだったので、当然勉強にもなるのですが、分からないことだらけでもがいていましたね。
――そんな中で、都築さんが成長するために心掛けていたことはなんですか?
都築:スケジュール管理について「エルダー」のサポートを積極的にもらうことですね。大きなプロジェクトになればなるほど、全体像をつかむのが難しかったので。
ソフトバンクには、配属後一定期間「エルダー」と呼ばれる先輩のもとで学ぶOJT制度があります。私もエルダーの先輩から「できないことはできない、できることはできると言ってほしい」と言われ、「これだけだったらこの納期でできるので預からせてください」とか「これはスケジュールを見ると厳しいです」と、自己管理をしながら進めていました。このスケジュールを自分だけで考えるのは難しいので、OJTの中でエルダーと一緒に考えてもらっていました。
今、旬なのが携帯電話なだけ。その時代でいちばん必要とされるものを提供する
――携帯電話のイメージが先行する一方で、スポナビライブをはじめ、AI・ロボットとさまざまなサービスを手掛るソフトバンク。そのソフトバンクを一言で表現するとしたら、都築さんはどんな言葉にされますか。
都築:私がしっくりきているのは、孫さんがよく言う「その時代でいちばん必要とされるものを提供するのがソフトバンク」という表現です。
今、携帯電話の事業をするのは、この世の中にこのタイミングで携帯電話が求められているからということでしかないというわけです。ソフトバンクのイメージは、以前は雑誌やブロードバンド、そして今は携帯電話。10〜20年先はまた変わるでしょうね。最近はARM社*の買収を、旅行中にニュースで知って「マジか!」と驚きました(笑)。今後はロボット、AIやIoT*でしょう。すべてのものにインターネットが入っていくので、インターネットの中枢を押さえようとしていますし、今後は家の中にソフトバンクのIoT商材が増えていくと思います。
*ARM社(アーム)=イギリスのケンブリッジにある半導体やCPUの設計メーカー。2016年7月、ソフトバンクが日本円換算約3兆3,000億円での買収を発表した
*IoT=Internet of Things。さまざまな「モノ(物)」がインターネットに接続され情報交換される仕組みのこと
就活は「どの山に登りたいか」を選ぶこと
――都築さんがソフトバンクを選んだきっかけは何だったんですか?
都築:就活を始めた頃は、企業の目指す方向性やビジョンを見て、直感で動いていました。早期にベンチャーや大手数社から内定をもらって余裕ができたときに、孫さんの講演会*に参加したんです。そこで、
「どの山に登りたいかを選ぶのが就活だ」
「ソフトバンクとしては情報革命で人々を幸せにするという景色を何十年と見ていこうと思う。その景色をいっしょに見たい人は私についてきてくれ」
という孫さんの言葉にグサッときたんです。自分も似た視点を持っていたのでとても共感して。やりたいことができそうな会社だったのでソフトバンクに決めました。
*ソフトバンク新卒LIVE、という名の講演会。ソフトバンクグループ社長の孫正義が全国の学生に向けて年に1回講演を行っている。昨年は約4,000名の学生が参加した。今年も2017年4月24日に「ソフトバンク新卒LIVE2018」を開催予定
――そのようなきっかけで選ばれたソフトバンク。入社前後で感じたギャップはありましたか。
都築:入社して驚いたのは、先輩社員のレベルの高さです。すべての会話に無駄がないというか。ロジックが整っていなければ必ず詰められますし、必要な数字を用意していないと叱られます。今思えば当たり前のことですが、学生時代との大きなギャップに打ちのめされました。
――新事業の立ち上げメンバーとして、先輩についていくのはかなり大変だったのではないでしょうか。
都築:確かにそうですね。帰宅が遅い日が続いて体力的に辛いと感じたこともありましたが、でもそれは一時的なものでした。入社してからの2年間、休日出勤は一度もありません。有休休暇の取得もしやすく、残業もあまりない。ちゃんと評価してくれる文化もあるので本当に素晴らしい会社だと思っています。
やりたいことを持ち、変化を恐れない姿勢。これが若くしてチャンスをつかむカギ。
――大きなプロジェクトへの参画という機会をつかんだ都築さんの視点から見て、IT業界、そしてソフトバンクで活躍できる人材はどういった方だと思いますか?
都築:「変化を恐れない人」ですね。居心地の良い環境を崩してもやっていける、変化を楽しめる人が向いていると思います。事業が変化するスピードの早いIT業界では必須だと思います。
――他に、活躍するにあたり求められたこと、やってよかったことはありますか。
都築:先ほどの話にも出ましたが、「やりたいことを口にすること」です。口にしていれば挑戦する機会がつかめる会社なので。手助けしてくれる先輩もたくさんいます。
入社5年程度で課長クラスになる人もいますが、そういう人は本当に凄くて、私はまだ足元にも及ばないですけど、負けずについていきたいと思っています。
――そんな都築さんが、今、挑戦したいと口にしていることはなんでしょうか。
都築:マネジメントレベルの仕事へ挑戦したいと思っています。そのためには自分のレベルアップがまだまだ必要です。上司のアドバイスを受けながら、プロジェクトマネージャーとして必要な資質、特に「数字やさまざまなことを横断的にみる視野」を身につけたいと思っています。今まではいろいろなことを飛び級で経験させてもらいましたが、今は落ち着いて基礎固めをする毎日です。
就職で人生が50%決まる:自分の人生を幸せにするための「取捨選択」をすべき
――最後に、ワンキャリアを訪れる多くの学生へのメッセージをお願いします。
都築:就活を控えている皆さんにお伝えしたいのは、「自分の人生を幸せにするために何が必要で何が不要か取捨選択をする」ということですね。孫さんも「就職で人生が50%決まる」と言っています。仕事が楽しければ人生幸せだという考えも正しいと思いますが、学生の時はまだピンとこない人もいると思います。自分の中で「今、何が大事なのか」を立ち止まって考えてみてもいいのかなと。
――なるほど。都築さんの場合は、幸せになるために何が必要だったんですか?
都築:私の場合は、人生を豊かにするものの中で大事な1つがスポーツ観戦でした。スポーツ観戦と関わる時間を損なわない中でやりたいことをやろうと思い、その中で入社を決めたのがソフトバンク。ほとんどの社員が1年目からずっと本社勤務で、ちゃんとした給与体系があって、サービス残業もなく、福利厚生がしっかりしている。プライベートを守りながら、やりたいことへ挑戦できる最高の環境でした。
――それで、「スポナビライブ」のチャンスもつかみにいったんですね。
都築:そうですね。入社後すぐにやりたいことができなくてつまらないと言っている人もいますが、現実的に考えて「この条件は絶対譲らない。でも他はある程度、優先度を下げてもいいか」という取捨選択を行うこと。その上で、やりたいことへ近づく方法を考えてほしい。これこそが就活という人生の大きな選択でとても大事なことだと思っています。これは今までに出会った学生にも必ずお伝えしています。
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※ソフトバンクの就活インターン、エントリー開始しました。(2017年5月10日更新)
※ソフトバンクグループ代表 孫 正義が就活生に直接語る!ソフトバンク新卒LIVE2018
※法人営業の女性社員が語る後編はこちらから:「私の仕事のモチベーションは…」ソフトバンクの仕事観【ソフトバンク特別インタビュー:後編】