こんにちは、ワンキャリ編集部です。
投資銀行業務、株式・債券の売買など、幅広い金融サービスにおいて業界をリードしているモルガン・スタンレー。ゴールドマン・サックスやJ.P.モルガンと並ぶ世界的な投資銀行でありながら、日本でも外資系金融企業として最大級の規模を誇っています。
この記事では、モルガン・スタンレーのファイナンス部門について、具体的な本選考対策をお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●モルガン・スタンレーが属する業界
●モルガン・スタンレーの特徴
●ファイナンス部門の特徴
●競合他社との違い
●モルガン・スタンレーの本選考のポイント
●モルガン・スタンレーの本選考のフロー
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 録画面接
4. 1次面接
5. 最終面接
●おわりに
モルガン・スタンレーが属する業界:投資銀行
モルガン・スタンレーは投資銀行に分類されます。投資銀行とは、主に、企業の資金調達サポートやM&Aアドバイスを行うものを指します。
業界全体の傾向としては、金融不安の影響を受けているのが現状です。 金融不安の原因には、複数の銀行の経営破綻、ウクライナ戦争の激化による食料・エネルギー価格の急上昇、インフレ率の高止まりなどがあります。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2022年と比べて、中国では景気が回復しているものの、2023年の世界GDP(国内総生産)成長率は、2.8%と、2022年の3.4%から減少しています。
同時に、2024年の世界GDP成長率は3.0%に回復する予測はされていますが、新興・途上国・地域の成長によるものが多いため、先進国の金融部門は引き続き先行きが厳しい状況です(※1)。
(※1)参考:IMF「世界経済見通し (WEO) 2023年4月」モルガン・スタンレーの特徴
モルガン・スタンレーの大きな特徴は、2つあります。それぞれについて、詳細を下記でご紹介します。
MUFGとの連携
モルガン・スタンレーは、国内最大の金融グループである三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)と連携をしています。この2社の連携によって誕生したのが、モルガン・スタンレーMUFG証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券です。世界41カ国にオフィスを展開するモルガン・スタンレーと、国内約550カ所に展開するMUFGが連携することで、高度化・多様化する顧客の金融ニーズに応えています(※2)。
(※2)参考:三菱UFJモルガン・スタンレー證券「革新的な二社体制」長年にわたり築き上げた高い実績
モルガン・スタンレーの特徴は、長年にわたり築き上げた高い実績を有していることです。例えば、日本における三菱UFJモルガン・スタンレー証券の実績は以下が挙げられます。
・日米同時上場となったLINEのIPO(※3) ・日本航空のグローバルIPO ・NTTファイナンスによるグリーンボンド(※4)
このように、数ある投資銀行の中でもトップの地位を占め、高いプレゼンスを誇っていることが挙げられます(※5)(※6)(※7)。
(※3)……「Initial Public Offering」の略語。ここで、はじめて株式を取引所に上場すること。
(※4)……地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど、環境分野への取り組みに特化した資金を調達するために発行される債券のこと。
(※5)参考:Reuters「LINEが夏前に東京とNYで上場、資金調達は最大30億ドル=IFR」
(※6)参考:Reuters「JALの再IPO、国内外の主幹事証券7社が決定」
(※7)参考:NTTファイナンス「IR情報」
ファイナンス部門の特徴
モルガン・スタンレーのファイナンス部門では、「ファイナンシャル・レポーティング」と「ISGファイナンス」の2つの役割があります。まず、ファイナンシャル・レポーティングでは、財務諸表の作成や経営者向けに管理会計報告を担います。続いて、ISGファイナンスでは、ビジネス部門が行う取引の収益・リスクの管理・サポートを担っています(※8)。 ISGファイナンスでは、入社3年目からチームの海外立ち上げプロジェクトを行う社員がいるなど、若くから裁量が多い任務を担当できるのが魅力です(※9)。
(※8)参考:モルガン・スタンレー「ファイナンス」(※9)参考:モルガン・スタンレー「ファイナンス-S.Uchida」
競合他社との違い
モルガン・スタンレーの競合としては、主にアメリカの投資銀行である「ゴールドマン・サックス、J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカ」の3つが挙げられます。 以下で、モルガン・スタンレーと、上記3社の違いを事業の特徴と社風から説明します(業界研究ページより)。
企業の特徴
・ゴールドマン・サックス └グローバル規模での強固な基盤が強み。22年度の株主総利回り(※10)は60%と、同業他社の平均を大幅に上回る(※11)。(※10)……投資家に対する総合的なリターン(値上がり益+配当金)を測定する指標のこと。
・J.P.モルガン └「J.P.モルガン・チェースグループ」の投資銀行業務を行う。巨大金融グループをバックに不況に強い資本基盤を構える。
・バンク・オブ・アメリカ └商業銀行(※12)と投資銀行の2本柱により、商業銀行を持たない投資銀行に比べて安定的な事業基盤を持つ。
(※11)参考:Goldman Sachs Japan「株主の皆様へ」
(※12)……個人および法人向けに預金業務や貸出業務、支払い決済手段の提供などを行う金融機関のことを指す。
社風の違い
・モルガン・スタンレー └厳格さと思慮深さがある(選考対策ページより)。
・ゴールドマン・サックス
└少人数精鋭チームで構成されていて、チームワークを重視している
・J.P.モルガン
└全社的な団結感・一体感を重視している
・バンク・オブ・アメリカ
└縦社会の慣習は少なく、明るくフラットな雰囲気
▼面接対策におすすめの記事はこちら
・【業界研究:投資銀行】米系投資銀行4社「ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカ」の特徴や社風を徹底比較!モルガン・スタンレーの本選考のポイント:確固たる入社意思を伝えよう。そのための企業・ファイナンス情報と英語における対策がカギとなる
世界的な投資銀行であるモルガン・スタンレー。選考を受ける学生が多い点、企業側が学生の内定辞退を避けたい意向から、学生の入社意思を入念に確認していると考えられます。 そのため、「確固たる入社意思」を選考の中で示していくことが重要です。特に、面接の中では、志望動機のほかに「希望する部署」を聞かれることがあるため、事前に企業の情報収集を念入りにしておく必要があるでしょう。
また、エントリーシート(ES)・面接ともに「英語で答える質問」がされるため、英語力を高めておくと良いでしょう。さらに、内定者によると、ファイナンス部門の選考では、実際に、ファイナンスに関する質問(財務/経済関連のレポートを買う経験はあるか)を問われることがあるようです。面接官によって、問われる質問はさまざまですが、事前の情報収集などの準備を入念に行うことをおすすめします(選考対策ページより)。
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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モルガン・スタンレーの本選考フロー
(11月上旬)1. エントリーシート(ES)
(11月上旬)2. Webテスト
(11月上旬)3. 録画面接
(12月上旬)4. 2次面接
(1月上旬)5. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):日本語と英語の質問で構成。最終面接まで用いられる
モルガン・スタンレーのESでは、過去には以下のような設問が出題されました。
(1)Please provide details of your employment/internship experience including company name, department, employment period.Please type in Japanese.(日本語で400字以内)
(2)Please provide details of your extracurricular activities, including any positions of responsibility that you've held and would like to highlight. Please type in Japanese.(日本語で400字以内)
(3)人生で頑張ったことを3つあげて説明してください。そのほか、特筆すべき事項を箇条書きで簡潔にご入力ください。(活動の成果・結果・成績などがあればそれも含みます。)(日本語で600字以内)
(4)あなたが志望するもしくは関心のある部門や部署、業務(複数・多方面可)について教えてください。また、その理由についてご自身の目標に絡めて教えてください。(日本語で200字以内)※出典:モルガン・スタンレー|ファイナンス2023年卒本選考のES
モルガン・スタンレーのESは、今後の面接の材料として用いられているようです。そのため、この先の面接で伝えたい内容を記載すると良いでしょう。 また、ある内定者は「社員は最終面接までESの内容をじっくり読み込んでいる」と話しています。そのため、基本的な書き方を守り、面接官にとって読みやすく、整理されたESを作成しましょう(選考対策ページより)。
以下では、内定者の回答例をご紹介します。
(3)1つ目は◯◯だ。高校を卒業するまでの10年間◯◯をしていてポジションは◯◯だった。中学時代は◯◯に選出され、海外遠征を経験した。高校時代は全国有数の強豪校に進学し、◯◯できなかったが全国大会で◯◯を果たした。2つ目は◯◯だ。中学、高校と◯◯を務め、リーダーとして◯◯を支援する活動をゼロから企画した。具体的には◯◯するという目標を掲げ、◯◯の協力のもと◯◯を◯◯に届けることができた。また、その成果が認められ、◯◯を表敬訪問した。3つ目は◯◯だ。経済学を探究するために大学へ入学し、授業中には積極的に発言した。1年春学期のGPAは◯◯と一定の結果を残したが、自分の中ではまだ足りないと感じて勉強に励み、2年春学期のGPAは4.00と全ての科目で最も優秀な成績を収められた。※出典:モルガン・スタンレー|ファイナンス2023年卒内定者の回答
▼ES作成におすすめの記事はこちら
・エントリーシートは中身じゃない!普通の学生も必ず通るエントリーシートの作法2. Webテスト:形式はTG-WEB(ヒューマネージ)。ボーダーは高めか
モルガン・スタンレーのWebテストの形式はTG-WEB(ヒューマネージ)です。所要時間は1時間30分程度で、言語・非言語(四則計算を含む)・英語・性格に関する質問で構成されています。
モルガン・スタンレーのWebテストはTG-WEB(ヒューマネージ)というやや珍しい形式です。 内定者によると、「正確な倍率などは不明だが、自分や周囲の学生の体感によると、ボーダーはかなり高いのではないか」とのことです。
以下の参考書や、同じテスト形式が導入されていることが多い戦略コンサルに属する企業の中のWebテストで練習しておくことをおすすめします(選考対策ページより)。
・これが本当のWebテストだ!(2) 2025年度版 【TG-WEB・ヒューマネージ社のテストセンター編】
3. 録画面接:後の面接での材料となる。伝えたいことを端的に話そう
録画面接は所要時間30分程度のものです。問題数は計5問で、日本語で回答するものが3問、英語で回答するものが2問で構成されています。この録画面接で話した内容は、後の面接材料として用いられるようです。
後の面接で自身が伝えたいことを明確にした上で、録画面接に臨むことをおすすめします(選考対策ページより)。
4. 1次面接:志望部署・突飛(とっぴ)な質問に対応できるような企業調べが肝
モルガン・スタンレーの1次面接は、社員2名と学生1名で行われる、2時間程度の個人面接です。内定者によると、人物面接の要素が大きいとのことです。
過去には以下のような質問がされました。
・ESの内容について(1時間30分程度)
└学生時代に注力したこととその深掘り
└志望動機とその深掘り
・英語の質問(数問程度)
└ファイナンスのどの部署で働きたいかなど
・逆質問(15分~20分)
など※出典:モルガン・スタンレー|ファイナンス2023年卒本選考の1次面接
1次面接では、「学生と企業との間でミスマッチがないか」を、学生時代に注力した経験・志望動機などの基本的な質問に加えて、「志望する部署とその理由」や、面接官によっては突飛な質問から見ているようです。質問例への回答以外にも、企業の情報を収集しておき、志望部署や、突飛な質問にも答えられるようにしておくと良いでしょう。
また、外資銀行では、面接の中で計算問題を出題されることがありますが、内定者によるとファイナンス部門の面接では出題はされなかったようです(選考対策ページより)。
5. 最終面接:ネガティブチェックの側面が大きい。財務における知識を示せるとなお良い
モルガン・スタンレーの最終面接は、社員2名と学生1名で行われる、1時間程度の個人面接です。には以下のような質問がされました。
・ESの内容についての深掘り
└学生時代に注力したことについてモチベーション・理由
・志望理由についての深掘り
└モルガン・スタンレーの志望理由
└ファイナンス部門の志望理由
└ファイナンス部門の中でどこの部署に興味があるか
・ファイナンスに関連した質問
└財務/経済関連のレポートを買う経験はあるか
など※出典:モルガン・スタンレー|ファイナンス2023年卒本選考の最終面接
内定者によると、ネガティブチェック程度の位置づけではなく、最終面接の受け答えを通じて、一定の評価基準を超えている学生であれば採用するという印象を感じたそうです。
また、ファイナンス部門の最終面接では、財務/経済関連のレポートを買う経験を問う質問が特徴的です。内定者は、実際に株式投資の経験を話したとのことですが、経験の有無に限らず、企業やファイナンスにおける知識を持った上で、選考に臨むことをおすすめします(選考対策ページより)。
おわりに
ここまで、モルガン・スタンレーの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
モルガン・スタンレーの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています。
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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(Photo:katjen/Shutterstock.com)