※この記事は2016年8月に公開された記事の再掲です。
就活生の中で、「3年勤めたら転職する」という声をよく聞きます。
今回は、実際に転職を経験した人の声を拾って、描くキャリアを叶えるために新卒での就活の時にどういったことに気をつけたほうが良かったか、「転職のリアル」について考えていきたいと思います。
24時間、休む暇がなかったAさん
最初に紹介するのは、某PR会社に就職したAさんです。
Aさんは、特に就職活動に力を入れていたわけでもなく、某PR会社を選んだ理由も「なんとなく、楽しそうだから」というものでした。もともとそんなに活動的ではありません。学生時代もサークルや学生団体にいそしむことはありませんでした。
そんなAさんがPR会社に就職が決まったことに対して周囲は「絶対激務だぞ、大丈夫か?」と心配しましたが、当のAさんは「へいき、へいき」と気長に構えていました。
Aさんが配属されたのは、できたばかりの新設の部署。そこから地獄の日々が始まります。
人数が足りずに、いきなり複数のプロジェクトのPRを担当することに。日々、資料作成(プレスリリース)作りに追われ、帰宅は深夜日付が変わったころ。その上、帰宅した後も上司から絶え間なく飛んでくるメールで寝ることができません。土日も、担当企業のイベントが入るため休むことができません。激務のために代休すら取得することすらできませんでした。
入社を喜んだのもつかの間、ある朝Aさんはベッドから起き上がれなくなり、そのまま医者に「うつ病」と診断される事態になりました。こうして半年もたたないうちにAさんは会社を辞めることになったのです。
敗因は情報収集不足。OB訪問を企業の実態把握にも使おう
Aさんの決定的なミスは、入社前に人事以外の人から情報を収集しなかったことです。
当たり前ですが、人事は採用人数のノルマが課されていることも多く、綺麗なことしか言いません。鵜呑みにしてはいけません。人事に紹介してもらった人も人事の息がかかっているかもしれないので、可能であれば自分でその企業で働く人を捕まえてください。
よくOBOG訪問といいますが「評価」のためだけに使うのではなく、企業の実態を把握することにも使ってください。ゴールは「入社すること」ではありません。
その後、Aさんはうつ病が完治したあと転職エージェントに登録し、第二新卒として人材系の会社に転職しました。労働環境は以前よりもよくなり、今は元気に働いています。
意外に大事なファーストキャリア:Bさん
もちろん、転職を考えるきっかけは病気だけではありません。
もともと優秀だったBさんは、特に苦労をすることもなく新卒採用でコンサルティング会社に入社しました。そこから2年間IT系の担当として働くうちに、自分の興味や関心がコンサルティングとは違ったものにあることに気づきました。その後はなかなか仕事に打ち込むこともできず、結局は転職を決意します。
しかし、ここで一つ問題に突き当たります。転職先が意外に狭いことです。
Bさんが新卒でコンサルティング会社に入った理由の一つは、広く業界を見ることもできそうだし、仮に自分の興味が変わったとしてもどこの業界へも転職が可能だと思い込んでいたことでした。現実はそう上手くはいきません。
転職エージェントを通じて履歴書を出すと、2年間の自分のキャリア(IT系コンサル)と全く関係がない会社は、履歴書ではねられてしまいました。結局、Bさんは転職先をWEBに強い人材会社のIT部門に決めました。
「新卒の時にそんなに困らなかったから、転職も楽だと思っていた。ファーストキャリアでこんなに転職先が狭まるとは思っていなかった。もし、全く違う業種に転職をしたいなら、第二新卒で入社しなおしたほうが確実」とBさんは自身の転職活動を振り返ります。
夢をあきらめずに、「行きたい企業で欲される能力」を磨いたCさん
キャリアアップというポジティブな理由で転職を決め、望みどおりのところへ転職した人もいますが、こうした人は戦略的にファーストキャリアを活用しています。
例えば、Cさんです。Cさんは新卒では出版社を希望していましたが、その夢は叶わず、書籍の取り次ぎを行う会社に入社しました。いつか出版社に行くことを夢みながら、ウェブを担当する部署でさまざまなもののプロデュースを手掛けるなど、見事な企画力を発揮します。
結果、30歳を目前にして人づてのご縁から出版社への転職が叶いました。ちょうど、その出版社ではWEBの戦略を強化しており、まさにCさんのようにWEBに強く、企画力もある人材を欲していたのです。
このCさんは望まない企業への入社した後も諦めず、「行きたい企業で欲される能力」を予測し、磨いていたのが吉とでました。また、同業種に行ったのも正解でした。業界内はそんなに広くないので、他業界に行くのに比べてチャンスが巡ってくる可能性が高まります。
おわりに
これら3つの例からもわかるように、「転職」は意外に大変で時間もとられます。「実績」も見られますし、「新卒」よりもハードルが高いことも多いです。
もし、将来転職することを視野に入れているのであれば、戦略的なファーストキャリアの選び方をすることをオススメします。
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ONE CAREER PLUS『転職体験談』(別サイトに遷移します)
▼参考
・ONE CAREER PLUS『三菱商事/転職体験談』(別サイトに遷移します)
・ONE CAREER PLUS『マッキンゼー・アンド・カンパニー/転職体験談』(別サイトに遷移します)