こんにちは、ワンキャリ編集部です。キャリアを考えるWEEK特集、第1回の今回は自分が働くべき会社の選び方について。今年3月に公開され好評をいただいたこの記事を、改めて皆さんにお届けします。
「A社もいいけど、B社もいいな」とどの会社で働くか迷っている方にぜひ読んでいただきたい記事です。
既に読まれた方も、選考を前にしたこの時期にこの記事を読んで初心に戻ってみてはいかがでしょう。当時から成長した今、違った景色が見えてくるかと思います。
6月に迫る皆様のキャリア選択に役立ててください。
「就活に答えはない。だが、納得できるやり方はある」
今回、全く異なる軸で就活をしてきた3人に「そもそもなんのために就活するのか、どの企業に行くべきか」を論じてもらいました。
- 就活を端的にあらわすと?
- 受験との差はなんですか?
この2問をキッカケに、3人の思考パターンを読み解いていきましょう。
あなたはこの3人のうち、果たして誰に一番共感するだろうか?
A氏:人気・就職偏差値の高いといわれる外資系を中心に就活。徹底した事前準備・対策が功を奏し、早々と外資コンサルへ入社を決めた。
B氏:自分に合っている企業を求めて幅広い業界の就活を経験。安定性や労働環境の良さを理由に、誰もが知る日系大手インフラに進む。
C氏:日系と外資両方の就活を経験。その時々でベストを尽くすことに焦点をあてた結果、外資系ではなく、総合商社に進むことを決意。
A氏:「就活は自分の将来の可能性を広げる絶好のチャンス」
A氏は「ファーストキャリアではできるだけ入社難易度が高い企業に入社しておくべきだ」と言う。その理由として挙げたのは以下2つだ。
1つ目は、転職先の幅が広がるため。
「働く前から自身の適性を見極めることは難しいが、何かしたいと思ったときに挑戦しやすい環境にいられるかどうかはファーストキャリアに大きく影響される」と彼は言う。確かに、マッキンゼー出身者、ゴールドマンサックス出身者というだけで転職市場では引く手あまたとなる。起業するにしてもその肩書は「実力証明書」として機能することは間違いない。
2つ目は、レベルの高い同期との人的ネットワークを得ることができるため。
「レベルの高い同志と切磋琢磨することで自身が成長できるだけでなく、彼らとつながっておくことで将来巡ってくるチャンスがあるはずだ」とA氏は話してくれた。
また、受験と就活については、大きな差はないという。
「就活は、暗記能力や計算処理能力など単純な指標で評価される受験とは、評価軸の複雑さや性質が大きく異なるが、受験同様、準備・対策をすればするほど高いところにいける極めてフェアなゲームだと思う」
就活を自分の将来の可能性を広げる絶好のチャンスと考えるAは、就活は受験と本質的に一緒のものだと捉えているようだ。
B氏:「就活は婚活。適性が一番大事」
一方、B氏は全く違う視点から就活の意義を語ってくれた。
「就活は自分に一番あった企業を選ぶことが大事。就職先の良し悪しを考えることが、まず間違っている」
「背伸びして、外資系や皆が行きたがるような企業に入社したって、優秀な人に囲まれて苦労するだけ。埋もれるよりも、身の丈にあった会社に行って、そこで評価されて回ってくるチャンスをつかんだほうが長い目でみるといいと思う」
企業と自身のマッチング、適性が大事だと語るB氏の話には2つの価値観が見え隠れする。1つは、「仕事は必ずしも人生のすべてではない」という考え。もう1つは、「終身雇用」という考え方である。転職するという感覚はないように感じた。“就職は企業との結婚”という言葉を思い出させるB氏の発言は、日本における雇用の在り方を長い間支配してきた価値観ともいえるだろう。
就活と受験について、B氏は、両者は全く異なるものだと主張した。
「就活は受験と違って対策するものじゃない。自分自身を深く理解したうえで、ありのままを見せて受け入れてもらうことが大事」という。
一見すると"甘い”と捉えられがちな考えだが、彼女はこう言う。
「受験と違い、正解・偏差値という分かりやすい指標ではなく、就活では人間そのものが見られる。これまでの21年何を考え、生きてきたかが問われるのだから、対策しても、それは小手先にしかならないと思う。大学と違って、企業は30年という長い期間ずっと一緒になる。自分が自然体で働ける企業じゃないと、お互いにとって不幸になる」
こういう発言に、彼女の考え方が顕著に表れているだろう。
C氏:「就活は、就職先を決めるプロセスが一番大事」
「就活って結局自分が納得できるような意思決定を行うプロセスだと思う」
そう主張するC氏は次のように語ってくれた。
「どの業界、企業に進んだとしても、こんなはずじゃなかったと思うときは来ると思う。そんな時に、あの時こうしておけばよかったと後悔する人と、自分で選んだ道だから頑張ろうと思える人の差は、自分が納得感を持って主体的に意思決定をしたかどうかの差だと思う」
「だからこそ、どうせ受からないからといった後ろ向きの理由や、単に就職偏差値が高いからという安直な理由で進路を決めることは、後々の不幸に繋がるんじゃないかな」
つまり、就活は結果よりもプロセスということだ。
そんなC氏は、就職先は、受験と違って「偏差値で選ぶべきでない」と主張する。会社の規模や知名度で志望度が変わるのは、他人の思惑に左右されているようなもの。主体性を持って、その時点での最高の意思決定を繰り返すことに集中すべきだという。
「目標に向かって努力する過程が大事という意味では、就活と受験は同じ。受かるためにできる限りの対策をするのは就活においても当然だと思う。その結果決まった企業なら、納得できる」とも話してくれた。
まとめ
A氏は、明らかに“企業を手段”とみている。企業は利用しつつ、利用されるという関係を求めているように見える。
B氏は企業を一人の“人”のようなものだと捉え、お互いに信頼関係を築くことを求めている。
C氏は自分ができることにフォーカスをあてて、その結果が就活に現れるという考えだ。A氏が持つ合理的判断と、B氏が持つ長期的視点を合わせたような思考パターンを持つ。
A氏、B氏、 C氏誰が正しいということはないし、多くの学生は3人それぞれの意見を合わせ持った中間にいるのかもしれない。しかし、3人に共通している点がひとつあった。すがすがしい顔、自分の就活に納得していた表情だ。
さて、あなたは誰にもっとも共感しただろうか? あるいは誰にも全く共感しないだろうか。
そして1年後の自分は、果たしてどんな考え方を後輩にオススメしているだろうか。
「キャリアを考えるWEEK」、明日は女性の結婚についてお伝えします。
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