こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、自己PRで傾聴力を効果的にアピールする方法や内定者例文をご紹介します。傾聴力を自己PRで用いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
<目次> ●傾聴力とは ・共感性が高い ・相槌や質問が得意 ・相手の本音を引き出すのが得意 ・相談されることが多い ●企業が傾聴力を評価する理由 ・良好な関係を築くために必要な能力であるため ・相手の本音を引き出せるため ・問題解決に役立つため ●自己PRにおける傾聴力の効果的な伝え方のテンプレ ・最初に結論を伝える ・具体的なエピソードを伝える ・数値などを用いて成果を伝える ・傾聴力がどう役立ったかを伝える ・会社でどう生かせるかを伝える ●【業界別】傾聴力を用いた内定者の例文 ・金融 ・メーカー ・広告 ・インフラ ・商社 ・不動産 ●【職種別】傾聴力を用いた内定者の例文 ・営業職 ・事務職 ・エンジニア職 ・コンサルタント職 ・クリエイティブ職 ●【エピソード別】傾聴力を用いた内定者の例文 ・アルバイト ・部活 ・ゼミ ●傾聴力をアピールするときの注意点 ・企業が求めている能力であるかを確かめる ・他の人と差別化する ・面接での振る舞いに気を付ける ・受け身の印象を残さないようにする ●まとめ
傾聴力とは
傾聴力は、相手の話を理解し、深く共感するスキルであり、信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。
このスキルは、アメリカの心理学者カール・ロジャースによって初めて提唱され、カウンセリングやビジネスにおいても広く活用されています。傾聴力は、相手の言葉だけでなく、感情や背景にまで心を寄せて聴くことで、相手に安心感を与え、率直なコミュニケーションを促進します。
ロジャースは、このスキルを高めるために「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の三原則を挙げています。これにより、聴き手は相手の立場に立ち、偏見なく話を受け止め、自分の言葉や態度と一致させることが求められます。
傾聴力は、ただ聞くのではなく相手のことを理解することで、信頼と協力を生む基盤となるといえるでしょう。
傾聴力がある人の特徴
傾聴力が高い人は、他人の話を理解し、適切に反応する能力にたけています。ここでは、共感性が高いことや適切な相槌(あいづち)や質問ができること、相手の本音を引き出す能力、そして相談されることが多いことなど、傾聴力のある人が持つ特徴を詳しく解説します。
共感性が高い
傾聴力がある人は共感性が高く、相手の立場や感情を深く理解しようとします。他人の話を聞く際に、自分自身の経験や感情を重ね合わせながら、相手の状況を感じ取れます。
これにより、話し手は自分の気持ちや考えが受け入れられていると感じ、安心して本音を語れます。共感性が高い人は、他者の視点を尊重し、たとえ意見が異なる場合でも、相手の感情や意見を理解しようと努めます。この姿勢が信頼を生み、相手との関係をより深いものにします。
また、共感することで話し手に安心感を与え、ストレスや悩みを軽減することにもつながります。共感性の高さは、単なる情報の共有を超え、感情や経験の共有につながるため、豊かな人間関係を築く重要な要素です。
相槌や質問が得意
傾聴力がある人は、相槌や質問を適切に使いこなす能力を持っています。相槌は話し手に対して「私はあなたの話を聞いていますよ」と伝える重要な手段です。うなずきや短い合いの手を入れることで、話し手は安心して話を続けられます。
また、質問を通じて話を掘り下げ、より深い理解を得ることも得意です。これにより、話し手は自分の考えを整理しやすくなり、新たな気づきを得ることもあります。
相槌や質問の使い方が上手な人は、相手の話をただ受け入れるだけでなく、会話を円滑に進められ、相手が話しやすい環境を整えられます。適切な相槌や質問は、コミュニケーションを活性化し、双方の信頼関係を強化するといえるでしょう。
相手の本音を引き出すのが得意
傾聴力の高い人は、相手の本音を引き出すことが得意で、話し手に安心感を与え、話しやすい雰囲気を作ることで、表面的な話題だけでなく内面にある本音や感情を自然に引き出せます。
このスキルは、相手の言葉や表情、態度を注意深く観察し、適切なタイミングでフィードバックや質問を行うことで可能になります。相手の本音を引き出すことは、単に情報を得るだけでなく、相手が自身の考えや感情を整理する手助けにもなります。本音を引き出す能力は、信頼関係を強化し、互いに理解し合うための重要なステップとなるでしょう。
相談されることが多い
傾聴力が高い人は、周囲から相談されることが多い傾向にあります。傾聴力が高い人は、他者の話に対して偏見を持たず、客観的かつ共感的に対応できるため、安心して相談できる存在とみなされます。
相談者は、自分の話が真摯(しんし)に受け止められ、理解されると感じることで、信頼感を抱けます。また、傾聴力のある人は、相談者に対して適切なフィードバックやアドバイスを提供できるため、具体的な解決策を見つける手助けができます。
このような特性があるため、傾聴力が高い人は、周囲から頼りにされ、信頼される存在となることが多いといえるでしょう。
企業が傾聴力を評価する理由
現代のビジネス社会において、傾聴力は単なるコミュニケーションスキルを超えた重要な資質として評価されています。企業は、良好な人間関係の構築、相手の真意を理解し適切な対応を導く能力、そしてそれが問題解決にどのように貢献するかを重視しています。ここでは、傾聴力がビジネスの場でなぜ高く評価されるのか、その具体的な理由を掘り下げて説明します。
良好な関係を築くために必要な能力であるため
傾聴力は、ビジネスにおいて良好な人間関係を築くための基盤となる能力です。企業においては、社員同士や顧客との間に信頼関係を構築することが成功の鍵です。
傾聴力がある社員は、相手の話を真摯に受け止め理解しようとする姿勢を示すため、相手から信頼されやすくなります。信頼関係があると、コミュニケーションが円滑に進み、誤解や対立を避けることができるでしょう。
また、傾聴力を持つ社員は、他者の意見を尊重し、協力し合う姿勢を示すことで、チームワークを向上させ、職場の雰囲気を良くします。結果として、組織全体の生産性が向上し、ビジネスの成功につながるといえるでしょう。
相手の本音を引き出せるため
企業が傾聴力を評価するもう一つの理由に、相手の本音を引き出す能力が挙げられます。ビジネスにおいては、表面的なやり取りだけでなく、顧客や同僚の本音や真のニーズを把握することが求められます。
傾聴力がある社員は、相手に安心感を与え、率直に話せる環境を整えることで、相手の本音を引き出せます。これによって相手のニーズや問題点を正確に把握し、より的確な対応やサービスを提供できるので、顧客満足度が向上し、信頼関係が強化されるだけでなく、社員同士のコミュニケーションも円滑になります。
本音を引き出す能力は、企業が抱える問題の解決や新たなアイデアの創出にも貢献するため、企業はこのスキルを持つ人材を重要視しています。
問題解決に役立つため
傾聴力は、ビジネスにおける問題解決に非常に役立つスキルです。
企業は常にさまざまな課題に直面しており、迅速かつ効果的な問題解決が求められます。傾聴力がある社員は、問題の本質を理解するために、関係者の意見や感情をしっかりと聴き取れます。
これにより、表面的な解決策にとどまらず、根本的な原因に対処することが可能になります。また、異なる視点を取り入れることで、多角的なアプローチができ、より創造的な解決策を生み出せます。
傾聴力は、個人のスキルを超えて、チーム全体の問題解決能力を高める要素となり、組織の成長を促進します。企業は、このような能力を持つ社員を評価し、問題解決をリードする存在として期待を寄せているといえるでしょう。
自己PRにおける傾聴力の効果的な伝え方のテンプレ
ここからは傾聴力を自己PRで伝える時の伝え方・テンプレをご紹介します。
最初に結論を伝える
まずは結論を伝えましょう。
ここでのポイントは「私の強みは傾聴力です」といったように簡潔に、分かりやすく一言で伝えることです。さらに「私の強みは◯◯のような傾聴力があることです」というようにインパクトのある言葉で修飾できると印象に残りやすいです。
また、結論から伝える方法はPREP法といわれます。これは結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(point)の頭文字をとったもので、今後もこのフレームワークを用いると分かりやすく物事を伝えられるので覚えておくと良いでしょう。
具体的なエピソードを伝える
続いて、自身の強みを裏付ける具体的なエピソードを伝えましょう。
ここでのポイントは他の就活生と差別化することです。そのためには、自分の経験を具体的に、分かりやすく、そして制限字数の中でできるだけ詳細に伝えることを心がけましょう。
エピソードは大学時代のものを伝えるのがベストですが、思い当たるものがない場合は高校、中学時代へとさかのぼっても大丈夫です。内容としてはアルバイト、学業や課外活動のものが多いですが、趣味や家族の話でも大丈夫です。
数値などを用いて成果を伝える
また、成果を伝える際は具体的な数値などを用いて伝えましょう。
具体的な数値を用いて伝えることで印象に残るとともに、イメージをしやすくなります。そのため、成果を伝える時は数値や具体的な結果を伝えることでよりイメージしやすいようにしましょう。
傾聴力がどう役立ったかを伝える
成果を伝える時は具体的な数値や成果の他に、傾聴力がどう役立ったかも伝えましょう。
具体的には「傾聴力がどう生かされたからこの結果につながった・役立った」といった内容を記載すると良いでしょう。このステップを飛ばしてしまうと、一貫性が損なわれてしまうので心がけましょう。
会社でどう生かせるかを伝える
最後に、傾聴力を今後どう生かせるのかを伝えましょう。
企業にどう生かせるのか、今後傾聴力を生かしてどう活躍するのかを伝えることで印象に残るだけでなく、イメージしやすくなります。「私の傾聴力を御社の◯◯という業務に生かしていきたいと考えております」といったように伝えると良いでしょう。
【業界別】傾聴力を用いた内定者の例文
続いて、業界別で内定者の例文をご紹介しますので参考にしてみてください。
金融
【設問】 ご自身の強みを具体的なエピソード(人一倍努力したこと、困難を乗り越えたこと等)を交えて教えてください(400字) 【回答】 相手の立場に立つことで信頼関係を築くことができる。これは◯◯の運営に携わった際に発揮された。私は◯人いるリーダーの1人として活動していた。しかし、上級生と下級生の関係性の薄さが問題だった。そこで2つの施策を行った。1つ目は下級生とのコミュニケーションを意識することだ。相手の気持ちに共感することを意識し、疑問を解消しやすい環境づくりを心掛けた。2つ目はフィードバックの機会を設けたことだ。月に1回の会議の際に上級生と下級生を同じグループにしてイベントの振り返りを伝え合う機会を作ることを提案した。これにより、互いがコミュニケーションを取る場を設けることができるだけでなく、より多くの視点から組織を改善するきっかけを作ることができた。その結果、「◯◯さんのパートに行くのが楽しみだった」「フィードバックの機会があったおかげで意見を言いやすくなった」とのお声をもらった。 ※出典:三井住友海上あいおい生命保険|地域社員2025年卒本選考のES
メーカー
【設問】 自己PR 400字 【回答】 私の強みは世代を問わず人間関係を築く力だ。この強みは◯◯のアルバイトをする中で特に発揮された。当初、社員の方々から世代が違うため、距離を感じ、気を遣われている状況だった。この状況を解決するため、互いを理解し合う必要があると考え、以下二段階の施策を講じた。一段階目は全世代共通の話題でコミュニケーションを図ることだ。全世代共通のグルメ、旅行先の話題などで社員の方々との距離を縮めることができた。二段階目は相手との会話内容を書き留め、過去に話した内容を踏まえて次の会話に生かすことだ。過去に聞き、メモをしていた食べることが好きという情報からおいしい◯◯の話でさらに盛り上がった。これらの結果、世代を問わず人間関係を構築することが可能となり、働きやすい環境づくりにもつながった。今後、貴社で組織間異動先の方やお客様、プロジェクトに携わるステークホルダーの方と良好な人間関係を築いていくつもりだ。 ※出典:豊田自動織機|事務職2025年卒本選考のES
広告
【設問】 自己PR 【回答】 私の強みは、相手の意見を聞き、協力して物事を成し遂げられることです。特に演劇のサークル活動では、メンバーの意見をくみ取って作品を創ることができました。私は2023年の夏の公演で脚本・演出を担当しましたが、執筆や演技指導の経験が浅く、どのように活動を進めれば良いのか苦慮していました。そこで、以前脚本・演出を経験したメンバーや同期に声をかけ、演出や衣装、活動の進め方など、作品を創る上でのさまざまな事柄に関して意見を求めました。メンバーの意見を積極的に取り入れながら協力した結果、作品のクオリティの向上を実感し、お客さまからも良い評価をいただきました。この経験を通して、周囲の意見を取り入れて協力することで、より良いパフォーマンスを発揮できるこ とを学びました。この学びを生かして入社後は、体験者や企業の思いに寄り添って周囲と協力しながら、人の心を動かすイベントを提案することで貢献したいと思います。 ※出典:テー・オー・ダブリュー|総合職2025年卒本選考のES
インフラ
【設問】 あなたの強みと、その強みを生かしたエピソードを教えてください。(200字) 【回答】 私の強みは傾聴力です。◯◯のアルバイトではお客様に寄り添った接客を行い、よりニーズをつかんだ商品を提案することで感謝の言葉をいただいた経験があります。また塾講師でもそれぞれの目標に向かって一つずつ計画を立て、実行することで目標を達成することができました。 ※出典:日本航空(JAL)|業務企画職(コーポレートコース)2025年卒インターンシップのES
商社
【設問】 自己PR(300字) 【回答】 相手に寄り添い課題を引き出し、それに応える力があります。塾のアルバイトで担当生徒の成績が伸びず悩んでいました。原因を考えると自身が効果的と感じた勉強法ばかりを生徒に指導していることに気づきました。そこで、月2回の面談で生徒の特徴を的確に把握し個々の目標を決め、課題の優先順位を明確にしました。一人ひとりに合わせた指導法に切り替えることで生徒が目標を持って効率よく勉強に励むことができ、モチベーションの向上につながりました。結果として、担当生徒の9割を志望校に合格させることができました。入社後はお客様のニーズを引き出して、最適な改善策を提案することで貴社やお客様に貢献できる存在を目指します。 ※出典:富士フイルムメディカル|営業職2025年卒本選考のES
不動産
【設問】 自己PR 【回答】 強みである【傾聴力】を生かして、オペレーション担当社員だけでなく、商業施設に関わる【テナント従業員】と【利用されるお客様】全員が快適さを感じることができる施設づくりにチャレンジしたい。求められているものを的確に把握することでテナント従業員やお客様が快適に過ごすことができる施設の【最適解】を追求することができる。また、私は◯◯でアルバイトをしてきた経験から、テナント側の視点でも貴社と関わってきた。そのため、現場目線と第三者目線で現状を分析することができる。このように、悩みや課題を知り、それを形にしていくことで多様化していく人々の欲求に刺さる施設を提供することができることに加えて、貴社の「経年優化」の思想を通して訪れるたびに魅力が広がる施設をつくりたい。 ※出典:三井不動産商業マネジメント|総合職2025年卒本選考のES
【職種別】傾聴力を用いた内定者の例文
続いて、職種別に内定者の例文をご紹介します。
営業職
【設問】 自己PR 【回答】 私の強みは、傾聴力です。大学の◯◯部では、◯◯の使用権利を他団体と争う事態に遭遇しました。その際、私は仲介役として立ち上がり、両団体の意見を聞き、調停に努めました。具体的な解決策として、日割りスケジュールを提案し、各団体の利益を最大化するように努めました。その結果、私が作成した日割りスケジュールは導入され、現在も使用されています。この経験から、私は相手の不満点を聞き取り、的確な解決策を見いだす能力を身につけました。 ※出典:大塚商会|営業職2025年卒本選考のES
事務職
【設問】 自己PR 400字 【回答】 私の強みは世代を問わず人間関係を築く力だ。この強みは◯◯のアルバイトをする中で特に発揮された。当初、社員の方々から世代が違うため、距離を感じ、気を遣われている状況だった。この状況を解決するため、互いを理解し合う必要があると考え、以下二段階の施策を講じた。一段階目は全世代共通の話題でコミュニケーションを図ることだ。全世代共通のグルメ、旅行先の話題などで社員の方々との距離を縮めることができた。二段階目は相手との会話内容を書き留め、過去に話した内容を踏まえて次の会話に生かすことだ。過去に聞き、メモをしていた食べることが好きという情報からおいしい◯◯の話でさらに盛り上がった。これらの結果、世代を問わず人間関係を構築することが可能となり、働きやすい環境づくりにもつながった。今後、貴社で組織間異動先の方やお客様、プロジェクトに携わるステークホルダーの方と良好な人間関係を築いていくつもりだ。 ※出典:豊田自動織機|事務職2025年卒本選考のES
エンジニア職
【設問】 あなた自身を自由にアピールしてください。(300文字以内) 【回答】 私の強みは、傾聴力があることです。◯◯のサークルにおいて、◯◯のリーダーを務めた際、メンバーの参加率が低いという問題が起きました。仕事の分配が適切でないことに要因があると感じた私は、メンバー全員にヒアリングを行いました。そしてヒアリングに基づいて、時間があり熱量の高い人には対面での試作などの仕事、時間がなく熱量の低めの人にはオンライン会議やメッセージで客観的な意見を言う仕事を任せました。その結果、おのおのにあった仕事を与えることができたことで参加率が上がり、意見交流が盛んになりました。このように強みである傾聴力を生かして、問題を解決する力は誰にも負けないです。 ※出典:キヤノンITソリューションズ|システムエンジニア2025年卒本選考のES
コンサルタント職
【設問】 あなたがこれまでに課題を解決したエピソードを教えてください。「なぜその課題に取り組んだのか」「課題の内容とその解決策」を含め、具体的に教えてください。(全半角600文字以内) 【回答】 塾講師のアルバイトで、生徒一人ひとりに合った指導を行いました。当初はマニュアル通りの授業を行うのみで、個人に合わせたアプローチができませんでした。しかし、皆に同じアドバイスや教え方をしていては意味がないと気づきました。対策として、大学の心理学の授業で学んだ◯◯や◯◯を活用し、生徒の考えや現状を深く理解するよう心掛けました。また、◯◯に基づき、学習習慣を改善するサポートも行いました。例えば、ゲームが勉強に支障をきたす生徒を担当した際は、1日にどのくらいゲームをしているのか、いつどこで勉強をしているのかなどの質問をしました。すると、1日に5時間ゲームをしており、勉強も友達と電話をしながらしていることが分かりました。そこで、一気にゲームをやめるのではなく徐々に時間を減らしていくこと、塾や図書館のような、誘惑が少なく集中できる場所で勉強をすることを提案しました。最初はうまくいかなかったものの、つらいときにはなぜ大学に行きたいのか、大学生になったら何をしたいのかを考えるようアドバイスし、1カ月後には毎日自主的に塾に来て勉強するようになりました。このように、生徒のことを理解した上で指導を行った結果、担当生徒の多くが成績向上を実現し、希望の大学に進学することができました。この経験を通じて、私自身も人に説明することへの苦手意識を克服し、柔軟な思考力を身につけることができました。 ※出典:富士フイルムビジネスイノベーションジャパン|SE/ITコンサルコース2025年卒本選考のES
クリエイティブ職
私は大学の映像制作サークルでディレクターを務めた経験があります。チームのメンバーと一緒に企画から編集までを手掛けるなかで、傾聴力を生かしてメンバーの意見をしっかりと聞き取り、それを作品に反映することに努めました。特に、メンバーのアイデアを引き出すために、定期的にミーティングを開き、積極的に意見交換を行いました。その結果、多様な視点を取り入れた作品を制作することができました。完成した作品は、学内のコンペティションで優勝し、多くの人々から高く評価されました。私の強みである傾聴力は、相手の意見を尊重しつつ、自分のビジョンを実現する力につながります。貴社のクリエイティブ職においても、このスキルを生かして、クライアントのニーズを的確に捉え、期待を超える作品を提供したいと考えています。創造的なプロセスを通じて、多くの人々に感動を与えることを目指し、貴社の成長に貢献できるよう努力して参ります。
【エピソード別】傾聴力を用いた内定者の例文
続いて、エピソード別で内定者の例文をご紹介します。
アルバイト
【設問】 自己PR 【回答】 私の強みは傾聴力であり、2つの経験においてこの力を発揮できた。1つ目の経験は◯◯において現地の友人と◯◯について話す機会を持ったときのことである。異なる背景や歴史を持つ者同士でディスカッションをしたため、お互い異なる意見を持つこともあった。しかし、感情的にならず自分とは異なる意見にも耳を傾けることによって、日本にいたときに自分が学んだこととは異なる新たな視点を得た。2つ目の経験はコールセンターのアルバイトである。私が働いていたコールセンターにはいわゆるクレームが来ることもあった。しかし、お客様の状況や要望を丁寧にヒアリングすることで、お客様の感情に寄り添い、今自分にできる最適な提案は何かを考える力が付いた。どちらの経験においても傾聴力を発揮することで、自分にも他者にも良い結果を出すことができた。この傾聴力を生かして、お客様のニーズを理解し、より良い体験をお客様に提供したいと考える。 ※出典:タンガロイ|事務系総合職2025年卒本選考のES
部活
【設問】 自己PR 【回答】 私の強みは傾聴力と課題解決力である。 この強みを発揮できたのは、◯◯部のマネジャーとして部員の関係強化と体制の変革に取り組んだことである。私は、部の問題に団結力の弱さがあると考え、練習が種目ごとに行われるため生じた連携不足と、下級生が発言しにくい状況が原因だと分析した。この問題を解決するため、(1)部全体で行う合同補強の実施と(2)匿名式アンケートの募集を行った。(1)は学年や種目が異なる選手をペアにする補強メニューを新たに作成し、垣根を超えた交流の場を創出することができた。(2)は部に存在した曖昧なルールの改正や迅速な問題解決が目的であり、部員全員の意見を吸収できる円滑な運営スタイルを構築した。 その結果、部員同士の交流が増え、透明性のある運営を行えたことで、部全体の意識と一体感が高まり、今年6月の対抗戦では歴代最高得点を8点アップさせ、総合7位を獲得することができた。 ※出典:シナネンホールディングスグループ|総合職2025年卒本選考のES
ゼミ
【設問】 あなたの長所・短所は何だと思いますか?300字以下 【回答】 長所は「傾聴力」。 大学2年時、ゼミ長として◯◯の町おこし活動を行い、◯◯人のチームをまとめた。現地の企業や◯◯と連携し、ゼミメンバーの意見を尊重しながらプロジェクトを成功に導きました。この経験から、他人の意見を理解し、それに対応する能力、つまり「傾聴力」を身につけました。 ※出典:プレジィール|ビジネス・経営コース2025年卒本選考のESより一部抜粋
傾聴力をアピールするときの注意点
傾聴力は多くの職場で求められる重要なスキルですが、それを効果的にアピールするためにはいくつかの注意点があります。ここでは、企業が実際にこの能力を求めているかを確認すること、他の応募者との差別化を図ること、面接での振る舞いが一致しているかを意識すること、そして受け身の印象を避けることといった、傾聴力をアピールするときの注意点について詳しく解説します。
企業が求めている能力であるかを確かめる
新卒採用の場で傾聴力をアピールする際、企業が本当にその能力を求めているかどうかを確かめることが重要です。傾聴力は多くの職種で役立つスキルですが、企業や業界によって優先される能力が異なるため、企業研究をしっかり行うことが求められます。
応募先の企業が傾聴力をどのように評価しているかを調査しましょう。企業の公式ウェブサイトや求人情報には、求める人材像や必要なスキルが記載されています。特に企業の「求める人材像」や「行動指針」に注目すると、傾聴力がどの程度重視されているかを判断できます。
また、インターネット上での企業に関するクチコミや、OB・OG訪問を通じて、現場でどのような能力が実際に求められているのかを確認することも有効です。
他の人と差別化する
傾聴力をアピールする際、他の人と差別化することが重要です。一般的な表現を避け、傾聴力を別の言い回しで説明したり、他の強みと組み合わせて総合的な能力として提示したりすることで、面接官に強い印象を残せます。
就職活動において、傾聴力をアピールすることは非常に有効ですが、多くの学生が同様のスキルを持っていると主張するため、他の応募者との差別化が必要です。単に「傾聴力があります」と伝えるだけでは印象が薄くなりがちです。傾聴力を他の表現で伝えることで、より具体的かつ独自性を持たせられます。
他の強みとセットで伝える
以下に、具体的な傾聴力の言い換え例をご紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。
<相手の意見を引き出す力> 傾聴力は、相手が本音を話しやすくするための「相手の意見を引き出す力」として表現できます。相手がリラックスし、自分の考えや感情を率直に伝えることができる環境を作れると、信頼関係が深まり、より良いコミュニケーションが生まれます。このスキルは、例えばチームでのブレインストーミングや顧客とのヒアリングにおいて、相手から価値ある意見を引き出すのに役立ちます。
<共感力> 傾聴力は「共感力」としても表現できます。相手の話に耳を傾け、その感情や立場に理解を示すことで、相手に安心感を与えられます。共感力を持つことで、相手は安心して自分の考えや感情を共有できるため、深いコミュニケーションが可能になります。このスキルは、特に人間関係を円滑にする上で重要であり、顧客対応やチームビルディングにおいて重宝されます。
<他者の意見を聞いてまとめる力> 「他者の意見を聞いてまとめる力」として傾聴力を言い換えることも有効です。さまざまな意見や情報を収集し、それを効果的に整理・統合して、明確な結論や提案を導く力は、プロジェクトマネジメントや会議の進行役として非常に価値があります。このスキルを持つことで、チームの多様な意見を生かし、最適な解決策を見いだせます。
<会話を通して信頼関係を築く力> 傾聴力を「会話を通して信頼関係を築く力」として説明することで、他の応募者との差別化を図れます。会話を通じて相手の話を理解し、適切なフィードバックを行うことで、相手に信頼される存在となります。この能力は、営業や顧客対応の場面で特に重要で、信頼関係を築くことでビジネスの成果を上げることが可能になります。
これらの言い換えを活用することで、傾聴力のアピールが他の応募者と差別化され、より具体的かつ印象的な自己PRができるようになります。面接やエントリーシートでこれらの表現を適切に用いることで、あなたの傾聴力を企業にしっかりと伝えられるでしょう。
傾聴力を他の言い方で伝える
就職活動で傾聴力をアピールする際、他の強みと組み合わせることで、他の応募者と差別化し、より効果的な自己PRが可能になります。傾聴力は、単独で述べるだけでは多くの人が持っていると主張するスキルになりがちですが、関連する強みを組み合わせることで独自性を強調できます。以下に、傾聴力と相性の良い強みと、それを生かした自己PRの例をご紹介します。
<課題解決能力> 傾聴力と組み合わせることで効果的な強みの一つが「課題解決能力」です。これは、課題を的確に分析し、原因を究明して解決策を提示する能力を指します。傾聴力により相手の話を深く理解し、問題の本質を見極めることが可能になります。 【例文】 私はゼミで発生したデータ分析の問題に対して、メンバーの意見を丁寧に聞き出すことで、問題の本質を把握しました。その結果、分析方法を見直し、効率的な解決策を提案できました。傾聴力を生かして、チーム全体の意見を集約し、問題を解決する力があります。
<行動力> 「行動力」との組み合わせは、傾聴力を具体的な成果に結びつける上で非常に効果的です。行動力は、思いついたことを迅速に実行に移す能力を指します。 【例文】 私はゼミで、地域住民へのインタビューを通じて彼らの意見を聞き出し、その結果をもとにした具体的な提案を行いました。初対面の人とも積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことで、プロジェクトを成功に導けました。
<決断力> 「決断力」は、傾聴力を用いて集めた情報を基に、最適な判断を下す能力です。客観的なデータと主観的な意見をバランスよく取り入れ、責任ある決断を行えることをアピールしましょう。 【例文】 私は学園祭の企画で、異なる意見を持つチームメンバーの声を傾聴し、双方の意見を踏まえた上で、最終的な企画の方向性を決定しました。相手の意見を尊重しつつ、自らの責任で決断する力を持っています。
<企画力> 「企画力」は、傾聴力で得た情報を基に新しいアイデアを生み出し、実行に移す力です。相手のニーズや課題を理解し、それに応じた具体的な企画を立案することが求められます。 【例文】 私は新入生のオリエンテーション企画において、学生の不安や期待をヒアリングし、それをもとにしたレクリエーションを企画しました。参加者の声に基づいた企画により、多くの学生に喜んでもらえました。私には傾聴力を生かし、ニーズに応じた企画を提案する力があります。
これらの強みと傾聴力を組み合わせることで、単に傾聴力を持っているだけでなく、それを活用して具体的な成果を上げることができる人材であることを印象づけられます。企業のニーズに合わせた組み合わせを考え、自己PRに生かしてみてください。
面接での振る舞いに気を付ける
新卒の面接では、傾聴力を効果的にアピールするために、面接官の話をしっかりと聞き取り、適切に反応することが求められます。
面接官が話しているときは、相手の目を見て話を聞く姿勢を心がけましょう。目を合わせることで、あなたが話をしっかりと受け止めていることを示せます。また、相槌を打ったり、うなずいたりすることで、関心を持っていることを伝え、面接官との信頼関係を築く助けになります。
また、質問に答える際は、面接官の質問を正確に理解し、それに対して具体的かつ簡潔に答えましょう。質問の意図が分からない場合は、遠慮せずに確認することが大切です。聞き返すことで、誤解を避け、的確な回答ができます。
他にも、面接官の話に対して適切なリアクションをとることが重要です。話の内容に興味を示したり、共感したりすることで、積極的なコミュニケーションが生まれます。例えば、「それは興味深いですね」や「なるほど、よく分かりました」などの言葉を使うことで、面接官に良い印象を与えられます。
さらに、面接官が話をしている途中で自分の意見を述べる場合は、相手の話を最後まで聞いてからにしましょう。途中で話を遮ることは、相手へのリスペクトが欠けている印象を与えてしまいます。相手の話をしっかりと聞いた上で、自分の考えを述べるようにすると、円滑なコミュニケーションが図れます。
これらのポイントに注意して、面接に臨むことで、あなたの傾聴力をしっかりとアピールし、良い印象を残せるはずです。面接は、自分自身を知ってもらうチャンスであると同時に、企業とのコミュニケーションを通じて成長する機会でもあります。積極的に取り組み、前向きな姿勢を忘れずに臨んでください。
受け身の印象を残さないようにする
新卒の面接では、傾聴力をアピールすることは重要ですが、同時に「受け身の印象」を与えないことも大切です。受け身の態度は、消極的で主体性がないと見られがちで、面接官に不安を与える可能性があります。
まず、自分の意見をしっかりと持つことが大切です。面接官の話をただ聞くだけでなく、その内容について自分の考えをしっかりと述べる準備をしておきましょう。具体的な質問や提案を行うことで、自分の考えを持ちながらコミュニケーションをとっていることを示せます。例えば、面接官が会社のビジョンについて話しているときに、「そのビジョンに対して自分がどのように貢献できるか」を具体的に述べることが効果的です。
また積極的に質問することも大切です。面接中に疑問に思ったことや、さらに詳しく知りたいことがあれば、ためらわずに質問を投げかけてみましょう。質問は、あなたが面接官の話に興味を持ち、理解を深めようとしている姿勢を示す良い機会です。また、質問を通じて面接官との対話が生まれ、より深いコミュニケーションが可能になります。
さらに、自分の経験やスキルを積極的にアピールすることも重要です。面接官の質問に対して、自分がどのような経験を持っているか、どのようにそれを生かせるかを具体的に述べることで、自分の価値をしっかりと伝えられます。例えば、学生時代のサークルでリーダーシップを発揮した経験がある場合、その具体例を挙げて説明することで、主体性や積極性をアピールできます。
このようにして、受け身の印象を残さないように心がけることで、あなたの傾聴力を効果的にアピールし、面接官に良い印象を与えられます。自分の強みを自信を持って伝え、面接という場を最大限に活用して選考に進んでいきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
傾聴力は社内外で良好な人間関係が築けたり、相手の本音を引き出しやすくなったりできる能力のため、とても大事な能力です。効果的に伝えて、自分の魅力を十分に伝えられるようにしていってください。
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