外資、日系問わず就活生に人気のマーケティング職。その中でも消費財メーカーのマーケティング職は花形といわれ、選考はハイレベルな戦いになります。
今回取材をしたDさんも、マーケティング職を志望していた方の1人。大学2年生の12月から就活を始めたDさんは、職種にこだわり続けながら人気の消費財メーカーのマーケティング職に内定しました。
「就活に向けて早期から動き出したけれど、選考がうまくいかない」「マーケティング職を目指しているけれど、選考通過のコツがわからない」という方は、マーケティング職を目指して早めに動き出したDさんの体験談が役立つはずです。早期から就活を始めるメリット、早期内定獲得までのスケジュール、マーケティング職に内定する秘訣(ひけつ)に迫りました。
<目次>
●マーケティング職への強いこだわりが内定獲得の鍵に。その中でも消費財メーカーを選んだ理由とは?
●早期内定の秘訣は「場数を踏むこと」。本番に慣れることが1番の対策方法。
●消費財メーカー マーケティング職に内定する秘訣は、マーケティングに対する思いを言語化すること。狭き門を突破する方法とは?
マーケティング職への強いこだわりが内定獲得の鍵に。その中でも消費財メーカーを選んだ理由とは?
──サマーインターンから本選考まで、さまざまな業界の選考を受けたとのことですが、就活をする上で大事にしていたことは何ですか?
Dさん:中長期的にキャリアを築くために職種で選ぶということですね。これからの時代、終身雇用は少なくなっていくと思っていましたし、ある程度自分がやることが分かっている方が将来のキャリアを決めやすいと思っていました。
──なるほど。では、職種別で就活を進める中でマーケティング職に行きついたということでしょうか?
Dさん:そうですね。業界よりも先に、マーケティング職という職種に絞って見ていました。大手コンサルティング企業も内定をいただきましたが、そちらもマーケティング部門を希望部署として伝えていました。
──では、マーケティング職の中でもなぜ消費財メーカーを選んだのですか?
Dさん:理由は2点あって、1点目は、自分の働きが売上に直結する点に魅力を感じたからです。消費財の中でも特に化粧品は、ブランドというものが重要視される傾向にあり、ブランドイメージの形成に最前線で関わるマーケティングの重要度が高く、それが売上にも直結します。
2点目は、他の商材よりもマーケティングのスキルを早期に養成しやすいと感じたからです。化粧品は流行の変遷が速く、マーケティングの結果がすぐに分かるのでPDCAを高速で回してスキルアップできるところがいいなと思いました。
早期内定の秘訣は「場数を踏むこと」。本番に慣れることが1番の対策方法。
──就活を始めたのは大学2年生の12月とのことで、かなり早くから始められているように感じます。なぜこんなに早くから始めていたのですか?
Dさん:仲の良い先輩から「就活は早くやればやるほどいい」と言われていました。やりたいことがなくて将来が漠然と不安だったのもあったので、とにかく早くアンテナを張っておこうと思っていました。
──早期から始めていて良かったと感じることはありますか?
Dさん:2つあります。1つ目は情報感度の高い就活友だちができたこと。2つ目は就活の全体像をつかみやすく、6月からの大手企業の選考にもスムーズに臨めたことです。
──やはり早期から就活を意識していることにより、情報収集という面で他の就活生よりもリードできるんですね。ずばり、早期内定獲得のポイントは何だと思いますか?
Dさん:エントリーシート(ES)や面接、グループディスカッション(GD)も含めて場数を踏んだことと、サマーインターンに参加したことだと思います。
──「場数を踏むこと」が大切だというのは、それはなぜですか?
Dさん:サマーインターンにどうしても参加したいと思っていた広告代理店の面接で、緊張してしまって自分が伝えたいことを伝えられず、とても悔しい思いをしたんです。模擬面接などの練習や準備はしていたのですが、本番に慣れていなかったので、面接官を前にするとうまく話せなくなってしまって。その経験から本番の場数をたくさん踏むことを意識しましたね。
──場数を踏むことの大切さを身をもって経験されたんですね。面接はどうやって練習していましたか?
Dさん:就活支援サービスのイベントを使ったり、先輩や友人にお願いして練習したりしていました。
──多くのサマーインターンに参加することには、どんなメリットがありますか?
Dさん:メリットは2点あって、1点目は本選考や早期選考での優遇がある企業が多いので、年内に内定を獲得できる可能性が高まることですね。2点目は、実際に社員の方とお話しすることによって企業や業界の雰囲気を体感できることです。
──なるほど。サマーインターンは参加するのに越したことはないということですね。選考の情報収集はどのように行っていましたか?
Dさん:就活情報アプリはもちろん、Twitterを活用していました。就活はどのような基準で評価がされているのか分からないし、選考結果の発表も人によって異なる場合もあるので、面接の雰囲気やESの結果通知時期などの情報をつかむために定期的に見ていました。
消費財メーカー マーケティング職に内定する秘訣は、マーケティングに対する思いを言語化すること。狭き門を突破する方法とは?
──ここまで早期内定の秘訣をお伺いしてきましたが、ここからは消費財メーカー マーケティング職の内定の秘訣についてお伺いします。マーケティング職、特に大手企業だと倍率がとても高く、選考も難しいと思うのですが、内定を獲得できたのはなぜだと思いますか?
Dさん:「なぜマーケティング職なのか」「なぜ消費財メーカーなのか」「なぜその企業なのか」という「なぜ」の部分を、自分の中で徹底的に突き詰めて考えたことだと思います。
冒頭にお伝えしたような消費財メーカーのマーケティング職を志望した理由をしっかり言語化することを意識していました。そのためには、自分の目指すキャリアから逆算することも大事だと思います。
──なるほど。やはりそれは面接でも深く問われることなのでしょうか?
Dさん:そうですね。面接でそれらのことを深掘りされました。自分が考える「マーケティング」について、しっかりと言語化することが大切だと思います。
──さまざまな企業のマーケティング職の選考を受けてこられたと思いますが、その中で消費財メーカーのマーケティング職特有だなと思った選考はありましたか?
Dさん:ケーススタディだと思います。企業にもよりますが、日系・外資を問わず複数の企業で「ブランドの成長戦略を考えよ」といったテーマのケーススタディが課されました。
──ケーススタディの対策はどのようにしていましたか?
Dさん:『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」』(2010年、東洋経済新報社)など、いわゆるコンサルのケース面接対策で使うような本で知識をインプットしていました。他にも、企業サイトなどで紹介されている実際の化粧品各社のマーケティング事例を見ていました。事例を調べることで企業ごとの傾向などがわかり、具体的なアイデアを出せたと思います。
──マーケティングに携わる上で重要なスキルなのですね。就活生の皆さんは、資格や英語力の高さが求められるのかが気になると思うのですが、そのあたりはいかがですか?
Dさん:資格の有無は特に問われませんでした。英語力に関しては、一定のレベルは必要だと思います。実際、外資の消費財メーカーでは選考の中で英語面接や英語のプレゼンを実施する企業もありましたし、内定者の多くはTOEIC900点以上のスコアをもっていました。マーケティング職はヘッドクオーターとして海外とやり取りをすることも多いので、日系・外資問わず英語力はあった方がいいかなと思います。
──最後に消費財メーカーのマーケティング職を目指す2025年卒の就活生に一言お願いします。
Dさん:効能やコスパが重視されがちな日用品などと異なり、ブランド力やブランドの持つメッセージが重要視される化粧品はマーケティング職の腕の見せ所で、創造力、感受性、論理、知性、脳の全てを高いレベルで使うことが求められる点が魅力だと感じます。とはいえ、消費財メーカーのマーケティング職は倍率が高く、選考もなかなか厳しいので「なぜマーケティングなのか」「その商品を通じて何をしたいのか」ということを明確にして頑張ってほしいと思います。
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