こんにちは、ワンキャリ編集部です。
世界最大手のガラスメーカーであるAGC。グローバル展開も積極的に行い、海外で活躍できるチャンスの豊富なことが魅力の1つです。
この記事では、AGCの「技術職」に絞って具体的な選考対策をお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●AGCの特徴
●AGCの本選考のポイント
●AGCの本選考のフロー
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 部門別マッチング会
4. 1次面接
5. 最終面接
●おわりに
AGCの特徴:海外赴任のチャンスあり! 世界最大手ガラスメーカー
AGCには以下の3つの特徴があります。
・高付加価値事業を新たな収益の柱とする転換期 ・グローバル展開に伴い、海外赴任のチャンスが広がる ・新卒全体の約6割は研究開発へ配属
それぞれの内容について、詳細を下記に記載します。
高付加価値事業を新たな収益の柱とする転換期
AGCは世界最大手のガラスメーカーです。なかでも自動車用ガラスや、フロート版ガラス分野では世界トップシェアを誇っています(※1)。
同社はガラス製造だけでなく、事業の多角化を行っているのも特徴。中国の安価なガラス製品と価格競争に陥っている現状を打破するための戦略です(※2)。AGCは「コア事業」と「戦略事業」の2つを展開しています(※3)。
・コア事業 └ 長期安定的な収益基盤を構築する事業 (例:建築用ガラス、自動車用ガラス、基礎化学品など) ・戦略事業 └ 高付加価値ビジネスの拡大による高収益事業 (例:モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスなど)
具体的に、新たな収益基盤としている高付加価値ビジネス(戦略事業)についてご紹介します。
例えばモビリティ事業では、自動運転化社会に向けて、ナビゲーションや建物情報が表示されるモニター機能を持ったフロントガラスの開発を進めています。特に、AGCグループが世界で初めて開発した3D・複雑形状の車載ディスプレイ用のカバーガラスは、欧州高級車を中心に高い市場シェアを獲得しています(※4)。
エレクトロ二クス事業は、半導体分野やスマートフォンなどに使用する高機能な部材・部品を開発する事業です(※4)。近年では、半導体チップの計算処理を高速化する部材の供給体制を強化するなどの施策を行っています(※5)。
営業利益に占める戦略事業の利益貢献比率は、2020年時点では25%程度の目標だったところを、2025年には40%以上に引き上げるのがAGCの経営目標です(※6)。コア事業で安定的なポートフォリオを構築しながら、付加価値の高い戦略事業を新たな収益の柱とする転換期であるといえます。
(※1)参考:AGC 新卒採用サイト「会社:データで見るAGC」(※2)参考:AGC 新卒採用サイト「事業概要」
(※3)参考:AGC「初めてでもよくわかるAGC P.24」
(※4)参考:AGC「戦略事業」
(※5)参考:AGC ニュース「EUV露光用フォトマスクブランクス供給体制を大幅増強」」
(※6)参考:AGC「初めてでもよくわかるAGC P.26」
グローバル展開に伴い、海外赴任のチャンスが広がる
グローバル展開に伴い、海外赴任のチャンスが広がることもAGCの魅力です。同社は戦後の日本で、最初に海外進出を果たした民間企業。国外への事業展開は近年でも著しく、ブラジルやインドネシア、メキシコ、モロッコなどに工場を建設しています(※7)。
アジアのみならず、アメリカやヨーロッパにも拠点を展開しているため、勤続年数に関わらず若いうちに赴任する社員も少なくありません。事実、海外赴任している社員の23%を、入社10年目以内の若手が占めています(※8)。ある内定者も「特に製造系職種は現在、海外に工場を多く立ち上げていることから海外で働くチャンスが広がっている」と人事社員から説明を受けたそうです。
若手のうちに海外赴任を経験することは、社員のやりがいにもつながっています。実際にタイに4年間赴任したある技術社員は「責任が大きい分、やり遂げた時の喜びは格別だった。どんな問題でも自分で解決できる自信がついた」と語っていたとのこと(選考対策ページより)。年次を問わず海外で働きたい学生には最適な企業といえるでしょう。
(※7)参考:AGC「グループ会社」(※8)参考:AGC 新卒採用サイト「会社:データで見るAGC」
新卒全体の約6割は研究開発へ配属
AGCの技術職は以下のように分類されます(※9)。
・研究開発 └ 先端基盤研究所、材料融合研究所、生産技術部での開発を担う。AGCの5年後、10年後を支える商品の開発を目指す。 ・製品開発 └ 製品に関する生産プロセス開発や商品開発を行い、お客様のニーズに応える。 ・製造エンジニア └ 巨大なプラントを管理運用し、理想的な生産体制・製造技術を日々検討し、改善する。 ・生産管理 └ オートモーティブカンパニーでの生産管理を担う。顧客のニーズを踏まえ、商品の生産計画から物流計画までを企画・立案・統括する。 ・設備設計開発・プラントエンジニア └ AGCの生産技術を支える設備のプロ集団。AGC独自の設備を設計・建設・アフターフォローまでを担う。 ・その他 └ 情報システム、知的財産、技術営業、環境安全品質など。
新卒の約6割が研究開発、約3割が製造エンジニア、約1割がその他の部署に配属されるようです(選考対策ページより)。選考にあたり、各部門の業務内容を把握しておくことをおすすめします。
(※9)参考:AGC 新卒採用サイト「People:職種と社員」AGCの本選考のポイント:AGCの求める素養でマッチングをアピールしよう
AGCの選考のポイントは、「AGCの基本精神とのマッチを示す」と「チームで働く協調性を示す」の2点です。
それぞれの内容について、下記に記載します。
AGCが求める人物像とのマッチを示す
AGCの選考では「易きになじまず難きにつく(※10)」という、以下の求める人物像とのマッチを示せるかがポイントです。
・「情熱」 └ 当事者意識を持ち、情熱と覚悟を持って取り組むことができる人財 ・チャレンジ └ 壁にぶつかっても諦めずに最後までやり遂げる人財 ・革新 └ 枠にとらわれず自ら変化を起こすことができる人財 ・インテグリティ └ 他者から学び、誠実な行動により、信頼してもらえる人財 ・巻き込む力 └ 主体性を持って周りを巻き込んでいける人財
ESや面接で「学生時代に力をいれた経験」を述べる際は、上記の素養をアピールできるように心がけてください。
(※10)参考:AGC 新卒採用サイト「求める人物像」協調性を示す
AGCの選考では「協調性」も重視されると考えられます。グローバル展開により海外企業と案件を進める同社では、国内外の人々と協力して案件を進める必要があるためです。
同社のインターンでも協調性を評価されるグループワーク形式が採用されています。ある内定者はグループワークで高評価を得るために「チーム内で協調的な姿勢をみせることを常に意識していた」と話していました。アピールの方法に不安を感じる方は、下記の内容を参考にして選考に臨んでください。
(1)チームとしての目標 例)バレー部の活動で全国大会出場を目指していた。 (2)目標の達成のために自分がどのような役割を担い、具体的にはどのような行動をとったのか 例)個々のスキルは高いものの、チームとして成果が上がらなかったため、チームとして試合に勝つためには部員間のコミュニケーションや戦略の共有が大切であると考えた。 そこで、自分の練習時間を削ってでも他の部員とのコミュニケーションを活発にとり、部員同士をつなげたり、部員全員で戦略を共有するミーティングを行ったりした。 (3)(2)を受けての成果 例)結果、チームとしてのパフォーマンスが上がり、目標であった全国大会出場を果たすことができた。
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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AGCの本選考フロー
AGCの選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 部門別マッチング会
4. 1次面接
5. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):オーソドックスな質問内容。論理的にわかりやすく伝えられるか
AGCのESでは、下記に以下のような設問が出題されました。
(1)あなたがこれまでに行った大きな決断や悩んで決めたことがあればどのように決断したのか教えてください(400文字以内) (2)あなたの研究テーマの概要を教えてください(400文字以内) (3)興味のある職種とその理由(100文字以内) (4)自分に当てはまるテーマを「情熱」「チャレンジ」「革新」「インテグレティ」から選んでください (5)上記お選びいただいたテーマに沿って、ご自身で力を入れて取り組んだエピソードを具体的に教えてください(400字以内)
※出典:AGC|技術系 2023年卒本選考のES
同社のESはオーソドックスな質問がメインです。分かりやすい構成と体裁に気を配り、作成しましょう。 ある内定者は構造的な文章を心がけるために、下記のようなピラミッドストラクチャーを意識し選考を突破しています。
【参考:内定者が活用した構成(ピラミッドストラクチャー)】 例:「学生時代に力を入れたことは、~~である。その中で行った施策は大きく◯◯個ある。まず1つ目は、~~~。次に2つ目は~~~」
提出前には「無駄な文章・言葉がないか」「誤字脱字はないか」などをチェックし、細かいミスがないように心がけてください。
2. Webテスト:形式はSPI。ボーダーは6〜7割程度か
Webテストはテストセンターで受験する、SPI形式のテストです。「言語」「非言語」「性格」の3科目から出題されます。
Webテストのボーダーは、そこまで高くないと考えられます。ある内定者も「体感で6〜7割の正答率で通過できた」と話していました。上記のボーダーを上回るように、参考書や他社のテストを活用し対策しておきましょう。
▼SPI対策におすすめの記事はこちら ・【SPI対策】SPIテストセンターとは?言語・非言語等の問題形式と出題内容を例題付きで解説! ・【SPI実施企業一覧】約140社分のテストセンター対策!練習受験できる企業まで網羅
3. 部門別マッチング会:選考要素のある逆質問会。入念に下調べをして臨もう
部門別マッチング会は、選考要素のある逆質問会です。部門職種別にあるブースをまわり、説明を受け質疑応答を行います。具体的な概要は下記をご参照ください。
【概要】 (1)部門職種別にあるブースを回る(最大7つまで回れる) └前半3つのブースは、企業側から指定 └後半4つのブースは自由。同じブースを複数回回っても良い (2)アンケートでマッチングを希望する部門職種を第5志望まで提出 (3)マッチングが成功した部門職種から選考案内が届く(最大2部門) 【時間】 1ブースあたり30分程度 【社員数】 各部門1~2人、人気の部門は5~6人程度 【学生数】 1ブースあたり1〜2人程度、研究所など志望学生が多いブースは6人程度 【内容】 ・部門職種の説明 ・業務内容 ・質疑応答(学生1人あたり1~2問の質問ができる) など
※出典:技術系 2023年卒本選考の部門別マッチング会
上述のとおり逆質問が中心となるため、企業理解や志望度の高さを示せるように質問を準備しておく必要があります。事前に企業の情報収集をしたうえで、臨みましょう。インターネットで調べれば分かる質問や、漠然とした質問は避けるのが無難です。AGCに関する最低限の情報をおさえ、仮説を混じえた質問を意識してください。
【例】 ・漠然とした質問:「AGCの特徴は何ですか」 ・仮説を立てた上での質問:「AGCの特徴と言えば、 『易きになじまず難きにつく』にのっとり、若手から気概を持って挑戦していく社員が多いことだと思うのですが、AGCの文化について◯◯さんはどう思われますか」
4. 1次面接:20名→4名に絞り込まれるグループ面接。面接官がつい深掘りたくなる自己PRを話せるかがポイント
1次面接は、社員3名と学生3名で行われる、所要時間2時間15分程度のグループ面接です。前半は座談会、後半は面接で構成されます。過去には、以下の内容で実施されました。
<前半>座談会(1時間程度) <後半>3人の部長とのグループ面接(1時間15分程度) 【質問事項】 ・自己紹介 ・学生時代に力を入れたこと ・自己PR ・志望動機 └AGCを志望する理由 └その職種を志望する理由 ・入社後に取り組みたいこと ・転勤についての考え方(海外転勤も含め) ・他社の選考状況 ・逆質問(1人1問のみ) など
※出典:技術系 2023年卒本選考の1次面接
1次面接は、AGCの選考における最大の鬼門といえます。内定者の話によると、1つの部門に応募する20名の学生のうち4名まで絞り込まれるようです。
突破するカギは志望動機と自己PRです。まず志望動機は「素材メーカーの志望理由」と「AGCの志望理由」の2点を示すことがおすすめ。過去の経験とひもづけて素材メーカーへの憧れや入社への思いを伝えつつ、競合と比較した上で感じるAGCの魅力を伝えましょう。
自己PRについて、内定者は「面接官からの深掘りの有無が、通過に直結していたはず」と話します(選考対策ページより)。さらに話を聞いてみたいと思われる「ひっかかり」を盛り込むことが有効です。面接官の興味を引くには、以下の記事が参考になるかもしれません。
▼自己PR対策におすすめの記事はこちら
5. 最終面接:意思確認で終わらない! 倍率は4倍程度か
最終面接は社員2名、学生1名で行われる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・志望動機 ・研究概要 ・学生時代に力を入れたこと └達成したこと └課題設定 └施策 └結果 └学んだこと └困難であったこと └チームの中で意見がかみ合わなかった際の対応 など
※出典:技術系 2023年卒本選考の最終面接
最終面接の前には履歴書を提出します。その際、「志望理由」「学生時代に力を入れたこと」「研究概要」「長所と短所」「自己PR」の項目を含めるように指示されるとのこと。最終面接の大半は履歴書の内容に沿って質問されるため、想定される深掘りの対策をしておくべきです。
2023年卒の選考では、自分でオンラインまたは対面面接を選択できました。「対面を選ぶことで入社意思の高さを示せる」と考える人もいますが、評価に差はありません。同様に2024年卒でも面接の形式が選択可能であれば、自身の体調を鑑みて選ぶことをおすすめします。
内定者は、最終面接を突破するために「繕わずにありのままの自分をさらけ出すこと」「AGCに入りたい熱意を示すこと」の2点を意識していたそうです(選考対策ページより)。最後はロジックではなく感情をあらわにすることが重要だと思われるため、自分の思いが最大限に伝わるよう、「話し方」にも注意を払うのが良いのではないかと内定者は考えています。
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おわりに
ここまで、AGCの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
AGCの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています。
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(Photo:je48design/Shutterstock.com)