こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、世界にその名を轟(とどろ)かすIT企業群GAFAの一角、EC最大手「Amazon.com」を運営するアマゾンジャパン(以下、アマゾン)の本選考のポイントをお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次> ●アマゾンの特徴
●アマゾンの本選考のポイント
●アマゾンの本選考のフロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. 録画面接
・4. インターンシップ
・5. 最終面接 ●おわりに
アマゾンの特徴:慢心せず、挑戦し続ける。ECで世界の覇権を握る1兆ドル企業
アマゾンは「It’s still Day One」という考えをもとに、新たな挑戦を歓迎しており、莫大(ばくだい)な利益の多くを新規事業に投資しています(※1)。宇宙旅行事業の運営や「アマゾン銀行」の設立など(※2)(※3)、新事業に挑戦する姿勢を強く示しています。
実際に、ある社員によると、「座談会で『◯◯という事業を展開しないのはなぜですか』という質問を受けて、アマゾンの社員がすぐにそのアイデアを社内に提案した」とのこと(選考対策ページより)。
こうした新規の領域へ挑戦するマインドが、同社の核となる強みといえます。
幅広い事業展開をしてきた同社の時価総額は、2021年7月に約1.8兆ドル(約234兆円)を突破しており(※4)、今後もそのプレゼンスの高さを国内外問わず示していくでしょう。
(※1)参考:アマゾンジャパン「会社概要」(※2)参考:日本経済新聞「アマゾンCEO、『宇宙の次世代インフラ目指す』」
(※3)参考:PRESIDENT Online「アマゾン銀行が誕生すると断言できる理由」
(※4)参考:Business Insider Japan 「amazon時価総額、創業27年で200兆円。ベゾスはいかにして“ECの巨人”を成長させてきたか 」
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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アマゾンの本選考のポイント:アマゾンで最も大切にされている「OLP」を示し、若手から挑戦・活躍できる姿勢を見せよう
アマゾンでは、社員全員がリーダーであるという考えのもと、「Our Leadership Principles(以下、OLP)」という規範に従って行動しています。
そのため、アマゾンの選考を通して、OLPを意識した言動を心がけることが重要です。
以下にOLPの代表的な項目を提示するので、参考にしてください。
【Our Leadership Principles】(※5(一部抜粋))
・Customer Obsession
・Are Right, a Lot
・Hire and Develop the Best
・Insist on the Highest Standards
・Think Big
・Earn Trust
・Dive Deep
・Have Backbone; Disagree and Commit
・Deliver Results
(※5)参考:アマゾンジャパン「求める人物像」
若手から活躍できるリーダーシップをアピールすべし
アマゾンでは、社員一人一人のリーダーシップを大切にしています。
そのため、選考でも「先頭に立ってチームを引っ張るリーダーシップがあるか」を見られているでしょう。
ある内定者は面接で、「チームでリーダーシップを発揮した経験」について質問された際、「スポーツチームにおいて、リーダーとしてチームの実力を上げるために、練習メニューの改革などを提案しチームを勝利に導いた経験」を語ったそうです。
その結果、「団体の先頭に立って引っ張っていける人物だ」と面接官に評価されたそうです(選考対策ページより)。
以上のことから、課題を特定し新たな施策を考え、チームをまとめた経験を語ることで、周りを統率できる人物であることをアピールしましょう。
エピソードの具体例を示すので、参考にしてください。
<研修マニュアルを作成した話>
・アルバイト先で新人の育成制度が整っておらず、新人のミスが絶えませんでした。これに対し自らが新人教育係に就任し、マニュアルを整備した結果、新人のミスが減り、やりがいを感じながらバイトに励んでくれる人が増えました。
<新たな商品の開発や、店内のレイアウトの変更に取り組んだ話>
・カフェのアルバイトで、10〜20代の若年層の顧客が少ないことが課題でした。そこで、インスタ映えをするような商品を開発したり、店内の照明を変えたりした結果、以前よりも若者の顧客を増やすことができました。
※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒本選考の合格の秘訣
全く未知の領域にも、積極的に挑戦できる姿勢を見せよう
アマゾンでは、新規事業の創出に力を入れており、顧客の暮らしを良くするためのアイデアを日々出し続けています。
特に、新卒社員はフラットな視点で物事を考えられるため、他の社員が思いつかないような斬新なアイデアを思いつくことができるかもしれません。
このような背景もあり、アマゾンでは、新卒社員に「積極的に行動すること」が求められるでしょう。
実際に面接では、「全く経験したことのないことにも積極的に取り組めるか」と質問されており、特に「未経験のことに対してもチャレンジできるのか・そのような環境下でも主体的に行動できるのか」が見られていたそうです。
それに対し内定者は、「言葉が通じない国でのボランティア活動において、チームリーダーとして主体的に活動に取り組んだ経験」について話したところ、未経験のことにも挑戦する姿勢が面接官に評価されたといいます(選考対策ページより)。
以上のことから、面接では「未経験の領域で、最もチャレンジしたこと」を語れるように準備しておきましょう。・例:学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
【取り組み】 初めて行った海外のボランティア活動で、子供たちとの距離がより縮まるような取り組みを行いたいと考え、休み時間を利用した交流の企画を主体的に行った。
【課題】 しかし、授業開始時間が遅れる可能性や生徒の安全面といった課題があり、実行の許可がもらえなかった。
【行動】 そこで、何度も学校を訪問し、綿密なスケジュールや休み時間のルールなどを共有した。
【結果】 このような主体的な行動が功を奏し、学校側からの了承を得ることができた。 当日の活動も時間内に終わり、成功を収めることができた。 ※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒本選考の合格の秘訣
アマゾンジャパンの選考フロー
アマゾンの選考フローは以下の通りです。1. エントリーシート(ES)ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
2. Webテスト
3. 録画面接
4. インターンシップ
5. 最終面接
1. エントリーシート(ES):選考要素はあまりない? OLPに当てはまるエピソード選びが欠かせない
アマゾンのESでは、過去に以下のような設問が出題されました。
・学生時代に注力した活動(字数制限なし)。
※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒本選考のES
基本的な情報を記入する履歴書のような形式です。
内定者によると、ESで落とされる学生はほとんどいないだろうといわれています。
とはいえ、後の選考の判断材料にされるため、企業HP(ホームページ)やOLPの内容を踏まえて、記入しておくことをおすすめします。
ある内定者は、「学園祭のリーダーとして関係部署をまとめ上げ、成功に導いた経験」を記入したそうです。
2. Webテスト:オリジナルの性格検査。OLPとの整合性を意識した選択を
アマゾンの性格検査は、ビジネスシーンで想定されるトラブルへの対処法を回答する形式です。所要時間は30分程度です。
学生の考えが、同社の重要視するOLPと整合性があるかを見られていると考えられます。
OLPについての理解を深めた上で適性検査に臨み、OLPに基づいた選択肢を意識的に選ぶことをおすすめします。
3. 録画面接:英語で回答する録画面接。大事なのは英語力ではなく伝えようとする姿勢
アマゾンの録画面接は、自宅で撮影する形式で、所要時間は40分程度です。
問題数は計6問で、内容は英語の長文問題、英語・日本語での質疑応答です。
内容は以下の通りです。
【英語の長文問題】(英語での回答)
・長文読解(10分)
・設問1(3分)
・設問2(3分)
【英語での質疑応答】(英語での回答)
・学生時代に注力した活動(40秒)
・これまでの人生で成果を出した経験(40秒)
【質疑応答】(日本語での回答)
・将来のキャリアプラン(40秒)
※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒本選考の録画面接
回答は各設問1回限りのため、十分に準備してから臨むようにしましょう。以下に、内定者が意識したポイントを紹介します。
【英語の長文問題】 長文問題では10分間、アマゾンの歴史についての文章を読み、その後、2つの設問に各3分で回答するという形式です。 問題自体は英語の長文読解と大差ありませんが、回答を短い時間で考えて、話す必要があります。
【質疑応答(英語)】
英語の質疑応答では、英語で設問が表示され、思考時間が40秒程度与えられた後、40秒程度で回答するという形式です。
よりパーソナルな質問がされるため、「学生時代に注力した活動」「自己PR」「強み・弱み」などの基本的な質問は事前に英訳したものを準備し、記憶してから臨むことをおすすめします。
【質疑応答(日本語)】
日本語の質疑応答では、英語で回答するものと比較して、回答はしやすいと考えられますが、事前の準備は抜かりなく行いましょう。
「学生時代に注力した活動」「自己PR」「強み・弱み」などの基本的な質問は、1分程度で簡潔に話すことができるよう、練習しておくといいでしょう。
4. インターンシップ:参加者全員が最終面接に参加できることも。顧客視点を重視した立ち回りをしよう
アマゾンのインターンシップは、2日間実施されます。概要は以下の通りです。
【1日目午前】
・企業説明
・職種説明
【1日目午後〜2日目】
・グループワーク
└テーマ:「日本の個人事業主が海外進出をし、売上を上げていくには」
※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒のインターンシップ
社員がグループワークに参加することは少なく、決められたタイミングで学生が社員に提案の壁打ちをお願いする形式です。
選考要素はあまりないと考えられます。
ただ、OLPの中でも「顧客視点」を重視した提案であれば、社員からも好意的なフィードバックが得られるでしょう。
2023年卒の選考では、夏のインターンの場合は優秀者のみが早期選考に参加できたそうですが、秋インターンの場合は参加者全員が早期選考に進み、最終面接に参加することができたといいます。
そのため、インターン中は企業理解や社員との交流に努め、最終面接で話す内容に説得力を持たせるために準備をしておきましょう。
顧客ファーストの姿勢を示し、アマゾンとの理念に共感していることを強調すべし
アマゾンで重要視されている行動規範「OLP」の中でも、特に大切にされているのが「Customer Obsession」です。
実際に、本社CEO(最高経営責任者)であるジェフ・ベゾス氏も「顧客のニーズから逆算せよ」と発言するなど(※6)、顧客へのコミットを最重要視していることが分かります。
社内会議の際には判断軸として「Customer Obsession」が用いられており、会社の利益になる事業であっても、顧客のためにならないと判断されれば平気でボツになるなど(選考対策ページより)、規範が浸透していることがうかがえます。
アマゾンでは顧客のことを最優先に考えて行動できる環境があるといえるでしょう。
(※6) 参考:Forbes Japan「ジェフ・ベゾスの名言10選 『変わらないものを軸に戦略を立てよ』」5. 最終面接:面接が3回行われる鬼門。「STAR法」を用いた回答が内定のカギ
アマゾンの最終面接は、社員1名と学生1名で行われる、所要時間は、各30分程度×3回の個人面接です。
過去には以下のような質問がされました。【1回目】
・自分のニーズと顧客のニーズが合わなかった経験
・新しい知識を必要とした経験
・逆質問(1問程度)
など
【2回目】
・人生の中で一番伝えたい経験
・逆質問(1問程度)
など
【3回目】
・周りに反対されたが、最終的に納得させることができた経験
・周りに反対され、自身が諦めることになった経験
・逆質問(1問程度)
など
※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2023年卒本選考の最終面接
選考倍率は8〜10倍程度と非常に高く、間違いなく選考における鬼門といえるでしょう。
アマゾンが紹介する「STAR法則」で面接のコツを身につけよう
アマゾンでは、公式ホームページに、面接の対策方法を掲載しています。(※7)。
その中でも、内定者が実践しているのが、STAR法則です。(選考対策ページより)。
特定の状況・業務・行動・結果の4つを説明しながら、質問に回答していくという方法です。
以下に、STAR法則の回答案を要約して紹介します。
<状況>(※7)参考:Amazon jobs「対面面接」
あなたが今置かれている状況、または達成すべき目標について説明します。
複雑な状況が面接官にしっかりと伝わるように、詳細を述べます。
<業務>
どんな目標に向かって業務に取り組んでいたのかを、詳細に説明します。
<行動>
その状況であなたがどのような行動をしたかを説明します。 具体的にどのようなステップを踏んだか、どんな貢献をしたのかを明確にして話しましょう。
プロジェクトについて話すとき、チームやグループが行ったことを説明しないように注意しましょう。自分自身が実際に何をしたかを中心に話すことを心がけるべきです。
<結果>
行動の結果を説明します。何が起こったのか、どのような結果になったのか、何を達成したのか、そこから何を学んだのかをはっきりと説明しましょう。
また、OLPに関連する、自分自身の成功と失敗についてよく考え、専門知識や自分のアピールポイントを伝えるための具体的な例を用いてもいいかもしれません。
そしてどのようなリスクを抱え、成功、失敗し、その過程でどのように成長したかを説明しましょう。
おわりに
ここまで、アマゾンジャパンの本選考を突破するポイントをお届けしました。
みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
アマゾンジャパンの選考やイベント情報についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています▼アマゾンジャパンの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
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(Photo:vanitjan/Shutterstock.com)