こんにちは、ワンキャリア編集部です。
今回は、インターネット広告事業に留まらず、幅広い事業を展開しているサイバーエージェント(ビジネス職)の本選考のポイントをお伝えします。
選考前の最終確認にぜひご一読ください。
サイバーエージェント(以下、CA)は1998年、代表取締役社長の藤田晋によって設立された会社です。2年目となる2000年には26歳という当時の最年少記録で東証マザーズ上場を果たしました。
勢いは止まらず、2020年5月には電通の時価総額を一時逆転しています(※1)。現在の時価総額は、CAが1.09兆円、電通が1.24兆円(2021年9月29日時点)となっていますが、今後インターネット広告の発展が見込まれるため、将来性がある企業といえるでしょう。
(※1)参考:日本経済新聞「サイバーが電通を逆転 株式時価総額、ゲーム好調で」
<目次
●サイバーエージェントの特徴
●サイバーエージェントの社風と文化
●サイバーエージェントの選考ポイント ●サイバーエージェントの選考フロー
・1. ES・動画選考
・2. GD
・3. トライアウト
・4. 集団面接
・5. 1day job
・6. 面接
・7. 役員面接
●おわりに
サイバーエージェントの特徴
CAは「21世紀を代表する会社」を目指しており、インターネット広告事業を主軸とし、さまざまな新規事業を展開することで、事業領域を拡大し続けています(※2)。
現在は主に、インターネット広告事業、ゲーム事業、メディア事業の3つに分けられます。以下のグラフの通り、売上に占める割合は、広告とゲームが主力となっており、これらの売上でメディア事業を支えています(※3)。
(※2)参考:サイバーエージェント「ビジョン」
(※3)参考:サイバーエージェント「四半期決算(2021年4月~6月)p4」
それぞれの3つの事業について詳しく見てみましょう。
インターネット広告:主導権を握りながらもさらなる成長を目指す
2019年にインターネット広告の市場規模がテレビメディア広告を抜いたことが(※4)、大きな話題となりました。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活になったことからインターネットの利用時間が増加、インターネット広告業界は成長し続けています。それに伴い、CAのインターネット広告の売上高は2020年から2021年の間に27%の成長(※5)を遂げています。
(※4)参考:電通「2019年 日本の広告費」
(※5)参考:サイバーエージェント「四半期決算(2021年4月~6月)p17」
ゲーム事業:「ウマ娘」の大ヒットにより売上高は約3倍!
CAの2番目の柱は、ゲーム事業です。
2021年、「ウマ娘 プリティーダービー」が、提供開始から約5カ月で900万ダウンロードを突破し(※6)、前年比の売上高から約3倍の売上高を記録しました。その他にも「グランブルーファンタジー」を始め、約50本のスマホ向けゲームを提供しています。これらのゲーム開発は、CAの主要関連会社である株式会社Cygamesなどが行っており、CAとしては出資している事業です(※7)。
(※6)参考:サイバーエージェント「四半期決算(2021年4月~6月)p25」
(※7)参考:サイバーエージェント「ゲーム」
メディア事業:注目の投資事業。「Abema」の規模拡大を目指す
メディア事業の主力は、「オオカミくんには騙されない」「今日、好きになりました。」などの大ヒットを生み出しているAbemaです。現在は、赤字が続いているメディア事業ですが(※8)、規模拡大に向け幅広いジャンルのオリジナルコンテンツを続々と放送しています。利益を出せるようになれば、さらなる勢いで成長していくでしょう。その他にも、出会い系サービス「タップル」、音楽配信アプリ「AWA」、競輪などのネット投票が可能な「WINTICKET(ウィンチケット)」などさまざまなサービスを展開しています(※9)。これからの新規事業は「面白いかどうか」を常に重要視しています。「エンタメが好き」「人や社会にワクワクを届けたい」そう考える学生にとってCAは最適な環境といえるのではないでしょうか。
(※8)参考:サイバーエージェント「四半期決算(2021年4月~6月)p35」
(※9)参考:サイバーエージェント「メディア」
以上の通り、CAは「インターネット広告会社」の売上高が大きな割合を占めていることから、広告のイメージが強いかもしれませんが、事業内容は多岐に渡ります。ひとえに「インターネット広告会社」と判断するのではなく、さまざまな事業を研究し「自分が本当に携わりたい事業は何なのか」を考えながら選考に進むことをおすすめします。
サイバーエージェントの社風と文化:内定者が子会社を立ち上げることも。若手に「任せる」文化
CAの文化として、若手の裁量が大きいことが挙げられます。そんな若手の裁量に関して、以下2つのエピソードをご紹介します。
チャレンジを応援する文化
CA子会社の「新卒社長」(※10)は40人程度で、その約半数が入社3年目までの社員です。新卒社長が就任している子会社の例として、「マクアケ」「株式会社CA Tech Kids」が挙げられます(※11)。
また内定者時代から子会社の立ち上げを行うことも珍しくなく、実際に2019年卒内定者で入社前に「株式会社CAmotion」の立ち上げを経験している学生もいます(※12)。これは、若手に任せる文化があるCAだからこそ可能だといえるでしょう。
他にも内定者が選考にて社員から聞いた話によると、「新卒1年目でマネジャーに就任」、「内定者アルバイト時代から裁量の大きな仕事を振られる」など、若手のチャレンジを応援する社風が伝わります。
(※10)……新卒でCAに入社し、その後子会社の社長に就任した人を指します。
(※11)参考:日系ビジネス「サイバー、“生存率50%”の登竜門『新卒社長』」
(※12)参考:サイバーエージェント「株式会社CAmotion、8秒で始まる“声”のマッチングアプリ『koely』iOS版をリリース」
失敗を受け入れる文化
新規事業の立ち上げや子会社社長などを若いうちからチャレンジできる会社ですが、そのようなチャレンジに失敗はつきものです。しかし、CAでは、失敗する怖さからチャレンジ精神を奪われないよう、その後もチャンスを与えます。
内定者が社員に聞いた話によると、子会社社長を2度経験し2度も会社をつぶしてしまった社員は、そのような失敗をしたにもかかわらず、その後本社役員に登用されたそうです。1度や2度の失敗で社員を見切るのではなく、むしろそれを成長過程として新たな機会を与える姿勢は人材を育成させる仕組みだといえます。
以上のことから、「年功序列ではなく、若手のうちからチャレンジしたい」「子会社を起こすような稀(け)有な経験をしたい」そんな好奇心が旺盛な学生におすすめです。
サイバーエージェントの選考ポイント
選考のポイントとして、以下の2つが挙げられます。
(1)将来のビジョンを明確にすること
(2)「素直でいい人」を示すこと
この2つについて詳しく見ていきましょう。
将来のビジョンから入社後にやりたいことを示そう
CAの選考では将来のビジョンが重要視されます。ビジョンとは「◯◯なことをしたい」「◯◯な人になりたい」など、人生の目標を指します。
実際に選考では「笑顔であふれる世界をメディアを通して作りたい」「世の中を元気にできる人材になる」などスケールの大きさや具体性は人それぞれであり、ビジョンを否定されることはないとのこと。
ビジョン自体よりもそれが生まれた背景や、そのビジョンを通して今後どう働きたいのか、何をしたいのかを明確に答えられた人が好印象だそうです。
以下にビジョンを説明する際に必要な観点を示しました。ぜひ参考にしてみてください。
・将来のビジョン
観点:「◯◯な人になりたい」「◯◯を成し遂げたい」
例:「出会う人全てを笑顔にしたい」
・ビジョンができた背景
観点:学生時代の経験などから述べよう
例:お笑いサークルで人を笑顔にさせる喜びを実感した
・CAで何をやりたいのか
観点:企業理念、事業部、業務などとのつながりを見いだそう
例:Abemaを通してより多くの人に感動と笑顔を届けていきたい
入社の絶対条件は「素直でいい人」
CAの人事マネージャーは、「素直でいい人」を採用基準にしており、能力の高さではなく一緒に働きたい人を採用すると断言(※13)しています。
「素直でいい人」とは、ただ素直に何でも言うことを聞くことを指しているのではありません。変化を楽しむマインドを持っているかが問われています。CAは時代の変化とともに成長しており、「私はこれしかやりたくない!」ではなく、新しいことにも興味を持てる人がCAに向いているといえます。
(※13)参考:サイバーエージェント「『顔採用ですか?』『採用基準を教えてください』など・・よく聞かれる質問10選に人事マネージャーがお答えします」
サイバーエージェントの選考ポイント
CAの選考フローは以下の通りです。
1. ES・動画選考
2. GD
3. トライアウト
4. 集団面接
5. 1day job
6. 面接
7. 役員面接
CAは、新卒採用に力を入れており、新卒採用に特化したYouTubeチャンネルやTwitter、Instagramなどで選考のポイントを発信しています。より深く、企業研究を進めたい学生はチャンネル登録やフォローを行い、最新情報をチェックしましょう。
1. ES・動画選考:内定者が大切にしていたのは自分に「キャッチコピー」を付けること
ES・動画選考では、エントリーシート(ES)と動画を同時に提出します。
以下、2023年卒に課されている設問内容です。
内容 (1)「ビジネスコースオンライン会社説明会動画」を視聴し、その感想を教えてください。(100字以上300字以内) (2)あなたのお人柄が伝わる自己紹介をお願いします。(100文字以上300字以内) (3)「人生最大のチャレンジ」について、1分間でプレゼンをお願いします。(1分以内) ※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考のES・動画選考
設問(2)ES
簡単な経歴やエピソード、趣味や特技、アピールポイント、生活や仕事で大切にしていること、目指していること、休日の過ごし方など、あなたにしか話せない人柄が伝わる内容があると良いでしょう。
設問(3)動画選考
動画選考では、CA社員がひとりひとりの動画をしっかりと見ているとのこと。以下、CA公式Instagramで内定者が紹介している工夫です。しっかりとポイントを押さえた上で動画撮影に臨みましょう。
<動画選考のポイント>
・キャッチーなフレーズを最初に発言する
・内定者のほとんどが6回以上の撮り直し
・動画は時間ピッタリか2~3秒余らせる程度
・ジェスチャーを入れて熱意を見せる
・椅子は背もたれがないもので姿勢よく
・目の前に人がいるイメージで話す
・自分が思う以上に笑顔を心がける
※出典:サイバーエージェント新卒採用 【公式Instagram】
特に、キャッチーなフレーズを使うのはCAの選考において重要なポイントです。選考を経験した学生によると、「私の人生はキャラクターに例えると◯◯」、「『ワンピース』のルフィのような存在になりたい」などの発言をしていたそうです。また、インターンに参加した際の自己紹介やグループワークの施策における最終的なアウトプットでも、キャッチーなフレーズが求められるといいます。
自分ならではのキャッチーなフレーズを用意し、面接官への印象付けを意識すると良いでしょう。
2. GD:協調性をアピール。グループとして最高のアウトプットを意識しよう
所要時間は1時間程度。1人の面接官と5~6人の学生で行われるグループディスカッション(GD)です。
昨年のテーマは、「成果を上げるチームに必要な要素を3つ挙げよ」でした。
CAでは、チームで働くことが多いため、このような内容が課されたと考えられます。GD選考を突破した学生によると、「どれだけ良い意見を出せるかより、仲間との協調性が大事」(※14)「話していない人に積極的に話を振って、全員で考えていることをアピールした」(※15)とのこと。
協調性をアピールし、選考のポイントである「素直でいい人」を意識することが大切です。
(※14)参考:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒インターンのGD
(※15)参考:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考のGD
3. トライアウト:CA独自の選考方法。3回以上のトライは必須!
お題
・大学生に向けたAbemaTVのプロモーションを考えよ
・CAにおける新規事業を考えよ
・就活生の10%が利用するサービスを考えよ など
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考のトライアウト
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒インターンのトライアウト
トライアウトは、CA独自の選考方法です。初めて聞く学生も多いのではないでしょうか。
以下、トライアウト選考の流れです。GDとは違い、1人でお題に取り組み、面接官に直接フィードバックをもらいます。しっかりと手順を理解したうえで挑みましょう。
トライアウトの対策は、以下のことを行いましょう。
・制限時間内に自分の考えをまとめる練習をする
・友人や社会人にフィードバックをもらいながら自分の案を改善する経験を積む
・よりよいアイデアが浮かびやすいように、CAの事業や世の中のトレンドをつかむ
選考に突破した学生によると、「意見が完璧にまとまっていなくても、面接官に何回もトライすることを意識した」そうです(選考対策ページより)。40分程度の限られた時間ですが、3回以上提案を繰り返すことがよい評価につながるでしょう。また、「素直でいい人」を示すためにも、面接官からのフィードバックを忠実に反映させた提案を心がけることも大切です。
4. 集団面接:短時間の面接。結論ファーストを心がけよう
社員1人・学生2~3人、オンラインで行われる30分程度の面接です。
内容
・学生時代の経験
・強み弱み3点ずつ など
※経験者インタビューより
学生時代の経験以外にも、強み弱みを3点ずつ聞かれるなど、十分な対策が必要です。そして、CAの集団面接では1人当たりの面接時間が15分と比較的短いため、質問に対する回答は結論ファーストで答え、冗長になりすぎないようにしましょう。
5.1day job:事前課題は入念に行うべし
1day jobは、約8人の学生でチームを組み、ひとつのお題に対してチームで競います。
お題
「CAで活躍できる新卒を採用するための、採用イベントを提案してください。」
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考の1day job
お題は、1day job の約1週間前から発表され、CAのこれまでの採用イベントの調査をするなどの事前課題が課されます。
当日は、チームごとに順位が発表されますが、優勝したチームは事前準備で徹夜したとのこと。お題の内容からも、突き詰めて考えると1日で終えられるテーマではないため、事前準備をしっかりと行う必要があります。
6. 個人面接:振り返りが肝。インターン経験から細かい内省を繰り返そう
個人面接は、社員1名に対し学生1名、所要時間30分程度の面接です。
内容
・インターンの振り返り
・良かった点
・悪かった点
・もっとできると思った点
・感想
・志望動機
など
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考の1次面接
1次面接はインターンの振り返りがメインとのこと。インターンを無事に通過したからと安堵(あんど)するのではなく、そこからさらに成長できないか、もっとインターンをうまく進めることができなかったのか、と事前に考えておくことが重要でしょう。
以下の観点を参考に振り返りを実施しておきましょう。
・インターンの良かった点
発揮された自分の強み
出した成果
成果を出すためのプロセス
・悪かった点
発揮された自分の弱み
出せなかった成果
うまく行かなかったプロセス
・改善点
もっと伸ばせる長所
改善できる短所
改善するためのアクションプラン
7. 役員面接:入社意思を示し内定を勝ち取ろう
役員面接は、社員1名に対し学生1名、30分程度の個人面接です。
過去には以下のような質問がされています。
内容
・将来のビジョン
・入社後にやりたいこと
・志望動機
※出典:サイバーエージェント|ビジネスコース2022年卒本選考の最終面接
志望動機がメインで聞かれます。これまでの選考で修正を繰り返した志望動機や将来のビジョンを示しましょう。
内定者によると、「キャリアプランとCAとのつながりを重点的に考え抜き、熱意をもって伝えた」とのこと。将来のビジョンになぜCAが必要なのかを深堀りし、役員面接に挑みましょう。
21世紀を代表する会社を創る一員となるまで後少し。気を抜かずに挑みましょう。
▼サイバーエージェントの選考・各種イベントへのエントリーはこちらから!
サイバーエージェントが参加予定のイベント一覧
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おわりに
いかがでしたか? 皆さまの選考対策のお役に立てれば幸いです。
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(Photo:Peshkova/Shutterstock.com)