世の中にないものを生み出し、世界を席巻する。
そんな桁違いのビジネスを生み出す上で無視できないのが「ルール」です。どんなに優れたサービスや製品も、国際的な規制やルールに引っかかってしまっては、売ることができません。近年、技術力の高い日本企業がグローバル市場で苦戦する理由の一つに、こうしたルールメイキングの失敗が挙げられることもあります。
このルールメイキングで成功を収めてきたのが、世界シェアNo.1の空調メーカー、ダイキン工業です。売上高2兆4,934億円を誇る同社は海外を中心に売上を伸ばしてきましたが、その屋台骨を支えるのが、ルールメイキングにおいて重要な役割を担う「アドボカシー活動」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、社会課題を解決するために行政や社会に提言する活動で、本当に社会に価値のある仕事をするためには欠かせないものになっています。
現在、ダイキンが力を入れるのが、最大の空調市場である北米。同社の小暮美怜さんは環境負荷の低いエアコンを普及するためのアドボカシー活動に取り組み、北米でのシェアNo.1と地球温暖化抑制への貢献を目指しています。
プライベートでは2児の母でもあり、ルールメイキングの最前線で戦っている小暮さんに今回、オンラインでお話を伺いました。見えてきたのは、ルールをつくる「アドボカシー活動」という知られざる仕事の醍醐味(だいごみ)と、「環境」をど真ん中に掲げるダイキンの熱量でした。
世界で勝つための究極の戦略。ルールは「守る」のでなく「つくる」
小暮 美怜(こぐれ みさと) :2012年入社。新卒で化学事業部EHS部化学品安全グループに配属後、2015年にアドボカシー活動を推進するCSR・地球環境センターに異動。2017年、米国ワシントンに赴任。環境の負荷が低い製品を普及するためのアドボカシー活動に従事している。
──ダイキン工業は売上高2兆4,934億円のうち約8割が海外で、海外売上高は2001年から11倍にまで増えています。グローバルメーカーとして急成長を遂げていますが、小暮さんが担当するアドボカシー活動は、この成長にどう関係しているのでしょうか?
小暮:アドボカシー活動の役割はルールメイキングです。ダイキンにおいて、ルールメイキングは非常に重要で、技術力と合わせて成長の両輪を担っています。
──ルールメイキングが重要というのは、どういうことでしょうか?
小暮:日本では「ルールは与えられるもの」という意識が強く、守ることを前提に戦略を考えます。ですが、世界ではルールをつくるところから勝負が始まっています。全く新しい技術やサービスは従来のルールの枠に当てはまらないことも多いので、それを受け入れてもらうには、その国にルールを変えてもらう必要を理解してもらう必要がある。そのための活動がアドボカシー活動です。
──アドボカシー活動におけるダイキンの特徴は何でしょうか?
小暮:環境に特化していることです。その根幹にあるのは、「社会にとって一番良いルールは何か」。それを真面目に考えています。そこには良い技術が不可欠なので、ダイキンだからこそできる取り組みです。
だから「儲(もう)かるから、環境に悪くてもいいや」というエアコンが許されるルールはつくりません。
──具体的には、どんなルールをつくっているのですか?
小暮:環境に優しい製品を世界中に広げていくために、法律や規制といったルールをつくり、普及できる素地をつくっていきます。
具体的には、エアコンの内部にある「冷媒」というガスを環境負荷の低いものに置き変えていこうとしています。冷媒はエアコンの内部で熱を運ぶ役割をしています。冷媒はオゾン層の破壊や地球温暖化に影響を及ぼすため国際的な規制が設けられており、環境問題への配慮が製品開発にも求められるようになっています。
こうした世界の潮流の中、ダイキンは環境負荷の低い「R32」という冷媒を世界で初めてエアコンに採用しました。これを世界で普及しやすくするために、自社の特許を開放し、導入に関わる各国のルールの変更を働きかけています。こうしたアドボカシー活動もあるから、ダイキンは世界のエアコンの歴史を塗り替えてきたともいえます。
──普及のために、特許を開放まで!「アドボカシー活動」はあまり聞き慣れない言葉ですが、自社の利益だけでなく社会を良くすることも追求する仕事なのですね。
小暮:私が入社したときは「ロビー活動」という言葉が使われていて、正直、良いイメージはありませんでした。法に触れるスレスレの、やましい活動をするのかと(笑)。ただ蓋(ふた)を開けてみたら、社会に良いことをしていると自信を持って言えるので、安心しました。
ダイキンの戦略経営計画でも、重点テーマのひとつに「市場価値形成・アドボカシー活動の強化」を定めており、成長の礎にしようとしています。現在は2兆4,934億円の売上高を2025年に3兆6,000億円まで伸ばす目標イメージです。
ボストンで役員が採用を即決。勢いと環境意識の高さを感じて入社
──環境問題への関心は、昔からあったのでしょうか?
小暮:小学生のころから、「このままじゃ地球がまずいことになりそう!」と危機感がありました。漠然と、社会に良いことをしたいという思いがありましたね。大学で政治経済学を勉強して、交換留学で行って興味を持ったスウェーデンで、大学院に通いました。環境先進国ならではの環境教育のほか、イノベーションや経済学を学びました。スウェーデンで学んだことを生かして、日本が得意なものづくりの現場で、環境負荷を低減していく仕事をしたいなとイメージしていました。
──ダイキンのことはどうやって知りましたか?
小暮:アメリカのボストンでキャリアフォーラムがあり、日系メーカーで環境意識の高そうな企業を第一志望に参加しました。そこが最初の出会いですね。ちょうど売上高が1兆円を超え、短期間のうちに2兆円にしようとしていた時期でした。環境活動に力を入れていること、グローバルに展開していること、とにかく伸びていること、という柱が私に合致しました。
それに面談した日系企業の中でダイキンだけ人事担当の役員がボストンまで来ていて、その場で採用を即決してくれました。スピード感、決断力を感じて、この会社はこれからも伸び続けるだろうと直感で思いました。私は直感を大切にするタイプなんですが、そのときの判断は間違っていなかったと思います。入ってみたら予想以上の勢いで、ついていくのに必死です(笑)。
──入社後のキャリアについても教えてください。
小暮:2012年10月に入社して、最初は安全管理をする部署に配属されました。工場の安全教育や環境アセスメント(※)、開発した化学物質の安全審査などが主な活動でした。そこで、入ってからしばらくして業界の定期会合に出るためにベルギーに出張させてもらいました。
(※)……開発・事業が環境に悪影響を及ぼさないかを、事業者が主体となって調べて公表する制度。環境影響評価ともいう。
──それがアドボカシー活動との出会いですね。
小暮:そうです。とても技術的な内容で理解するのは難しかったのですが、いろいろな国の人が地球と業界の発展のために真剣に議論をしているのを見て、「面白そうだな」と思いました。その最中に、女性活躍推進の一環の社内研修を受けて「本格的に頑張ってみないか」と声がかかり、社内でアドボカシー活動を中心的にやっている部門に2015年6月に異動しました。
──どんな職場でしたか?
小暮:日本本社のメンバーを中心に、海外主要拠点でアドボカシー活動をしているチームが連携していて、そのチームワークに惚(ほ)れ込みました。世界各地に張り巡らされたダイキンならではのネットワークの力と、それぞれの地域事情がよく分かる醍醐味がありました。
また異動当時から、将来的にアメリカに転勤してアドボカシー活動をすることが私のミッションになることは決まっていました。私もずっと、「いずれ海外へ」と希望は伝えていましたので、その希望がかなった形になります。「アドボカシー活動とは何か」を勉強するために、1年半、そこで学びました。
まさかのトランプ大統領。環境政策がフリーズも「根を張る時期」と地道に
──2017年3月、いよいよワシントンに赴任されます。前提として、北米市場はダイキンにとってどのような位置付けなのでしょうか?
小暮:エアコンが発明された「空調発祥の地」で、ダイキンにとってとても思い入れのある地域。一番攻略したい市場、「最後の砦(とりで)」のような存在ですね。
北米は世界最大規模の市場ですが、ダイキンはあまり入り込めていませんでした。当時はその状況をどうにかしたいと、後にアメリカの事業活動の根幹になっている現地の有力企業を2012年に買収するなど、M&Aで事業は急拡大していて、勢いがありました。
ダイキン工業のグローバル拠点(ダイキン工業提供)
ただ私はワシントンに知り合いがいたわけでもなく、ワシントンでもダイキンのことを知る人はほとんどいませんでした。
──まずどんな活動をされたのですか?
小暮:先程、ダイキンが環境に優しい冷媒「R32」を世界中に広めたという話をしましたが、ヨーロッパや日本、東アジアではスタンダードになってきている一方で、先進国の中でアメリカはとても遅れています。アメリカでも使えるように働きかけるのが仕事です。
具体的には、環境保護局などの連邦政府や、法律をつくる連邦議員、州政府の環境や建築基準を担当する部署などにアプローチします。エアコンの業界団体のメンバー企業やNGO(非政府組織)とのやり取りや説得もありますし、日米の大使や政府系機関にも、ダイキンの技術や思いを広めています。伝えるという意味では広報やPRに近いかもしれませんが、伝える先が政策立案を担う特定の相手という点が違います。
──先程のお話であったルールメイキングのための活動ですね。
小暮:ところが、赴任直前にアメリカ大統領選があり、まさかのトランプ大統領の誕生で、2017年6月にはパリ協定からの離脱する方針を示すという事態になってしまいました……(笑)。
──パリ協定は地球温暖化対策の国際的な枠組みですし、環境技術普及のためのルールメイキングをしたいダイキンからすると、脱退は痛手ですね……。
小暮:ほぼ4年間、合衆国レベルでの温暖化政策は止まってしまいました。でも、「根っこを張る時期だ」と考えて、やるしかありませんでした。国が動かないなら自分たちで進めようと、カリフォルニア州が先導して環境問題に力を入れる州の同盟が立ち上がりました。規制づくりでも全米に影響力がある州なので、この数年はずっとカリフォルニア州を最優先州と位置付けて冷媒規制の誘導をしました。
空調が売れなければ終わり、という覚悟が全力を生む
──合衆国レベルで動きがないと、モチベーションを保つのが難しそうですね。
小暮:「環境技術でアメリカでもNo.1になるんだ」という会社の強い覚悟と、環境負荷の少ない製品を普及させたい私個人の思いが合致していたので、頑張れました。この4年間は、地道なネットワーキング活動の積み重ねでした。
──そこまでじっくり根を張れる企業もなかなかないと思います。
小暮:大きな投資がカギだと思います。ダイキンは全米で20以上の拠点があり、約1万9,000人を雇用しています。外資系メーカーとしてではなく、現地の企業として受け入れてもらえるように、地域に入っていく努力をしています。
──ローカルでの努力と、グローバルのネットワークが両方あるのは強いですね。
小暮:アメリカ国内だけでもワシントンだけではなく、各工場の技術者と電話会議して、協力を仰ぎます。全社的なアドボカシー活動の司令塔である日本の本社とは毎日やり取りします。みんなでやっている感がすごくありますね。
──赴任した2017年と現在とを比べて、変化はありますか?
小暮:まず、カリフォルニア州に提言を続けた結果、ダイキンの求めていた規制がほぼ完成しました。さらに、連邦レベルでも、冷媒の規制をしていく法律が成立しました。大統領がバイデンさんに代わって、温暖化対策が急に進むようになりました。ワシントンにいる意義を取り戻した感じです(笑)。
──根を張ったかいがありましたね(笑)。ダイキンが力を入れていた新冷媒「R32」もアメリカで普及し始めたのでしょうか?
小暮:2017年の赴任当初は環境に優しい冷媒に対する関心が低く、イベントでブースを出しても誰も見向きもしませんでした。ですが、徐々にR32などの環境に優しい冷媒の導入を発表するメーカーが増えてきて、今では業界団体が先陣を切って普及活動を推進してくれるまでになりました。この冷媒を導入するには、各州で建築基準法上のハードルをクリアしないといけないのですが、ワシントン州などいくつかの州で、一部使えるようにルールが変わってきています。着実に機運が高まり、流れはできてきました。
──ダイキンがここまでアドボカシー活動に力を入れるのはなぜなのでしょうか?
小暮:エアコンや冷媒の環境負荷が高いので、正しいルールづくりを誘導して温室効果ガスを減らしていくことがダイキンの義務であり、チャンスでもあるからです。ヨーロッパで2005年、無茶(むちゃ)ともいえるルール変更によりエアコンが売れなくなる危機がありました。必死の働きかけで回避できたのですが、ルールは受け入れるものではなく、つくるものという認識への転換点となりました。そこからアドボカシー活動を強化し、温室効果の小さい冷媒を、世界に広めることにつながりました。
ほぼ空調の専業メーカーなので、間違ったルールがつくられることで空調が売れなくなったら終わり。その覚悟は、かなり強いです。アメリカでも、今後似たようなリスクが浮上するかもしれず、気が抜けません。全力で「R32」を使えるようにします。
──「空調専業だから覚悟が違う」という話は前回の記事でもお聞きしました。ダイキンのどの社員にも共通するマインドなのですね。
・売上高グローバルNo.1 「空気」の2兆円企業、ダイキン工業の世界戦略に迫る
ゼロから何年もかけて「環境を良くする」ゴールへ。伸びしろだらけの仕事
──お聞きしていると、アドボカシー活動は実を結ぶまでに時間がかかる仕事ですね。
小暮:「環境に良いことをしたい」「社会の意識を変えていきたい」という私の軸は、入社以来変わっていません。エアコンは環境に影響を与える分、良くしていくという意味で伸びしろはあるし、ポテンシャルが高くて面白い仕事です。何より、自分は正しいことをしているという確信が持てているので、私は何年かかってもしんどくないですね。
ダイキンは空調メーカーとして売上がグローバルNo.1ですが、トヨタやパナソニックみたいに一般に名前は知られてはいません。少なくともアメリカでは、確かな技術と製品の割に存在感は控えめです。そこで売り込んでいく、ゼロからやっていく部分は面白いですね。
──どんなスキルが求められますか?
小暮:人脈や仲間づくりがすべてといえるような仕事です。同じ志を持つ仲間を作っていくには、いろいろなバックグラウンドや発想を持った人の話をきちんと聞いて本質を理解する力が重要です。
海外では、日本では信じられないような「斜め上」の反応をされることもあります。そういうときでも、いったん受け止めて「なんで相手はこう言っているのか」と深掘りして理解する、そして「じゃあこういう部分で一緒にやっていけるかも」と筋道を見つけ出すのが大切だな、と日々感じます。
──グループ全従業員の8割が海外で働いている点もダイキンの特徴ですが、海外勤務で得られる経験は何でしょうか?
小暮:なんでも自分でやらなくてはいけないので、幅広い経験ができます。管理職として部下の育成もしながら、マネジメントや戦略策定もやります。小さな会社を回すイメージです。上司である役員はニューヨークにいて、ワシントンで最前線に出る日本人は私だけです。ワシントンの商工会の理事も務めていますが、他のメンバーは日本の名だたる商社やメーカー、金融機関の所長クラスで年配の男性ばかりなので、異色の存在です(笑)。
──入社10年目の小暮さんに、そこまで任せる会社もすごいです。
小暮:やる気があるなら性別や年齢、経験に関係なくやらせてみるという社風が表れていますね。とにかくやらせてみることに価値を置いていて、前向きな挑戦であれば失敗も咎(とが)められません。人を基軸にして、従業員一人ひとりの成長が会社の成長につながる、という企業文化なので、私も安心して挑戦できます。
──小さなお子さんもいらっしゃるとお聞きしました。子育てしながら重責を担う挑戦は、外から想像できないほどの苦労もありそうです。
小暮:2014年に結婚して、2016年5月に子どもを出産しました。赴任時期と重なってしまったのですが、会社は私の準備が整うまで待ってくれました。生後9カ月の子どもを連れて、現地法人に出向する形でワシントンに来ました。
──えっ、そうなんですか!?
小暮:社外の人にもよく驚かれます。やる気があれば全力で応援してくれる懐の深い会社だと思いました。「結婚も出産も仕事も全部やります」「海外には行ってみたい」と言っていたら、「頑張ってみなさい」と送り出してくれました。補助制度も手厚いので、使い倒しました(笑)。
「上司に歯向かえ」。腹を割り、本気でぶつかるダイキンのカルチャー
──ダイキンで一緒に働く仲間として、どのような人を迎えたいですか?
小暮:バイタリティーのある人、前向きで主体的に動ける人ですね。言われたことだけやっていればいい、という会社ではありません。入社して驚いたのは、意見を言わないと怒られたことです。
日本の会社って、「若手は黙ってついてこい」という感じだと思っていたんですが、「新入社員なりの視点で言ってみなさい」と。それで、拙い意見を述べてみたら、「そういう一般の人たちに近い目線からの意見はとても参考になる、ありがとう」と感謝されて。まずは意見を発信するのが重要視されるという風土は、あまり日本の会社っぽくなくグローバルスタンダードに近いなという印象を持ちました。自己主張していかないといけないのは、今でも課題なのですが……。
──それは意外ですね。
小暮:いつも上司から「考えていることをもっと発信しなさい」と言われます(笑)。上司に言われたことは「はい!」と聞いてしまうタイプで、社会とはそういうものと思っていたんですが、ダイキンには「腹を割って話す」という風土があり「もっと上司に歯向かえ!」とも言われます。
海外で働くと、文化の違いからか相手と温度差を感じる場面もあるので、私も意を決して強く言うことによって本気でぶつかっています。正直、衝突は好きじゃないんですが(笑)。
──チームで乗り越える上で、腹を割って話すことは大切ですよね。
小暮:アドボカシー活動もそうです。人の意識を変える、説得するとなると、ロジックだけでは通用しません。本気で、まず自分が熱くなる。ロジックだけではなくて、思いで人を動かすという覚悟が必要なんだと、これまでのアドボカシー活動で学びました。
──その覚悟や思いが、今のダイキンを作っているのですね。最後に、学生へのメッセージをお願いします。
小暮:まずは、置かれた環境で、面白いことを見いだして前向きに頑張ってみる。そうしていると、誰かが必ず見てくれていて、チャンスが舞い込んできます。そうしたら、「できない」と躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうなことでも、あえて自分を追い込んで挑戦してみることをお勧めします。その繰り返しで、いつの間にか行きたいところに行けていた、ということはあると思います。
──小暮さんのキャリアが、まさにそうですね。
小暮:安全管理をしていた最初の配属先というのは大阪の工場の中にあり、作業着姿でお互いに「ご安全に!」と挨拶(あいさつ)するところでした。学生のときは、スーツをパリッと着こなしてきれいなオフィスを闊歩(かっぽ)する社会人のイメージに憧れていたので、最初はギャップに少し戸惑いました。でも、飛び込んでみたら、周りは皆良い人だし、人の命を守る安全管理はすごくやりがいのある仕事で、すぐに夢中になりました。
そうしているうちに今度は「ロビー(アドボカシー)活動」と聞いて、最初は「何それ?」という感じでしたが、せっかくのチャンスなのでやってみることにしました。そうしたら、世界を飛び回りながら環境に優しい製品を普及させるという、自分がやりたかったど真ん中の活動でした。学部生時代に学んだ政治経済分野ともぴったりリンクして、「これが自分の使命だったんだ!」と後で気づきましたね。
セレンディピティという言葉もありますが、未来をコントロールすることはできませんし、自分の能力や適性というのは、自分が思っている以上に幅広く、奥深いことがほとんどだと思います。だから、計画にがんじがらめになったり、自分で枠を作ってしまったりするのはもったいないです。柔軟に、直感に従って、そのときに来たチャンスを「面白そう」とつかんで流れに乗っていく姿勢でいると、思ってもみなかったところに到達できて、結果的に人生うまく行く気がしています。
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【ライター:松本浩司】
(Photo:Who is Danny/Shutterstock.com)