転職が当たり前になった時代、「どこの会社でも通用する力が欲しい」「成長したい」と考え、就職先を選ぶ学生も増えています。そうした学生こそ注目したいスキルがマネジメント能力。ビジネスモデルは激しく変化し続ける一方で、組織のパフォーマンスをどう発揮させるかは時代が変わっても残り続けるテーマともいえます。
「マネージャーになって量的にも質的にも、自分1人では経験できなかった経験をさせてもらっていると感じます」
こう語るのは、新卒入社4年目にして約20人のメンバーを率いるグループマネージャーに就任したWorks Human Intelligence(以下、WHI)の小原さん。ITシステム「COMPANY(カンパニー)」の開発と提供を担う同社は、従業員数が1,700人を超える規模ながら、年齢や経験にとらわれず素養のある若手を引き立て、活躍させるカルチャーがあるといいます。
WHIではどのような育成方針のもとで社員の才能を見いだし、チャンスを与えているのでしょうか。小原さんをマネージャーに推薦し、若手マネージャーの育成にも携わる赤津さんにもオンラインで参加してもらい、お2人に話を聞きました。
論理的であれば、前例打破もチャレンジも許容してくれた上司
——小原さんは入社4年目でマネージャーに就任しています。マネージャーとしての経験もお聞きしたいのですが、そもそも、なぜWHIをファーストキャリアに選ばれたのでしょうか?
小原:何よりも企業文化に共感したからです。WHIにおいては、所属する部署を問わず、課題の本質がどこにあるのかを徹底的に考え尽くした上で、事実に基づいて物事を判断し行動する論理的思考力が強く問われます。さらに、失敗を許容しチャレンジを促す文化が根付いており、それを後押しする制度も確立していたので、仕事を通じて自分らしさを発揮し続けられると考え入社しました。
小原 佳人(おはら よしと):Customer Success Div. IS1 Dept. Grp Mgr(2020年12月末時点)
2017年、株式会社Works Human Intelligenceの前身企業に新卒入社。大阪事業所の配属となり西日本エリアでコンサルタントの経験を積む。赤津さんの推薦により、2020年1月から東京で、顧客の人事部門に対する課題解決サービスを提供するプロフェッショナルサービスグループのマネージャーに就任。現在、20名のコンサルタントを統括するマネージャーとして、顧客のカスタマーサクセスに取り組む。
——入社後にチャレンジを後押ししてくれたと感じたエピソードがあれば、ぜひ聞かせてください。
小原:システム導入のコンサルタントだったころ担当していた、あるお客さまの話です。WHIが提供しているCOMPANYは、人事・給与業務の効率化を推進するITシステムで多くの大企業に導入いただいています。そうした実績もあり、ある企業への導入が決まりました。
社長以下、経営陣の皆さんにCOMPANYの優位性をご理解いただき、ご契約に漕(こ)ぎ着けられたところまではよかったのですが、導入の目的や意図が現場にまで正しく浸透しておらず、プロジェクトの先行きが危ぶまれる事態に陥りかけたことがありました。
実はWHIには導入コンサルタントはお客さまの伴走者に徹し、COMPANYの操作に手を出してはいけないというルールがあります。COMPANYを利用されるのはお客さまご自身ですから、使いこなせるようにしなければ意味がないからです。ですが、杓子定規(しゃくしじょうぎ)に自分の立場を押し通すだけでは、せっかくの投資が無駄になりかねません。そこで当時の上司に相談を持ちかけました。
——どのような相談ですか?
小原:本来ならお客さまにやっていただくべきCOMPANYの設定を自分も加わる形でやりたいと申し出ました。通常のセオリーからは外れますが、現場のモチベーションを高め、当事者意識を醸成するにはどうしても必要だと説明しました。「例外は認めない」という結論もあり得たと思いますが、上司は、私の考えを尊重し許可してくれました。
——なるほど。結果はいかがでしたか?
小原:COMPANY導入に対する現場の熱量が上がり、停滞していた状況が劇的に改善しました。原理原則を押し通していたのでは、使いこなすまでにかなり長い時間を要したか、導入プロジェクト自体が頓挫していたかもしれません。
この出来事から学んだのは、ルールは成功確率を高めるのに有効なツールかもしれませんが、絶対視した途端にこぼれ落ちてしまう現実があるということです。たとえセオリーから外れていたとしても、論理的な思考の裏付けがあれば、やる価値があると思います。
——WHIが論理的な思考に対して、とてもフラットな会社だということかもしれませんね。
初のメンバーマネジメント。その成否やいかに?
——赤津さんは小原さんを新任マネージャーに推薦され、大阪から東京に呼び寄せたそうですね。マネージャー経験のない小原さんに白羽の矢を立てられた理由を聞かせてください。
赤津:大阪時代の彼の働きぶりを見てマネージャーの資質があると思い声をかけました。現在はカスタマーサクセス部門のプロフェッショナルグループで、20人ほどの部下をマネジメントしてもらっています。
赤津 克明(あかつ かつあき):Customer Success Div. IS1 Dept. Dept Mgr(2020年12月末時点)
2013年、大手SIerから株式会社Works Human Intelligenceの前身企業に中途入社。西日本エリアで導入・保守のコンサルタント、関西導入部門責任者などを経験した後、2019年に東京で現職に。現在はこれまでの経験を生かし、製造業を中心にカスタマーサクセスの実現、若手マネージャーの育成、チームの成長・メンバーの成長の実現に取り組んでいる。第二子誕生に伴い、今春、育休を3カ月取得予定
——どこにマネージャーの資質を感じられたのでしょうか?
赤津:先ほど小原が紹介したエピソードからも感じられるように、彼は論理的思考に優れているだけでなく、自分に関わる人たちに対して思いを持って向き合うタイプの人材です。しかも相手の年齢や立場、肩書に惑わされず、相手の長所を見いだし、尊敬の念を持って接することができる。彼なら経験がなくてもグループをまとめ、責任を果たしてくれるだろうと判断しました。
——小原さんご自身は、赤津さんからマネージャーにならないかと打診されたとき、どのように感じましたか?
小原:「やらせてください」と即答しました。最初からやりきれる自信があったわけではありませんが、お客さまの課題を解決する仕事であることは変わりませんし、成長の手応えをつかみたくてWHIに入ったわけですから、断る理由はありませんでした。
——マネージャーに就任するにあたって、戸惑いや不安はなかったのでしょうか?
小原:勤務地が大阪から東京に変わり、役職もシステム導入のコンサルタントからシステムの運用・保守に関するコンサルティングをする部門のマネージャーになったわけなので、戸惑いがなかったわけではありません。保守コンサルタント部門はサービスの継続利用を目指す部署で、サービス導入に携わる導入コンサルタントとは役割が異なります。
でも、COMPANYをご利用いただくことを前提としたサービスを提供するという点とお客さまのお悩みを可視化し、課題解決にあたるという意味では、果たすべき使命は同じです。実際、立場や仕事の切り口が変わっただけなので、戸惑いや不安はすぐになくなりました。
個人の限界を簡単に超える。それがマネジメントの面白さ
——マネージャーとなって約1年が経過しました。率直な感想を聞かせてください。
小原:今振り返ると、メンバー時代は自分のスキルを高めることで成果を出すことに執着していたんだなと感じます。わずか1年ばかりの経験ではありますが、メンバーと向き合い、それぞれの個性に応じたやり方で能力を発揮してもらえば、私個人の限界を簡単に超えられることがよく分かりました。
入ってくる情報が増えた分、決断すべきことも増えましたが、マネージャーになって量的にも質的にも、自分1人ではできなかった経験をさせてもらっていると感じます。
——赤津さんは、小原さんの現状をどのようにご覧になっていますか?
赤津:十分責務を果たしてくれていると思っています。グループのマネジメントに限らず、カスタマーサクセス部門全体の課題に対しても改善策を考えて実行しています。
例えば、各メンバーが提案している内容がどのようなステータスにあるのかを可視化し、進捗(しんちょく)に遅れがないか把握するための業務フローを新たに構築したときも、小原自身の手によってではなく、若手のメンバーを動かして実現してくれました。自分1人ではできない成果を出してくれたという点は、マネージャーとして期待していた部分です。
——この業務フローの構築について、小原さんはどんな点に注意してマネジメントされたのでしょうか?
小原:最も重視したのは、目的と背景を正確に伝えることでした。カスタマーサクセス部門には何百人ものメンバーが在籍しています。彼ら一人ひとりに手取り足取り説明しなくても、意図を理解し、自律的な運用が可能になる業務フローを構築し、組織に展開することが重要です。そのためにはどうするか、具体策を自分たちで考えることがメンバーの成長につながると思ったからです。
もちろん、任せたメンバー自身に能力があったからこそ結果が伴ったのは言うまでもありませんが、私自身にとっても、メンバーを信じて任せることの大切さを学ぶいい機会になったと思います。
——メンバーの成長は、マネージャーからするとうれしいですよね。
小原:自分では思いつかないアイデアがポンと出てくる点は、「そういう発想があるのか」と思えて、とても楽しいです。自分1人ではたどり着けないところに行ける感動はありますね。
年上の部下でもギクシャクしない。垣根を越えて助け合う組織が課題を解決できる
——マネージャー業務への感想を、もう少し聞かせてください。どんな点に一番苦労されましたか?
小原:苦労といえるかどうか分かりませんが、気を付けたのは、一人ひとり、得意、不得意が異なるので、思い込みを排して接することです。例えば「それについては、お客さまと交渉して決めましょう」と私がメンバーに提案したとしても、お客さまに交渉を持ちかけた経験のないメンバーにしてみれば、どうしたらいいか分からないことだってあります。メンバーに目的と背景を話して考えてもらうのと同じくらい、期待値を擦り合わせておくことはとても大事だと感じたので、注意を払うようにしています。
——メンバーの中には、ご自身よりもプロフェッショナルサービスの実務に通じているメンバーもいると思います。やりにくさを感じたこともあったのではないですか?
小原:おっしゃるように、私よりも経験豊富な年上のメンバーもいます。確かに最初の何日かは互いに気を使い合うような場面が何度もあり、ギクシャクしているように見えたかもしれません。でも、やりにくさはすぐになくなりました。マネージャーとメンバーは上下の序列と捉えられがちですが、単なる役割の違いに過ぎません。大切なのはお互いに尊敬し合う関係を築くこと。それさえできれば、軋轢(あつれき)が生まれるような状況は避けられると思います。
赤津:今般のコロナ禍でも明らかなように、現代は不測の事態や大きな変化が連続して起こる時代です。それはビジネスにおいても同様で、過去の成功体験がこの先も通用するとは限りません。経験豊富なベテランが判断を誤り、入社1年目の判断が的を射ていることだっていくらでも起こります。私よりも若いメンバーがマネージャーになった方が成功する事例もあるでしょう。
だからこそ、立場や役割を超えてフラットに意見を交換することが大事です。それぞれの立場で風通しのいい環境を整えるのがマネージャーの仕事だと思います。それができないマネージャーは変化に富んだ課題に対処できないでしょうし、お客さまに支持されるサービスを提供することもできないでしょう。
小原:同感です。先ほどマネージャーとメンバーの関係はフラットだとお話ししましたが、それは部署内に限った話ではありません。WHIには部署の垣根を越えて助け合う風土が根付いており、「助けて」と声を上げることは、恥ずかしいことではないという心理的安全性が担保されています。私自身、助けられる状況にあるのに、手を貸すことをためらう人に会ったことがありません。
赤津:言い換えれば、この会社にあるものすべては自分のリソースだと思って活用してもいいという暗黙の了解があるんでしょうね。それは直属の上司や直接面識のない他部署のメンバーも例外ではありません。
——こうした自由度の高い組織を維持するために、WHIで工夫されていることがあれば教えてください。
赤津:周囲に対していい影響を与えている人を正しく評価するために、WHIでは直属の上司だけでなく、社内で評価してほしい人を自由に指名できるValue評価を採用しています。特定の人物からのバイアスがかかった評価に左右されることがないので、目先の利害関係に左右されることなく、会社のビジョンや行動指針にのっとり、己が正しいと思えることに誠実に向き合えるのだと思います。
変化と挑戦が「はたらく」を楽しくする
——ここまでのお話を振り返ると、成長意欲が高く論理的思考ができる方、変化を求めている方がWHIに向いているのかなと思います。この記事で関心を持った学生に向けて、最後にメッセージをお願いできますか。
赤津:WHIのミッションは「“はたらく”を楽しくする」です。それに関連してCOMPANYという事業があるので、事業内容自体は変化していくと思います。この言葉を自分なりに捉えてその意味を広げられる人と一緒に働きたいですね。
私自身、そういう新鮮で自由な発想から学びたいですし、私に提供できるものがあれば惜しみなくお返ししたいと思います。
——これから出会う学生と、どうすれば良い関係が築けるかをとても考えていらっしゃる印象です。
赤津:自分自身のミッションは「一緒に働く人と思い出に残る時間を作りたい」だと思っています。達成のためには関わる人の人生に変化があるといいと思っていて、マネジメント業務の中でできることがたくさんあると思っています。最近はそれを突き詰めようとしていて「海外の村に名前が残っているような日本人とかになってみたい」と思うこともあります(笑)。自分自身が変化することも大事だと思っていますから。
——それは面白いですね。働く意味を考えていることも伝わります。小原さんはいかがでしょうか。
小原:私も「“はたらく”を楽しくする」というミッションは大事だと感じています。人生の多くの時間を仕事に費やすわけですから、「働いている時間を楽しくしたい」と考えている人が向いていると思います。
WHIは現在の組織に移行してから、まだ日は浅いですが、前身の会社を含めれば25年にわたる歴史があります。活用ノウハウや豊富なプロダクト導入の実績がある一方で、チャレンジを推奨するベンチャー的な気質が備わっている希有な会社がWHIです。私はこの環境を最大限に生かして成長したいと願う方と一緒に働きたいですね。
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Works Human Intelligence
【ライター:武田敏則(グレタケ)/撮影:百瀬浩三郎】