こんにちは、ワンキャリア編集部です。
業界国内売上No.1の地位を誇る三井住友信託銀行。知名度の高さと企業規模の大きさにひかれ、入社を志す学生が多い企業の1つです。
この記事では、三井住友信託銀行のなかでも志望者の多い「Gコース(全国転勤型)」に絞って、選考対策の具体的なポイントをまとめてお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●三井住友信託銀行の特徴
●三井住友信託銀行の選考全体の特徴
●三井住友信託銀行の本選考フロー
●1. エントリーシート(ES)
●2. WEBテスト
●3. 座談会
●4. リクルーター面談
●5. 1次面接
●6. 最終面接
●おわりに
三井住友信託銀行の特徴:幅広く事業を展開する業界国内売上No.1
「商品開発力」と「ワンストップビジネス」を武器に維持する業界1位の座
三井住友信託銀行(以下、SMTB)は業界国内No.1の地位を誇っており、2位の三菱UFJ信託銀行とは大きな差をつけて首位をキープしています。
業界1位を維持し続ける要要因の1つは「高い商品開発力」です。商材づくりに関しては徹底的にこだわり注力しています。
そのこだわりは、三井住友トラスト・アセットマネジメント(※1)といった商品開発に特化した会社をグループ会社として保有するほどです。
業務が「ワンストップ」で行えるのもSMTBの魅力。「銀行業務」「併営業務」「信託業務」の3本柱で事業を展開しているため、基本的にビジネスが社内で完結します(※2)。自社内のリソースのみで徹底的に顧客と向き合えるのが特徴です。
実際にある内定者を担当したリクルーターは「信託銀行の役割と銀行の役割を併せ持つので、他行と違い顧客をたらい回しにすることがない。実績も商標力が評価されているからだろう」と話していたそうです。
(※1)出典:三井住友トラスト・アセットマネジメント「トップページ」
(※2)出典:三井住友トラスト・ホールディングス「信託銀行とは」
幅広い事業を展開するからこそ、自分のキャリアパスを描ける
SMTBは自分の希望にあわせてキャリアパスを描けます。展開する事業の幅が広く、体験できる仕事の内容もさまざまだからです。社内でのキャリアプランを明確に持っている学生には向いていると言えるでしょう。
特に全国転勤型の「Gコース」は就きたい仕事がある人には最適な環境といえます。対象業務を限定しないからです。「どの分野のスペシャリストになるか」を自由に選び、経験を積める可能性があります。
ある内定者を担当したリクルーター社員の話によると、同じ部署に在籍し続けて1つの分野を極める人もいれば、複数の部署を経験し自分の適性を見極める人もいるそうです。
SMTBでは「業務公募制度」と呼ばれる「希望する部署への配属にチャレンジする制度」も用意されています。自分のキャリアパスに合わせて挑戦できる環境が整っていると言えるでしょう。
三井住友信託銀行の選考全体の特徴:競合との差別化を図り志望度を示すのがカギ
SMTBの選考で気をつけるべきポイントは「競合との差別化」を図ること。他社と併願して選考に臨む学生も多く、企業側も内定辞退のリスクを恐れている可能性があるからです。
実際にある内定者は選考で「なぜ三菱UFJ信託銀行ではなくSMTBなのか」といった趣旨の質問もされたとのこと。他社と比較することで、志望度の高さを確かめている可能性が考えられます。
手がける事業や顧客層、社風などさまざまな観点で競合他社との違いを示し、高い入社意欲をアピールしましょう。
三井住友信託銀行の本選考フロー
三井住友信託銀行の選考フローは以下のように進みます。
1. ES
2. Webテスト
3. 座談会
4. リクルーター面談
5. 1次面接
6. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. ESの選考基準:「ストレス耐性」と「チーム力」が試される
2020年卒の三井住友信託銀行の本選考では、ESに以下の設問が課されました。
(1)大学時代に最も力を入れて取り組んだことを教えてください。(400字)
(2)新たなことを始めた時や環境の変化が起こった際に、苦労したこと、それをどう乗り越えたかについて教えてください。(200字)
(3)周囲と協力して活動した際に、やりがいを感じた経験について教えてください。(200字)
(4)興味のある業務(選択式)
※出典:三井住友信託銀行|Gコース2020年卒のES
ESの位置付け:選考の質問材料としても使われる! 深掘りされる可能性あり
SMTBのESの内容は、後の面接において問われるケースも多いようです。深掘りに対応できるように入念に対策しましょう。
なかでも設問(2)と設問(3)は「ストレス耐性」と「協調性」が試され、SMTBが重視しているポイントであると考えられます。特に注意して丁寧に書くのがおすすめです。
設問(1)の選考基準:「イメージのしやすさ」を重視して書こう
「大学時代に最も力を入れて取り組んだこと」は「イメージのしやすさ」を重視して書きましょう。ESを読んだ面接官が、エピソードの情景を思い描けるのがベストです。
次の3つのポイントをおさえると、よりわかりやすく活動内容を伝えられます。
・結論ファーストで書く
・人数や期間をわかりやすくするために定量的に書く
・専門用語を多用しない
論理展開や言葉選びに注意して、わかりやすい文章作成を心がけるのが大切です。
設問(2):「逆境を乗り越えるタフさ」と「ストレス耐性」を示そう
設問(2)では「逆境を乗り越えるタフさ」を示すのがポイントです。「困難に対してどう対応するか」を試されている可能性があります。
SMTBは独立信託銀行であるがゆえに、自社のみで顧客を獲得する必要があり「困難」な場面も少なくありません。
苦しい環境も乗り越える「バイタリティ」や「ストレス耐性」を示すのをおすすめします。実際に内定者は「SMTBの選考では、ハードワークに耐えられるかという点でタフさを示すことは必須である」と話していました。
タフさを具体的に示すためには、以下のポイントを取り入れながら書くのがおすすめです。
・苦労したこと、困難だった経験の深刻性
・困難に直面して感じたことや考えたこと
・困難を乗り越えるために実行した施策
・活動の期間(コミットした時間を定量的に)
・経験を通して学んだこと
困難の内容に自分の感情をのせて「どう乗り越えたか」を具体的に書きましょう。
設問(3):信頼関係を築きチームで行動する「協調性」をアピールしよう
設問(3)で意識すべきポイントは「協調性」を示すこと。信頼関係を築いた経験から「チームメンバーと協調し活躍できるか」を試されている可能性があります。
SMTBは顧客からの信頼を得るのが必須なうえに、社内での連携も必要不可欠だからです。よって協調性は業務を円滑に進めるためには大切なポイントといえます。
協調性を示すためには以下の内容を取り入れて回答するのが良いでしょう。
・1人では成し遂げられなかったことを人と協力したからこそ達成できた
・人と協力した結果「1+1=3」にできた
・他人との協力の際に感じたこと
・他人との協力を通じて学んだこと
・他人との協力の必要性を実感したこと
他人と協調して得られた結果と過程を、具体的に書くのが大切です。
2. Webテストの選考基準:ボーダーは高くない! 苦手な人は問題集を解いておこう
三井住友信託銀行のWebテストは自宅受験で形式はSPI。「言語」「非言語」「性格」の3つが出題されます。
難易度は他社と比べても、そこまで高くないようです。内定者も「ここで落ちる人はあまりいないように感じた」と話していました。
とはいえ、落とされる可能性もゼロではありません。苦手な人は油断せず、問題集を解いて練習しておくと良いでしょう。
3. 座談会の選考基準:志望者は参加必須! 出席するとリクルーターがつく
本エントリーをすると「Gコースセミナー」と呼ばれる座談会に案内されます。参加社員数は20~30人程度で、希望の部署の社員1人から話を聞話を聞ける約1時間のイベントです。過去には次のような内容で行われました。
・仕事内容の例……ロンドンの不動産管理(ビルの売買)やロンドンにある外銀保有の債権を運用など。
・社員の雰囲気……明るくて話上手、積極的な人が多い。
・社員の声……「独立系銀行ということもあり、自分自身の専門性を高められる・自分の力で挑戦できる環境」「メガバンクは金利問題で収入源を投資関連に移行させようとしている。その移行先は信託銀行がやっているような業務であるため、もともと専門的にやっていたわれわれの方が有利」など。
※出典:三井住友信託銀行|Gコース2020年卒の座談会
SMTBを志望する学生は「Gコースセミナー」に必ず参加するのをおすすめします。イベントに出席するとリクルーターがつくからです。
内定者の話によると「リクルーター経由以外で内定者はほとんどいない」とのこと。ES・Webテスト通過者は基本的に参加できるので、できるだけ出席するようにしましょう。
イベント当日は話を「メモしておく」のも大切です。聞いた内容を面接で生かせる可能性がります。
「どんな部署で働きたいか」の質問をされた場合も、具体的な部署名が述べられれば志望度の高さをアピールできるかもしれません。
4. リクルーター面談の選考基準:最大7回程度行われる! 事前準備を入念に行おう
1次面接は学生1~2人に対し、社員1人で行われるリクルーター面接。「質問会」の名目で行われますが、実質的に選考の要素も含んでいます。
内定者の話によると、次回以降の選考に呼ばれなかった学生もいるそうです。選考に残るためにも、事前にしっかりと対策しておきましょう。
過去は次のような内容で行われました。
<概要>
・本エントリー後、人事面接前に行われた社員との面接
・表向きは「質問会」だが、順次呼ばれなくなる学生がいるため、実質的な選考
・毎回違う社員との面接で、3〜7回程度
<流れ>
受付→社員が1人ずつ学生を迎えに来る→自己紹介→社員が行っている仕事の説明→各自聞きたいことを質問→3〜4日以内に電話で通知
<社員に対する質問例>
・具体的な業務内容
・職場の雰囲気
・なぜこの企業を選んだか
など
※出典:三井住友信託銀行|Gコース2020年卒のリクルーター面談
リクルーター面談は合計で3~7回程度行われる選考です。回数は人によって異なります。
内定者を担当した現場社員いわく、選考基準は「一緒に働きたいと思うか否か」だそうです。
当日にパフォーマンスを発揮して高評価を得られるように、入念な準備をして臨みましょう。
特に次の2つの対策をするのがおすすめです。
・当日にしたい質問内容をまとめる
・自己紹介、学生時代に頑張ったこと、志望動機を用意する
リクルーター面談では逆質問の時間が設けられます。スムーズに的確な質問ができるように、あらかじめ内容を考えておきましょう。積極的に質問ができれば、志望度の高さをアピールできるかもしれません。
社員によっては、学生時代の経験を質問される場合もあります。自己紹介や志望動機とあわせて、答えられるようにしておくと安心です。
当日は社員に「一緒に働きたい」と思わせるために、印象の良い立ち振る舞いをするのも重要。
適度に相づちを打ち、共感を示すことでSMTBへの関心度合いを示しましょう。自分の意見も積極的に述べられれば、より志望度の高さが伝わるはずです。
5. 1次面接の選考基準:1回目が重要! 質問内容を想定して事前に対策しよう
1次面接は社員1人に対し学生1人の個人面接。「人事面談」の名目で行われるそうです。過去には次のような質問がされました。
・学生時代に一番頑張ったことはなにか
└どんなことに苦労したのか、どんな困難があったか、その困難をどう乗り越えたのか
・大学での勉強について
・ES記載内容以外に頑張ったことはあるか
・入社後にどんな働き方をしたいか
・なぜ信託を志望するのか
・なぜ三井住友信託銀行なのか(なぜ三菱UFJ信託銀行ではないのか)
・入社後の仕事はキツいけど大丈夫か(キツい仕事にも耐えられるか)
など
※出典:三井住友信託銀行|Gコース2020年卒のリクルーター面談
人事面談の回数は2〜4回程度。学生によって回数は異なります。なかでも注意すべき選考は1回目の面談です。
ある内定者は「1回目の人事面談で説得力のある志望動機、SMTBへの適性、入社意思を示せれば2回で内定をもらえる。逆にそれが弱い人は2回以上の組に回されていたのではないか」と話していました。
「学生時代に頑張ったこと」「志望動機」「入社後にどんな働き方をしたいか」について掘り下げられるようなので、しっかりと対策しておきましょう。
「学生時代に頑張ったこと」は「逆境を乗り越えるタフさ」と仲間から信頼を得たうえでチームプレーができる「協調性」を示すのがポイントです。
「志望動機」を述べる際も「競合との差別化」を明確にしたうえで回答するのが大切。他の金融機関と比較してSMTBが良いと感じる点をあらかじめ準備しておきましょう。
「学生時代に頑張ったこと」と「志望動機」の対策は「選考全体のポイント」の内容を振り返って対策するのがおすすめです。
「入社後にどんな働き方がしたいか」は、根拠を明確にして回答するのが重要になります。リクルーター面談で聞いた話や学生時代の経験をベースに、説得力のある回答を心がけましょう。
6. 最終面接の選考基準:「SMTBに入社します」と言い切り高い入社意欲を示そう
最終面接は社員1人に対し学生1人で行われる個人面接です。「人事面談」の名目で行われます。過去には次のような質問がされました。
・学生時代に一番頑張ったことはなにか
└どんなことに苦労したのか、どんな困難があったか、その困難をどう乗り越えたのか
・ES記載内容以外に頑張ったことはあるか
・入社後にどんな働き方をしたいか
・なぜ信託を志望するのか
・なぜ三井住友信託銀行なのか(なぜ三菱UFJ信託銀行ではないのか)
・入社後の仕事はキツいけど大丈夫か(キツい仕事にも耐えられるか)
・両親はどんな人か・幼少期はどんなことをして過ごしたのか・どんなことを意識して就活を進めてきたのかなど
※出典:三井住友信託銀行|Gコース2020年卒の最終面接
最終面接の通過率は高いことが予想されます。内定者も「最終面接までたどり着いて内定をもらえなかった友人はいなかった」と話すほどです。
とはいえ、落とされる可能性もゼロではありません。「学生時代に頑張ったこと」「志望動機」「入社後にどんな働き方がしたいか」は聞かれる可能性もあります。油断せずしっかりと対策しましょう。
「選考全体のポイント」や1次面接の対策内容を参考に準備するのがおすすめです。
最終面接では「入社意思の固さ」も確認されます。自信を持って「SMTBに入社します」と言い切るのがベストです。
「内定が出たら就活を終わらせる」と宣言できるほどの、志望度の高さをアピールしましょう。
おわりに
ここまで、三井住友信託銀行の本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
三井住友信託銀行の選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
(Photo:totojang1977, wanpatsorn/Shutterstock.com)