こんにちは、2020年卒のドンドコマン(@dondocoman)です。
世渡り上手な学生の既得権益である「上っ面の就活ライフハック」を市場に流出させるため、ワンキャリアで記事を書かせていただいています。
▼前回記事はこちら
今回紹介するのは理系学生に向けたライフハックです。
理系の就活はさまざまですよね。専攻内容を生かしてIT企業やメーカーの技術職を受ける人がいる一方で、商社やデベロッパー、広告代理店などを目指す学生も少なくないでしょう。
「文系就職」。
総合職への就職はそんな言葉でくくられることが多いですが、決して理系の学生が勝負できないわけではありません。むしろ、きちんと研究で培ってきた素養をアピールできれば文系学生を圧倒できます。
文系学生と理系学生の間にある「就活力」の差は、はっきり言って、そのほとんどが就活に投資できる時間の差に起因しています。
授業に出席を要しないことが多い文系の学生が、研究に追われる理系の学生に対して投資時間の量で圧倒できることは、当然と言えば当然です。
今まで就活を効率的に進められるようなライフハックを発信してきた私も理系学生であり、文系学生と同じレベルに達するまでにそれなりの時間を割いたことは否めません。
では、理系の学生はどのように就活を乗り越えれば良いのか。
今回は、学業に忙しくガクチカ(学生時代力を入れたこと)も必然的に研究になってくる理系学生が、主に文系就活で戦う方法を考察したいと思います。
「カフェの売上を1.5倍にした」より「電車の乗客数を1.5倍にした」の方が素材は面白い
まず前提として、ガクチカの評価点は【結果達成のプロセス】と【素材が面白いか】の2点にあると私は考えています。
例えば、「カフェのアルバイトで課題を発見・解決し、売上を1.5倍にした」というような話をどこかで聞いたことがあると思います。
この場合、前者の【結果達成のプロセス】は魅せ方によっては評価されるかもしれませんが、後者の【素材が面白いか】に関してはかなり劣ると思われます。
では、「駅員のアルバイトとして課題を発見・解決し、電車に押し込める客数を1.5倍にした」だとどうでしょう。
同じく【結果達成のプロセス】は魅せ方次第(難しい⁉︎)ですが、【素材が面白いか】のポイントは高く、面接官を惹(ひ)きつけることができるでしょう。
語弊を恐れず、研究内容を身近な話題と結びつける
ガクチカといえば、部活動や海外留学、学生団体や長期インターンの経験を話す人が多いようで、研究というと何かとっつきにくい印象を与えてしまうかもしれません。
ただ、それは【素材が面白いか】という点では、面接官が理系の研究に興味を持ちにくく、【結果達成のプロセス】も難しすぎて、それがすごいのか判断不能であるだけに過ぎません。
特に、無意識のうちに使用してしまう専門用語の数々は面接官にとっては難しく、話の魅力を半減させてしまいます。
そこで研究の内容に関しては、多少の語弊を恐れずに一般ウケする事象まで抽象度を上げたり、身近な事例と掛け合わせたりすることを心がけてみてください。
普段は正確な表現や、現実的な応用例にこだわるかもしれませんが、相手は素人です。向こうが突っ込める話にしてください。分かりやすい夢を語ってください。子供でも分かるように話す、という意識で良いと思います。
【例】
「リモートセンシング技術を使って、地域における衛星画像の輝度値の変化について研究しています」
→「人工衛星から撮った写真をPC上で色分けして、地震の被害状況を調べる研究をしています。政府が出す避難情報とかもこれに基づいてるんです」「都市計画区域の指定と土地利用制御効果に関する研究をしています」
→「まちづくりを進めたい自治体に、『ここは開発しない方が良い』といったアドバイスをするための証拠集めをしています。人気の武蔵小杉とか、結構危ないんですよ」「低分子化アルギン酸ナトリウムという健康食品に含まれる分子の効能について研究しています」
→「黒ウーロン茶やダイエットコーラの成分が本当に健康に良いのかってことを電子顕微鏡で調べています。水素水がインチキってことは常識ですよw」
真面目な理系学生は社会人基礎力が高い?
また、研究の経験が入社後に役立つことをアピールするのも有効です。これは専攻内容が役立つということではありません。
そもそも研究というのは
- 興味を持った分野で
- 疑問を持ち
- 先行研究を調べた上で
- 自らの疑問にオリジナリティを持たせ
- 結果の仮説を立てて
- 証明するのに最適な手法を選択し
- 結果を出して
- ドキュメントにまとめ
- 人前で話す
という、仕事で必要な要素が網羅されています。
これらを入社後の業務のアナロジーとして伝えられれば、「入社後も活躍できそうだ」と印象付けられるでしょう。
例えば【先行研究を調べる】は競合他社のリサーチに応用できますし、【証明するのに最適な手法を選択する】はプロジェクトの経済合理性を追求することにつなげられます。学会など【人前で話す】経験があれば、コンペに対する意気込みを述べても良いでしょう。
本気で研究に打ち込んできた学生からすれば、これらが屁理屈(へりくつ)に見えるのは分かっています。
しかし、研究で培った考え方がいかに多くの事柄に応用できるかを分かりやすく話すことは、内定に近づく第一歩なのです。
このようなアピール方法は、真面目に研究をやったことのない文系学生には難しく、大きく差別化できる要因になると考えています。
最近は、総合商社やデベロッパーで理系学生(特に理系院生)の採用が多くなっているようなので、皆さんにとっては追い風のはずです。
「文系就職」を目指す理系学生にとって、少しでも参考になれば幸いです。
以上、ドンドコマンでした。
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(Photo:Edward Fielding , Just dance , happycreator/Shutterstock.com)