こんにちは、ワンキャリア編集部です。
100%政府出資の金融機関である日本政策金融公庫(以下、日本公庫)。
日本の経済を支えるために、重要な役割を担っています。
この記事では、複数ある職種のなかでも「総合職」に絞り、選考対策の具体的なポイントをまとめてお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●日本公庫の社風
●日本公庫の本選考のポイント
●日本公庫の本選考のフロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. リクルーター面談
・4. 1次面接
・5. 2次面接
・6. 最終面接
●おわりに
日本公庫の社風:100%政府出資の「国民のセーフティーネット」的存在
日本公庫の最大の特徴は、発行する株式すべてを政府が保有していることです(※1)。
政府系金融機関として資金調達が困難な中小企業や個人に対し援助を行う「国民のセーフティーネット」のような役割を果たしています。
他の金融機関とは融資基準も同じではありません。具体的な違いは下記を参考にしてみてください。
・商工組合中央金庫:半民半官で審査のハードルが高く、比較的ステージの進んだ会社向け。
・日本政策投資銀行:半民半官で扱う案件は大企業向けや大規模なプロジェクトが多い。
・メガバンク:民間企業であり利益追求が目的。一定の審査のもと融資を行う。
日本公庫が展開するメイン事業は「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つ。
内定者の大半が2つの事業のどちらかに配属されるそうです。
国民生活事業は小規模事業者を中心に資金調達や経営アドバイスを行います。
日本の企業数の約85%(※2)は小規模事業者であるため、日本経済を支える活力の源泉といっても過言ではありません。
中小企業事業は日本の全企業数の99%を占める中小企業、小規模事業者に対する資金調達や経営アドバイスを行う事業です(※3)。
ベンチャー企業を支援する「新事業育成資金」にも注力し、民間の金融機関では融資できない企業に対しても公益性の観点から支援を行えます(※4)。
利益を目的とせずに中小企業や個人事業主の創業期から、成熟期までサポートできるのが日本公庫ならではの魅力といえるでしょう。
また、日本公庫はライフイベントに合わせて柔軟な働き方をしたい学生にも向いています。勤務地や働き方を変えられる制度が整っているからです。
なかでも「結婚特例制度」を活用すれば、結婚後に配偶者と同じ地域の職場に異動でき、2年間は転勤の対象にはなりません(※5)。
ライフイベントに合わせて働き方を柔軟にかえ、中長期的に働き続けられる環境に身を置きたい人にとって最適な職場といえるでしょう。
(※1)参考:日本政策金融公庫「よくある質問」
(※2)参考:日本政策金融公庫「国民生活事業」
(※3)参考:日本政策金融公庫「中小企業分野における政策金融」
(※4)参考:日本政策金融公庫「公庫の新事業・ベンチャー支援事例」
(※5)参考:日本政策金融公庫「転勤特例制度の詳細」
日本公庫の本選考のポイント:複数の選考優遇あり! 他社と差別化し高い志望度を示そう
日本公庫は選考において、複数の優遇ルートがあるのが特徴です。
過去には冬インターン参加者やリクルーター面談で高評価の学生は、選考ステップが一部省略されました。
ただし2022年卒以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で選考ステップが変更される可能性がありますのでご注意ください。
選考を突破するためには、併願企業との差異を理解したうえで高い志望度を示しましょう。
商工組合中央金庫やDBJ(日本政策投資銀行)などの競合企業と併願する学生が多く、内定後に他社へ流れてしまうことを懸念している可能性があるからです。
顧客層や融資基準などを踏まえて他社との違いを明確にし「なぜ日本公庫か」を示せるように心がけてください。
日本公庫への適性をアピールするためには、泥臭い仕事にも粘り強く取り組める姿勢を示すことも重要です。
現場主義であり、業務では顧客のもとへ何度も足を運んだり資料作成をしたりといった、地味な仕事も少なくありません。
現場で活躍できるような粘り強さを、選考では意識してアピールするのがおすすめです。
実際にある内定者は「部活動で培った持ち前の粘り強さで顧客の手助けを行いたい」と回答し、高評価を得ていました。
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日本公庫の本選考フロー
日本公庫の選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. リクルーター面談
4. 1次面接
5. 2次面接
6. 最終面接
それぞれのポイントを見ていきましょう。
1. エントリーシート(ES):他金融機関との違いを明確にして、志望度と企業の理解度を示そう
エントリーシート(ES)に記載した内容は、後の面接の材料として活用される傾向があります。深掘りに対応できるように、しっかりと対策しましょう。
過去には次のような質問がされました。
(1)日本政策金融公庫の志望理由(150字以内)
(2)学生時代に力を入れたこと・そこから学んだこと(要約30字、本文250字)
(3)希望する事業・その理由(250字以内)
(4)選んだ事業の中でさらに希望する分野・その理由(250字程度)
※出典:日本政策金融公庫|総合職2021年卒本選考のES
日本公庫のESを作成する際は、他金融機関との違いを明確にしつつ日本公庫の志望理由を示すことを意識してください。他社と差別化することで、志望動機に説得力が生まれます。
また、志望動機は、日本公庫の最大の魅力を押さえたうえで作成しましょう。
利益を追求せず公益性を重視するため、民間企業が融資できないようなリスクの高い中小企業や個人事業主にも対応できます。
顧客層や融資基準などの観点を踏まえて、他社との違いを明確にし「日本公庫であるべき理由」を示せるESになるよう心がけてください。
▼ES作成に関するおすすめの記事はこちら
・【エントリーシート(ES)完全対策版】下準備(自己分析)から書く際のコツ・書き方、頻出質問への回答例、業界ごとの特性まで全て解説!
2. Webテストの選考基準:形式はSPI! ボーダーラインも一般的
Webテストの形式はSPIで、ボーダーラインも一般的です。
内定者いわく、8割程度の正答率で通過できたそうです。
不安な方は参考書や他社の選考で練習し、問題に慣れておくと良いでしょう。
・【主要3方式〈テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング〉対応】 これが本当のSPI3だ! 2023年度版
3. リクルーター面談:逆質問がメイン! アドバイスをもらい本選考に生かそう
ESとWebテストに通過すると、案内されるのがリクルーター面談です。
社員と学生の1対1で行う個人面談で、実施回数は学生によって異なります。
3回程度の場合が多く、回数を重ねるごとに社員の年次が上がる傾向にあります。
内定者いわく面談はフランクな雰囲気で行われるようですが、選考の要素もゼロとは言い切れませんので、油断せず臨んでください。
内容は逆質問がメインです。企業への理解度や志望度を判断される可能性もあるため、事前にリサーチをし複数の質問を用意しておくと安心です。
企業説明会や下記の会社ホームページを参考に、情報収集を行うことをおすすめします。
<日本公庫ホームページ>
・国民生活事業のご案内
・中小企業事業のご案内
リクルーター面談は本選考のアドバイスをもらえる場でもあります。志望動機や学生時代に頑張ったこと、自己PRなどを添削してもらい、回答をブラッシュアップさせましょう。
ある内定者は「国民生活事業部のなかで創業支援を行いたい」と述べると、面談担当者から「創業は新人はほとんど担当しないし、人数も少ないから中小企業の融資の方が受けがいいよ」とアドバイスをもらったそうです。
4. 1次面接:学生時代の経験を深ぼり、準備をして臨もう
1次面接は社員と学生の1対1で行う約45分の個人面接です。過去には次のような質問がされました。
・学生時代に力を入れたこと
・アルバイトについて
・学業成績について
・転勤は大丈夫か
・逆質問
など
※出典:日本政策金融公庫|総合職2021年卒本選考の1次面接
1次面接を突破するためのポイントは下記の3つです。
・学生時代のエピソードを深ぼり、整理しておく
・泥臭い仕事に粘り強く取り組めることを示す
・第一志望と言い切る
主にESの内容に沿って質問されます。
学生時代の経験では、人柄をチェックされていると考えられます。事実関係、行動意図、結果、今に生かされている学びなどを整理して、話せるように準備しておくと安心です。
また、日本公庫の面接では学生時代に勉強したことについて、深堀りをされる傾向があります。その際も、具体的な研究内容からその分野を専攻した背景まで詳しく述べ、勉強への真摯(しんし)な姿勢を示せることが重要です。
特に粘り強さが発揮された経験を振り返り、現場でも活躍できる姿を面接官にイメージさせましょう。
ある内定者は、サークルの代表として泥臭い仕事を自ら率先して行ったエピソードを語ったそうです。
他の金融機関との違いを明確にしつつ、日本公庫への志望度の高さをアピールできると説得力も生まれます。
5. 2次面接:志望度の高さが大きな焦点! 他金融機関との比較を踏まえて語ろう
2次面接は社員と学生の1対1で行われる約45分程度の個人面接です。
1次面接から20分~30分程度の休憩をはさんで実施されます。
過去には次のような質問がされました。
・就活状況
・日本公庫の志望度
・志望理由(他の政府系金融機関との違い)
・学生時代に力を入れたこと
・逆質問
など
※出典:日本政策金融公庫|総合職2021年卒本選考の2次面接
2次面接は1次面接と比べて志望度の高さがより重視される傾向があります。
ESや1次面接と同様に、他の金融機関との違いを明確にしたうえで「なぜ日本公庫なのか」をはっきりと示すのがいいでしょう。
他の対策内容は1次面接と変わりません。下記の内容を意識してのぞみましょう。
・学生時代のエピソードを深ぼり、整理しておく
・泥臭い仕事に粘り強く取り組めることを示す
・第一志望と言い切る
ただし1次面接で回答した内容と、矛盾が生じないように注意してください。ある内定者は「1次面接後の休憩時間に、自分が話した内容をメモしておくといい」と述べていました。
6. 最終面接:圧倒的な志望度の高さを示して内定を勝ち取ろう
最終面接は社員と学生の1対1で行われる約45分程度の個人面接。過去には次のような内容の質問がされました。
・学業成績について
・転勤可否の確認
・自分の強みをどのように仕事に生かすことができるか
・逆質問
など
※出典:日本政策金融公庫|総合職2021年卒本選考の最終面接
最終面接でも選考要素があり、落とされる学生も少なくありません。
選考を突破するために重要なのは「圧倒的な志望度の高さ」。これまでの選考と同様に「第一志望です」とはっきりと言い切ることが大切です。
2次面接の対策と同様に、他の金融機関との違いを日本公庫の優位性をふまえて語ると志望理由にも説得力が生まれます。
最終面接ではこれまでの回答内容を引き継がれていると考えられます。答えに矛盾が生じないように、一貫性のある回答を心がけてください。
各選考後はメモをとり、面接前に見返すのがおすすめです。
転勤の可否について質問された際は、躊躇(ちゅうちょ)せず可能である旨を伝えましょう。
ためらうと面接官に不安を与えてしまう可能性があります。
上記の質問は即答し、志望度の高さをアピールするのがベストです。
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おわりに
ここまで、日本公庫の本選考を突破するポイントをお届けしました。
みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
日本公庫の選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
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(Photo:shigemi okano/Shutterstock.com)