※こちらは2019年1月に公開された記事の再掲です。
こんにちは、ワンキャリ編集部です。
世界屈指の広告企業である電通と、米国発のイノベーションをリードするGeneral Electric Company.(GE)のDNAを併せ持つIT専門家集団を知っていますか?
ワンキャリアは電通国際情報サービス(Information Services International-Dentsu, Ltd.以下、ISID)を総力特集。全3回にわたり、同社の魅力に迫ります。
第2弾となる今回は、同社ビジネス・イノベーション本部において新領域ビジネスの企画、推進に従事する森賀梢さんにお話を伺いました。森賀さんは、新卒入社当初数年間、技術職として仕事を経験したのち、営業職へとジョブチェンジを経験しています。その経緯を含め、理系学部出身で営業職として勤務する面白みから、「SIer=激務」のイメージを裏切る働きやすい職場環境まで、就活生が知りたい情報を包み隠さずお答えいただきました。
常に最先端の技術に触れられる、刺激的な仕事
──今日はよろしくお願いします。SIer(システムインテグレーター)は近年、理系学生はもちろん、文系学生からの人気も高まっています。その仕事内容や働き方に興味を持っている学生さんも多いです。まずは、森賀さんの現在の仕事内容を教えていただけますか?
森賀梢(もりが こずえ):2010年入社。入社から3年間は技術職として、製造業界向けのソリューションや自社開発に携わったのち、社内制度を活用して営業職にジョブチェンジ。現在は、DXマーケティング部で、主に製造業向けの、新技術を活用したサービス・プロダクトの企画・マーケティング・営業に従事。(所属部署はインタビュー当時のものです)
森賀:ビッグデータや機械学習といった技術を活用する新領域ビジネスを企画・推進する部署に所属しています。お客様のビジネス上の課題を解決するために、海外のパートナー企業が提供する最新のソリューションの紹介や導入支援を担当しています。
例えば製造業のお客様には、さまざまな製品や設備の稼働状況に関するデータを基に、故障時期を予測・診断するソリューションを提供しています。
──実際にお客様に喜んでもらったエピソードを教えていただけますか?
森賀:日系大手メーカーの事例を紹介します。そのお客様は、製品の品質は非常に高いにもかかわらず、国際的なプレゼンスが低いことに悩んでいました。リサーチの結果、競合する海外メーカーのような、「製品に異常が発生した際のアラート機能や故障時期の予測機能」を予め製品に組み込み、壊れる前に異常を発見して交換できるような付加価値の高い製品をエンドユーザに提供できていないと分かりました。そこで私たちが、海外で高い評価を受けているシミュレーションソフトウエアを紹介・導入したところ「今後の、より競争力の高い製品の開発に生かせるデータを取ることができた」と大変喜んでいただけました。
日本のモノづくりはその品質の高さから「(そもそも)壊れない」ことが強みですが、「壊れない」ための製品開発のノウハウが、特定の技術者に偏り属人化してしまっていることや、そのノウハウを、モノづくりのシステムに落とし込めていないことなどが国際競争力を伸ばしきれない要因の1つにもなっています。今後はこのケースように、ビッグデータを活用した予測分析など、データドリブンな取り組みやソリューションを普及させていくことが重要だと思っています。
──現在の仕事の楽しい点と、苦労している点についても伺いたいです。
森賀:最新のテクノロジーに触れる機会が多いのは刺激的ですよね。新しい情報を仕入れてくるために、海外出張の機会も劇的に増えました(笑)。お客様に「こんなソフトウエアを、よく見つけてきましたね!」と感謝していただけるのはうれしいです。
一方、楽しさの裏返しでもありますが、常にトレンドをキャッチアップし続けなければいけない大変さはあります。自分が知らないことでも、社内の詳しい人にこまめにヒアリングするなどして対応していますね。
ISIDの「就活っぽくない」インターンに魅せられた
──続いて、ご自身の就活経験について教えてください。森賀さんは、理系のご出身なのですよね。
森賀:はい。システム工学科にいたので、プログラミングや確率・統計などの基礎知識はありました。周囲にはシステムエンジニア(SE)志望が多く、私もIT企業やメーカーを中心に見ていました。
──ISIDを知ったきっかけは何ですか?
森賀:大学3年生の冬に、大学の先輩からインターンに誘われたのがきっかけです。当時は業界を絞らずにさまざまな会社を見てみたいと思っていたので、深く考えずに参加しました。
すると、そのインターンが思った以上に面白くて。一般的な就活のように「会社概要の説明を聞いて、エントリーをして……」といった流れを想定していたのですが、実際のインターンは与えられたテーマに沿ってディスカッションし、最後にそれをプレゼンするという内容でした。「変わっていて面白いな」と思い、選考に参加する意欲が湧いたんです。
──ISIDに入社することになった、1番の決め手は何だったのでしょうか?
森賀:「人」ですね。説明会や座談会で現場の社員と話してみると、楽しそうにイキイキと仕事をしている方ばかりで。業務内容というよりも、「この人たちとだったら、つらい仕事があったとしても乗り越えていけそうだな」と思えたのが決め手でした。
特に印象的だったのが、活躍している女性社員の存在です。その方はもともとIT知識がなかったにもかかわらず、新卒1〜2年目で学生の私でも知っている大手企業の担当を任されていたんです。「性別や年齢にかかわらず、やりがいのある仕事を任せてくれる会社なんだな」と思い、好感を抱きました。
ジョブチェンジは「どこでも生きていけるスキルと自信」を身につけさせてくれた
──そうした経緯でISIDに入社し、10年ほど働いてきた森賀さん。他のSIerと比較して、ISIDならではの強みは何だと思いますか。
森賀:事業環境と人事制度どちらを取っても、「幅広いフィールドで仕事ができること」が魅力です。金融業界から製造業界、流通・サービス業界その他まで本当に幅広い業種業態のクライアントを抱えていますし、事業部をまたいでのビジネスも盛んです。イメージは、あるクライアントに対して複数の事業部門から専門家が集まってチームを組み、課題解決にあたるようなプロジェクトですね。その結果、今まで知らなかった技術やソリューション、あるいはクライアントとの関わり方(コンサルタントやSE、営業など)を知る機会も増えていると思います。そういうきっかけもあって、ISIDでは自分で手を挙げてプロジェクトに参加させてもらったり、ジョブチェンジしていくことが多いですね。実際に、私も自ら手を挙げて技術職から営業職に移りました。
ジョブチェンジによって、社内のさまざまな部署に知り合いができるので、困った時に頼れる人が増えました。また、仕事で関わる業界の種類も増えるので、自分の知らなかった世界をたくさん知ることができて勉強になります。
──ジョブチェンジやローテーションは、就活生の間でも賛否が分かれるポイントです。さまざまな部署を渡り歩くと、専門的なスキルが身につかないので、「つぶしがきかない」のではないか? と懸念する声もあります。
森賀:むしろ、ジョブチェンジやローテーションでしか身につかないスキルもあるのではないでしょうか。私は、どこに行ってもうまくやっていける、関係構築力が身につきました。それが社内であれ、クライアントであれ、ビジネスの現場では日々多くの人と接していくことになります。「この人とはこう接するとお互いにうまくいく」と見極め、チームを良い方向に導いていくスキルは、さまざまな部署を渡り歩いたからこそ身についたものだと思います。
19時に残業していると「遅くまでどうしたの?」
──学生の懸念について、もう1つ質問させてください。トップ就活生へのヒアリングによると、IT技術職(SE、ITコンサルタント)は長時間労働が当たり前の「ブラック」な印象を持たれています。その点についてはどうお考えですか?
森賀:ISIDは、SIerにイメージされるようなキツさは、私自身の経験からすると無いと思います。部署にもよるとは思いますが、深夜まで残業するケースはほとんどありません。今の部署では、19時まで残っているだけでも「今日は遅いね。どうしたの?」と心配されます。プライベートも大事にしている人が多く、管理職が率先して早く帰ったり、テレワークを実践するメンバーもたくさんいるんです。
とはいえ、請負仕事ゆえの苦労はゼロではありません。お客様への納品物に不具合が生じてしまい、怒られることもあります。けれど、困ったときは、社内のメンバーが部署を問わず気にかけて手助けしてくれます。当時は苦労したことも、時が経てば「あの時は大変だったね」とお客様とともに懐かしむ思い出になっていますね。
軌道修正はいくらでもできる。肩肘を張りすぎずに就活を進めよう
──森賀さんが思う、SIerで働きたい人に必要な資質とは何でしょうか?
森賀:分からないことを「分からない」とい言える素直さと、しっかりと自分の意見が言える自立性の両方を兼ね備えていることが求められると思います。それを持ち合わせている若手は伸びている印象がありますね。
──特に理系の学生さんたちは気になる点だと思いますが、大学で学んだことは現在の業務に生きていますか?
森賀:はい。意外に感じるかもしれないですが、技術職だった時よりも、営業職になってからの方が生きています。技術職時代は専攻と異なる領域の事業部に所属していたこともあり、学部レベルの知識がそのまま使えるケースは多くありませんでした。そもそも、私は大学で学んだことに直結する仕事に就こうとは考えていなかったので、そこに悩むことはありませんでしたが。
理系の専門知識が価値を生み出せるフィールドは、技術職だけではないとお伝えしたいです。それに、一言で理系といっても中には本当に色々な学問がありますよね。ISIDはとにかく事業領域が幅広いので、自分の専門領域が生かせるポジションはどこかで必ず見つかると思いますよ。
──森賀さんの、今後の目標についても教えていただけますか?
森賀:まずは、今の仕事でより大きな成果を出していきたいです。私は決して英語が得意ではありませんが、海外の企業とパートナーを組んでいくチャレンジングな仕事を任せていただいています。妊娠・出産など、これから迎えるライフイベントとの両立も意識しています。ISIDはプライベートとのバランスが取りやすいのも良いところなので、仕事はずっと続けていきたいと思っています。
──最後に、就職活動中の学生に向けてのメッセージをお願いします。
森賀:「軌道修正はいくらでもできるから、就活の時点で肩肘張りすぎなくても大丈夫だよ」と伝えたいです。私自身、就活をしていた時は「一生、技術職を続けていくんだろうな」と思っていましたが、実際に社会に出て働くなかで、他の好きなことに出会えました。ファーストキャリアだけでその後の人生が全て決まるわけではありません。転職も含めいくらでも方向転換は可能なので、リラックスして就活を進めてもらえるといいなと思います。
──ありがとうございました。
【ISID:特集】
第1回:「出る杭が打たれない」会社。電通×GEが生んだイノベーションのDNA
第2回:SIerってブラックなんですか?キャリアと働き方のリアルに迫る
第3回:「最新Tech」×「UXデザイン」対談。IT専門家集団の真価がここにある
【インタビューアー:めいこ/ライター:小池真幸/カメラマン:友寄英樹】